そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

クワイエットルームにようこそ

2009年01月31日 | コメディ


2007年 日本 118分
■2009.1.25 DVD
■監督 松尾スズキ
■出演
   内田有紀(佐倉明日香)  宮藤官九郎(鉄雄)
   蒼井優(ミキ)  りょう(江口)  中村優子(栗田)
   高橋真唯(サエ)  馬渕英俚可(チリチリ)
   筒井真理子(金原)  宍戸美和公(水原)
   平岩紙(山岸)  塚本晋也(元旦那)
   平田満(俳優)  徳井優(白井医師)
   峯村リエ(婦長)  武沢宏(芸人)
   伊勢志摩(白井医師)  箕輪はるか(患者)
   近藤春菜(明日香の友達)
   庵野秀明(松原医師)  河井克夫(内科医)
   俵万智(旅館の女将)  しりあがり寿(旅館の番頭)  川勝正幸(旅館の板前)
   しまおまほ(旅館の仲居)  妻夫木聡(コモノ)  大竹しのぶ(西野)

 《story》

「わたしは ここで 生まれ変わるのだ」

フリーライターの明日香は、目覚めると、ベッドの上で手足を拘束されていた。そこは、閉鎖病棟内の保護室、通称「クワイエットルーム」と呼ばれている部屋だった。締め切り迫った原稿書きに追われていたこと以外は覚えていない。そこからは、担当の先生と同棲相手の鉄雄の同意がないと出られない。自ら命を絶とうとした者や、食べたくても食べられないミキ、元AV女優の西野など、個性的な患者がたくさんいた。それに、規則べったりの冷めた看護士りょう。鉄雄はなかなか面会に来ない。弟分のコモノが来たとき、ショックで全身蕁麻疹が出た。閉じこめようとするりょうを論破し、ここでの生活に少し自信を持ち始めた矢先、西野が勝手に部屋に入り、鉄雄からの手紙を読み始めた。隠されていた記憶が蘇る。確かに自分は自分の意思で薬を多量に飲み死のうとした事実。

 何がまともで何が変?

現実は何なのかよくわからなくなる。「まとも」って何なのか、「変」ってどういうことなのか。この閉鎖病棟の人って変。でも、世の中にいっぱいいる人、どこにでもいる人のように思える。人のことを考えず、人の迷惑になることばかりする人、自分のことだけを優先する人。何かのこだわり続ける人、趣味の世界にどっぷりつかっている人。自分の命を体を大事にしない人。最後のこの一点が一番の違いかもしれない。実際のところ、この映画は何を言いたかったのかよくわからない。中にいる人が変で、外にいる人がまともとも言えない。死のうとしているのかそうでないのかのちがい。死んではいけないと自覚したとき、自分の進むべき道を理解したとき、ここから退院できるということなのだろうか。

 公式サイト「クワイエットルームにようこそ」

  外は木枯らし吹き荒れ、散歩どころではなかった。それほど冷たくはなかったけど、風邪は強かった。山の竹が大きくしなっていた。私の部屋は北西の角。窓はいつもブラインドが下りていて、昼間でも電気をつける。窓を開けると、すぐ隣の家の窓があり、中が丸見えだ。だからめったに開けない。窓は二重窓だから、外の音はほとんど聞こえてこない。散歩に出かけようかなと、ブラインドを少し開けて外を見る。遠くの木が大きく揺れている。今日は外に出られない。子どもの頃から、窓から外を見るのは好きだったが、ここからは隣の家の窓があって、じっと見ることができない。ほとんど開かずの窓。こんな日は、やっぱり映画を見て、本を読んで過ごすしかないのだろう。              


結婚しようよ

2009年01月31日 | ラブロマンス/青春


2007年 日本 120分
■2009.1.23 DVD
■監督 佐々部清
■出演
   三宅裕司(香取卓)  真野響子(香取幸子)
   藤澤恵麻(香取詩織)  AYAKO(香取歌織)
   金井勇太(木村充)  中ノ森BAND
   ガガガSP  田山涼成   岩城滉一(榊健太郎)
   モト冬樹(丸山勉)  入江若葉(菊島靖代)
   松方弘樹(菊島喜一)

