そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

ノーカントリー

2009年05月17日 | サスペンス/ミステリー

2007年 アメリカ 122分
■原題「NO COUNTRY FOR OLD MEN」
■2009.4.30 DVD
■監督 ジョエル・コーエン  イーサン・コーエン
■出演
   トミー・リー・ジョーンズ(エド・トム・ベル保安官)
   ハビエル・バルデム(アントン・シガー)
   ジョシュ・ブローリン(ルウェリン・モス)
   ウディ・ハレルソン(カーソン・ウェルズ)
   ケリー・マクドナルド(カーラ・ジーン).
   ギャレット・ディラハント(ウェンデル)
   テス・ハーパー(ロレッタ・ベル)
   バリー・コービン(エリス)

 《story》

「純粋な悪に飲み込まれる」

テキサスの砂漠で、狩りをしていたモスは、数台の車と銃撃戦の死体の山を発見。車には大量のヘロインと現金。モスは、その金を持ち帰る。その瞬間から、モスは狙われることとなる。自分の車のナンバープレートから、身元は割れた。愛する妻を実家に帰し、逃亡の旅に出る。追う男、殺し屋アントンは、コインで殺しを決め、エアガンのような酸素ボンベを持ち歩く。金が入ったケースに発信器を付け、モスを執拗に追う。テキサスの砂漠の死体の山を見た保安官ベルも、二人を追う。

 ようわからん終わり方

金に目がくらんで、人生を大きく変えてしまうモス。異様な犯人。犯人を捕まえることに自信を持っている経験豊かな保安官。逃げる、追う、それを追う、と展開はいいのだが、どうしてもラストがよくわからない。何が言いたいのかわからない。これがアカデミー賞をいくつも取ったなんて信じられない。感動が全くない。私の頭が悪いのだろう、しっかり見ていないのだろう。でも、もう一度見てみようと思えない作品でした。

 公式サイト「ノーカントリー」

 湯田温泉に行った。午後3時に出て、4時半到着。温泉は、ぬるく、塩素のにおいがして、あまり気持ちのいいものではなかった。みんなで遊べたからいいかな。帰りは、9時出発。10時半着。広島から高速で、半日で温泉に入って帰ることができるのだからすごいことだ。しかも高速1000円。今度は、もっといい温泉に行こう。

チェンジリング

2009年04月12日 | サスペンス/ミステリー

2008年 アメリカ 142分
■原題「CHANGELING」
2009.3.1 TOHOシネマズ緑井
■監督 クリント・イーストウッド
■出演
   アンジェリーナ・ジョリー(クリスティン・コリンズ)
   ジョン・マルコヴィッチ(グスタヴ・ブリーグレブ牧師)   
   ジェフリー・ドノヴァン(J・J・ジョーンズ警部)
   コルム・フィオール
    (ジェームズ・E・デイヴィス警察本部長)
   ジェイソン・バトラー・ハーナー
    (ゴードン・ノースコット)
   エイミー・ライアン(キャロル・デクスター)
   マイケル・ケリー(レスター・ヤバラ刑事)
   ピーター・ゲレッティ

 《story》

「どれだけ祈れば、あの子は帰ってくるの---。」
「ある日突然消えた息子。5か月後に帰ってきた彼は別人だった。
         1928年、ロサンゼルス。魂で泣く本当にあった物語。」


クリスティン・コリンズは、9才の息子ウォルターとロサンゼルス郊外で暮らしていた。クリスティンは、電話交換手の仕事をしていた。ある日、休日の仕事を頼まれ、息子のウォルターを家において出かける。仕事を終えて帰宅したが、ウォルターが家にいない。警察に捜索願を出すが、ウォルターは見つからない。5ヶ月後、息子が見つかったと連絡を受ける。駅で出会った子どもは息子ではなかった。しかし、新聞には、親子の再会として掲載される。警部に、息子ではないと告げるが、取り合ってくれない。追い込まれていくクリスティンに手を差し伸べたのは、警察の横暴な権力に立ち向かっている牧師だった。クリスティンは、自分の子どもがわからなくなった精神異常の患者として病院に送られる。牧師の協力で病院から解放される。その後、農場から多数の子どもの死体が発見され、ウォルターも関係している可能性が出てきた。早く幕を引きたい警察。息子は生きていると信じるクリスティン。数年後、新たな真実が・・・。

