そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

ザ・マジックアワー

2008年07月30日 | コメディ

2008年 日本 136分
■原題「The Magic Hour」
2008.7.26 TOHOシネマズ緑井
■監督 三谷幸喜
■出演
   佐藤浩市(村田大樹)  妻夫木聡(備後登)
   深津絵里(高千穂マリ)  綾瀬はるか(鹿間夏子)
   西田敏行(天塩幸之助)
   小日向文世(長谷川謙十郎)  
       寺島進 (黒川裕美)
   戸田恵子(マダム蘭子)  伊吹吾郎(鹿間隆)
   浅野和之(清水医師)  市村萬次郎(菅原虎真)
   柳澤愼一(高瀬允)  香川照之(江洞潤)
   鈴木京香(小夜子)  谷原章介(ニコ)

 《story》

「この街で起きたことは、きっと誰かに話したくなる」
「最後に笑うのは誰だ?」


街を牛耳るボス、天塩の愛人マリに手を出してしまった備後。足をコンクリートで固められ、海に沈められる直前、伝説の殺し屋デラを連れてくることで解放される。しかし、デラは姿を見せることなく、備後は窮地に陥る。そこで、映画撮影だと偽り、三流映画俳優の村田を連れてくる。この街で起こることはすべ映画撮影であり、アドリブでの勝負だとはりきる。天塩は、村田をデラだと信じて仲間に引き入れる。うまく乗り切っていたように見えたが、本物のデラが、天塩のライバルである江洞の元にいることがわかり、ばれてしまう。マリが愛人として戻り、村田や備後はなんとか逃げ出す。そして一世一代の大芝居をしかけマリを救出しようとするのだが・・・。

 素直に楽しめる映画だ

どうしても見たい映画ではないけど、疲れたとき、心が少しくたびれたとき、見て楽しめる癒される少し元気が出る映画だ。寅さんタイプと言えるかもしれない。映画を作る側の情熱は、見る側にも通じるものがある。今はCGなしでは映画ができないくらい様変わりしてしまったけど、演じることへの魅力、感じる側の感性がピタッと合うときの感動こそ、映画の原点かもしれない。あの「せりふ」がよかった、あの場面がよかったと、村田のように何度も見たくなる映画に出会うことが夢だ。でも、せりふに関しては、頭が悪い私には覚えきれない情けないけど、雰囲気だけ残っているけど、完全な再生ができない。私の頭の中はいつもぼやけた白黒ピンぼけ。でも、地道にそんな映画を求めて、これからも見続ける。そして少しでも記憶に留めるために、ここに記録に残そうと思う。

「蒲田行進曲」という映画を見たくなった。なんか通じるものがあるよな。
今年は暑い日々が続く。温暖化の影響がもろにきているのだろう。来年はもっと暑くなるのだろう。昨年までの回るだけの扇風機から解放された。古い扇風機で、首振りが壊れていて首が固定できない。でもまだ回るから、ずっと私のところにきていた。夜困るのは、私の部屋にはクーラーがない。だから扇風機をまわす。ずっと固定して同じ向きにしていると、体にずっと風があたり体が変な感じになってしまう。今年は、1000円割引券が当たったので2400円出して買った。首振りも、リズム風もタイマーもついている。イオン発生器とやらもついている。何とか眠れる。しかし、タイマー切れると目が覚める。保冷剤の出番だ。首に巻く。何とか眠っているが、眠ることに疲れそうだ。

 公式サイト「ザ・マジックアワー」

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国

2008年07月29日 | ファンタジー/アドベンチャー
 
2008年 アメリカ 124分
■原題「INDIANA JONES AND THE KINGDOM OF THE CRYSTAL SKULL」
2008.7.21 TOHOシネマズ緑井 with t
■監督 スティーヴン・スピルバーグ
■出演
   ハリソン・フォード(インディアナ・ジョーンズ)
   シャイア・ラブーフ(マット・ウィリアムズ)
   レイ・ウィンストン(ジョージ・マクヘイル)
   カレン・アレン(マリオン・レイヴンウッド)
   ケイト・ブランシェット(イリーナ・スパルコ)
   ジョン・ハート(オクスリー教授)
   ジム・ブロードベント
    (ディーン・チャールズ・スタンフォース)
   イゴール・ジジキン (-)  アラン・デイル (-)  