 《story》

「吉田拓郎の名曲で彩る、父と家族の物語」
「オレの夢は消えていない。それは、家族のなかに生きている。」


香取家のきまりは、必ず家族そろって夕食をとること。長女詩織は大学4年で就職も決まった。妹の歌織はバンドを結成し仲間と活動。父卓は、かつて卓がライブをしていた店で働いていた母幸子と結婚。ギターを捨て、家族を一番に考えていた。ある日、駅まで吉田拓郎の曲のライブを見て口ずさんでいるところに、充が現れ、家族そろっての夕食に招待した。充は、震災で家族を失い、コンビニでバイトしながら、そば職人を目指していた。その充と詩織が親しくなっていく。歌織は、かつで父がライブしていた店「マークⅡ」のオーでションに合格。卓は、老夫婦に田舎暮らしに適した物件を販売。アフターケアーに努める。次第に、家族そろっての夕食ができなくなっていった。そんなとき、充と詩織が結婚すると言い出す。歌織はライブデビュー。成長していく娘たちを感じる卓。懐かしい店で結婚式を挙げることが決まった。そこに隠されたもう一つの結婚式。

 類は類を呼ぶのかも

家族を大事にしようとする人には、やっぱり家族を大事にしようとする人が集まる。お互いに感じるものがあるのかもしれない。自分と真反対の性格の人は、初めから敬遠してしまう。卓と充の出会いだって、いっしょにライブの場にいても声はかけない。通じるものがそこにあって、ごく自然に声をかける。昔はそんな出会いが私にもあった。自分から積極的に行動したことがあたった。今はもうそんなインスピレーションを感じることもなくなった。家族そろっての夕食。今の社会では珍しいことになってしまった。本当はそれが当たり前のことなのだと思う。夕方にはみんな家路について、食事をして、その日のことを話し合う。そんな当たり前のことが珍しくて、うらやましくて、憧れてしまうなんて、変だよね。吉田拓郎の歌は懐かしい。我が母校の出。音楽の成績はよくなかったとか、悪だったとか、いろんな噂があった。でも、歌はあのときの自分にとって良き時代を映し出す。古いもののよいところを取り戻したくなる映画だ。

 やっと一週間終わった。月曜日が一番しんどくて金曜日が待ち遠しい。今週の教訓、「開き直ること」しかも「予想もしておく」今まで、予想して不安になって動けなくなることが多かった。卑屈になって何かすることが怖くなって逃げ出してしまう。でも、それじゃあ物事は悪くなるばかり。やってみようじゃないか、と開き直ることも大事。失敗したっていい。何もしなかったら悪くなるだけ。開き直って考え、何か行動を起こせばいい方向に変わるかもしれない。そう思うと気持ちが落ち着いた。ちょっとでもいいことがあるとすぐに有頂天になってしまうので、「予想もしておく」それは、飛び出すと車が出てくるかもしれない、くらいの周りへの注意だ。まっすぐにしか見れない自分への警鐘だ。やってみようじゃないか。


IT/イット

2009年01月25日 | ホラー

1990年 アメリカ 188分
■原題「IT」
■2009.1.18 DVD
■監督 トミー・リー・ウォーレス
■出演
   リチャード・トーマス(ビル)  
   ジョナサン・ブランディス(ビル幼少時代)
   アネット・オトゥール(ベヴ)
   ジョン・リッター(ベン)   
   デニス・クリストファー(エディ)
   ハリー・アンダーソン(リッチー)  
   セス・グリーン(リッチー幼少時代)
   ティム・カリー(ペニーワイズ)
   オリヴィア・ハッセー(オードラー)   
   ティム・リード(マイク)
   マイケル・コール(ヘンリー)
   リチャード・メイサー   ブランドン・クレイン   アダム・ファライズル
   ベン・ヘラー   エミリー・パーキンス   マーロン・テイラー
   メリリン・ガン   キム・コンドラソフ
   
 《story》

1990年メイン州デリーで、子どもだけを狙った連続殺人事件が発生する。マイクは、30年前と同様、IT(イッツ)と呼んでいたピエロの仕業であると確信する。マイクは、かつての仲間との約束を思いだし、連絡して呼び寄せる。彼らもまた、子ども時代に体験したピエロの幻影を見ていた。子ども時代に弱虫クラブとして集まった7人は、それぞれがピエロの恐怖を体験した。そして、このままではいつか殺されてしまうと、地下の下水溝にもぐり、ピエロに銀の塊を打ち込む。ピエロは消えていなくなった。そして再び現れたとき、7人は再会し力を合わせることを約束。30年経って、そのときが来たのだ。再び地下の下水溝に潜る。そこに現れたのは・・・。

