そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

黄色い涙

2008年02月17日 | ラブロマンス/青春


2007年 日本 128分
■2008.2.11 IE
■監督 犬童一心
■出演
   二宮和也(村岡栄介=漫画家)
   相葉雅紀(井上章一=歌手)
   大野智(下川圭=画家)
   櫻井翔(向井竜三=小説家)
   松本潤(勝間田祐二=米屋)
   香椎由宇(時江=食堂)
   韓英恵(村岡康子=妹)
   高橋真唯(弓子=喫茶店)
   菅井きん(よね=大家)
   志賀廣太郎(林田)  本田博太郎(貞吉)
   田畑智子(西垣かおる=元恋人)  松原智恵子(村岡きぬ=母)  

 《story》

「あの日の僕らは、いつもいつでも笑ってた。涙がこぼれないように」

1963年、晩春、夢見る4人の若者。漫画家の村岡、歌手の井上、画家の下川、小説家の向井。村岡の病気の母を連れてくる手伝いをしたことから、4人は同じ部屋に寝泊まりするようになる。村岡の師匠の手伝いで得たお金と下川の絵を売ったお金で、自炊生活が始まる。村岡の力作の漫画は採用されず、井上も思うように曲ができない。井上は、行きつけの食堂の時江ともすれ違う。下川は、公園で出会った女性を思い、必死で絵を描く。しかし、以前売れた絵が、実は質屋に預けられただけだったことがわかり、さらに公園に置いた女性の絵も変な女が拾っていて気を落とす。向井は構想だけでひとつも文ができない。夏の終わり、村岡の母が危篤。なけなしのお金を持って故郷に帰る。残った3人は、夢を捨てそれぞれの道に。年月が過ぎ、あの部屋では村岡がペンを走らせ漫画を描いていた。

 懐かしい夢を追いかけた青春
自分の未来には限りない可能性があると信じていた時代。何かができそうで、胸をわくわくさせていた時代。お金はなかった。バイトをしては食いつないでいた。芸術やスポーツに明け暮れた青春。昭和のあの時代って、何をしても、「未来を作っているんだ」というような輝きがあった。今は、何をしても、未来は見えない。今、ただ足下が崩れないように踏ん張ることで精一杯。未来が見えない。見えていても、暗い破壊的な先のない未来。過去に戻りたくなるのは、そんな未来しかだれもが考えられないからかもしれない。私も大学時代は、4畳半の狭い下宿、共同の流しにくみ取りトイレ。風呂は大家さんのところで入れてもらう。何人もここで寝泊まりしたこともある。鍋いっぱいに作ったカレーを何日ももたす。ラーメンとご飯の日々。今でもそんな下宿ってあるのだろうか。その当時も、ワンルームみたいなところに住んでいるリッチな学生もいて、うらやましかった。夢を追いかけた青春の日々。今や腰痛と精神的に追い込まれる日々。今も、せめて失敗を恐れず、大きく踏み出したいものだ。

 公式サイト「黄色い涙」     


陰日向に咲く

2008年02月17日 | 人間/社会派ドラマ

2008年 日本 129分
2008.2.11 TOHOシネマズ緑井 with h
■監督 平川雄一朗
■出演
   岡田准一(シンヤ)  宮崎あおい(鳴子/寿子)
   伊藤淳史(雷太)  平山あや(みゃーこ)
   緒川たまき(ジュピター)  塚本高史(ゆうすけ)
   西田敏行(モーゼ)  三浦友和(リュウタロウ)

  《story》

「ひとりじゃない」

東京に大型台風が接近。さまざまな人間がさまざまな思いを交錯させている。シンヤは、母を病気で亡くし、父との葛藤から家を出て一人暮らし。バスの運転手をしていた。しかし、ギャンブルをやめられず借金地獄。ある時寿子と出会い、彼女の母がたどった人生を探る手伝いをする。母の鳴子は、神社で出会った売れない雷太に憧れ上京、コンビを組む。しかし、雷太は踊り子のジュピタに憧れていた。崖っぷちアイドルみやーこのイベントは閑古鳥が鳴く。それを支えるアキバ系オタクのゆうすけたち。ホームレスのモーゼはおおぼらふき。だが、彼にあこがれた一人のサラリーマンが家を出て、彼の元に行く。それぞれが別々の人生であったはずなのに、それらが少しずつつながっていく。