  《story》

「全世界待望、新たなる秘宝を求め、史上空前の冒険が始まる」

1950年代、ソ連とアメリカの冷戦時代。インディーが探し求める秘宝は、「クリスタル・スカル」・・・それは、アマゾンの伝説の都市から盗まれたもの。そのクリスタル・スカルを神殿に戻した者は神秘のパワーを得るという。ロシア軍の指揮官スパルコもその秘宝をねらっており、インディーを捕らえクリスタル・スカルの捜索を強要する。秘密の鍵をもってやってきた若者マットとともに冒険の旅に出る。マットの母親は、インディーのかつての恋人。捕らえられていた彼女を救出し、ロシア軍から逃げ延び、クリスタル・スカルを手に入れたインディーは、神殿を目指してすすむ。

 見ていて飽きないよね

ハリソン・フォード66才。大丈夫かなと思いながら見ていたけど、だんだん歳を感じさせなくなるところがすごいよね。ランボーのシルベスター・スタローンもそうだった。きついのをがまんしてがんばっているというそぶりが全然感じられない。まだまだできるよと、活動的な雰囲気が漂ってくる。まだ次があるんじゃないかと思えてくる。見て損はない映画だ。
親子三代、インディーの子どもが登場したのもおもしろい展開だ。時代は流れ、子どもに意志は受け継がれていくのだろうか。

ハリーポッター最終章が届いた。さっそく読み始めている。映画も最初から見てみようかとも思っている。何度も見ても飽きない映画のひとつだ。ただ、いつも頭を悩ませるのは、登場人物の名前。頭が悪い私は、名前と顔を覚えることが苦手。特に外国の意味不明の名前は、どれも似たり寄ったりに見えてイメージとなかなか結びつかない。ハリーポッターを読んでいても、この人は誰だっけと考えてしまうことが多々ある。まあいいかと、それでも読み進めている。やめられないおもしろさだ。何年か前に、このハリーポッターがイギリスで話題になっていると聞いたとき、あまり本気でとらえなかった。映画を見てから本を読み始めた。全7巻そろった。そして大のファンになった。

 公式サイト「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」

ホステル

2008年07月27日 | ホラー

2005年 アメリカ 93分
■原題「HOSTEL」
■2008.7.19 DVD
■監督 イーライ・ロス
■出演
   ジェイ・ヘルナンデス(パクストン)
   デレク・リチャードソン(ジョッシュ)
   エイゾール・グジョンソン(オリー)
   バルバラ・ネデルヤコーヴァ(ナタリーア)
   ヤナ・カデラブコーヴァ(スベトラニャ)
   ヤン・ヴラサーク(オランダ人ビジネスマン)
   リック・ホフマン(アメリカ人ビジネスマン)

 《story》

ヨーロッパを自由気ままに旅する2人のアメリカ青年。途中で、アイスランド人と意気投合。アムステルダムんぽホステルで出会った男によると、男性にとってパラダイスのようなホステルがスロバキアにあると言う。早速スロバキアに向かい、噂のホステルで魅力的な女性と出会い甘味に酔う。翌朝、一緒に帰ってきたはずのオリがいない。フロントに聞くとチェックアウトしたという。必死になって捜すが見あたらず、やがてジョシュも消えてしまう。パクストンは、ホステルの女を見つけ、彼らの所に案内させる。しかし、そこは想像を絶する拷問の世界だった。椅子に縛られ、見知らぬ男が拷問道具を持って襲いかかる。辛うじて抜け出したパクストンは、別の部屋で目玉をくりぬかれていた女を見つけ、いっしょに連れだし、車に乗り込み逃げるが・・。