 権力に立ち向かう

権力をかざす者に対して怒りを覚える。真実が覆い隠され、偽りが現実のものとして事実と化していく。だれか一人の人間の思うように世の中が動いていく。腹が立って仕方ない。でも、別な味方をすれば、そんな権力のない弱い人間の戯言なのかもしれない。苦しみや悲しみを背負ったまま埋もれていく人々を救いたい。そうでなければ、力のない弱い人間の妬み。
何が真実か見極める力が必要だ。映画だから、それがよく見えるようにしてあるが、現実の中では、わからない。精神に異常をきたした母だと言われたら、そう見える。自分の目も耳も感覚も当てにはならない。だれかが大声で「そうだ」と叫べば「そうだ」と思う。ちがうと言えば、ちがうと思う。権力に立ち向かう以前に、自分を信じる力、行動力が、道を切り開く。立ち向かうのではなく、自分の道を切り開くのだ。

 公式サイト「チェンジリング」

 自信を持つこと。堂々と前を向いて歩くこと。壊れるかもしれない、落ちるかもしれないと、怯えながら前には進めない。若い頃の、何の怖いものもない行動力。失敗してもすぐに立ち直れるずぶとさが必要だ。失敗してもいい。おどおど進むより、堂々と元気良く歩こう。無理して走る必要はない。でも、壊れる心配は無用。ただ、準備は必要だ。

変身

2008年12月28日 | サスペンス/ミステリー


2005年 日本 108分
■2008.12.25 DVD
■監督 佐野智樹
■出演
  玉木宏(成瀬純一)  蒼井優(葉村恵)
  佐田真由美(橘直子)  山下徹大(若生健一)
  松田悟志(京極瞬介)  釈由美子(京極亮子)
  北村和夫(堂元英隆)

 《story》

「それでも あなたを 愛してる」
「僕が僕でなくなる日」


昏睡状態から目覚めた成瀬純一は、どうして自分が入院しているのか思い出せない。担当医師は時期がくれば話すという。ある日、ふと入った部屋から脳の標本2つを見つける。ひとつはJ・Nと記されており、堂元医師を問いただすと、自分が脳移植で助かったのだとわかった。彼が銃弾を受けたのは不動産会社。画材屋の店員であった恵と親しくなり、一緒に住む部屋を捜していたのだ。そのとき強盗が入り、飛び出した少女に発砲、純一が少女をかばい銃弾を受ける。退院し、恵との生活にもどったのだが、純一の感情に変化が起こり始めた。恵が鬱陶しくなり、会社の同僚や隣の部屋の住人などに、荒々しい言動を取るようになる。今まで描いてきた絵の様子が変わり、食べ物や服の好みなども変化してきた。そしてついに殺人を犯してしまう。偶然出会った娘、彼女の家の中で見た小さなピアノに惹かれ、ある曲が頭の中を巡る。彼女は自分を撃った犯人の妹だった。再び堂元医師を問いただし、自分の頭の中に入っている脳が、犯人の京極のものであることを確信する。純一を心配してやってきた恵は、荒々しく変わっていく純一の心を呼び覚ます。純一は、純一のままでいられるように、堂元医師に再手術を依頼するが断られる。純一は、本当の純一のままであるあように、自殺をはかる。

 原作のイメージとは

東野圭吾の本はけっこう読んだ。どれもおもしろかった。この変身も頭の中でリアルにイメージして、わくわくしながら読んだ。「リアル」という言葉が当てはまる原作だった。しかし、それが映画となるとちがった。まるで三流のホラー映画みたいだった。せっかく蒼井優が出ているのに、彼女の良さが生かされていない。いや、生かされているのだ。蒼井優は原作の恵みにはふさわしくないように思った。あまりに可憐すぎる。もっと地味でもっと葛藤して苦しむ姿がほしかった。だから、配役が失敗だったのかもしれない。あの医師も看護士(助手)も、みんなゴジラの世界の人たちみたいだった。この手の内容は映画化は難しいのかもしれない。現実にないことがテーマだから、文字を追って自分の頭の中で作るイメージはリアルになるが、映像はさまざまな演出や効果がなければ伝わりにくいのだと思う。

