そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

いつか眠りにつく前に

2008年11月30日 | ラブロマンス/青春

2007年 アメリカ/ドイツ 117分
■原題「EVENING」
■2008.11.28 DVD
■監督 ラホス・コルタイ
■出演
   クレア・デインズ(アン・グラント)
   トニ・コレット(ニナ)
   ヴァネッサ・レッドグレーヴ(アン・ロード)
   パトリック・ウィルソン(ハリス・アーデン)
   ヒュー・ダンシー(バディ・ウィッテンボーン)
   ナターシャ・リチャードソン(コンスタンス)
   メイミー・ガマー(ライラ・ウィッテンボーン)
   アイリーン・アトキンス(夜勤看護師)
   エボン・モス=バクラック(リュック)
   バリー・ボストウィック(ウィッテンボーン氏)
   メリル・ストリープ(ライラ)  グレン・クローズ(ウィッテンボーン夫人)

 《story》

「すべての女性の人生が、美しい一瞬を持っている」
「死の床にある母が語った物語は、娘達が知らない40年前の愛の記憶」


思い病気にかかり、死を前にしたアン。長女のコンスタンスと次女のニナは、母の混濁した意識の中から、今まで聞いたことのない「ハリス」という名を耳にする。それは、アンがだれにも話したことのない40年前の日にさかのぼる。歌手としての夢を追って暮らしていた頃、親友のライラの結婚式で歌ってほしいと言われ、故郷に戻った。ライラの弟のバディに迎えられ、ハリスを紹介される。ライラはハリスに思いを寄せていたが、ハリスの心はライラになく、愛される道を選ぶことを決意する。リハーサル・ディナーの夜、アンとハリスはふときっかけで口づけをかわす。しかし、それは二人の心に永遠の明かりを灯した。結婚式の夜、以前からアンに思いを寄せていたバディは、二人切りになった夜、その想いを告げる。しかし、アンは、友人としか思っていないことを伝え、バディをなぐさめる。その夜、アンとハリスは、森の中の小屋で一夜を供にする。同じ頃、自暴自棄となったバディが酔って車に跳ねられる。バディは死に、アンとハリスは別れ別れとなる。あれから40年、死の床にあるアンの元にライラが訪ねる。

 一人の人間として

思い出されるのは、かつて愛した人。それは青春の真っ只中であり、燃えるような情熱が残した強く深い残像。決して今の夫を愛していないわけでない。でも、きっとあの頃のことが一番心に濃く刻まれているのだ。だれもが体験するであろう青春の日々。それは死を前にして、その人間の心の湧き出る泉のようなもの。だれもそれを止めることはできない。そして止める必要もない。でも・・・自分たちの父親以外の名前が、母親から出てきたとしたら・・・姉妹とも父親がちがうのだから、それほど気にはならないのかもしれない。ただ知らなかったことが、姉妹の不安をかりたてたのだろう。でも、日本ではないからか、それとも私が古いのか、そばにいる者として、知らない人の名前がでることを素直に受け止めることができるだろうか。人を愛すること、家族を作ること、家族と生活すること、人と生きること、どれもそう簡単には進んでくれない。いくつもいくつも登ったり下ったり、曲がったり、ときには立ち止まったり、ちがう道を進んだり、人生はだれもが楽しいばかりではない。一人の人間として、死を前にして、私は何を思い出すのだろう。

 公式サイト「いつか眠りにつく前に」

 大学の下宿。ある友達の下宿も、農家の一室だった。部屋に入ると、真ん中に布団が敷いてあった。その周りに脱いだ服やズボン、炊飯器、茶碗、本、雑誌など様々なものが置いてあった。それは座る場所がないくらいだった。その友人は昔の日本男児のような雰囲気をまき散らし、日本刀でも振り回すのではないかという怖さもあたった。愛国心いっぱい、天皇賛美、今まで出会ったことのない種類の人間だった。何度か付き合ったあと、姿が見えなくなった。また、ある友人は、昔マンガで読んだ「おぼっちゃまくん」のような人だった。ついついからかいたくなるキャラで、議論と称してつまらないことを言って困らせてしまった。パニックになりかけた。悪いことをした。また、1年目の下宿の隣にいた先輩は、何とか言う宗教の信者だった。坊主頭の先輩、身の回りの世話をしている女性の先輩、同級生の男子2人と知り合った。みんな人はいい。あったかい人たちだった。町の案内もしてくれた。さまざまな相談ものってくれた。誘われて集会にも行った。校内で開かれる講演会の手伝いもさせられた。本当にいい人たちだった。でも、天皇賛美、宗教にはこりごりしてただけに、その場から早く立ち去りたかった。1年で下宿を変わったのもそのためもあった。今なら、もっとちがった付き合い方ができたかもしれない。もっとちがった方法で、人との関係を作ることができたかもしれない。いやいや、あの当時と今も、私は変わっていないのかも。