 つらくさびしい人生に光が灯る
何をやってもうまくいかない。人の好意を無にしてしまう。けれども心の中では、これじゃだめなんだと叫んでいる。パチンコがやめられない気持ちはよくわかる。私も似たような経験がある。まるで中毒みたい。きっと勝てると信じてギリギリ以上のお金をつぎ込んでしまう。そして借金はふくらむ。私は一気に返してきっぱりやめることができた。そして、今は映画鑑賞につぎ込む。1本見ても1200円、月5本見ても6000円。パチンコは1回店に入れば何千円。体中タバコ臭くなって、無駄な時間をいっぱい使って頭はぼーっとしてくる。あれは地獄だ。縁結びの神様・・・奇跡はあるかな。何かを信じたい、神様を信じたい。でも、京都の僧が裕福な暮らしをしているとか、お金儲けの話を聞くと、神もただの見せ物かと信じられなくなる。手の中に握る神、そこに宿る神はだれかが作ったものではない。信じる物たちが心をこめた神なんだ。そう信じたい。やさしい人間はだまされやすいし、人をだますことができない。だから悩むのだと思う。「ひとりじゃない」そう言われると少し強くなれる。がんばってみようと思えてくる。

 公式サイト「陰日向に咲く」

さよなら、僕らの夏

2008年02月16日 | 人間/社会派ドラマ

2004年 アメリカ 90分
■原題「MEAN CREEK」
■2008.2.10 wowow
■監督 ヤコブ・アーロン・エステス
■出演
   ロリー・カルキン(サム)
   トレヴァー・モーガン(ロッキー=兄)
   ジョシュ・ペック(ジョージ=いじめっ子)
   カーリー・シュローダー(ミリー=彼女)
   ライアン・ケリー(クライド)
   スコット・ミシュロウィック(マーティ)

 《story》

「そして、僕らは歩き出した」

大自然に囲まれたオレゴン州の街。サムの悩みは、裕福で体格のいいジョージにいじめられることだった。サムの兄は友人のクライドとマーティと、弟のために、ジョージを川に誘い裸にして落とし帰らせるという復讐の計画を立てる。サムの誕生祝いの川遊びと称してジョージを誘う。計画を知ったサムの彼女のミリーはやめるようサムに話す。ジョージはサムにプレゼントを渡したり、楽しい話をしたりするなど、親しみやすい人間に見えてきていたところだった。サムは兄に話し計画は中止されたかに見えた。ボートでゲームをしているうち、ジョージのからかいひどくなり、マーティの父親の自殺に触れてしまう。怒ったたマーティは、ジョージを誘った本当の理由をしゃべってしまう。パニック状態になったジョージは川に落ち溺れて死んでしまう。マーティの指示でジョージの死体を埋め家に帰る。しかし、サムたちはそのままにしておくことができず、ジョージの家に真実を伝えに行く。

 どちらにしろ心の傷は
もっと知り合うことで、そこまでしなくてもいいんじゃないかと思えてくるはず。復讐は、どちらにしてもしこりが残る。いじめもよくないが、だましてどこかに連れて行ってやっつけようなんて、それも最低な行為だ。私も、山に置き去りにされたり、泥団子をぶつけられたことがある。それはいじめたからの仕返しではなく、いじめの延長だった。誘われたとき変だと思った。今まで嫌っていたのに、愛想良く話しかけてくるなんておかしいと思った。あれから人が信じられなくなった。嫌われ者の自分。誰にも自分の気持ちなんて話そうとしなくなったし、自分だけよければいいと思うようになった。「さようなら」と、あの時代に別れを告げられたら、もっと新しい自分が誕生するかもしれない。しかし、未だあのときの、泣きながら山を下る自分のまま。誰にも話さなかった悲しい出来事。いじめたあの子たちは、今頃はおもしろおかしく懐かしがっているのだろうか。サムは、きっと死ぬまでこの出来事は肩にのしかかったまま、その重みは消えさることはないだろう。それでいいのか。もっとちがった責任の感じ方があるのか、それはわからない。でも、おもしろおかしく話すよりいいかもしれない。

隠し剣 鬼の爪

2008年02月16日 | 歴史映画/時代劇


2004年 日本 131分
■2008.2.10 DVD
■監督 山田洋次
■出演
   永瀬正敏(片桐宗蔵)  松たか子(きえ)
   吉岡秀隆(島田左門)  小澤征悦 (狭間弥市郎)
   田畑智子(島田志乃)  小林稔侍 (大目付・甲田)
   緒形拳(家老・堀将監)