 公式サイト「変身」

 毎年この時期は腰痛に悩まされる。そして何もしたくなくなる。だらだらと過ごす。もともとそんな性格なんだけどね。コルセットをつけて、よろよろと散歩。天気がいいから外に出たかった。青い空、風になびく草木たち。茂みの中で、ごそごそと音がする。姿は見えないが、きっと何かがじっとこちらを見ているのだろう。腰痛は1週間目だ。月曜日のひどさはないが、痛みがとれない。特に朝がつらい。仕事も何もしない日が3日続いた。これじゃあいけん。明日は片づけをしよう。少しでも整理整頓。車も少し拭いてきれいにしようか。うまくできたら映画を見に行こう。


題名のない子守唄

2008年12月23日 | サスペンス/ミステリー


2006年 イタリア 121分
■原題「LA SCONOSCIUTA/THE UNKNOWN WOMAN」
■2008.12.14 DVD
■監督 ジュゼッペ・トルナトーレ
■出演
   クセニア・ラパポルト(イレーナ)
    ミケーレ・プラチド(ムッファ“黒カビ”)
   クラウディア・ジェリーニ(ヴァレリア・アダケル)
   ピエラ・デッリ・エスポスティ(ジーナ)
   アレッサンドロ・ヘイベル(マッテオ)
   クララ・ドッセーナ(テア・アダルケ)
   アンヘラ・モリーナ(ルクレッツァ)
   マルゲリータ・ブイ(弁護士)
   ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ
             (ドナート・アダルケ)

 《story》

「女は哀しみを食べて生きている」
「母の愛は、いつどんなときも 強く揺るぎのないものなのです」


イタリアのトリエステ。長距離バスから降り立ったイレーナ。高級レジデンスの管理人に、ここで仕事がないか尋ねる。「ないね」とそっけなく答えたものの、悲哀のこもった背中に「階段の共通部分なら」と答える。イレーナは、向かいのボロアパートに部屋を借り、このレジデンスを監視し、ある家族を見つめる。貴金属商を営むアダケル夫妻と4才の娘テア。イレーナはその家庭に入り込まなければならない理由があった。イレーナは、階段を清掃中、アダケル夫妻のメイドのジーナが降りていくときに足を引っかける。ジーナは重度の障害を負い寝たきりとなる。メイドとして新しく入ったイレーナは、テアが自分の娘である証拠を捜す。そして、自己防衛本能に障害のあるテアを密かに見守り鍛えていく。厳しい練習をしながらもテアはイレーナを受け入れていく。かつてイレーナを奴隷として妊娠させ生まれた赤ん坊を売るという商売をしていた黒カビが、イレーナの前に現れる。イレーナは、黒カビを刺して逃げたのだが、彼は生きていて、イレーナが盗んだ金を要求した。そして、阻むイレーナを陥れようと、テアの母親の運転する車に細工し、殺してしまう。警察に捕まったイレーナは、黒カビを殺し埋めたことを白状する。そして今までの過酷な体験、テアを自分の娘として愛おしんできたことを告白する。しかし、テアは自分の娘ではなかった。数年が経ち、刑務所から出所するイレーナ、そこには大きく成長したテアの姿があった。

 娘を必死で思う気持ち

自分のお腹をいためて生んだ子どもだから、きっとどの子も大切な存在にちがいない。男にはわからない、命のつながりがそこにある。ただの商売の道具にしか考えない黒カビのような男もいる。こんなことが現実に行われているとしたら、あの『闇の子供たち』と同じ、命の売買だ。それでも子どもを買う人間が存在する。売り手と買い手がかみ合っているのだ。しかし、母親は涙をかみ殺しながらも、やはり自分が生んだ子どもへの思いは強く深く刻まれているにちがいない。イレーナも、子どもに会いたいが一心で、多くの犯罪に手を染めてしまった。自分が生んだ子どものそばにいたいという思いから。結果的に、テアは自分の子どもではなかった。しかし、愛した。愛したという事実は、たとえ自分の子どもではなくても、子どもを愛する母親の気持ちと同じだった。自分の子どもじゃないから愛せなくなったのではないところに、人は関わることで心をつなぐのだということがわかる。それも、イレーナだからかもしれない。イレーナが、深く関わったからかもしれない。