 ラストを除けば

幻影を見せるIT。自分たちにしか見えない恐怖。自分の目の前に広がっていく血の海が、他の人には見えない。自分だけが抱える恐怖。これは怖いと思う。でも、やっぱりラストはよくない。ITの正体はエイリアンだなんて、今までの恐怖はエイリアンが作り出していたのか。子どもを食用とするために殺す。でも、それではなぜ彼ら7人は恐怖だけ味わって、実際にやられなかったのか。何か、殺された他の子どもたちとちがうところがあったのか。それぞれの子どもの心の闇をつき、恐怖のどん底に陥れる手法は、精神的な恐怖をふくらませた。そして、その恐怖に立ち向かうために力を合わせる7人にも共感が生まれた。子ども時代の恐怖。そして30年経って、大人になって、再びあの恐怖がもどってきた。大人になった彼らは力を合わせることができるか。なんてここまではすばらしいと思う。でも、立ち向かっていた相手がエイリアンだったなんて。ガッカリ。

 『天国はまだ遠く』瀬尾まいこ・・・自殺をするために身の回りを整理し、遠く田舎にやってきた。客のいない民宿。薬を飲むが死ねなかった。何もない村。何も、というのは都会にある文明かな。テレビも、パソコンも、雑誌も・・・緑と田畑と、鳥の鳴き声と・・・・自然は心を癒す。民宿の田村さんも都会の人間ではなく、自然の一部のようにそこにいる。ゆっくり流れる時間。明日を恐れることのない今。そんな生活に憧れてしまう。生活に余裕があったなら、100万円あったなら100日くらい、こんな生活ができるかな。でも、家族がいて、子どもを学校にやらなければいけないし、今休めないのが現実。学校の学費を稼がないといけない。心が砕けるか、耐えて稼げるか、何かで力を得るか・・・。田舎に行くかな。私もやっぱり戻る人になるのかな。

K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝

2009年01月24日 | アクション


2008年 日本 137分
2009.1.12 TOHOシネマズ緑井
■監督 佐藤嗣麻子
■出演
   金城武(遠藤平吉)  松たか子(羽柴葉子)
   國村隼(源治)  高島礼子(菊子)
   本郷奏多(小林芳雄)  益岡徹(浪越警部)
   今井悠貴(シンスケ)  仲村トオル(明智小五郎)
   鹿賀丈史(謎の紳士)

 《story》

「怪人二十面相は誰だ。
    ちがう、おれは二十面相じゃない。」


1945年の架空都市。そこは極端な格差社会。身分がはっきりわかれ、世襲のため富める者は富み、貧しい者はいつもずっと貧しかった。そんな社会に、富める者からだけ盗む怪盗二十面相が現れた。美術品や骨董品をマジックでも使うように、華麗に盗んでいく。ある日、二十面相の盗みの現場にいたサーカスの平吉を、明智探偵は二十面相として逮捕する。源吉の手助けで逃げたものの、全国に指名手配される。平吉は、源吉から泥棒の虎の巻を借りて、修行し技術を身につけ、二十面相と戦うことを決意。平吉は、町中で、二十面相に追いかけられていた葉子を救出。二十面相は、葉子の祖父が発明したどこにでも電気を送る装置を狙っていた。そのカギを葉子が握っていた。平吉と葉子、そして真相をつきとめようと明智の協力し、二十面相を追いつめる。しかし、囚われた平吉の前に現れた二十面相の正体は・・。

 痛快でとても楽しい

映画館で切なくなったり悲しくなったりして涙があふれる映画がいいと思っていた。でも、最近の精神状態では楽しく見られる映画がいいと思うようになった。さわやかで笑い(無意味な笑い、人をバカにする笑いではない)があって、気持ちよく見ることができて、気持ちよく映画館を出て家路につける。基本は「寅さん」のような気がする。または「always」でもあるかもしれない。
極端な格差社会、未来はたいていそんな社会が多い。平等を目指してきた歴史は、また元にもどる。ある意味二十面相はヒーローだ。まるで「ルパン三世」のようなイメージがここにある。上流社会の明智探偵は、一見正義のヒーローに見えるがここではそうではない。ヒーローは階層にこだわらない。貧しい者の味方だ。だから、ラストの予感はあった。新しいヒーローの二十面相の誕生。そして二極化した階層を一つにもどし、再び平等の社会にもどそうと、これからの活躍に期待できそう。