  《story》

「人のさだめは変えられますか」
「幕末。愛に生きる侍がいた」


東北の海坂藩、片桐宗蔵は、以前奉公に来ていた百姓の娘のきえと再会。油問屋に嫁ぎ幸せに暮らしていた思っていたのに、やつれた表情に驚く。しばらくして、きえが床に伏せっていてあまり介抱されていないと聞き、油問屋に乗り込み、きえを連れ帰る。藩の内紛が起こり、狭間が牢獄の刑に服される。が、まもなく抜けだし、百姓家に立てこもる。狭間は剣の使い手で、大目付は同じ道場に通った宗蔵に討つ事を命じる。周蔵と狭間の一騎打ち、宗蔵は狭間に侍らし死に方を望んでいたが、鉄砲隊が彼の命を奪うのだった。また大目付は、嘆願した狭間の妻をないがしろし、狭間の夫妻の悔しい思いを宗蔵を押さえることができなかった。宗蔵は、城内で秘伝の隠し剣を使い大目付の命を奪う。まるで心臓発作のようにだれにも宗蔵の仕業だということはわからなかった。侍に未練のない宗蔵は、きえの故郷に向け旅立つ

 伝えられるべく秘伝
同じ門下生同士の対決になったが、秘伝が伝えられたのが宗蔵であったことは納得できる。知られてはいけない、使ってはいけない秘伝の剣。しかし、許すわけにはいかない、このままのうのうと生かすわけにはいかない。自分のためではなく、無念を思っての剣。確かにその剣を使える人物だからこそ伝授されたことがよくわかる。
侍としての尊厳。かたや尊厳の看板を掲げ、かたやないがしろにしている裏表に対する怒り。それは現代でもたくさんあること。自分自身でさえ、いいことは言うものの真反対のことを考えやろうとしていることもある。いや、その方が多いと言ってもいいかもしれない。宗蔵のように自分のまっすぐな気持ちを信じ生きることは、地味に見えるが価値のあること。そう生きたいと願いながらも、自信のない私はうねうねと曲がり下り落ちていくのだ。侍を捨てることを、自信と誇りに思える生き方はすばらしいものだ。


心霊写真

2008年02月15日 | ホラー

2004年 タイ 97分
■原題「SHUTTER」
■2008.2.10 wowow
■監督
   パークプム・ウォンプム   
   バンジョン・ピサヤタナクーン
■出演
   アナンダ・エヴァリンハム(タン)
   ナッターウィーラヌット・トーンミー(ジェーン)
   アチタ・シカマナ(ネート)

 《story》

「知ってる? あれが写ったら死ぬらしいよ」

カメラマンのタンと恋人のジェーンは、大学時代の友人の結婚式に出かける。その帰り道に飛び出した女を車で轢いてしまう。動かない女を、二人はそのまま放置して逃げる。その後、タンが撮った写真に不思議な光が入る。また、女の顔のようなものが写る。二人の周りで奇妙なことが起こる。病院を調べたが、事故で女が担ぎ込まれたところはなかった。そんなとき結婚して幸せであるはずの友人が、「あの写真は何だ」と顔色を変えてやってきた。飛び出した友人を追って、友人の部屋に入ったとき、光の入った写真があった。そして、窓から飛び降りる友人。さらにタンの友人が次々に飛び降り自殺をしていった。その謎は、ジェーンがタンの部屋で見つけた写真にあった。大学時代にタンが付き合っていた彼女を友人達がレイプしている写真だった。彼女は自宅で自殺していた。その写真を撮ったタンが、最後に残った一人。彼女の霊を撮ろうとインスタントカメラを向けるタン。しかし、何も写らない。カメラを投げ飛ばし、写った自分の肩に・・・。

 幽霊信じる?
そんなものいるわけない。いたら今頃周りは幽霊だらけ。天国や地獄も超満員だ。なんて言っていたけど、一番の恐がり。暗いところはできるだけ早く通り過ぎたいし、幽霊なんか見たくないとよそ見しないで下を見ている臆病者。本当はめいっぱい信じているのかもしれない。自分の肩の上にもだれか乗っているかもしれないとびくびくしている。だれかに恨まれていて、いつも悪いことが起こると思っている。頭が痛い、肩が凝る・・・ああどんな霊に取り憑かれているのだろうと不安になる。守護霊はいるのか。どん底に落ちないだけ守られているのかもしれない。なんてね。
でも、悔しい思いというのは相手やだれかに伝えたいもの。だれが考えても、それは悔しいだろうなっていう思いなら霊となって出てきてもいいかも。、妬みや憎しみなんかも伝えようとするから悪霊となる。写真はよく撮るけど、心霊写真はまだ撮ったことがない。それは幸せなことかもしれない。