 宴会があった。口べたな私が結構話ができたことに満足。中にはすごい芸人がいるものだと思う。日頃はそれほどおもしろいことを言うわけでもないのに、密かに練習して芸を披露する。たとえ、順番が来てやらなければいけないから仕方なく準備したにすても、会場を湧かせるだけの芸達者ぶり。もし自分にやれと言われたら、きっとずっと悩み続けて、当日欠席するかも。演技力は、人生を楽しく明るくしてくれる。人を傷つけることを心配するあまり、黙り込んでしまったらおもしろくない。傷つけないように気をつけることは必要。でも、思い切ってちょっと冗談を言い、少し羽目を外して何かをしてみれば・・・・あとで後悔するかな。


親切なクムジャさん

2008年12月13日 | サスペンス/ミステリー

2005年 韓国 114分
■原題「SYMPATHY FOR LADY VENGEANCE」
■2008.12.6 DVD
■監督 パク・チャヌク
■出演
   イ・ヨンエ(クムジャさん)  チェ・ミンシク(ペク先生)
   クォン・イェヨン(ジェニー)  オ・ダルス(チャン)
   キム・シフ(クンシク)  イ・スンシン(パク・イジョン)
   キム・ブソン(ウ・ソヨン)  ラ・ミラン(オ・スヒ)
   ソ・ヨンジュ(キム・ヤンヒ)  
   キム・ジング(コ・ソンスク)  コ・スヒ(魔女)
   キム・ビョンオク(伝道師)  ナム・イル(チェ班長)

  《story》

「愛を必ず取り戻す」

刑務所から出所するクムジャさん。20才の時に、ウォンモ君誘拐殺人の罪で逮捕され、刑期を終えての出所。刑務所内では、いじめに合った新入りのために復讐したり、元北朝鮮のスパイの世話をしたり、みんなから「親切なクムジャさん」と呼ばれていた。しかし、出所後のクムジャさんは、まずウォンモ君の両親に会い、謝罪して自分の指を切断する。その後、ピンクのアイシャドーを入れ、まるで人が変わってしまった。かつての刑務所内での仲間に、改造銃を作らせ、自分を殺人の罪に陥れたペク先生を捜させた。ペク先生は、クムジャさんの娘を殺すと脅し罪を着せたのだった。クムジャさんは、13才になった娘と再会。そして、ペク先生への復讐が始まる。彼は、ウォンモ君以外にも、数人の子どもを誘拐し殺害していた。彼を廃校に閉じこめ、殺された親を集め、殺害のビデオを見せて、子どもを殺害された親一人ずつのペク先生への復讐が始まる。

 気持ちはそうだ、でも・・・

復讐の気落ちは、死刑にいたいし、自分が殺したくなるだろう。でも、私は、自分の子どもを殺した犯人を殺せるだろうか。たとえ殺して復讐できたとしても、きっと後味はいいものではない。自分も殺人者になっただけなのだから。犯人と同じ、殺そうと思って殺してしまうただの殺人者だ。その呵責に苛まれながら生きることになる。殺さなければ、殺したいという憎悪の気持ちを抱え生きていくことになる。どちらにしても満足した人生にはならない。あの親たちはすっきりしたのだろうか。やっと恨みをはらしたぞと満足できたのだろうか。でも、この憎悪の気持ちは、たとえ後で良心の呵責に苛まれても、押さえることはできないのかもしれない。多くの人の人生を台無しにしたペクという人物に、小さな善を見つける努力をするか、憎悪100%にして消し去るか。

 東京の子どもの誕生日。と言っても22才だ。この不景気の中で、派遣会社に入社できた。コンピューター技術は、たくさんの派遣社員が解雇される中で、すぐに採用が決まるほどの大きな力になった。この11月にマンションを借り、一人暮らしスタートだ。初めての給料も入ったという。お母さんと相談して、ポットと食料品を、誕生日プレゼント代わりに送った。一人で何でもできる子。福岡に行くのも、東京に行くのも、全部自分で決めて、全部自分で身の回りの手続きをやり遂げた。会社選びも、マンション決めも・・・健康に気をつけ、安定した生活ができるように願っている。落ち着いたら、高速道路が1000円になったら、東京に行ってみよう。

