そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

男はつらいよ36 柴又より愛をこめて

2006年10月29日 | コメディ

1985年 日本 106分
■2006.10.29 BS2
■監督 山田洋次
■出演 渥美清(寅さん)  倍賞千恵子(さくら)  栗原小巻(式根島の小学校教師、島崎真知子) 川谷拓三(酒井、真知子の親友の亭主:ロシア語の教授)  美保純(タコ社長の娘・あけみ)  太宰久雄(タコ社長) 吉岡秀隆(満男) 森本毅郎(テレビ番組司会者)  松居直美(夢の中の打ち上げレポ-タ-)  関敬六(テキヤ仲間) アパッチけん(同窓会の幹事) 笠智衆(御前様)

《story》
あけみが夫婦げんかして家出した。タコ社長は、テレビの家出捜索番組で訴える。あけみからとらやに電話がかかり、寅に会いたいという。そこに寅が帰ってきて、あけみがいるという下田に向かう。仲間から情報を得て、あけみを見つける。向かいの式根島に行きたいというあけみと船で渡る。その船の中で同窓会で島に帰る若者たちと酒を飲む。意気投合し、島に着いたときも、その仲間たちとともに先生と出会い、真知子先生に一目惚れする。島の中ではあけみをほったらかしで真知子先生の後を追う。あけみは旅館の青年に告白され、寅といっしょに柴又に戻る。しばらくして真知子先生がとらやを訪ねてくる。真知子先生は、亡くなった親友の子を世話していて、その父親からプロポーズされる。それを寅に相談するのだが。

◎何かもの足らない、少しはめを外してわくわくするようなことをしたい、あけみはそんなことを考えているんじゃないかな。家を飛び出したい気持ちはわかる。あの無表情な夫だったら、おもしろくないなあ。だから破天荒な寅さんに会いたくなったんだと思う。いつでもどこでも行動できる寅さんはうらやましい。そして、いつまでも自分の気持ちに身を任せて行動できる寅さんは魅力的だ。自分が困っているとき、ふっと顔を上げたらそこに「どうしたい」と寅さんが笑顔で見つめている。頼もしく感じるだろうな。ただ、長続きしないのが欠点だ。すぐに視点はちがうところに向けられていく。満男のあこがれもわかる。根となるものを無くしてでも自由に生きるか、自由はなくともしっかり根を張るか、それが人生の分かれ道だ。

クリスティーン

2006年10月28日 | ホラー

1983年 アメリカ 111分
■原題「Christine」
■2006.10.27 wowow
■監督 ジョン・カーペンター
■出演 キース・ゴードン(アーニー) ジョン・ストックウェル(デニス) アレクサンドラ・ポール(リー) ハリー・ディーン・スタントン(ジャンキンス)  ロバート・プロスキー  ケリー・プレストン

《story》

「クリスティーンは、誰にも殺せない」

1957年、デトロイでト真っ赤なプリマスが完成しようとしていた。行員がエンジンをチェックしようとしていたら、ボンネットが突然しまり、両手を挟んでしまった。また、ある行員はタバコをくわえたまま、その車の内部を点検中、タバコの灰をシートに落とし、車の中で一酸化中毒で死んでいるところを発見される。
あれから15年。アニーは気弱な学生で、両親にも不良たちにもものが言えなかった。唯一の友達デニスが彼を守っていた。ある日、アニーはおんぼろプリマスを発見し魅了する。そして250ドルを払い購入し、自分で修理していく。その日から、アニーは変わっていった。大変身したプリマスを乗り回していたアニーをよく思わなかった不良たちは、夜その車をボコボコに壊してしまう。ところが、アニーの目の前でその車クリスティーンは自分の力で元に戻っていった。そして復讐が始まった。