 現実にあるかも

平和な日本に住んでいれば想像もつかないことだ。でも、治安の悪い国では、殺人クラブもあっておかしくない。「闇の子どもたち」のようなことも現実にあるのだろう。人間の心は愛と悪魔が存在する。理性と欲望が混ざり合う。いつ自分が、どちらの世界に転ぶのかわからない不安。「だれでもよかった」と簡単に起きる通り魔殺人。満たされない心は、愛を求めて悪魔となる。そんな恐怖こそ本当に恐ろしい。
あの青年たちも、殺人を楽しむ人たちも根は同じかもしれない。満たされない心を満たそうと、欲望のまま行動する。どうすれば心は満たされるのか。誰かを傷つければ満たされるのか。だれかに愛されていれば理性は働くのか。どんどん心は壊れていく。

作り物だから見ることができるけど、現実の場面だったら、きっと見ることはできない。でも、怖いもの見たさのようなワクワク感はある。それが悪魔への入り口なのかもしれない。いつもは押さえているけど、何かの拍子に顔を出す。でも、あわてて隠す。それがネットの世界では押さえることなく出してしまう現実がある。顔も名前のわからないところで、欲望のまま言葉を発する。それこそ、だれにもわからないだろうと意識的に悪魔の世界に顔を突っ込んでいるのだ。決してそれ以上足を踏み入れてはいけないのだ。

黒い家

2008年07月26日 | ホラー

1999年 日本 118分
■2008.7.20 DVD
■監督 森田芳光
■出演
   内野聖陽(若槻慎二)  大竹しのぶ(菰田幸子)
   西村雅彦(菰田重徳)  小林薫(三善茂)
   桂憲一(金石克己) 石橋蓮司(葛西好夫)

 《story》

「この人間には心がない」

昭和生命保険会社に勤める若槻は、真面目で仕事熱心な社員だった。ある時、「自殺しても保険はおりるか」という女からの電話を受ける。そして、菰田重徳という男から保険の契約について依頼を受け、自宅を訪れたところ、息子である和也の首吊り死体を発見する。それ以後、重徳は毎日ように会社を訪れ、保険がいつおりるるのか催促するのだった。電話の女は、重徳の妻であることもわかった。若槻の恋人である恵の勤務する大学の研究室の心理学教授である金石がプリファイリングし、菰田夫妻は、情性欠如者、心がない人間、サイコパスであると判断。夫妻に保険金がおりてほっとしているところに、今度は重徳が両足切断で保険金を請求。悪質な請求であると判断され、菰田幸子は激怒。若槻の家を荒し、恵を誘拐し監禁する。幸子の家に行った若槻が見たものは、保険の潰し屋である三善の死体、そして異様な監禁部屋、数々の死体。帰ってきた幸子から何とか逃げ出し、警察から追われる幸子は車ごと海に転落。事件は解決したものと思われたが、会社に一人残る若槻の前に、再び幸子が現れる。

 期待していたんだけど

劇場で予告を見て、いつか見てみたいなと期待していたんだけど、がっかり映画だった。若槻のぼそぼそ声は聞き取りにくい。知っている俳優が個性的なだけに、今までのイメージとダブル。心のない人間は結局モンスターになってしまうという図式が納得できない。心がなかったら葛藤もないか。心がないとはどういうことなのか、うまく理解でない。心とは何なのか、あることとの比較がほしい。これではジェイソンなどのモンスター怪物映画と同じだ。

いつも思うけど、ホラーはそこに人間の悲しみや苦しみ、憎しみがにじみ出てくるから怖いのであって、心のないモンスターはただの怪物だ。心がないことを恐怖にしようとしているけど、そうじゃないと思う。奥底に隠され、しかも封印された恐怖の原動力となる心があるからこそ、迫り来る怖さがあるのだと思う。

夏はホラー映画。ついついホラー映画の棚に行ってしまう。たぶん評価三つ星でも、見てしまう。夏休みということもあって、シリーズものも見ようと思って、韓国のドラマ「天国の階段」を借りた。1巻は子ども時代。何となく「秋の童話」「春のワルツ」などに展開が似ているような気がするけど、でもおもしろくて見てしまう。善悪がはっきり分かれ、行動が単純過ぎるんだけど、それがいやではない。しかも懐かしさがにじみ出る韓国ドラマ。ホラーと同時にはまってしまう今年の夏だ。