 公式サイト「K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝」

 鬱だと思う? それとも逃避? 遠くから見たら何の変哲もないものなのに、いやでいやでたまらない。あっという間に終わる注射なのに、それをするというだけで、逃げ出したくなる。精神的に弱くなっている。今まで以上に頭が下がり、下しか見なくなってしまった。顔を上げるのがしんどい。どうしてなんだろうね。映画館も遠ざかってしまった。家の中の部屋に閉じこもってしまうことが多くなった。いかん。
ポイントでデジカメを買った。決断した。光学倍率18倍のパナソニックのLumixだ。水曜日に商品を取りに行って、今日箱を開けた。外に撮影しようと出たけど、寒くて1枚も撮らずに帰った。暖かいと気持ちも変わるかもしれない。春までがんばれ。


ローズ・レッド:ザ・ビギニング

2009年01月18日 | ホラー


2003年 アメリカ 88分
■原題「THE DIARY OF ELLEN RIMBAUER」
■2009.1.11 DVD
■監督 クレイグ・R・バクスリー
■出演
   リサ・ブレナー(エレン)
   スティーヴン・ブランド(ジョン・リンバウアー)
   ケイト・バートン
   ブラッド・グリーンクイスト
   ツァイ・チン
   ディアドレ・クイン

 《story》

「呪われた屋敷が真実を語り始めた。それは聞いたことのない惨劇」

エレンと石油で冨を成したジョン・リンバウアーは、順調な交際を続けていた。ある日、ジョンはエレンを連れて建設中の屋敷の前でプロポーズする。しかし、その建設現場で殺人事件が起きて、不吉な予感が漂う。結婚が決まったエレンは、その屋敷を「ローズレッド」と名付ける。そして、ジョンとエレンは、屋敷が完成するまで、世界一周の新婚旅行に出かける。エレンは、アフリカを訪れたとき、ジョンの異常な現実を見ることになる。それは異常な性欲と浮気、それにエレンは性病を移され病に伏せる。懸命に看病してくれたアフリカの女性スキーナを屋敷に連れて帰る。屋敷に戻ると、エレンの耳には異様な声が・・・スキーナもその異様さを感じていた。次々に行方不明になる女性。エレンは、真相を探るため降霊会を開く。そこで、家を増築することを告げられる。ついに娘のエイプリルまで消えてしまい、夫の秘密を知ったエレンとスキーナは・・・。

 結局そこにあるものは

何の悪霊だろうかと考える。元々そこは墓だったというから、その怨霊だろう。それとジョンの奇行が重なっているのだろう。まったく別物ではなく、ジョンの奇行と悪霊とは何らかの関係があるのかもしれない。それがもう少しわかればすっきりするのだけど。それと、アフリカから連れてきたスキーナも、何か因縁のようなものを感じさせる何かがあればいいのだけど。ちょっと物足らない感じがした。始まり、つまり原因、元となるものなのに、それがよくわからない不満が残った。「ローズレッド」がおもしろかっただけに期待していたのだけど、少しがっかり。

 『なかよし小鳩組』荻原浩・・・おもしろかった。オイル交換で待っている間も読みふけり、フッと笑いがこぼれる。それでいて考えさせられたり、じーんときたり、奥が深かったり、なかなかのものだ。だまされてはぶてたり、怒ったり逃げたりではなく、ヤクザに別な角度から挑む姿勢がいい。それもおもしろおかしく。それにいつの間にか神様が味方してくれる。娘の早苗の鳩の絵、イベント会場に連れてきたサッカーチーム、猪熊の父が組長だなんて、偶然過ぎるけど、でも楽しいよね。勝也がマラソンに登場した場面も、予測はできたけど、やったねって感じがした。一着ゴールで、警察に自主もおもしろかったかも。この続編が読みたくなるよ。
ところで、この本を読みふけったオイル交換作業待ちのディーラーで、知り合いと遭遇。実は、2ヶ月前に平和公園で出会っていて、顔はわかるんだけど、だれだったか名前や関係が思い出せないでいた。どこで出会ったのか、どんな人だったのか。思いつく人とは違うし。まあ、もう出会うことはないかと思っていた。でも、こんな偶然もあるもんだ。何と、作業説明している場所に現れた。コーヒーを持ってきてくれた。そこに勤めていた。昨年来たときにはいなかったはずだけど。ネームを見て、話をして思い出した。知っている人の姉だった。そんなに話したことはない。よく似ていたから悩んでしまったんだ。でも、これでスッキリ。