◎物に心が宿る話はよくある。そんな心のある車もあってもおかしくない。正面から見たら、ヘッドライトの目、口など顔に見える。しかし、心にもいろいろあるけど、悪の心はこわい。いつまでもはびこる。善良な人を巻き込む。どんな経過で悪の心を持つようになったか知らないが、何のために人を襲うのかわからないが、それだけにこわい。善悪のわからない人ほどこわいものはないのと同じ。平気で残酷なことをする。車にこめられた呪いのようなものがあったら、もっと迫力が出たかもしれない。

地下鉄(メトロ)に乗って

2006年10月28日 | ファンタジー/アドベンチャー

2006年 日本 121分
2006.10.27 バルト11
■監督 篠原哲雄
■出演 堤真一(長谷部真一)  岡本綾(みちこ)  常盤貴子(お時)  大沢たかお(小沼佐吉)  田中泯(野平啓吾)    笹野高史(岡村)  北条隆博(小沼昭一)  吉行和子(長谷部民恵)

《story》

「いつもの地下鉄を降りると、そこは昭和39年の東京だった」

真次は父が倒れたというメッセージ弟から受けた。父の横暴さにいやけがさし、父とは高校を卒業して以来長く会っていない。真次はそのまま家路につこうと地下鉄に乗った。列車を降り、地下道を通っていたら、事故で亡くなった兄に似た人を見かけた。真次はその人物を追いかけて階段を上り、表通りに出た。そこは兄が死ん当日の町だった。兄を追いかけパチンコ屋に入る。そして、家まで送った。
再び過去に戻った真次、そこには終戦直後を生きる父がいた。そして、真次の不倫
相手のみちこもいた。二人は同時に同じ過去に戻っていた。
父が出征した日、満州で子どもたちを守る父。そして兄が死んだ日、真次とみちこは、みちこの母のスタンドに行った。そこに、涙にあふれた父も来たのだった。

◎こうして過去を振り返れたらどんなにいいだろう。だれにでも、自分と同じように必死に生きた人生がある。氷山の下には、たくさんの出来事と、思いがある。過去は決して変えることはできない。もし自分が過去にもどれたとしても、やっぱり同じ道をたどるだろう。でも、考え方や感じ方は変えることができる。憎く思っていた出来事も、あらためてちがう角度から見たら、やさしい気持ちが覆い隠されていたことがわかる。やさしくなりなさい、過去は語りかける。憎んだり、恨んだりしても仕方ない。
みちこの人生って何だったのだろう。唯一みちこ自身が変えてしまった。なかったものにしてしまった。深く考えれば矛盾している。生まれないはずの人間が、過去に行って自分を消してしまうなんて。悲しい人生になってしまった。真次を愛するが故にしたことだけど、お時さんのその後の人生は・・・父の気持ちの変化は・・・
やっぱり過去は変えられない。現在の過去に対する自分の気持ちしか変えられない。

公式サイト「地下鉄(メトロ)に乗って」

交渉人 真下正義

2006年10月26日 | サスペンス/ミステリー

2005年 日本 128分
■2006.10.26 TV
■監督 本広克行
■出演 ユースケ・サンタマリア(真下正義:警視庁刑事部交渉課準備室課長 警視) 
寺島進(木島丈一郎:警視庁刑事部捜査一課 警視)  小泉孝太郎(小池茂:警視庁刑事部交渉課準備室CICルーム係長 警部)   高杉亘(草壁中隊長:警視庁警備部特殊急襲部隊 警視正)   松重豊(爆発物処理班班長:警視庁警備部爆発物処理班班長 警視)  甲本雅裕(緒方 薫:湾岸署刑事課盗犯係 巡査部長)  遠山俊也(森下孝治:湾岸署刑事課強行犯係 巡査部長)  柳葉敏郎(室井慎次:警視庁刑事部捜査一課管理官 警視正)  水野美紀(柏木雪乃:湾岸署刑事課強行犯係 巡査部長)  西村雅彦(前主十路:指揮者)  石井正則(矢野君一:TTR広報主任)  金田龍之介(熊沢鉄次:線引屋) 國村隼(片岡文彦:TTR総合指令室 総合指令長)