崖の上のポニョ

2008年07月24日 | アニメ
 
2008年 日本 分
2008.7.5 ALSOKホール試写会 with t
■監督 宮崎駿
■声の出演
   山口智子(リサ)  長嶋一茂(耕一)
   天海祐希(グランマンマーレ)  
       所ジョージ (フジモト)
   土井洋輝(宗介)  奈良柚莉愛(ポニョ)
   柊瑠美(婦人)  矢野顕子(ポニョのいもうと達)
   吉行和子(トキ)  奈良岡朋子(ヨシエ)

  《story》

「生まれてきてよかった」

海辺の小さな街の、崖の上の一軒家に住む宗佑は、ある日海に船を浮かべようとして、さかなの子と出会う。頭をビンにつっこんでいるところを助けられたのだった。宗佑に「ポニョ」と名前をつけてもらい、宗佑のことが好きになる。宗佑もバケツの中のポニョを大事に思った。しかし、ポニョは海の住人のフジモトに連れ戻されてしまう。人間になりたい、宗佑に会いたいポニョは、妹たちの力を借りて、父の魔法を盗み出し、宗佑のいる崖に、大津波となって押し寄せる。宗佑と母のリサは、ポニョを海から救い出し、嵐を避けるために家に非難する。翌朝、街は水に浸かっていた。宗佑とポニョは、施設を心配して家を出た母を捜しに、ポニョの不思議な力で大きくした宗佑の船に乗り込む。

 さわやかなファンタジー

「愛」がテーマかな。小さな子ども達の純粋な愛が、地球を世界を救う。それはそれで良いと思う。見終わったとき、小さな子ども向けかなと感じた。理屈ぬきで「よかったね」と言えるファンタジー。しかし、「千と千尋」と比べてしまう。あの未知の不思議な世界は誰もが体験できるものではなかった。だからそこには神秘的な魅力があった。未知の世界と隣り合わせでありながら、そこには大きな壁があり、そう簡単には行き来はできない。けれでも、このポニョの世界はちがう。混ざり合った世界。不思議と思わないそこにそんな世界があることをだれもが知っているようで当たり前のように感じている。小さな子どもの世界はそうなのかもしれない。

昔の郵便貯金ホールでの試写会だった。何百人と入れるような大きなホール。前の人の頭は邪魔にはならなかったけど、少しざわざわした感じで完全な真っ暗ではなく、周りの人がうっすらと見える。シネコンの雰囲気とはちがう。スクリーンの中に入り込めない。町中の大きな映画館が次第に廃れていくのはそのためかもしれない。映画を見るだけならインターネットで小さな画面で見ることはできる。でも、スクリーンの中にとけ込む感触は、シネコンの映画館が最高だ。みんなわいわいがやがやと映画を楽しんだ時代もあった。それも映画を見る一つの見方だった。近所である野外映画会はそれ趣がある。懐かしい郵便貯金ホールに久しぶりに行けたことでラッキーだった。ここではみんなで楽しむ映画だ。

 公式サイト「崖の上のポニョ」

JSA

2008年07月21日 | 人間/社会派ドラマ


2000年 韓国 110分
■原題「JSA: JOINT SECURITY AREA」
■2008.7.4 movie plus
■監督 パク・チャヌク
■出演
   ソン・ガンホ(オ・ギョンピル士官)
   イ・ビョンホン(イ・スヒョク兵長)
   イ・ヨンエ(ソフィ・チャン)
   キム・テウ(ナム・ソンシク一等兵)
   シン・ハギュン(チョン・ウジン兵士)

 《story》

「1999年11月28日午前2時16分。
     11発の銃声。3つの死体。
       共同警備区域で何が起こったのか。」
「南と北が戦うとき、俺たちも銃を向け合うのだろうか。」
「憎しみや悲しみの消える日がくるのだろうか。」