テラビシアにかける橋

2008年11月30日 | ファンタジー/アドベンチャー

2007年 アメリカ 95分
■原題「BRIDGE TO TERABITHIA」
■2008.11.24 DVD
■監督 ガボア・クスポ
■出演
   ジョシュ・ハッチャーソン(ジェス・アーロンズ)
   アンナソフィア・ロブ(レスリー・バーク)
   ズーイー・デシャネル(エドマンズ先生)
   ロバート・パトリック(ジャック・アーロンズ)
   ベイリー・マディソン(メイベル・アーロンズ)
   ケイト・バトラー(メリー・アーロンズ)
   デヴォン・ウッド(ブレンダ・アーロンズ)
   エマ・フェントン(エリー・アーロンズ)
   グレイス・ブラニガン(ジョイス・アーロンズ)
   レイサム・ゲインズ(ビル・バーク)

 《story》

「この橋を渡れば、またきみに会える」
「目を閉じて、心の扉を開いて」
「空想の王国(テラビシア)で、僕たちはかけがえのない時間を過ごした」


ある田舎町の11才の少年ジェスは、女の子の姉妹の中で、スニーカーも買ってもらえず、姉のお古を使わざるをえない生活だった。学校ではいじめられ、両親も自分をわかってくれず、慕ってついてくる妹も鬱陶しかった。ある日、隣に引っ越してきたレスリーに、かけっこで一等を奪われる。レスリーは、誰にも媚びることなく、自分の信念で行動していた。ジェフは、そんな彼女に惹かれていった。二人は、裏山の川にかかるロープで、その小川を超え、森深く入っていった。そこで、空想の王国を作りあげていた。灰色だったジェフの生活が、レスリーとともに明るくなっていった。休日、ジェフの絵画の才能を感じていた音楽教師に美術館に誘われ、レスリーのことを気にしながらもジェフは出かけていく。帰宅したジェフに、レスリーが小川に落ちて亡くなった知らせが届く。

 死で終わるのは・・・

確かにかけがえのない時間だと思う。ジェフの生活が一変した。きっとレスリーの生活もそうだと思う。ここに引っ越してくるまでのレスリーも、友達のいない仲間はずれの女の子。この森が二人を変えた。二人の波長があった。空想の世界は、ただそこにあるだけでなく、心地よい戦いを体験させてくれた。それは、今までの投げやりな自分との戦いでもあったのかもしれない。苦しい戦いではなく、レスリーとともに力を合わせるわくわくするような冒険だ。しかし、この二人で築いた空想の物語が、「死」で終わるのは何とも悲しい。ジェフにとっては、今までいつの間にか二人で身につけた成長を、今度は自分一人で試す時間。それは、妹との体験、守るべき人との空想の体験に変わっていった。ジェフにとっては、レスリーの死は乗り越えなければならない試練であり、新しい物語を作るスタートとなった。でも、レスリーにとっては、ただの死。それは悲しくつらいだけ。二人でもっとこの森で楽しく遊びたかったろうに。「死」はあくまでも「死」でしかなく、それが人生の苦難であれば、それはジェフだけに言えることで、レスリーにとっては人生の終わりに過ぎない。

 公式サイト「テラビシアにかける橋」

 「死」それは必ず身近にやってくるものである。ここ数年間はその影を感じない。感じてはいないけど、いつもそばにある。できれば見たくない。いつまでも影のままで、表には出てこないでほしい。東京にいる息子のことも心配だし、バイクに乗る息子のことも、妻や親や、さまざま人の死が目の前にこないでほしいと、いつも願っている。それらの死が来るのなら、それよりも自分の死が早くくればいいとさえ思っている。映画を見ていても、「死」の場面は敏感に感じてしまう。映画の中で、あの人はこのあと死ぬんだなとわかっていても、やっぱり涙が出てしまう。同じ場面を何度見ても同じ。これは年を取ったからなのかも。涙腺がゆるんでいるのだろう。できるだけ、たとえ映画の中でも簡単に人を殺さないでほしい。意味不明な考察になってしまった。

ハッピーフライト

2008年11月30日 | コメディ
 
2008年 日本 103分
2008.11.24 TOHOシネマズ緑井
■監督 矢口史靖
■出演
   田辺誠一(鈴木和博)  時任三郎(原田典嘉)
   綾瀬はるか(斎藤悦子)  吹石一恵(田中真里)
   田畑智子(木村菜採)  寺島しのぶ(山崎麗子)
   岸部一徳(高橋昌治)