医龍 Team Medical Dragon

2009年01月17日 | その他


■2006年 日本 テレビドラマ
■2009.1.11 with r
■出演
   坂口憲二(朝田龍太郎)  
   稲森いずみ(加藤晶)
   小池徹平(伊集院登)  
   北村一輝(霧島軍司)
   阿部サダヲ (荒瀬門次)  水川あさみ(里原ミキ)
   池田鉄洋(木原毅彦)  佐々木蔵之介(藤吉圭介)
   夏木マリ (鬼頭笙子)  岸部一徳(野口賢雄)

 《story》

Karte:01  「神の手を持つ男」
Karte:02  「神の手と悪魔の薬」
Karte:03  「娘の心臓を守れ」 
Karte:04  「教授が患者を殺す」
Karte:05  「バチスタ手術開始」
Karte:06  「バチスタ手術急転」
Karte:07  「絶対許せない男」
Karte:08  「奇跡を起こす医師」
Karte:09  「バチスタ手術断念」
Karte:10  「この命は必ず守る」
Karte:11  「最後のカード! 新バチスタ手術」

NGOの活動から戻った朝田龍太郎は、病院勤務に戻れず、荒れた生活をしていた。明真大学付属病院助教授の加藤は、彼の腕を見込んで、大学に連れてくる。バチスタ手術を成功させ、教授になることを目指していた。大学は、論文優先、教授の気持ち一つで物事が左右され、患者がおざなりにされていた。朝田は、そんな大学の体制にのることなく、バチスタ手術を目指し、患者を優先する治療をやり続けた。看護士のミキ、研修医の伊集院、内科医の藤吉、麻酔医の荒瀬、そして真の医療に目覚めていく加藤がバチスタ手術を行うチームドラゴンを作る。野口教授、そして過去の因縁を持つ北日本大学教授の霧島が、彼らの前に立ちはだかる。

  正義を貫く医師とその技術に感動

「ブラックジャック」を思い出したが、朝田はとことん正義を全面に出すヒーローだ。金のためでなく、その命を救うことに全力を尽くす。強い意志とその行動力に憧れてしまう。大学ってこんなものなんだろうか。患者を軽んじる考えがあるのだろうか。裏では患者のことを笑っていて、実験材料としか思っていないのだろうか。自分の名誉と金儲けのために、患者を選ぶのだろうか。最近、救急車での搬送拒否で死亡という事件がたくさん報道された。あれは、受け入れられるのに儲けにならないから拒否しているのだろうか。そうだとしたら怖い。お金がないと命も軽んじられる。私は血をみるだけでも嫌でたまらない。注射を打つとき絶対に見ない。小心者だから、刃物で切られたり刺されたりすることを想像するだけでゾッとする。幸いにも未だ手術したことはない。昔、高校の文化祭で血液検査をしたことがある。針で指先を刺し血を採って薬で判定する。昔だからできたけど、今なら大問題。息子の薦めで見たドラマ、これはグーッだ。早速「医龍2」を借りてきた。レンタルはCMがないから集中して見ることができる。これもグーッだ。

 よく見る悪夢。めったに夢は見ないんだけど、見るといつも戻ろうとして戻れない夢。修学旅行先の宿がその夢の土台になることが多い。その宿から何かの用事で出ていく。そしてその宿に戻ろうとするんだけど戻れない。いろいろ帰り道を模索するんだけど、まったくの違う場所に出てしまう。同じところをぐるぐる回っていることもある。帰らないといけないのに帰れない。悪いことをしているような雰囲気になる。目覚めが悪い。なぜ宿から出なければならなかったのか。なぜ戻らなければならないのか。「出る」というのはきっと逃避。「戻る」というのは、いやだけど仕事に行かなければいけないということかもしれない。逃げたい、でもやらなければいけない気持ちが表れているのかもしれない。


風のダドゥ

2009年01月17日 | 人間/社会派ドラマ

2006年 日本 95分
■2008.1.10 DVD
■監督 中田新一
■出演
   榎木孝明(楠田達夫)  勝野洋(安藤幹夫)
   井上晴美(安藤桐江)  古閑三恵(塚田麻子)
   木村文乃(浅野歩美)  小林幸一郎(高柳慎也)
   萬田久子(浅野亜紀子)  犬塚弘(桜田源輔)
   石丸謙二郎(中林)  四方堂亘 (鎌田)