REM レム

2008年12月13日 | サスペンス/ミステリー

2000年 アメリカ/フランス/カナダ 105分
■原題「CHASING SLEEP/INSOMNIES」
■2008.12.6 DVD
■監督 マイケル・ウォーカー
■出演
   ジェフ・ダニエルズ(エド・サクソン)
   エミリー・バーグル(セイディ)
   ギル・ベローズ(ダーム刑事)
   ザック・グルニエ(ジェフリー・コスタス)
   ジュリアン・マクマホン(ジョージ)

 《story》

「睡眠で覚醒する記憶」

大学教授のエドが、夜中に目を覚まし、妻が帰宅していないことに気づく。そこで、友人に連絡したり、職場に連絡するが行方がわからない。ついに警察にも連絡し、事故で運ばれていないかと救急の病院まで連絡する。しかし、妻の消息はわからない。不安が深まっていくエドは、睡眠薬を服用する。自宅に、警察官が訪ね、妻の不倫相手、教え子の学生、友人、カウンセラーらが訪ねてくるが、しだいに何が現実で何が夢の出来事なのかわからなくなってくる。床を這う指、浴槽に横たわる大きな不気味な赤ちゃん。便器から溢れ出す血・・・・。妻の秘密の日記には、エドtの争いの日々が記されていた。そして、繰り返し聞こえる隣家の喧嘩の声、窓越しに見た隣家の男は自分だった。

 現実と夢との交錯

それは確かにある。あれは夢だったのか現実だったのか、わからなくなることがある。それはうつらうつらしていたり、極度に疲れていて物忘れが激しくなったとき。特に今は多くなっているかも。自分が信じられなくなっていく。エドもそうかもしれない。自分がしたことを隠したい、その現実から逃れたいという逃避がそもそものスタートだ。いやなことは無かったことにしたくなる。幸せな世界を夢見ている。薬を飲むことは、いやな世界から逃れ、幸せな夢の世界に浸っていたいから。でも、薬も効かなくなり、限界を超えてしまうとき、現実と夢の交錯が始まる。エドは、自分がやったことに気づいていくから、それは正常なのかもしれない。

 一進一退の一週間。浮いたり信ずんだり。でも、確実に前進していると信じている。毎日、疲労回復剤とドリンク剤、そして頭痛薬を飲んだ。肩から首筋、頭の横からてっぺんまでひどく痛んだ。休日になってそれが治まっていくのが不思議だ。やはり、疲労と精神的な極度の緊張からきているのだ。大きな失敗もして、迷惑もかけた。開き直って、どうにでもなれと捨て鉢な気持ちにもなった。でも、一進一退しながらも、振り返れば少しは前進を感じるだけでもいいのではないか。

南極日誌

2008年11月29日 | サスペンス/ミステリー


2005年 韓国 115分
■原題「ANTARCTIC JOURNAL」
■2008.11.22 DVD
■監督 イム・ピルソン
■出演
  ソン・ガンホ(チェ・ドヒョン隊長)
  ユ・ジテ(ミンジェ)  カン・ヘジョン(イ・ユジン)
  パク・ヒスン(イ・ヨンミン)
  キム・ギョンイク(ヤン・グンチャン)
  ユン・ジェムン(キム・ソンフン)
  チェ・ドクムン(ソ・ジェギョン)

 《story》

「狂気の極点へ」
「その恐怖は『シャイニング』を越える」
「それは命まで凍りつく」


南極到達不能点を目指して、6人の探検隊員が進む。そこはマイナス80度を記録したり、ブリザードが吹き荒れる、極寒の地。ある日、80年目のイギリス探検隊員の日誌を発見する。そしてその日誌に導かれるように、不思議な出来事が起こり始める。チェ隊長は、失った妻子の影を背負いながら、強引にも前進を目指す。それは、一人ひとり失っていく隊員を見殺しにしたり、緊急のための無線装置の破壊などに現れていく。隊員の間でも不審は募る。それでも、前進することが、死んだ息子に言った言葉、「強くなれ」、そして家族のように思う隊員への思いが重なる。さらにチェ隊長の行動は、狂気に満ちあふれていく。