 《story》

「ヒコーキ、飛ばします」

たくさんの人が出入りし関わっている空港。ある日のホノルル行きの便もそうだった。機長の昇格テストを受ける鈴木、教官の原田。初めての国際便となる斉藤、チーフの山崎、グランドスタッフ、管制塔、整備士、バードパトロールなど。安全な快適な飛行を目指して人々は働いていた。しかし、整備の工具が一つ行方不明。空港内ではかばんの取り違え。キャビン内では、飲みのを取り違えた、りデザートがなくなってその場で作ったり。そして鳥の衝突により器機の損傷。引き返すことになったが、台風が近づいていた。管制塔では、風の向きと強さを考え、着陸場所と時間の計算。模擬訓練では、飛行機を墜落させた鈴木の腕に、乗客の命は預けられた。

 ほのぼのしている映画がいいよね

月曜日のメンズデー1000円。前の日にインターネットでチケット予約をしていてよかった。カウンター前では長蛇の列。ロビーをはみ出てエレベーターの近くまで並んでいた。私は、そばのチケット発券機ですぐにチケットを手に入れ、椅子で一休み。毎日ストレスを抱え、潰れそうになれながらも働いている人にとって、こんまほのぼのとして、楽しく笑える映画は最高だ。ギスギスしていた心があったかくなって、どんと構える強さと、今まで受け入れられなかったものを正面から軽く受け取る勇気と優しさが、いつの間にか自分に安心をもたらせてくれる。みんな一生懸命に働いている。命に関わる仕事だけど、緊張も大事だけど、心にゆとりのない業務は、反対に大きな失敗を招き、失敗に対処できなくなる。多少の失敗は多めに見て、「こんなときは、ははは、って笑おう」

 公式サイト「ハッピーフライト」

 小心者の私は、飛行機は苦手だ。じゃあ乗りたくないかと言えばそうではない。乗りたい。でも怖い。今までそんなに乗ったことはない。大昔ニュージーランドに行った。夜出発、朝着いた。向こうでも飛行機で移動。プロペラ機にも乗った。雨が降っていて、上下に大きく揺れた。セスナにも乗った。氷河の上に着陸した。最近では数年前に沖縄に行った。慣れればこわくないのかもしれない。たまに乗るからこわいのだろう。怖いけど、飛行機の旅をしたいものだ。今はそんな余裕はないけど。

ちーちゃんは悠久の向こう

2008年11月29日 | ラブロマンス/青春

2007年 日本 94分
■2008.11.22 DVD
■監督 兼重淳
■出演
  仲里依紗(ちーちゃん=歌島千草)
  林遣都(モンちゃん=久野悠斗)
  高橋由真(武藤白)  波瑠(林田遊子)
  奥村知史(加藤信二)  植松孝行(橘)
  兼子舜(横田)  小野まりえ(大島)
  霧島れいか(久野智子)  中山祐一朗(西一洋)
  永山菜々(歌島千草=少女時代)
  飛田光里(久野悠斗=少年時代)
  堀部圭亮(久野武)  西田尚美(歌島実奈子)

 《story》

「死んでも、終わらない恋」

大きな桜の木の下で遊ぶちーちゃんと悠斗。ちーちゃんはお化けが大好き。ベランダから大きな傘を広げて飛んだ悠斗、次はちーちゃんの番だ。月日は流れ、二人はは高校生。いつも屋上で昼食をとる。悠斗は弓道部。ちーちゃんはオカルト同好会。ちーちゃんは部室で学校の七不思議の冊子を見つける。さっそく二人でその場所を巡る。苔地蔵の前に立った二人の前に、弓道部の先輩が現れる。しかし、その先輩はちーちゃんを無視。ちーちゃんが作ったお弁当を食べているはずなのに、その直後に感じる空腹感。悠斗が抱える苦悩がしだいに明らかになっていく。何かに気が付いた悠斗が、あわてて駆け込んだちーちゃんの家。そこには、あの幼いちいちゃんの写真が・・・。

 気づかなければよかったのだろうか

だれも気づかなければ、ずっとずっと二人の幸せな時間は続いていたんじゃないだろうか。その方がよかったと思うんだけど。気が付いたのが不幸の始まり。別れがやってきた。世の中何も知らない方がいいこともある。知ったばかりに苦しむこともある。しかし、この二人はいつか気づく。小学校時代、中学校時代と気づかなかったのが不思議だ。気が付かないふりをしてきて生きてきたのかもしれない。いつか、悠斗の前に悠斗を想う女性が現れる。そのときが事実を知るとき。別れの時。悠斗が、過去を乗り越え、未来に向けて歩き始めるとき。でも・・・このラスト少し変じゃない。あの先輩の体にちーちゃんは入り込んだのか。あの先輩の心はどこに行ったんだ。もし先輩の体を奪ったのなら、ひどいんじゃない。これから楽しく過ごせるのか。