板門店の共同警備区域で、北朝鮮側の歩哨所から激しい銃声が響き渡った。そこには3つの死体があった。この捜査にあたったのがスイスから来たソフィーだった。この事件の発端は、スヒョクが誤って38度線を越え、地雷を踏んで立ち往生したことから始まる。そこに犬を追いかけてやってきた北の兵士。助けを求めるスヒョクに、北のギョンヒルは危険を顧みず手助けをする。それから、石を包んだ手紙のやりとりを通じ、スヒョクは38度線を越え北の歩哨所に通うようになる。しばらくして、スヒョクの3ヶ月後の除隊を寂しがる同僚のソンシクも行き交うようになり、まるで兄弟のような関係になっていく。スヒョクが除隊することで、最後の別れの一夜を過ごした。プレゼントを交換しあったり写真を撮ったりした。なかなか別れづらくしているとき、歩哨所の扉が開いた。そして悲劇が起こった。

 単純に仲良くなれないのが現実

本当はいがみ合いたくないし、仲良くなりたいけど、それが簡単にできないことが現実。そこには建前の問題がある。心の中ではそう思っていても、みんなで作った流れがそうはさせてくれない。集団の縛りとも言えるかもしれない。心の中では多くの者が思っていても、表に出ることはちがう。素直に表に出してしまったら、受け入れられずに潰されてしまう。人間社会の歪み、心の貧しさ、欠点とも言える。社会という人間が作り出した生きていく知恵と技術は、人々をスムーズに幸せにには導いてはくれない。だれかの強い思惑に左右されるのだ。
個人の心の中にその元は潜んでいる。仲良くしたいと思っても、意地悪をしてまうことがある。大切にしたいと思いながら傷つけてしまうことがある。思うように結びつかない行動。それは、心が単純でないことに起因する。好きであると同時に独占欲が働いたり、惹きつけるために泣かしたり怒らせたり、自分の心が読めず、コントロールできない。
単純に仲良くなれたとしても、それを許さない人や社会が存在する。束の間の幸せがあれば、その後は必ず不幸がやってくる。


アルゼンチンババア

2008年07月20日 | 人間/社会派ドラマ

2007年 日本 112分
■2008.6.29 DVD
■監督 長尾直樹
■出演
   役所広司(涌井悟)  堀北真希(涌井みつこ)
   鈴木京香(アルゼンチンババア/ユリ)
   森下愛子(滝本早苗)  手塚理美(涌井良子)
   岸部一徳(白井順三)  きたろう(犬塚幸吉)
   田中直樹(向井守)  小林裕吉(滝本信一)

 《story》

「しあわせがじんわりと体中にしみわたる」
「大好きだった母が死んだ。
  その日に父が姿を消した。
  半年後、父はアルゼンチンババアの屋敷で見つかった。」


イルカの島で過ごした思い出を残し、母が死んだ。その日、父は行方不明になった。みつこは叔母の家で世話になり、父を待った。半年後、アルゼンチンババアの屋敷で父が見つかった。その屋敷は、広い草原の真ん中にあり、変わり者の老婆が一人で住んでいた。父は、その屋敷の屋上で曼陀羅を掘っていた。叔母や、近所の人々が屋敷に行ったが、父は帰ろうとしなかった。ユリは、母の死を受け入れられないでいるので、待ってほしいと言う。母のための墓石も放り出され、みつこは家を飛び出す。家にもどった父は、墓石を彫刻し、それを持ってイルカの島に行く。そこにはみつこがいた。母との別れをすませ、家に戻ったが、ユリのお腹の中には父の子どもが。ユリは高齢なため、赤ちゃんを産めば命に関わる。

 心は言うことを聞かぬ

逃げたくなる気持ちはわかる。うまいこと、逃げる自分を受け入れる人がいたからよかったものの、穴に落ちてだれも助けがこなければ、それまでだった。「死」は受け入れられない。どんな人の死をも、悲しみは渦巻く。ニュースを見ていても、ドラマや映画を見ていても、「死」の場面は顔を背けたくなる。自分の周りで実際の死が訪れたらどうなることだろうか。部屋に閉じこもって、一歩も出ないかもしれない。毅然とした態度で人と接することなんてできない。どんな死も私は拒否する。そして、極限の逃避は自分が死ぬこと。誰よりも先に自分が死ぬこと。それが、死の悲しみにおぼれない唯一の方法だ。