《story》
台場連続殺人事件で、初の交渉人として騒がれた真下正義。マスコミでの不用意な発言がきっかけとなり、新たな事件が起きた。「真下警視、出ておいで。一緒に地下鉄走らせようよ。弾丸ライナーより」東京の地下にくものように張り巡らされた地下鉄。実験車両が盗まれ、地下でかってに動き回りだした。犯人は、真下を名指しに連絡してきた。第一の爆破。第二の爆破、実験車両はどこに・・・犯人とのゲームは、恋人の危機にまで・・・・。

◎何気なく見るにはいいかも。「交渉人」とあったから、犯人との駆け引きの中で、言葉のトリックや驚愕の展開が待っているのかと思いきや、ただの推理ゲームだった。犯人がどんな人物なのかわからないのも、すっきりしなかった。足だけとか、手だけとか、影だけでも、何か犯人を思わせるものがほしかった。

男はつらいよ35 寅次郎恋愛塾

2006年10月22日 | コメディ


1985年 日本 108分
■2006.10.22 BS2
■監督 山田洋次
■出演 渥美清(寅さん)  倍賞千恵子(さくら)  樋口可南子(江上若菜・写植オペレ-タ-)  平田満(若菜と同じアパ-トに住む酒田民夫)  初井言栄(若菜の祖母) 美保純(タコ社長の娘・あけみ)  下絛正巳(おいちゃん)  三崎千恵子(おばちゃん)  前田吟(博)  太宰久雄(タコ社長)  佐藤蛾次郎(寺の下男-げんちゃん)  吉岡秀隆(満男)  松村達雄(酒田の恩師、大学教授)  笠智衆(御前様)

《story》 

「恋してるなら 勝負しろ」

九州の旅先で、転んだおばあちゃんを助けたことから、仲間のポンシュとその日はおばあちゃんの家で宴会をする。その夜、寅に見守られながら、おばあちゃんは息を引き取る。教会で葬儀が行われ、孫娘の若菜が東京から駆けつける。寅に礼を言い、別れる。柴又のとらやに若菜が礼状が届く。さっそく寅はそこに書いてある住所を訪ね、仕事の世話をしたり、とらやに呼んで夕食をごちそうしたりする。若菜が住んでいるアパートの階下に、司法試験に挑む青年が住んでいて、若菜に恋していた。それを知った寅は、若菜と青年のデートを仕組む。

◎寅さんの恋ではなく、若い二人の恋を結ぶ話だった。若干、自分が恋のステージに上がれないぶん、さみしさがうかがわれるが、これからはこんな結びつける話が多くなるのだろうなと思った。初回から比べたら、かなり年をとったよね。もう、本当に恋だの愛だの言ってられない年齢だなあ。
あんな純情な青年も珍しくなった。現代で、こんな恋ができるのだろうか。写真をノートに挟み、恋いこがれ、遠く見つめる純な恋。だから余計に、彼女の部屋で、彼女が「泊まってってもいいのよ」と言う場面は、女性の方が一歩先を行っているようで不釣り合いな感じがした。
満男は大きくなったなあ。お客さんを迎えに行ったり、近所を案内したりできる年になったんだ。


ミザリー

2006年10月21日 | サスペンス/ミステリー

1990年 アメリカ 108分
■原題「Misery」
■2006.10.21 wowow
■監督 ロブ・ライナー
■出演 ジェームズ・カーン(ポール・シェルダン) キャシー・ベイツ(アニー・ウィルクス) ローレン・バコール(マーシャ・シンデル) リチャード・ファーンズワース(“バスター”・マッケイン保安官) フランシス・スターンハーゲン(ヴァージニア・マッケイン) グレアム・ジャーヴィス(リビー)

