そよかぜから-映画

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ライムライト

2006年08月16日 | 人間/社会派ドラマ


1952年 アメリカ 137分
■原題「Limelight」
■2006.8.16 BS2
■監督 チャールズ・チャップリン
■出演 チャールズ・チャップリン(老道化師カルベロ)  クレア・ブルーム(テリー)  バスター・キートン  シドニー・チャップリン  ジェラルディン・チャップリン

《story》

20世紀の初め、第一次世界大戦前、初老のカルベロは、かつてのように舞台の仕事がなく、体に悪いとわかっているが、酒におぼれる日々だった。酔ったカルベロがアパートに帰ると、ガスのにおいがした。1階の部屋からだった。ドアを壊し、中に入ると、若い女性が倒れていた。部屋から連れ出し、医者に見せたところ、安静にしていれば回復するとのことで一安心。その女性は3階のカルベロのベッドで眠っていた。1階のその女性の部屋は、すぐに別の人の貸し出されてしまった。目を覚ました女性はテリーといい、バレエのダンサーだったが、過去の出来事がトラウマとなってうまく踊れず、そのために自殺を図ったのだった。カルベロのあたたかい介抱で、テリーは歩けるようになった。二人で生活をしながらお互いに励まし合った。テリーは、バレエで素質を認められ、有名になっていった。カルベロは、久しぶりに舞台に立っても、客が途中で出ていき、プライドを傷つけられていった。テリーの前には、かつて密かに思いを寄せていた作曲家のネビルが現れ、カルベロはテリーの前から姿を消した。
カルベロは、飲み屋で芸をしてお金をもらい暮らしていた。そこに偶然ネビルが現れ、テリーとカルベロは再開する。そして、テリーの計らいで、カルベロの記念公演が開かれることになった。今まで暖めておいた芸を披露するなどして、会場は拍手喝采。最後のショータイムで、背骨を損傷したカルベロは、舞台で踊るテリーを袖で見ながら息を引き取るのだった。

◎ルンペンの格好のチャップリンとちがうので少し戸惑う。それに声があるのだ。どちらかというと今までの山高帽のチャップリンが好きだ。特に「街の灯」が一番だと思っている。この「ライムライト」と「殺人狂時代」は姿がちがって声があるのでチャップリンのイメージとは離れてしまう。それとはちがった意味で好感の持てる映画だ。

まずは音楽、よく知られているメロディ。それにチャップリンが演奏しているバイオリン。バレーなど、素晴らしい芸術性があると思う。それにチャップリンの足技は最高だ。最後の足を短くするコントもおもしろいけど、チャップリン独特の足裁きが好きだ。

人はだれもが夢と希望を持って生きている。だれもが、彼らみたいに成功するとは限らない。それに、夢と希望があっても実力がない場合もある。でも、周りが支えながらでも、夢の実現向かうなら、最高の人生だと言えるだろう。カルベロは、その最高の舞台で最高の拍手の中で人生を終えることができた。幸せな人生だったと言えるだろう。あの拍手が、さくらなのか本物なのかわからない。しかし、それはもう問題ではなくなった。

もうひとつ言えるのは夢は一人では叶えられないということ。支え合える友がいて、夢に向けて進むことができる。テリーはカルベロに出会ったからこそ、ネビルはテリーに出会ったからこそ、カルベロはテリーに出会ったからこそ、大きくなれたのだと思う。