 公式サイト「ちーちゃんは悠久の向こう」

大学4年生のときに、お金をためて東京に行った。ヤマザキパンの夜の仕事。夕方出勤して、運ばれてくるパンの仕分けをする。真夜中の12時に夜食、休憩、朝方まで仕分けして、トラックに積み込む。トラックは朝4時頃、それぞれの店に向けて出発する。下宿に戻れるのが7時頃、少し寝てすぐに大学に行くこともあった。きつい仕事、きつい日々。でも、その当時で1日7000円くらいもらった。だから結構貯めることができた。そのお金をもって、どのようにして東京に行き、何をして、どのようにして広島に帰ったのか、細かいところは不明。何にしても記憶力のない私だから情けない。多分、鈍行で京都に行ったのだと思う。京都の友人の下宿に行った。そこで1泊した。別な友人と合流。バイクで大阪に。大阪から山梨に。山梨で都留文科大学に通う友人の下宿に2泊。バイクで河口湖に行った記憶がある。そこで、友人の友人を紹介された。そこから東京の後輩の下宿に。まあ、友人の下宿を渡り歩く旅だね。

南極日誌

2008年11月29日 | サスペンス/ミステリー


2005年 韓国 115分
■原題「ANTARCTIC JOURNAL」
■2008.11.22 DVD
■監督 イム・ピルソン
■出演
  ソン・ガンホ(チェ・ドヒョン隊長)
  ユ・ジテ(ミンジェ)  カン・ヘジョン(イ・ユジン)
  パク・ヒスン(イ・ヨンミン)
  キム・ギョンイク(ヤン・グンチャン)
  ユン・ジェムン(キム・ソンフン)
  チェ・ドクムン(ソ・ジェギョン)

 《story》

「狂気の極点へ」
「その恐怖は『シャイニング』を越える」
「それは命まで凍りつく」


南極到達不能点を目指して、6人の探検隊員が進む。そこはマイナス80度を記録したり、ブリザードが吹き荒れる、極寒の地。ある日、80年目のイギリス探検隊員の日誌を発見する。そしてその日誌に導かれるように、不思議な出来事が起こり始める。チェ隊長は、失った妻子の影を背負いながら、強引にも前進を目指す。それは、一人ひとり失っていく隊員を見殺しにしたり、緊急のための無線装置の破壊などに現れていく。隊員の間でも不審は募る。それでも、前進することが、死んだ息子に言った言葉、「強くなれ」、そして家族のように思う隊員への思いが重なる。さらにチェ隊長の行動は、狂気に満ちあふれていく。

 自分が正しいのだ

「強く」という言葉が、次第に一人歩きしていく。本当は聞いて欲しい心の言葉は、語られることがなく終わる。「強くなれ」とは「死ぬな」に起きかけられ、「死んでも強く」と狂気に満ちあふれた世界へと変貌していく。孤独の思いを聞いてほしかっただけなのに。思いを伝えたかっただけなのに。弱さが悪のように突き返されてしまった。息子の死は、その刃によるもの。強くなるには、だれもが心の支えがいる。
モンスター化してしまった感じのある隊長。実際の所、この映画の意味はよくわからなかった。もっと深い意味があって、迫る恐怖、未知の体験があるのだと思っていたのだけど、何が言いたいのか。チェ隊長の息子への思い。その歪んだ表現。または、自分は間違っていないという、自己主張。弱いものが悪いのだと責めているのかもしれない。

東京にいる息子に事務連絡。会社もマンションも決まり、再びスタート。仕事は大丈夫だと思うけど、生活が心配。体のことも心配。今までのように、福岡だったらすぐにでも行けるけど、東京はすぐには行けない。私より頭はいいから、事務的なこともどんどん自分でこなす。健康に気をつけて・・・事件や事故に遭わないように・・・だまされないように・・・さまざまなことを思う。生まれたとき、片目だけつむって生まれた子。3才のとき、「もうしらん」と部屋の中に一人放っておいたら、不安な顔をしながら、それでもいつまでもじっとしていた。泣き叫んで出てくるかと思ったけど、じっとがまんしていた姿が心に残っている。東京は、私が大学時代にバイトでお金をためて友人を訪ねたことがある。それ以来かな。このまま順調にいけば、高速道路が1000円になれば、来年の夏に行きたいな。栄養をしっかりとって、運動もして、健康にだけは気をつけろよ。