しかし、愛する者の死を受け入れられないで、不倫してしまうこと。それは許せないことだと思う反面、そうなってしまうことが自然でもあるような気がする。救いの道を求めているのだから。だれかが救いの手を差し伸べてくれたら、必死になってしがみついて、相手のことも考えず、自分の苦しみから逃れようとするにちがいない。「溺れる者は藁をもつかむ」

  公式サイト「アルゼンチンババア」

初雪の恋 ヴァージン・スノー

2008年07月20日 | ラブロマンス/青春

2006年 日本/韓国 101分
■2008.6.28 日本映画専門チャンネル
■監督 ハン・サンヒ
■出演
   イ・ジュンギ(キム・ミン)  
   宮崎あおい(佐々木七重)
   塩谷瞬(小島康二)  森田彩華(厚佐香織)
   柳生みゆ(佐々木百合)  乙葉(福山先生)
   余貴美子(佐々木真由美)

 《story》

「逢いたくて、逢えなくて、逢いたくて」

韓国から、陶芸家の父とともに日本にやってきたミン。京都の街をマウンテンバイクで突っ走る。ある神社で高校生の七海と出会い恋に落ちる。再びミンが通う高校で七海を見る。追いかけたものの、七海の美術道具を川に落としてしまう。七海の新しい美術道具を買おうと、ミンは必死でアルバイトをする。ミンの心もこもった美術道具を受け取った七海とミンは次第に心を寄り添わせていく。ミンが作った陶芸に七海が色をつけることを約束する。祖母の病気のため一時帰国するミンに、七海は手作りのお守りを渡す。しかし、ミンが戻った京都には、もう七海はいなかった。数年後、ソウルの絵画作品展覧会場で七海と出会うが、約束を守らず消えてしまった七海を許せず自暴自棄になる。しかし、七海が渡したお守りの中にミンへの思いが託されていた。初雪の日にデートしたカップルは結ばれるというジンクスを信じて。

 韓国と日本がこんなに温かく結ばれたら

今、竹島の問題で揺れている韓国と日本。歴史問題や靖国問題など、さまざまなことでぶつかりあう。ぶつかり合う場面を、テレビなどで目にすると、感情的になってしまう。日本にとっては唯一隣り合う国なのに、もっと仲良くなれないのだろうかと思う。国境を越えた交流ができないものか。七海とミンのように。
私自身も、韓国のドラマや映画をよく見る。韓国だから、というわけではない。だれかが出ているからというわけでもない。ただ好きだから、おもしろいから、感動できるからだ。七海は、日本人としてのいいところを最大限だしている。だれもが七海のような人間ではない。ミンだって、韓国の代表のように見えてしまうけどそうじゃない。お互いに悪いところもあるけど、それはそれ。いいところを大事にしあいたいものだ。それがお互いに近づくことになる。

 公式サイト「初雪の恋 ヴァージン・スノー」

夏物語

2008年07月06日 | ラブロマンス/青春


2006年 韓国 116分
■原題「ONCE IN A SUMMER」
■2008.6.27 DVD
■監督 チョ・グンシク
■出演
  イ・ビョンホン(ユン・ソギョン)  スエ(ソ・ジョンイン)
   オ・ダルス(ナム・ギュンス)  イ・セウン(イ・スジン)

 《story》

「あなたの笑顔が、涙で見えない」

「永遠の愛を誓った、一瞬の夏。
        あなたは覚えていますか」


60才を越える独身の老教授ソギョンの元に、昔の恋人探しの番組取材にやってきたスジン。彼女は、ソギョンから「キョンアの花を折った男」という古びた一冊の本を手渡される。その本を手がかりに、昔ユンが大学時代にボランティアで訪れた農村にやってきた。そこで、ソギョンがジョンインという図書館の司書とかけおちをしていたという事実を知る。ソギョンは、仕方なく言った村で、ジョンインと出会う。しかし、彼女は、身よりもなく、なぜか村人から疎んじられていた。それは彼女の父が北朝鮮のスパイとして逃亡していたからだ。不注意で図書館が焼け、ボランティア活動が終わり、ソギョンはジョンインを連れてソウルに帰る。大学では学生活動の真っ只中。二人はデモに巻き込まれ警察に捕まる。そこでもジョンインはスパイの子としてつらい仕打ちを受ける。ソギョンは、仲間を守るため、「ジョンインを知らない」と言う。ソギョンの父の手助けで、ソギョンは解放されたものの、ジョンインは投獄されてしまう。出所の日、ソギョンはジョンインを出迎える。しかし、駅の構内でジョンインは消えてしまう。取材を続けていたスジンは、ソギョンの居場所をつきとめた。