エボリューション

2008年02月11日 | SF

2001年 アメリカ 103分
■原題「EVOLUTION」
■2008.2.6 wowow
■監督 アイヴァン・ライトマン
■出演
   デヴィッド・ドゥカヴニー(アイラ=生物教師)
   ジュリアン・ムーア(アリソン=女性科学者)
   オーランド・ジョーンズ(ハリー=地質教師)
   ショーン・ウィリアム・スコット
         (ウェイン=消防士見習い)

 《story》

「その進化、阻止出来るか?!
     今、人類のファイナルアンサー」
「その生命体は30日間で、46億年分の進化を遂げる」


アリゾナ州の砂漠に隕石が落ちた。生物学教授のアイラと地質学教授のハリーは、さっそく調査に出かけ、サンプルを採取する。それは、未知のDNAでものすごい速さで増幅し、進化していった。再び調査するために現地にやってきたが、すでに軍が独占していた。街中では、謎の動物による事故が多発。研究室にも死骸が持ち込まれた。地球の大気に慣れてきた翼竜がショッピングセンターに飛び込んできた。アイラたちが退治したが、街中に広がるのは時間の問題だった。アイラは、元素表から、彼ら動物たちは「セレン」で破壊されることを発見する。セレンは、ふけ取りシャンプーに入っている成分で、街中のシャンプー集められ、消防車に注入された。人類を守るために彼らは出動した。

 娯楽として
時に何となく見る映画がある。無理して見なくてもいいし、時間があれば見てもいいし。そんな種類の映画だ。ものすごい速さでの進化はおもしろいアイデアだ。ただ、あまりに速すぎる。複雑な生物ほど、形ができあがるまで時間がかかるはず。分裂だけで高度な進化はできないでしょう。進化の過程を見るのも、人類の夢だね。類人猿まで進化したけど、そのあと人間が誕生し、それからどうなるか楽しみ。でも、映画では類人猿まで。そこまでで潰しておかないと、今の人間に取って変わられてしまうよ。まあ、それもいいかもね。シャンプーが未知の生物にとって最大の武器になるとは。けっこうそんな身近なものが大きなヒントになることってあるんだろうな。  

the EYE2【アイ2】

2008年02月10日 | ホラー


2004年 香港/タイ 95分
■原題「THE EYE 2/見鬼2」
■2008.2.4 wowow
■監督 オキサイド・パン  ダニー・パン
■出演
   スー・チー (ジョーイ)
   ジェッダーポーン・ポンディー (サム)
   ユージニア・ユアン (ユエン)

 《story》

「胎児を狙う悪霊」

不倫の相手に別れ話を持ち出されたジョーイは、大量の薬を飲んで自殺を図る。一命を取り留めたが、それからそれ以後死者が見えるようになる。そして不倫相手の子どもを身ごもっていることがわかる。ある日、列車に乗ろうとして列車に飛び込んだ女の霊と遭遇する。その女は不倫相手の妻で、ジョーイの胎児に転生しようとしていたのだ。ジョーイは、病院の屋上から飛び降りるが死ぬことができない。

 お腹の中の赤ちゃんは
生まれる前に転生が行われるとしたら、生まれる前の赤ちゃんは何なんだ。生まれ変わるということがあるとしても、もしこのようなことが行われているとしたら、命の誕生が不気味になって仕方ない。どんな人間が入り込んでいるか考えただけでぞーっとする。自分も何かの生まれ変わりなら、こんな私で申し訳ない。もっと違った胎児に転生すればよかったのにね。本能にしろ、人間のように意識を持っているにしろ、命というものはすばらしいものだ。転生だとか、輪廻だとか、さまざまな命の姿を考えるだけでも、その想像力は尊敬に値する。いかに人間がいつも幸福を求めているかの表れかもしれない。今度こそ、今度こそと、人として、命あるものとして幸せな生き方を願う強い気持ちが表れているのだと思う。幸せな人生だったなら、満足して終えられる。満足できないからこそ、もう一度やり直したのだろう。満足できることはないけどね。the EYE1【アイ】はよかったが、2作目はイマイチ。3作目は途中で見るのをやめた。


the EYE 【アイ】

2008年02月10日 | ホラー

2002年 香港/タイ/イギリス/シンガポール 99分
■原題「THE EYE/見鬼」
■2008.2.2 wowow
■監督 オキサイド・パン  ダニー・パン
■出演
   アンジェリカ・リー (マン・ウォン)
   ローレンス・チョウ (ワ・ロー=カウンセラー医師)
   キャンディ・ロー (マンの姉)
   チャッチャー・ルチナーノン(リン=ドナー)
   エドマンド・チャン (ロー医師)
   ワン・スーユエン (リンの母)
   コウ・インペン (マンの祖母)
   ソー・ヤッライ (インイン=入院の少女)