 《story》

「聞かせて “いのちのダドゥ(音)”を・・・」
「空の青、雲の流れ、緑の呼吸、
           大自然が心のキャンパスを塗り替えていく」
「“感じてください”心で見る、希望と再生の物語」

阿蘇山の麓で、手首を切って自殺を図った少女歩美。桜田によって、「阿蘇ふれあい牧場」に運ばれる。安藤の家族と、過去に生徒を失った元高校教師、言葉を失った少年が馬とともに暮らしていた。歩美は、過去に父を失い母とも心が通じ合えず、自分の存在に疑問を抱いていた。元競走馬との出会いから歩美は変わっていく。生を感じさせるダドゥ。桜田との触れ合い。その元競走馬メイワジョニーがスポンサーの乱暴で骨折。足の骨を折った馬は殺されてしまう。失意のどん底に落とされた歩美。しかし、仲間たちの思いが命を救う。




 阿蘇の大自然はそれだけで心を救う

馬についてはよくわからない。馬と人との触れ合いドラマはたくさんある。傷ついた人の心を馬は救う。馬の良さもわからない。でも、大自然を駈ける馬の爽快さはわかるような気がする。あの阿蘇の大自然は、そこにいるだけで心が洗われる。雄大な姿を見ているだけで、自分の悩みがちっぽけなものになっていく。セラピーという言葉が出てきたけど、自然の中で生き物と暮らすこと自体、植物や動物から生を感じ、自分の心を癒してくれるのだと思う。「ダドゥ」馬のお腹の中の音だって、と思うと変な感じがしたが、「生きている」と感じさせる音、自然と一つになった「生」の鼓動だと思うと、さわやかな雰囲気に包まれる。きっと人に優しくなれて、自分にも優しくなれて、心の重荷が取れるのだろう。

 公式サイト「風のダドゥ」

 うれしいことと悲しいこととつらいことと・・・・さまざまな出来事と感情が入り交じる。逃げ出したくて仕方ないけど、朝早く起きて準備して出発する。行ってみなければわからない。疲れがどっと出る1日もあれば、穏やかに過ごせる1日もある。そんな細かな気持ちはうまく伝えられない。だから家に帰って無口になる。責められるのがこわい。「そうなんだ」と共感してもらだけで救われるのだけど、無関心で失敗を責められる。1日を終えて布団に入った瞬間が一番幸せ。でも、すぐに不幸が訪れる。寝入った直後に起床時間がやってくる。熟睡しているのかな。目覚ましが鳴って、20分くらいごそごそして起きる。薬を飲んで気持ちを奮い立たせ出かける。そんな1年がまた始まった。

僕の生きる道

2009年01月11日 | その他

■2003年 日本 テレビドラマ
■2009.1.8
■出演  
   草なぎ剛(中村秀雄)  矢田亜希子(秋本みどり)
   谷原章介(久保勝)  浅野和之(古田進助)
   鳥羽潤(岡田力)  菊池均也(赤井貞夫)
   森下愛子(太田麗子)  小日向文世(金田勉三)
   大杉漣(秋本隆行)

 《story》

   第一話 「告知、余命一年」
   第二話 「読まなかった本」
   第三話 「封印された恋心」
   第四話 「教師・失格」
   第五話 「あばかれた秘密」 
   第六話 「悲しきプロポーズ」
   第七話 「間違われた婚約者」
   第八話 「二人だけの結婚式」
   第九話 「一枚の写真」
   第十話 「最後の誕生日」
   最終話 「愛と死」

私立陽林学園の生物中村秀雄は、再検査で余命1年と宣告される。一時は生きる望みをなくし自殺を図ったが一命を取り留める。そして、この1年間を、今できることを一生懸命にする、しっかりと生きることを決意。今まで、良い大学に入って良い会社に入って良い結婚をして良い家庭を築き良い老後を送るために、将来のために今を我慢して生きてきた。しかし、今しかないと思うと、生徒たちのさまざまな苦悩も見えてきて、秀雄の生き方が積極的になっていく。今まで中村先生を遠くに見ていたみどり先生の彼を見る目が変わっていく。いつしか二人は交際を始める。しかし、みどりに彼の余命1年という事実を知られ、秀雄は別れることを決意。けれども、みどりは最後まで彼とともに生きることを決める。二人だけの結婚式。受験で悩む生徒達に合唱を提案する秀雄。勉強と合唱の両立。合唱コンクール予選通過。決勝大会を前にして倒れる秀雄。最後の力を振り絞り、ベッドから抜け出し、合唱決勝大会の会場に向かう。