百万長者の初恋

2008年11月24日 | ラブロマンス/青春


2006年 韓国  113分
■原題「FIRST LOVE OF MILLIONAIRE/
                  A MILLIONAIRE'S FIRST LOVE」
■2008.11.22 DVD
■監督 キム・テギュン
■出演
   ヒョンビン(カン・ジェギョン)
   ヨンヒ(イ・ウナン)  イ・ハンソル(ミョンシク)
   チョン・ウク(校長)

 《story》

「初雪が 降るまでは 命をください」

わがままでやりたい放題のジェギョン。18才になったら住民登録証がもらえ、亡き歩祖父の莫大な遺産が手に入る。しかし、遺産を相続するためには条件があった。それは、カンウォンドにあるボラム高校の卒業証書があること。もし自主退学すれば、遺産は0.1%だけとなり、すべて会社に還元される。贅沢な暮らしに慣れていたジェギュンは、ボラム高校の田舎暮らしにうんざり。強制退学しかないとケンカをするが、反対に殴った親に食事をご馳走になる。田舎ののんびりした寛容な暮らしの中で、いつしかウナンという同級生の女性が気になりだす。ウナンは、ガソリンスタンドでバイトをしてお金をため、自分が育った恩恵園の子ども達のためにミュージカルの計画を立てていた。ジェギュンは、ウナンの天真爛漫さに心惹かれていく。しかし、ウナンは治ることのない心臓の病気があった。ジェギュンは、少年時代にこの恩恵園でウナンと過ごしたことを思い出す。そして恩恵園存続のために、遺産を放棄し、0.1%のお金を使う。残された日々を、ジェギュンとウナンは幸せに過ごす。

 愛するものは死んでいく

いつもそうなんだよな。お互いに向き合い、心がまっすぐになって、やしくなって、思いやりある人間へと目覚めたとき、それは愛の力と言えるのだけど、どちらかが死んでいくんだよね。多くは女性なんだけどね。まっすぐなやさしい人間へと変わり、残された人間はどのようにして生きていくのだろうか。再び誰かを愛することはあるのだろうか。きっと、得たお金を、人々のために使うことができるだろう。今までのように人の迷惑を考えず、わがまま放題したい放題贅沢放題な生活はなくなり、落ち着いたまわりをしっかり見つめる生活へと変わっていくのだろう。会社の経営も、儲け主義ではなく、人々に還元することも視野に入れたものに。祖父もそうなることを望んでいたのだろう。そして、いつしか再び愛する人に出会うんだ。そうでなければつらいよ。死んだウナンもそう願っているはずだ。
ヒョンビンが、あの「私の名前はキム・サムスン」に出ていた店長だと思い出すまで時間がかかった。ヨンヒが、「ある素敵な日々」に出ていた血のつながらない妹役の人だなんて、これはすぐにわかったけど。あまりじっくり見ていないのか、相当記憶力が悪いのか、きっとどちらもあるのだろう。あとから、以前見たあの映画に出ていた人なんだとわかることはけっこうある。そのときは思い出さない。キャストを調べていてわかる。人の顔を覚えられない。人だけでなく、セリフもそうだ。良い言葉をいったのになあ、なんて言ったんだっけ。いつもこうだ。

大学時代に、友達が400のバイクを買った。後ろに乗せてもらった。近くの有料道路に入り、猛スピードを出す。何キロ出ていたのかわからないけど、けっこう出ていた。それが別に怖くなくて気落ち良かった。またある時、直角に曲がる道をバイクをかなり傾けて曲がり、何かがアスファルトをこすった。今、考えると大変なことだったんだ。事故の一歩手前。私は50のバイクに乗っていた。自宅と下宿の距離は150km、原付で何度も行き来したなあ。大学に向かう道で、警察官に停められた。じっとバイクを見て、「これ原付だよね」・・・「はい、スピードオーバー、原点」だって。一時停止違反でもつかまった。これも、後から停められて、「さっき停まらなかったよね」と確認して違反切符をきられた。「停まりました」とはっきり言えばいいのに。そうだったような気がする、と優柔不断だからいけん。「ちがいます」とはっきり言えないのは、昔も今も同じ。自分がやってることがはっきりと記憶に残らない。やったようなやらなかったような。言われたらわからない。この間だ、息子のバイクに乗って思い出したバイクでした。

 公式サイト「百万長者の初恋」


闇の子供たち

2008年11月24日 | 人間/社会派ドラマ


2008年 日本 138分
2008.11.17 シネツイン2
■監督 阪本順治
■出演
   江口洋介(南部浩行)  宮崎あおい(音羽恵子)
   妻夫木聡(与田博明)
   プラパドン・スワンバーン(チット)
   プライマー・ラッチャタ(ナパポーン)
   豊原功補(清水哲夫)  鈴木砂羽(梶川みね子)
   塩見三省   佐藤浩市(梶川克仁)