《story》

「あなたが殺したミザリーを私が生き返らせてあげる」

作家のポール・シェルダンは、ベストセラーの「ミザリー」の連載を、ミザリーを物語の中で殺すことで、終わらせようとしていた。小説を書き上げ、エージェントの元に行く途中、雪で車がスリップし、崖下に転落してしまう。瀕死のポールを救出したのが、彼のファンで看護士をしているアニーだった。ポールの両足は骨折のため固定、右腕も三角巾でつっていて、ベッドで身動きできない状態だった。そんなポールにアニー献身的な看護をするのだった。しかし、彼の小説「ミザリー」を読んで、ミザリーが死んでしまうことに激怒する。その小説を燃やすように強要したり、電話線を切っていたり、アニーの不可解な行動が目立ち始める。アニーはポールをこの家に縛り付けるために、治りかけていた足を強打して再び骨折させるなど、狂気な行動が増えていく。

◎身動きできな状態のとき、そばにいる人に頼るしかない。でも、その人が自分を苦しめる人間だったら、逃げたくても逃げることができない、されるがままになるしかない、計り知れない恐怖があった。まさに監禁されているとはこのことなのだろう。
しかし、ポールは冷静に判断し行動し、時間をかけてでも逃げ出す努力をした。ラストで、ウエートレスが一瞬アニーに見えるところは、心に焼き付いた恐怖を印象づけている。

ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ

2006年10月21日 | ホラー


2005年 アメリカ 102分
■原題「Hide and Seek」
■2006.10.21 wowow
■監督 ジョン・ポルソン
■出演 ロバート・デ・ニーロ(デヴィッド・キャラウェイ) ダコタ・ファニング(エミリー・キャラウェイ) ファムケ・ヤンセン(キャサリン) エリザベス・シュー(エリザベス・ヤング) エイミー・アーヴィング(アリソン・キャラウェイ) ディラン・ベイカー(ハファティ保安官)

《story》

「もういいかい、まあだだよ
    もういいかい、もういいよ」

デビッドの妻でありエミリーの母が、浴槽で自殺した。心理学者であるデビッドは、娘のエミリーの心の静養にと、校外の住宅に二人で引っ越す。しかし、エミリーは心を開こうとせず、見えないチャーリーという友達と遊ぶようになる。そして、不可解な現象が起き始める。深夜、浴槽にろうそくが灯り、「アリソンを殺したのはおまえだ」などと走り書きがしてあった。エミリーは、そのいたずらをしたのはチャーリーだと言うのだった。デビッドは、チャーリーとう空想の人物を作りだしているエミリーを何とか治療しようとするのだが。ついに殺人まで犯してしまう。チャーリーは本当に実在するのか。

◎ホラー映画かと思いきや・・・。現実にありうるもっと怖い事実があった。自分のしていることがわからないことほど恐ろしいことはない。自分が考えていることが正しいと信じられなくなる怖さがあった。日常生活の中でも、これと似た小さな出来事はよくある。何かいやなことがあったときに、その原因となった人を責める。しかし、後から、実はその人が悪かったのではなく、自分がやったことが原因だったと気づいたときの大きなショック。自分が信じられなくなって、自信喪失となる。そして一歩も前に進めなくなる。
「ああ、自分だった。」と気づくことがベストなのか、知らない方がよかったのか。この映画であれば、知ったからこそ、悪夢を好転させることができた。知らなければ、もっと恐ろしいことになっていたことだろう。私は、知りたくない。できれば傲慢に過ごしていたい。小さくなってつぶれていきたくない。
エミリーの心の傷は、母の自殺だけでなく、父までも・・・・。

公式サイト「ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ」


涙そうそう

2006年10月20日 | ラブロマンス/青春


2006年 日本 116分
2006.10.20 バルト11
■監督 土井裕泰
■出演 妻夫木聡(新垣洋太郎)  長澤まさみ(かおる)  小泉今日子(母-光江)  麻生久美子(恋人-恵子)  塚本高史  中村達也  平良とみ