 《story》

「見えたのは切ない恐怖」
「目をそらすな、この恐怖から」


2才のときに失明したマンは、20才になり角膜移植手術を受けた。手術は成功し、少しずつ視力が回復していった。病院内でのある夜、隣に寝ていたお婆さんが、黒い人影とともに病室を出ていくところを見かける。翌朝、そのお婆さんは死んでいたことを知る。退院したマンは、心理療法士のワ・ローの元に通い、アドバイスを受ける。しかし、マンは時折不可解な出来事に遭遇する。見覚えのない部屋の景色。通信簿を捜す少年。食堂に現れた親子。マンには死者が見えるのだった。療法士のワとともに、角膜のドナーの情報を探る。そして、ドナーの元を訪れた二人は、驚愕の真実を知る。

 悲哀さのこもったホラー
この映画は2度目だ。しかし、何度見ても引き込まれる。人形は、大事に身につけていた物に心がこもってしまう話はよくある。角膜もや心臓は、なおさら元の人間の心を映し出すことはあるのかもしれない。明るい世界だけが見えるのであればよかったのに、人々の死の姿が見えることは、実は恐怖以上に切ないことなんだとわかった。ならば見えない方がいいのだろうか。見えない恐怖というものは、目が見えないだけではない。見えるのに見えていない恐怖というものがある。見えるというのは、脳が判断すること。光は目に届いていても、それを脳が認識しなかったら、見えていないことと同じ。今の私いは見えていないことが多すぎる。感じることができていないことが多すぎる。それでいて、恐怖だけは過敏に覆い被さるように感じてしまう。見えない恐怖ではなく、見えているもの見えていないもの、あらゆることを恐怖に思う恐怖。

ほたるの星

2008年02月09日 | 人間/社会派ドラマ

2003年 日本 101分
■2008.2.2 DVD
■監督 菅原浩志
■出演
   小澤征悦(三輪元)  
   山本未來(七海先生=保健医)
    菅谷梨沙子(星比加里)
   中原ひとみ(比加里の叔母)
   森公美子(保護者)  余貴美子(比加里の叔母)
   樹木希林(校長先生)  役所広司(瀧口先生)

 《story》

「ほたるが、舞いよる時 
    一番あいたい人に あえるんだよ」


念願の教師となって、山口県の小さな小学校に赴任した三輪元は、4年生のクラスを任された。元のクラスに、誰とも口をきかない比加里という少女がいた。比加里は、母をガンで亡くし、父は比加里に暴力をふるい、見かねた叔母が引き取ったのだった。元も、小さい頃に、父親が事業に失敗して多額の借金をし、母は苦しい生活に耐えられず家を出てしまったことを思い出す。捨て鉢になった元の世話をし心の支えとなったのは瀧口先生だった。ある時、課外授業で近くの川にいき、濁った川を見た子どもたちが、この川にほたるが飛んでいたらどんなにすばらしいかとつぶやく。その日から、元と子ども達のほたる飼育が始まった。比加里は次第にほたるに興味を持ち始め、ほたるが飛ぶとき死んだ母に会えることを信じ、懸命に世話をするのだった。比加里がクラスの友達とも打ち解けてきた矢先、ほたる飼育に大きな問題が立ちはだかる。保護者の学力が落ちることへの不安、学校側からつきつけられた責任問題、そして河川工事計画が持ち上がっていたのだった。子どもたちの署名運動などの懸命な声に、河川工事はほたるが飛ぶ季節まで延期された。子どもたちが育てたほたるの幼虫が放流された。6月、この川にほたるは舞うだろうか。