 《story》

「これは、事実か、真実か、現実か」
「幼児買売春、臓器密売の知られざる“闇”が今、明らかになる」
「値札のついた命」


バンコクの日本新聞社支社の南部の元に、日本人の子どもがタイに渡り臓器提供を受けるという情報が入る。調査を始めた南部は、その臓器がタイの生きた子供から提供されることを突き止める。一方、大学で福祉を学ぶ音羽は、タイの社会福祉センターにボランティアとしてやってくる。そこで、家族のために売られていった子どもの現実を知る。調査のため施設にやってきた南部と音羽は日本に戻り、移植手術を受けないよう説得する。バンコクに戻った音羽は、売春宿から届けられた手紙をたよりに、行方不明になっている少女を捜す。ある日、黒いゴミ袋に入れられ、ゴミ収集車に放り込まれた少女を救出すr。南部は移植のためにやってきた日本人の情報を得て、その病院に連れて来られたタイの少女を見る。そして撮影に成功する。タイの子供達の実態を訴えるために開かれた集会で、発砲事件が起きる。その事件をきっかけに売春宿が摘発される。しかし、南部の心の闇は・・・。

 心の闇かあ

本のラストとちがっていた。本では明るい未来というより、あきらめずに前向きに進もうとする意欲で終わっていた。しかし、映画の中では売春宿の摘発、そしてだれもが持つだろう心の闇を訴えていた。それは、この映画は遠くの出来事ではないぞ、だれだって自分の心に闇を生み出すことができるよ、そう訴えていた。自分の中にある闇は、人の心に生まれようとする闇をどう思うのか。押し隠しながらも、平気な顔をして、人の闇に唾を吐く。または、自分の闇をどう扱っていいか分からず、闇を作る人間に嫌悪感を持つ。自分へのコンプレックスは大きく深まっていく。誰もが抱えるであろう闇、人は人になるためにその闇とどう付き合っていくのか。闇を持つこと自体許されないのか。闇を抱えながらも、生きていく方法を探ることが必要なのか。それ以前に、人はどうして闇を抱えてしまうのか。弱い物ものにいつものしかかっていき、つぶすことで生きている。

下宿してまもなく高熱が出る。薬を飲んで寝る。熱は下がったが、全身発疹ができる。下宿のお婆さんから聞いた病院を訪ねる。古い昔からあるような個人病院。そこで、湿疹の薬をもらう。それから定期的に薬をもらうようになるのだが、その薬こそ副腎皮質ホルモン剤の入った軟膏だった。目の周りはいつのまにか黒くなっていく。鈍感な私は薬のためだと気づかない。よくきくけど、すぐに再発。薬が手放せなくなる。広島に帰り、アレルギーの専門の医院に行くまで続いた。鼻炎もそうだけど、アレルギー性鼻炎という名があまり知られていない。アトピーも然り。よくわからない病気。漢方薬の煎じ薬を飲み、アレルギーの食材を除き、子どもの頃は喘息で宗教にまですがった。どれも悪影響だと言えば言い過ぎだろうか。宗教は信じなくなった。いつも人目を気にするようになった。イライラがつのり、たいぎい病に悩まされた。まあ、病気ではなく性格の問題かもね。

 公式サイト「闇の子供たち」


ナイロビの蜂

2008年11月23日 | サスペンス/ミステリー

2005年 イギリス 128分
■原題「THE CONSTANT GARDENER」
■2008.11.17 DVD
■監督 フェルナンド・メイレレス
■出演
   レイフ・ファインズ(ジャスティン・クエイル)
   レイチェル・ワイズ(テッサ・クエイル)
   ユベール・クンデ(アーノルド・ブルーム)
   ダニー・ヒューストン(サンディ・ウッドロウ)
    ビル・ナイ(サー・バーバード・ペレグリン)
   ピート・ポスルスウェイト(ロービア)
   ジェラルド・マクソーリー
   ジュリエット・オーブリー
   リチャード・マッケーブ
   アーチー・パンジャビ

 《story》

「地の果てで、やっと君に帰る」

ナイロビ空港からロキに旅立つテッサを見送ったジャスティン。それが永遠の別れだった。その2日後、トゥルカナ湖の南端で、大破した車の中で死体となって発見。同行したアーノルド医師は行方不明だった。テッサとの出会いは講演会。恋に落ちたテッサはジャスティンの赴任先のアフリカに連れて行ってほしいとプロポーズ。テッサは正義感が強く、子どもを身ごもりながらも、アフリカ住民のために活動していた。ところが、子どもは死産。その後、さらにアフリカの住民の救援活動にのめり込む。そして、製薬会社がアフリカ住民を新薬の実験に使っていることをつきとめる。テッサの行動に不審を抱いていたジャスティンは、同僚サンディのテッサ宛の手紙を見つけ、テッサに死に疑問を強くする。テッサがレポートを渡した製薬会社を訪ねたところkら、ジャスティンは国に呼び戻され、脅迫を受けるようになる。ジャスティンは、テッサの従姉の弁護士の力を借りて、再びアフリカに渡り調査を始める。そこでジャスティンがつかんだものは・・・。