 死を前にしてどう生きるか

難しい課題だと思う。だれもがいつか死ぬ。でも、それはまだまだ先だと思っている。今の苦しさから逃れたいと、「早く死ねばいいのに」と思うことがあっても、胃の痛みに不安を感じ、軽く運動をしたり、栄養剤を飲んだり、結局自分の健康に気をつかう。明日がないと思って、今できることをする。それはそう簡単にできることではない。どんなに充実した1日を送っても、床について眠るときの不安は計り知れない。明日はもっと体が弱っているかもしれないと思うと眠れない。ずっと「今日」であればいいのにと思う。「明日」は来なければいいのにと思う。
丁寧な言葉で生活し続ける二人。そこにどんな意味が含まれているのだろうか。落ち着いた心? 感情的にならずまっすぐに生きる心? 普通は親しくなると、だんだん言葉遣いが親しみやすいものに変化していく。でも二人はいつも丁寧な言葉だった。
死を前にした同僚という客観的な立場で考えると、きっと見ていられない。先の話をしないようにしたいし、病気の話も。どんな接し方をすればいいのかとまどってしまう。自分であっても他人であっても、「死」は感情を激化させる。だからこそ落ち着いた言葉が必要なのかもしれない。

 朝起きることについて考えてみよう。今は5時頃に起きる。遅く寝ても目が覚める。その代わりに、夜寝る時間は早くなった。徹夜ができなくなった。朝早く起きてひと仕事する。そして家を出る。朝起きることが苦痛ではなくなった。しかし、以前はちがっていた。朝起きれない。朝食抜きで駆け出すこともあった。いつも朝はギリギリ。ときには寝坊して1日をふいにしていまうことも。大きな失敗をすることも。朝、日の出と同時に起きること、それは自然の摂理にかなったこと。昼と夜が逆転してしまうことの多かった若い時代。逆に考えると、今はそれができないくらい年を取ったということなんだろう。ただ、朝寝ると長い時間寝てしまう。今は6時間睡眠の習慣がつき、遅く寝ても朝の決まった時間に起きて、1日を長く過ごせる。老い先短い人生を、少しでもやりたいことができて充実できるように、朝早く起きよう。

地球が静止する日

2009年01月10日 | SF


2008年 アメリカ 106分
■原題「THE DAY THE EARTH STOOD STILL」
2009.1.5 TOHOシネマズ緑井
■監督 スコット・デリクソン
■出演
   キアヌ・リーヴス(クラトゥ)
   ジェニファー・コネリー(ヘレン)
   ジェイデン・スミス(ジェイコブ)
   キャシー・ベイツ(国防長官)

 《story》

「12月19日 それは・・・」
「人類が滅亡すれば、地球は生き残れる」
「人類は気づいていない」

突然地球に降り立った謎の球体。そこから現れた宇宙人に発砲。まるで脱皮するように現れた人間クラトゥは、宇宙からの使者だった。最後の確認に来たのだが、「人類が滅亡すれば、地球は生き残れる」と判断。世界各地の球体が破壊行為を始める。重傷を負ったクラトゥに呼ばれたヘレンは、人類にはまだ地球を救う力があると説得。ヘレンの子どものジェイコブと3人で逃避行をする中で、クラトゥの気持ちに変化が起こる。地球を破滅に追いやるばかりの人類だが、愛すべき側面を見つける。クラトゥは、始まった人類絶滅を止めるべく球体に入り込む。

 地球全体のことがここで決められる

このクラトゥがヘレンと出会わなかったら、人類は絶滅し、緑豊かな地球にもどることができたのだろうなあ。人類が誇れるものは何か、それは愛すること。人を想う心だ。確かにそれがあれば地球は救えるかも。でも、愛のために地球を犠牲にしてしまうこともある。結局心はやっかいだ。同じ心が何にでも行動を変える。地球にとっては、人類はいないほうがいいに決まっている。破壊行為しかしない人間。自然を取り戻す活動も、それも地球のためというより、自分のためなのかも。
リメークらしいけど、あの無表情のキアヌ・リーヴスの顔に、一瞬優しさが見えたときはうれしかった。でも、それが実際には命取りになるのかもしれないよ。