《story》

「泣いても、泣いても、溢れ出す、君への想い」

洋太郎が8才のとき、ライブハウスの廊下で出会ったかおるはまだ幼かった。洋太郎に驚き、階段から落ちてけがをした。そのときから二人は兄妹になった。
2001年、沖縄。洋太郎はいつか自分の店を出したいと、市場や居酒屋で働いてお金を貯めていた。かおるが高校生なり、本島の高校に通うことになり、洋太郎のボロ家でいっしょに生活することになった。洋太郎は、お母さんが死ぬ間際に言った、「かおるを守って」という言葉を胸に、血のつながらない妹を大事にしていた。
かおるは、大学に合格し、兄から離れ、一人暮らしを始めた。ある日、台風がきて、かおるの家の窓に木がつっこんできた。どうしていいかわからずうずくまるかおるの元にやってきたのは、兄の洋太郎だった。壊れた窓の処置をした洋太郎は、その場で倒れ、病院にかつぎこまれた。そして・・・。

◎むくわれぬ恋と言えるのかもしれない。いや、洋太郎が病気になることがなかったら、「みゆき」のようにラストは結ばれたかもしれない。二人は、まるで「みゆき」のように、心の底でお互いを愛し、お互いを求めていたのだから。
洋太郎の恋人だった恵子との関係は・・。かおるが本島に来なかったら続いていたのだろうか。相容れない世界ってあるのだと思う。若いときは、好き会っていても、結婚となると、後ずさりする世界がある。どう考えても、二人がそれぞれの夢を追いつつ、ともに生活をすることは無理だ。どちらかが夢をあきらめ、どちらかの世界にどっぷりつからない限り、同じ基盤の生活はできない。なんだか「それが現実だよ」と言ってしまう自分がさみしい気がした。「どこかに道はあるよ。突き進もうよ」とは言えない。
洋太郎は、恵子よりも、心の奥底にいるかおるを選んだのだ。確かに世界がちがうけど、それを理由に恵子よりかおるを大事に思う心を選んだのだと思う。そしてそれが恋なのか、それともそれをもっと乗り越えた兄妹愛なのか、家族愛なのか。
兄の一生懸命さを思ったら、「みゆき」のようなラストであったら・・・。ありきたりかもしれないけど。

公式サイト「涙そうそう」


チャーリーとチョコレート工場

2006年10月17日 | ファンタジー/アドベンチャー

2005年 アメリカ 116分
■原題「Charlie and the Chocolate Factory」
■2006.10.17 wowow
■監督 ティム・バートン
■出演 ジョニー・デップ(ウィリー・ウォンカ) フレディ・ハイモア(チャーリー) ヘレナ・ボナム=カーター(バケット夫人) ディープ・ロイ(ウンパ・ルンパ) ミッシー・パイル(ボーレガード夫人) クリストファー・リー(ドクター・ウォンカ)

《story》
チャーリー少年の家は、傾いていておんぼろで、父は失業中、それに祖父母が二組で寝たきり状態。貧しいながらも7人での生活を、チャーリーは幸せに感じていた。特に年に一度の誕生日に買ってもらえるチョコレートを楽しみにしていた。
チャーリーの家のそばには、15年間門は閉ざされ、中に入った人も出てきた人もいないチョコレート工場があった。世界的に大ヒットを出し続けるこのチョコレート工場が、5人の子どもたちを工場見学に招待するという。このチョコレート工場で作られたウォンカ製の板チョコに入ったゴールデン・チケットを当てた5人の子どもと保護者が招待されるのだ。1人、2人、3人、4人と当選者が出た。チャーリーも誕生日にチョコレートを買ってもらったけれど、ゴールデン・チケットは入っていなかった。締め切り間際のある日、道ばたで拾ったお金で、板チョコを買ったら、なんとールデン・チケットが入っていたの。
さあ、いよいよ工場見学の日がやってきた。工場の中はいったいどうなっているのでしょう。