 利潤のために

世の中、だれか一部の人の儲けのために、大きく動かされているのだろう。ガソリンの高騰だってそうだった。儲けのためなら、人の命を奪っても平気。見つからなければそれでいいという考えが通用するのだ。ジャスティンが真相をつきとめようとしなければ、闇の中。きっと闇の中に葬られたことはいっぱいあるのだろう。こうして事実が明らかになった方が少ないはずだ。指示を出すのは雲の上の人。伝達ゲーム的に伝わって、何の関係もない人、ときには友人であるはずの人間が、事件を実行する。逮捕されるとしたら、その実行犯だけ。雲の上の人は痛くも痒くもないのかも。なんだか悔しいよね。本当に悪いことを考えやらそうとした人が裁かれるべきだけど、証拠がない。覆い隠される。
この映画は愛する人のために、その真実を探ろうとした愛の行動、人々を救おうとした正義をつらぬく行動、そんな人間として求めるべき姿を賞賛したものだ。他の人間を踏み台にして、利潤を追求することがどれだけ人間として汚いことか対比して見せてくれる。

初めて買い物をしたのは「サンマルク」というスーパーだった。それは引っ越しするとき、その途中で寄ったスーパーだ。下宿から10km以上離れていた。下宿の近くにはスーパーはない。けれど、このサンマルクまで行かなくても、その途中にいくつもスーパーはある。それなのに、しばらくはこのサンマルクに通うのだ。一度行ったことがあるというだけで、周りを見ることなく、そこ目指して買い物に行く。そんな性分なんだ。だから一度体験したこと、経験したことを唯一のもののように捕らえてしまい、もっといいものもっと便利な物に気づくまでに時間がかかる。自分が体験したことが世の中で一番いいものに思え、それ以外を受け付けようとしないところがある。不器用と言えばそうだよね。農家の2階の下宿で、カセットコンロを持ち込み自炊する。カレーを作る。野菜炒めを作る。ここには冷蔵庫がなかったので、あまり自炊はできなかった。朝は食べなかった。昼は学食。夜はしばらく自炊、学校の近くの安く大盛りの食堂。名前は忘れた。250円の焼きめし、食べきれないくらい大盛り。その頃はやせの大食いだったのでけっこう食べた。

 公式サイト「ナイロビの蜂」

ウォーター・ホース

2008年11月23日 | ファンタジー/アドベンチャー

2007年 アメリカ 112分
■原題「THE WATER HORSE: LEGEND OF THE DEEP」
■2008.11.15 DVD
■監督 ジェイ・ラッセル
■出演
   アレックス・エテル(アンガス・マクマロウ)
   エミリー・ワトソン(アン・マクマロウ)
   ベン・チャップリン(ルイス・モーブリー)
   デヴィッド・モリッシー(ハミルトン大尉)

 《story》

「ネス湖に眠った、ひとりぼっちの二人の想い」
「“一枚の写真”に隠された、壮大な感動秘話」


第二次世界大戦の真っ只中、スコットランドのネス湖畔に、いつもひとりぼっちの少年がいた。少年アンガスは、ひたすら戦場に行った父を待っていた。ある時、湖の岩場で奇妙な岩を見つけ家に持ち帰る。その岩は、薄皮がはげるように割れ、中から今まで見たことのない生き物が出てくる。傷の手当てをしたことから、アンガスを親と思いこむ。その生き物に「クルーソー」と名前を付けた。その頃、軍隊がやってきて家に駐留することになった。また下働きとしてルイスが、父親の仕事場に住むことになった。ルイスにクルーソーが見つかってしまうが、秘密を守ると言ってくれ、ケルト人の古い伝説に出てくる「ウォーター・ホース」ではないかと教えてくれた。大きくなったクルーソーをネス湖に放す。時間を見つけては会いに行くアンガス。しかし、クルーソーが目撃されるやいなや大騒ぎとなる。また、軍は敵の潜水艦と間違え発砲を始める。クルーソーを助けるために、背中に乗り、湖からの出口に向かう。

 守り神を追い出す人間

昔なら、神秘の湖で神秘の生き物として恐れられ、自然は守られました。ということになるのだろうなあ。今は、攻撃して追い出してしまう。見られたら最後、捕獲され、見せ物として扱われるか、殺されるか。キングコングの悲惨な最期のように。ひっそりの触れあう人間と神秘な生き物の時代は、ずっとずっと大昔。現代にはない。そいうものを信じなくなってしまった。神・・・よりも異次元の世界。
ウォーターホースが守ってきたもの。それは何だったのだろうか。もう守りきれなくなってしまったのか。次は、人間の手で殺されてしまう姿が・・・。