 自分が正しいのだ

「強く」という言葉が、次第に一人歩きしていく。本当は聞いて欲しい心の言葉は、語られることがなく終わる。「強くなれ」とは「死ぬな」に起きかけられ、「死んでも強く」と狂気に満ちあふれた世界へと変貌していく。孤独の思いを聞いてほしかっただけなのに。思いを伝えたかっただけなのに。弱さが悪のように突き返されてしまった。息子の死は、その刃によるもの。強くなるには、だれもが心の支えがいる。
モンスター化してしまった感じのある隊長。実際の所、この映画の意味はよくわからなかった。もっと深い意味があって、迫る恐怖、未知の体験があるのだと思っていたのだけど、何が言いたいのか。チェ隊長の息子への思い。その歪んだ表現。または、自分は間違っていないという、自己主張。弱いものが悪いのだと責めているのかもしれない。

東京にいる息子に事務連絡。会社もマンションも決まり、再びスタート。仕事は大丈夫だと思うけど、生活が心配。体のことも心配。今までのように、福岡だったらすぐにでも行けるけど、東京はすぐには行けない。私より頭はいいから、事務的なこともどんどん自分でこなす。健康に気をつけて・・・事件や事故に遭わないように・・・だまされないように・・・さまざまなことを思う。生まれたとき、片目だけつむって生まれた子。3才のとき、「もうしらん」と部屋の中に一人放っておいたら、不安な顔をしながら、それでもいつまでもじっとしていた。泣き叫んで出てくるかと思ったけど、じっとがまんしていた姿が心に残っている。東京は、私が大学時代にバイトでお金をためて友人を訪ねたことがある。それ以来かな。このまま順調にいけば、高速道路が1000円になれば、来年の夏に行きたいな。栄養をしっかりとって、運動もして、健康にだけは気をつけろよ。


ナイロビの蜂

2008年11月23日 | サスペンス/ミステリー

2005年 イギリス 128分
■原題「THE CONSTANT GARDENER」
■2008.11.17 DVD
■監督 フェルナンド・メイレレス
■出演
   レイフ・ファインズ(ジャスティン・クエイル)
   レイチェル・ワイズ(テッサ・クエイル)
   ユベール・クンデ(アーノルド・ブルーム)
   ダニー・ヒューストン(サンディ・ウッドロウ)
    ビル・ナイ(サー・バーバード・ペレグリン)
   ピート・ポスルスウェイト(ロービア)
   ジェラルド・マクソーリー
   ジュリエット・オーブリー
   リチャード・マッケーブ
   アーチー・パンジャビ

 《story》

「地の果てで、やっと君に帰る」

ナイロビ空港からロキに旅立つテッサを見送ったジャスティン。それが永遠の別れだった。その2日後、トゥルカナ湖の南端で、大破した車の中で死体となって発見。同行したアーノルド医師は行方不明だった。テッサとの出会いは講演会。恋に落ちたテッサはジャスティンの赴任先のアフリカに連れて行ってほしいとプロポーズ。テッサは正義感が強く、子どもを身ごもりながらも、アフリカ住民のために活動していた。ところが、子どもは死産。その後、さらにアフリカの住民の救援活動にのめり込む。そして、製薬会社がアフリカ住民を新薬の実験に使っていることをつきとめる。テッサの行動に不審を抱いていたジャスティンは、同僚サンディのテッサ宛の手紙を見つけ、テッサに死に疑問を強くする。テッサがレポートを渡した製薬会社を訪ねたところkら、ジャスティンは国に呼び戻され、脅迫を受けるようになる。ジャスティンは、テッサの従姉の弁護士の力を借りて、再びアフリカに渡り調査を始める。そこでジャスティンがつかんだものは・・・。