 公式サイト「地球が静止する日」

 久しぶりに映画館に行った。なかなか行くことができない。お忍び映画館だ。でも、これくらいいいんじゃないかな。硬くなってしまうと、視野が狭くなる。ときには赤信号を平気で渡るくらいの気持ちが必要だ。以前、タクシーに乗ったとき、座席に万札が2枚転がっていた。黙ってポケットに入れることもできた。でも、それができなかった。きっと前に乗った客が落としたものだろうと思うんだけど、運転手に「落ちてました」と告げた。もしかしたら、あの運転手が自分のものにしたかもしれない。だまって自分のものにしても平気な心がほしい。きっとそうはしなのだけど、それくらいの気持ちということだ。いけないことをしないかとビクビク生きるのではなく、人の顔色を見て萎縮するのではなく、動じない心がほしいものだ。


ドリームキャッチャー

2009年01月05日 | SF


2003年 アメリカ 135分
■原題「DREAMCATCHER」
■2009.1.2 DVD
■監督 ローレンス・カスダン
■出演
   モーガン・フリーマン(アブラハム・カーティス大佐)
   トーマス・ジェーン(ヘンリー=デブリン博士)
   トム・サイズモア(将校=オーウェン・アンダーヒル)
   ジェイソン・リー(ビーバー)
   ダミアン・ルイス(ジョンジー)
   ティモシー・オリファント(ピート)
   ドニー・ウォールバーグ(ダディッツ)

 《story》

「夢の番人、ドリームキャッチャー
             いま、ひとつの悪夢が、その網をくぐり抜けてしまった。」

ジョンジー、ヘンリー、ビート、ビーバーの4人は特殊な能力を持っていた。その能力は、今から20年前に、知的な障害を持ちいじめられていたダディッツに与えられたものだった。ある日、ジョンジーが事故に遭い重傷を負う。奇跡的に回復したジョンジーと仲間達は、久しぶりに森の奥の山小屋に集い、楽しいひとときを過ごす。小屋で待っていたジョンジーとビーバーは、遭難した男を救助する。しかし、その男は洗面所で血を吐いて倒れる。便器の中で蠢く生き物。ビーバーは便器に乗っかり閉じこめていたが、飛び出した、大きな無数の牙のある蛇のような生き物に殺される。駆けつけたジョンジーは、そこに現れたエイリアンに体を乗っ取られる。その森にはエイリアンが乗った宇宙船が不時着したのだった。カーティス大佐率いる軍は、エイリアンもろとも宇宙船を破壊。しかし、ジョンジーの体を乗っ取ったエイリアンは、むしを貯水池に送り、人類を滅ぼそうとしていた。ヘンリーは、ダディッツを連れ、ジョンジーを追う。貯水池でエイリアンと向き合うダディッツ。

 好きだけどなあ

エイリアンというモンスターが出て来るけど、ストーリーがきちんとあって、さまざまな課題を投げかけ、友情や、心の葛藤や、さまざまな意味をこめようとしている。そこがおもしろい。知的障害を持つ子どもを助けることで得られる力。それは特殊能力でなくとも、豊かな心に通じるものだ。人間は自分中心、自分がしんどいとき自分より弱い人間をいじめたくなる。自分中心になればなるほど、自分の心は孤独になって、ますます他人をいじめたくなる。人を大切にする心は、自分の心を豊かにする。特殊能力については、確かにそれを持っていることが幸せとは限らない。それを人のために使おうと思うと、それだけ自分の心に負担がかかる。大佐の傲慢さ、エイリアンを追い続けた経験は大事だが、軍人として人の命を軽んじる経験も積んでしまったということか。世界を救った人々。しかし、この後、生き残ったジョンジーとヘンリーはどうなるだろうか。ここでの出来事を信じてもらえるのだろうか。

 ただだらだらと映画を見るのではなく、自分が生きた証として記録を残したいと思って始めたブログ記録。それと、記憶力のない私が、確かに見たということを証拠として記録したかった。見たけど、題名を聞いても内容を思い出せないことがある。数年経つとどんな映画だったかまるっきり忘れてしまうこともある。だから、同じ映画を初めてのように思ってレンタルし、見始めて気づくことがある。少しでも印象強く記憶したい。それから、ボケ始めている頭を使って、文章を作る。ボケ封じであり、文章力をつけること。感性をみがくこと。この最後の二つは練習だ。なかなか力はつかない。あとから読んで、何と意味不明な文章だろうと恥ずかしくなる。でもまあ、つまらないものだけど、日々生きてきた証として、少しでも思いを書き綴って行きたいと思う。