蛇の池、やまたのおろち伝説。伝説は自然を守り、人々の心に戒めを強める。良心を育てる。人の目の届かない所でも、自分を見つめ暴走をくい止める力となる。自然を壊すことは、それらの力を失わせてしまうということ。抑制のきかない心を作り出しているのかもしれない。迷信は、人々の心の暴走をくい止める大きな力があった。確かに迷信によって人々の命が危険にさらされてきたことも事実。いいところも悪いところもあった。けれど、未知なる力として、人々の欲望を抑え、自滅することを押さえる力となることを・・・。ただ、夢を追いかけるという単純なものではなく、自制の力となってほしいと思う。

北東の向き。冷え冷えする部屋。朝、日が差し込むが、昼から全く日が差し込まない。それでも、すぐそばにスーパーがあり、そのスパーの駐車場に車も停めることができた。また、喫茶店も酒屋もあった。何より学校に近かった。それだけでよしとしなければ。以前の下宿は、学校からかなり離れていて、農家の2階だった。8畳で広かったけど、炊事が自由にできない。周りは田畑ばかりで便利が悪い。でも、学校でここを紹介され、月8000円という安さで決めた。学校の周りには、トイレバス付きの豪華なアパートがいっぱい。到底そこには入れない。学校に行けるだけでもうれしいこと。あんなに頭が悪く、おもうように勉強できなかたのに、運良く合格した。ここに来れただけでも幸せなんだと思わなければ。1年目は、この農家の2階で過ごした。隣にもう一部屋あって、2つ上の先輩が生活していた。何学部だったかな。忘れたけど、これが・・・。

 公式サイト「ウォーター・ホース」

クローバーフィールド/HAKAISHA

2008年11月22日 | サスペンス/ミステリー

2008年 アメリカ 85分
■原題「CLOVERFIELD」
■2008.11.15 DVD
■監督 マット・リーヴス
■出演
   マイケル・スタール=デヴィッド(ロブ)
   マイク・ヴォーゲル(ジェイソン)
   オデット・ユーストマン(ベス)
   ジェシカ・ルーカス(リリー)
   リジー・キャプラン(マレーナ)
   T・J・ミラー(ハッド)

 《story》

栄転となったロブを祝うパーティー会場で、ハッドはその様子をハンディビデオカメラで撮影することになった。ところが、突然の轟音、外で大変な事が起きていた。カメラをずっと撮影状態のまま、外に飛び出すが、自由の女神の首が飛んでくるなど、正体不明の何者かにニューヨークの街は破壊されていた。ベスから助けを求める電話を受け、ロブたちは救出に向かう。しかし、仲間は次々にやられていく。ビルからベスを救出したあとヘリに乗り込むが、怪物にやられ撮影し続けていたロブがやられた。助かったロブとベスだが、彼らが見たものは・・・。

 あんまり・・・

これを見たとき少し眠かったせいかもしれんが、ただの怪獣映画にいつものスリル満点の救出劇に、家庭用ビデオでリアルさを出したという感じだった。何の予備知識もなしに見たので、いつまでビデオカメラなんだと腹が立った。そこまで撮影せんでもええと言いたくなった。さらにそこまで撮影せんだろうとも言いたくなった。劇場ではビデオのぶれで気分が悪くなった人もいたという。1週間たって、この映画どんな映画だったっけ、と一瞬全ての内容を忘れてしまった。それだけ印象に残らなかった。
不思議だなと思うこと。仲間を救いに行くのに、行った仲間が次々に死んでいくこと。

大学時代のバイトを思い出した。まず最初は家庭教師。3人の子を教えたかな。今と同じ、計画性のない学習だった。そして皿洗い。1時間400円。夕方5時から10時まで2000円、夕飯付き。その店は焼き肉屋で、ランチも牛丼もステーキもあった。私は皿洗い、そしてご飯盛り、時には牛丼も作った。タレはおいしかった。山盛り牛丼を作って自分でも食べた。あるとき、牛丼用の肉の色が少し変色していた。「店長、この肉おかしいですよ」・・・「かまわん」という返事。あるとき、洗い物が追いつかなくて、ご飯茶碗がなくなった。「店長、皿洗いますから」・・・「いや、これでいい」と言って、水に浸かっている茶碗を取り出して、おしぼりでふいてご飯をよそって出した。厨房の裏を見て唖然とした。その後、この店は潰れた。やっぱりなと思った。