 利潤のために

世の中、だれか一部の人の儲けのために、大きく動かされているのだろう。ガソリンの高騰だってそうだった。儲けのためなら、人の命を奪っても平気。見つからなければそれでいいという考えが通用するのだ。ジャスティンが真相をつきとめようとしなければ、闇の中。きっと闇の中に葬られたことはいっぱいあるのだろう。こうして事実が明らかになった方が少ないはずだ。指示を出すのは雲の上の人。伝達ゲーム的に伝わって、何の関係もない人、ときには友人であるはずの人間が、事件を実行する。逮捕されるとしたら、その実行犯だけ。雲の上の人は痛くも痒くもないのかも。なんだか悔しいよね。本当に悪いことを考えやらそうとした人が裁かれるべきだけど、証拠がない。覆い隠される。
この映画は愛する人のために、その真実を探ろうとした愛の行動、人々を救おうとした正義をつらぬく行動、そんな人間として求めるべき姿を賞賛したものだ。他の人間を踏み台にして、利潤を追求することがどれだけ人間として汚いことか対比して見せてくれる。

初めて買い物をしたのは「サンマルク」というスーパーだった。それは引っ越しするとき、その途中で寄ったスーパーだ。下宿から10km以上離れていた。下宿の近くにはスーパーはない。けれど、このサンマルクまで行かなくても、その途中にいくつもスーパーはある。それなのに、しばらくはこのサンマルクに通うのだ。一度行ったことがあるというだけで、周りを見ることなく、そこ目指して買い物に行く。そんな性分なんだ。だから一度体験したこと、経験したことを唯一のもののように捕らえてしまい、もっといいものもっと便利な物に気づくまでに時間がかかる。自分が体験したことが世の中で一番いいものに思え、それ以外を受け付けようとしないところがある。不器用と言えばそうだよね。農家の2階の下宿で、カセットコンロを持ち込み自炊する。カレーを作る。野菜炒めを作る。ここには冷蔵庫がなかったので、あまり自炊はできなかった。朝は食べなかった。昼は学食。夜はしばらく自炊、学校の近くの安く大盛りの食堂。名前は忘れた。250円の焼きめし、食べきれないくらい大盛り。その頃はやせの大食いだったのでけっこう食べた。

 公式サイト「ナイロビの蜂」

クローバーフィールド/HAKAISHA

2008年11月22日 | サスペンス/ミステリー

2008年 アメリカ 85分
■原題「CLOVERFIELD」
■2008.11.15 DVD
■監督 マット・リーヴス
■出演
   マイケル・スタール=デヴィッド(ロブ)
   マイク・ヴォーゲル(ジェイソン)
   オデット・ユーストマン(ベス)
   ジェシカ・ルーカス(リリー)
   リジー・キャプラン(マレーナ)
   T・J・ミラー(ハッド)

 《story》

栄転となったロブを祝うパーティー会場で、ハッドはその様子をハンディビデオカメラで撮影することになった。ところが、突然の轟音、外で大変な事が起きていた。カメラをずっと撮影状態のまま、外に飛び出すが、自由の女神の首が飛んでくるなど、正体不明の何者かにニューヨークの街は破壊されていた。ベスから助けを求める電話を受け、ロブたちは救出に向かう。しかし、仲間は次々にやられていく。ビルからベスを救出したあとヘリに乗り込むが、怪物にやられ撮影し続けていたロブがやられた。助かったロブとベスだが、彼らが見たものは・・・。

 あんまり・・・

これを見たとき少し眠かったせいかもしれんが、ただの怪獣映画にいつものスリル満点の救出劇に、家庭用ビデオでリアルさを出したという感じだった。何の予備知識もなしに見たので、いつまでビデオカメラなんだと腹が立った。そこまで撮影せんでもええと言いたくなった。さらにそこまで撮影せんだろうとも言いたくなった。劇場ではビデオのぶれで気分が悪くなった人もいたという。1週間たって、この映画どんな映画だったっけ、と一瞬全ての内容を忘れてしまった。それだけ印象に残らなかった。
不思議だなと思うこと。仲間を救いに行くのに、行った仲間が次々に死んでいくこと。

大学時代のバイトを思い出した。まず最初は家庭教師。3人の子を教えたかな。今と同じ、計画性のない学習だった。そして皿洗い。1時間400円。夕方5時から10時まで2000円、夕飯付き。その店は焼き肉屋で、ランチも牛丼もステーキもあった。私は皿洗い、そしてご飯盛り、時には牛丼も作った。タレはおいしかった。山盛り牛丼を作って自分でも食べた。あるとき、牛丼用の肉の色が少し変色していた。「店長、この肉おかしいですよ」・・・「かまわん」という返事。あるとき、洗い物が追いつかなくて、ご飯茶碗がなくなった。「店長、皿洗いますから」・・・「いや、これでいい」と言って、水に浸かっている茶碗を取り出して、おしぼりでふいてご飯をよそって出した。厨房の裏を見て唖然とした。その後、この店は潰れた。やっぱりなと思った。