 思い出だけで生きていける

一人の人を愛した。それも憧れとか恋などではなく、消えることのない愛、変わることのない愛。何年たっても、何十年たっても色あせることのない愛。他の誰をもうけつけないほど心に刻まれた愛。その揺るぎない生き方はすばらしいと言える。心が決まることは、自分の道を堂々と歩いていける。離れていても、自分の心を信じて生きていける。二人ともそうだった。二度と出会うことはなくとも、自分の心の中の愛を信じて生きた。それ以外に何もない人生だけど、それは幸せな人生だと言えるかもしれない。揺れ動く軟弱な心ではありえないけど。

自分もその人の心も信じられなくて、まっすぐに見ることができない。軟弱な心。嫉妬と妬みで渦巻く心。本当は好きで好きでたまらないのに、後ろを向いてしまう。嫌いな態度をとってしまう。昔も今も変わらない。心も体も思うようにならない。条件反射のように、押し黙りそっぽを向く。この鈴の音に振り向いてほしい。強引にでも私の心と体を正面に向けてほしい。どんなに後ろを向いても、離れないでそばにいてほしい。

 公式サイト「夏物語」


みんなのいえ

2008年07月05日 | コメディ

2001年 日本 115分
■2008.6.21 日本映画専門チャンネル
■監督 三谷幸喜
■出演
   唐沢寿明(柳沢英寿=デザイナー)
   田中邦衛(岩田長一郎=大工の棟梁=父)
   田中直樹(飯島直介=シナリオライター)
   八木亜希子
            (飯島民子=長一郎の次女・直介の妻)
    伊原剛志(荒川)  白井晃(須賀=設計士)

 《story》

「おーい、家が建つぞ」

直介と妻の民子は、校外の土地にマイホームを建てることになった。そこで、設計を大学の後輩の柳沢に、施工を民子の父の大工・長一郎に頼んだ。デザイナーとしての誇りを持つ柳沢は斬新なアイデアで設計を考えるが、昔気質の長一郎とは肌が合わない。扉の開ける方向からして食い違う。間に立つ直介と民子はおろおろするばかり。着工にこぎつけたものの、二人は衝突し続けた。しかし、柳沢の竹割りのタイルの要求から、少しずつ変化が訪れる。台風の影響で壊れた西洋家具を力を力を合わせて修復し、お互いの力を認めるようになる。そして、マイホームは完成した。

 私の・・・と思っていたけど

マイホームって、自分が建てるんだと気ばかり張っていたけど、住む人みんなの思いや、考える人、実際に作る人、さまざまな思いが交錯しているんだということがわかった。だからこそ、考える人も、作る人も完成の喜びがある。私の家はどうだったろうか。今住んで9年になるけど、考えた人、作った人は、完成の喜びを感じただろうか。だまってこつこつ作業する大工さん。この大工の仕事はよかった。けっこう文句を言ったのは、外壁の業者や壁紙の業者・・・作業は分担されていて、下請けの業者が違ってる。普通の釘で壁板打ち付けていて唖然とした。釘の頭が見える。外壁だから頭を隠すとか飾るとか、もっと工夫はないものかと思った。壁も境目くっきりでプロの仕事じゃない。大きな買い物だからだまっていたらいけんよね。

夢は小さな映画館を作ることだったけど、無理だね。4.5畳でもいいから、ホームシアターを備えたかったな。映画好きのゆめだけどね。今は大画面テレビでがまん。これから先、落ち目の人生に好機が訪れれば、夢が叶うかもしれないなあ。でも、映画館の迫力にはかなわないけどね。