◎貧しいながらも、幸せを感じている欲のなさが、人生を歩む大きな力となっている。対照的に、お金にものを言わせる生き方、計算高い生き方、自慢ばかりする生き方、食べるばかりの抑制のきかない生き方が、愚かに見える。
ウォンカは、なぜ子どもを招待する気になったのか。友達がほしかったのか。陥れるつもりではないことはわかったが、1人2人と消えていった。一番欲のないチャーリーが、懸賞を得ることになる。でも、欲がないから、貧しい家族を選び大切にする。そして、その気持ちが、ウォンカの心にあったこだわりを解決に導いた。
工場の中の不思議な世界は、感動いっぱいのファンタジーの世界とはいえない。どこか不気味で、何か魂胆がありそうで、どこかに落とし穴がしかけてあって、だれかが落ちていくのを喜んで見ているような、そんな手放しでは喜べない感じがした。
でも、ウォンカは純粋にチョコレートが好きなだけで、おいしいチョコレートを作ろうとアイデアを練っているだけだった。
まあ、ハッピーエンドで終わってよかった。貧しい家族は、その助け合う気持ちをそのままに、メルヘンの世界に入っていけたからね。



公式サイト「チャーリーとチョコレート工場」

男はつらいよ34 寅次郎真実一路

2006年10月15日 | コメディ

1984年 日本 107分
■2006.10.15 BS2
■監督 山田洋次
■出演 渥美清(車寅次郎)  倍賞千恵子(さくら)  大原麗子(富永ふじ子)  米倉斉加年(証券会社課長・富永)
 下絛正巳(おいちゃん)  三崎千恵子(おばちゃん)  太宰久雄(タコ社長) 佐藤蛾次郎(寺の下男) 吉岡秀隆(満男) 前田吟(博) 笠智衆(御前様)  津島恵子(富永の姉) 桜井センリ(九州のタクシ-運転手) 関敬六(テキヤ仲間)  風見章子(ふじ子の母)  辰巳柳太郎(富永の父)  美保純(タコ社長の娘・あけみ)

《story》
タコ社長とけんかした寅は上野に飲みに出た。しかし、お金が足りなくなり、さくらに電話するが怒られてしまう。そばで飲んでいた会社員(富永)が、勘定を払ってくれた。翌日、お礼をかねて富永の会社を訪ね、仕事が終わった彼と再び飲む。朝、目覚めた寅は、富永の自宅に寝ていた。すでに彼は自宅を出て出社していた。彼の奥さんに朝食をすすめられたが、二人だけがいることに気づき、家を出る。
ある日、富永は、長時間かけての会社への行き来にうんざりし、蒸発してしまう。彼の奥さんから相談を受け、九州の彼のい故郷で彼を見たといううわさを聞き、寅と奥さんは飛行機で九州の鹿児島、枕崎に向かう。しかし、見つからなかった。

◎他人の勘定を払ってあげようとする人もいるんだなあ、まれな優しい人だと思うよ。それに、そのお礼にと、次の日にまた飲みに誘うのも寅さんならではだと思った。それにうわをかけるように、仕事が遅く終わって、一緒に飲みにいくなんて、酔った寅さんを自宅に連れて帰るなんて、めずらしいお人好しだと思った。そんな人が、あんな株式の慌ただしい中で仕事が続くのだろうか、人の心の裏をかくような仕事に向いていないような気がした。のんびり海を眺め、自然の中で時間を忘れて、たたずんでいたいよね。
「おれは醜い」-このまま彼がいなくなればと思う自分。奥さんとの旅を楽しいと思う自分。あるよなあ。心の中で、そんな自分のことだけを考え、他人の不幸をのぞむことって、けっこうあるよなあ。でも、そんな自分の姿を自分で見ることができる寅さんはえらいよね。それを戒める寅さん立派だよね。でも、つらいよね。