デジャヴ

2008年11月08日 | サスペンス/ミステリー

2006年 アメリカ 127分
■原題「DEJA VU」
■2008.11.2 DVD
■監督 トニー・スコット
■出演
   デンゼル・ワシントン(ATF捜査官ダグ・カーリン)
   ポーラ・パットン(クレア・クチヴァー)
   ヴァル・キルマー(FBI捜査官プライズワーラ)
   ジム・カヴィーゼル(キャロル・オースタッド)
   アダム・ゴールドバーグ
      (Dr.アレクサンダー・デニー)
   エルデン・ヘンソン(ガナース)
   エリカ・アレクサンダー(シャンティ)
   ブルース・グリーンウッド
      (FBI捜査官ジャック・マクレディ)
   エル・ファニング(アビー)  マット・クレイヴン(ATF捜査官ラリー・ミヌーティ)
   ションドレラ・エイヴリー(キャシー)  ドナ・W・スコット(ベス)

 《story》

「すでに起こった事件を、あなたは防げるか?
    すでに殺された女性を、あなたは救えるか?
    すべての答えは『デジャヴ』の中に・・・」


アメリカ、ニューオリンズ州。500人の海兵隊と家族を乗せたフェリーが爆破された。捜査官のダグは、現場で収容された女性クレアを見たとき、この女性を知っているというデジャブに襲われる。彼女の部屋を捜査したとき、残されたメッセージ、留守電から流れる自分の声に驚く。ダグは、政府の極秘組織「タイム・ウィンドウ」に誘われ、スクリーンに映される過去の映像を操作する姿に驚く。そこでタグは、クレアの自宅映像を要求。それはどこかで見た記憶であり、今回の事件を防ぎ、彼女を救うことができると強く思うのだった。ダグは、自分が過去に戻ることを決意。犯人に殺されかけていたクレアを救出。フェリーに仕掛けられた爆弾を爆発させないようにフェリーに向かう。しかし、そこで犯人に気づかれる。爆弾が積み込まれた車ごと、ダグとクレアは海に沈む。フェリー爆破は免れる。脱出したクレアも生きていた。しかし、ダグは車ともに海に沈んだ。桟橋で悲嘆に暮れるクレアの前に現れた捜査官は・・。

 結局タイムマシンだ

ひとつの時空のタグは死んだが、もうひとつの時空のタグは生きている。あのあとクレアとタグはどんな会話をするのだろうか。タイム・ウィンドウのメンバーとタグは接触することなく時は流れる。フェリーの大惨事は起きなかったのだから。時を越えるってややこしくてわからなくなる。ひとつの時間の世界に二人の自分がいるなんて変だ。自分にとってはそのもう一人の自分は他人だ。どちらかが死んでもいいなんて思えない。でも、そんな難しいことを考えなくても、おもしろくて楽しめる映画だ。

時を越えられるならどこにもどろうか。少年時代・・高校生のとき・・大学生・・いつがいいだろうか。もどって何かをやりなおせるだろうか。そして未来が変わるだろうか。それは自信がない。過去にもどっても同じ事を繰り返してしまうと思う。一歩踏み出せないところは、やっぱり二度目も踏み出せない。失敗したところは、同じように失敗する。こうすればうまくいかないという道を、もう一度同じようにたどるアホな自分がいる。二つに分かれている道を、そっちはだめだと分かっていても、進んでしまう自分。結局生きていく力強さがないのだろうね。自分で切り開いていくというエネルギーに欠けているんだろうね。

偶然の良いことと悪いことに左右される。自分で切り開こうとしないから、占いのような偶然の選択に大きく左右される。死に神が出れば憂鬱になって物事がうまくいかないし、大吉がでれば心が晴れて積極的に行動できてよかったり。昨日は心配事が一気に増え、一気に解決した珍しい日。気分はよかったけど・・・

 公式サイト「デジャヴ」