 みんなの願いにしたいこと
学校の取り組みでないと実現できないこともある。子どもたちの純粋な発想と行動だからこそ、大人たちが援助し、達成できることもある。大人だけの発想なら、利権と建前だけで、何も進展しないことの方が多い。綺麗な水の川にしかいないほたるなら、私たちの身の回りの川にこそ、ほたるがいてほしいと思うもの。できるわけないよ、とあきらめないでやってみることが大事なんだよね。たとえうまくいかなくても、願いや夢に向けて、歩む姿が素敵なんだと思う。学校にもいろいろな事情があると思うけど、全校あげてみんなの願いに広げて進めてほしかったね。何よりも勉強になることだよ。勉強に打ち込むことも、ひとつの道かもしれないけど、みんなで願いに向けて活動するとき、人と人との心の交流があって、結びついて、感動が生まれるんだと思う。森林を増やしたいとか、車椅子を送りたいとか、ハガキを集めて体の不自由な人のために使いたいとか、みんなの願いに向けて動くとき心は一番輝くのだと思う。

サイレントヒル

2008年02月05日 | ホラー

2006年 アメリカ/日本/カナダ/フランス 126分
■原題「SILENT HILL」
2006.7.28 バルト11 with y
   2008.2.2  wowow
■監督 クリストフ・ガンズ
■出演
   ラダ・ミッチェル(ローズ)  
   ショーン・ビーン(クリストファー)  
   ローリー・ホールデン
   デボラ・カーラ・アンガー
   キム・コーツ 
   ジョデル・フェルランド(シャロン)

 《story》

「そこからは、死んでも逃げられない」
「封印された街 呪われた秘密 終わりのない恐怖 
                         その謎を解いてはならない」

ローズとクリストファーは、シャロンを赤ん坊のときに養女として引き取り、大切に育ててきた。シャロンは9才のかわいい少女に成長した。しかし、シャロンは夢遊病があり、夜中に一人で外を歩きまわった。あるとき、崖っぷちをさまようシャロンを見つけた。そして、「サイレントヒル」と口にするのだった。彼女はそのことを覚えていなく、知らないうちに恐ろしい絵を描いたり、日増しに異常な行動が多くなっていった。ローズは、「サイレントヒル」という街があることを突き止め、そこに行けば何かわかるのではないかと、クリストファーの制止も聞かず、車で飛び出すのだった。サイレントヒルは、廃墟となった街で、立ち入りが禁止されていた。地下の石炭が燃え続けて、いつも灰が降っていた。警官に追いかけられ、入り口で少女が車の前に出てきて、事故に遭い、気が付いたらシャロンが行方不明になっていた。ローズは街に入るのだが、そこではサイレントともに怪物が現れ、彼女を襲ってくるのだった。彼女を追いかけてきた婦人警官とともに、娘のシャロンを探した。シャロンとこの街とはどんな関係があるのか。次第に、その謎が明らかにされていく。

映画館で見るから、おもしろく興味深くみることができた。大きなスクリーン、音響、多くの映画を素晴らしいものに変えていく。見る見る変わっていく風景に驚かされた。あの怪物はいったい何か、なんて考えてはいけないのだろう。ローズの行く手を邪魔する怪物なのだ。映画としての迫力は十分あった。
広い映画館の中で、たった7人しかいなくて、私たちの前には空きの席ばかり。映画の中に入って行って、ゲームをしているみたい。もう少し、ストーリーが理解できたらいいのだけど、頭が悪いから仕方ない。
30年前のいじめ、魔女としてみんなからいじめられ、先生からも大人からも迫害を受けた少女。儀式の中で全身大やけどを負ってしまう。彼女の恨みが街を覆う。彼女の良心がシャロンらしい。未だ、そこら辺のいきさつはよくわからないが、特撮を楽しませてもらった。最後は街からぬけ出すことができたが、シャロンの表情は初めのものとはちがっていた。続編を思わせる終わり方だった。

      2008.2.2  wowow

 なんとなく筋が通っていて
もう一度見てしまった。ただのモンスターホラーではないような、筋が通っていて、なんとなくすっきり感があってよかったと思う。それに、あのモンスターは、劇場で見て感激した。劇場というところは、テレビよりも何倍もよく見せてくれるから不思議な空間だ。テレビでつまらなかった映画も劇場で見たら、良さが見えてくる。その反対もある。劇場で見てよくても、テレビなら見たくなくなることもある。ホラーは全体的に画面が暗い。テレビでは暗い場面は真っ黒になって、何がなんだかわからないことがよくある。でも、劇場だとそれがよく見えて、集中して細かいところまで理解できる。ということで、劇場で見て、テレビであったのでもう一度見たくなった映画でした。しかし、あのモンスターの意味は? 少女の復讐はわかるが、ゾンビや、気持ちの悪い虫など、どんな役割を持って出てくるのだろうか。あのサイレンは何? 「サイレンが鳴ったら外に出てはならない」どっかで聞いた台詞だ。

 公式サイト「サイレントヒル」