そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師

2008年02月03日 | ミュージカル

2007年 アメリカ 117分
■原題「SWEENEY TODD: THE DEMON BARBER OF FLEET STREET」
2008.2.1 TOHOシネマズ緑井
■監督 ティム・バートン
■出演
   ジョニー・デップ(スウィーニー・トッド)
   ヘレナ・ボナム=カーター(ミセス・ラベット)
   アラン・リックマン(ターピン判事)
   ティモシー・スポール(バムフォード)
   サシャ・バロン・コーエン(ピレリ=理髪師)
   エド・サンダース(トビー=少年)
   ジェイミー・キャンベル・バウアー
             (アンソニー・ホープ=船乗り)

 《story》

「いらっしゃいませ。そして、永遠にさようなら」

19世紀、イギリスのロンドン、フリート街。理髪師ベンジャミン・パーカーは愛する妻と娘と幸せな生活を送っていた。彼の幸せを妬んだ判事タービンは、彼を監獄に送った。ベンジャミンは15年後に脱獄し、スウィーニー・トッドと名を変えて、この街に戻ってきた。パイ屋のラビットの話によると、判事に言い寄られた妻は毒を飲み死に、娘は判事の養女となったという。スウィートニーは、パイ屋の2階に理髪屋を開き、復讐の機会を待っていた。彼の正体を見破った男を殺し、その死体の処理に困ったとき、ラビットのパイ屋で処理しパイを売るという、驚きの方策に出る。かくして店は繁盛し、店の煙突からは黒い煙が立ち上った。成長した娘に結婚を申し込む判事。逃げ出す娘を精神病院に幽閉する。船乗りのアンソニーによって連れ出された娘は、ベンジャミンの理髪師の家に。自分の娘だと気づかないベンジャミンは、娘の喉にカミソリの刃を・・・。

 不気味なミュージカル
ジョニー・デップの歌もなかなかのもの。狂気と化した理髪師ベンジャミンの、優しさのひとかけらもない、モンスター化の一歩手前が恐ろしい。モンスター化してしまうと、それは不気味を通り越してしまって、エイリアンのような怪獣映画になってしまう。一歩手前の恐怖を、ソフトに包むミュージカル。自分の妻を殺してしまったとき、悲しみより怒りがふくれあがった。あのままいけば自分の娘も殺していただろう。もはや復讐を通り越した殺人鬼に成りはてた。
「コールドゲーム」という、いじめにあった少年の復讐を阻止しようとする話を読んだ。仕返しはよくないとわかっているけど、あれだけひどいことをされたんだから、ひとりひとり復讐されていく場面に快感を感じてしまう。どうも「復讐」や「敵討ち」に弱い。復讐は、新たな復讐を生むとわかっていても、受けた体と心の傷を考えると、思い知れと言いたくなる。ベンジャミンの復讐もよくわかる。殺さずとも、思い知らす方法があれば、娘と幸せに暮らせたかもしれない。娘が生き残っただけでも、良かった。殺人を犯した少年トビはどうだろうか。一生悔いて生きていくだろうか。たとえわからなかったとはいえ、人肉パイをおいしいと食べてしまう恐ろしさ。知らなくていいことだったのか、知った方がいいのか。

 公式サイト「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」

ドリームガールズ

2007年03月11日 | ミュージカル


2006年 アメリカ 130分
■原題「Dreamgirls」
2007.3.3 TOHOシネマズ緑井
■監督 ビル・コンドン
■出演
  ジェイミー・フォックス(カーティス・テイラーJr.)
  ビヨンセ・ノウルズ(ティーナ・ジョーンズ)
  エディ・マーフィ(ジェームズ・“サンダー”・アーリー)
  ジェニファー・ハドソン(エフィー・ホワイト)
  アニカ・ノニ・ローズ(ローレル・ロビンソン)
   ダニー・グローヴァー(マーティ・マディソン)
  キース・ロビンソン  シャロン・リール
  ヒントン・バトル  ジョン・リスゴー   
  ロバート・チッチーニ

《story》


「夢は永遠に生き続ける」

1962年デトロイト。エフィー、ローレル、ディーナのコーラストリオは、歌で成功しようとさまざまなオーディションにチャレンジしていた。ある日、カーティスという男が、ジミーのバックコーラスにならないかと声をかける。カーティスは、全財産を投げ打って、彼らを売り出す。その後、3人は、「ドリームガールズ」としてデビューし、一躍有名になる。しかし、カーティスは、歌のリーダーをエフィーからローレルに変えるのだった。そこから亀裂は生じ、途中でエフィーはメンバーから降ろされることになる。そのエフィーのお腹には子どもがいた。新しいメンバーを迎え、ますますドリームガールズは売れていった。しかし、カーティスとメンバーとの亀裂も大きくなっていった。

 見応えのあるミュージカル
だれかが言っていたけど、確かに音楽や歌に興味がなくても、引き込まれていく映画だった。体全体で歌うというのはこういうことかと納得できた。口先で歌う歌が小さく感じられた。エディ・マフィーの歌も迫力があった。俳優というのは、さまざまな技術があるものだなと関心した。
しかし、売れるためには金が必要だということにがっかりきた。特に黒人だからという偏見や差別があった。でも、たとえお金を使って売り出したとしても、それを聞いて認めるのは国民だ。下手な歌は、心に響かない歌は受け入れない。あとは実力の世界だ。
人間は、もうこれで満足だという限界を知らない。ひとつうまくいけば次を求める。小さな舞台で歌っているときが幸せだったかもしれない。一度、上を見て進み始めたら止まらない。心が満たされていくはずなのに、隙間が広がる。ジミーだって死ななくてすんだのに。解散ということがその隙間を埋めることだったなんて。でも、それが実は最高の道だったりしてね。

公式サイト「ドリームガールズ」 

  信用されてない
何がつらいって、それは信用されてないこと。頼りにされてないこと。料理なんてやらせてもらえない。広島風のお好み焼きを作ったことがあるが、黙って食べて、たくさん残された。うどんを作ってもそばを作っても、みそ汁を作っても、つけものを作っても、私が作ったものはだれも食べない。私が買ってきた食料品は、いつまでも手がつけられることなく、捨てられる。意見なんて求められないし、いつの間にか私抜きにして事は進んでいく。まあ、寝て食べるだけの居候みたいなものだ。風呂の水を汲むポンプが便利だよというとバカにされた。でも数ヶ月後に誰かが同じ事を言ったら採用された。そんなことはいっぱいある。睡眠は1時間30分の倍のリズムがいいんだって、と言ったら信用されなかった。バカにした雰囲気で、どこに書いてあるのかだってさ。それでなくても、いつも自信をなくして小さくなっているのに、休日になるともっと情緒不安定になってしまう。好きな映画も遠慮していけなくなった。塾のお金がかかって暗に節約を押しつけられた。タバコもお酒も飲まない。何の楽しみがあるのだろう。あなたは、あの北向きの暗い狭い部屋で1日中縮こまっていなさい。ああ、そうだね。


サウンド・オブ・ミュージック

2007年02月04日 | ミュージカル

1964年 アメリカ 174分
■原題「The Sound of Music」
◎アカデミー賞 / 第38回(1966年)作品賞/監督賞/ミュージカル映画音楽賞/編集賞/録音賞
■2007.1.30 wowow
■監督 ロバート・ワイズ
■出演
  ジュリー・アンドリュース(マリア)
  クリストファー・プラマー(フォン・トラップ大佐)
  エレノア・パーカー(男爵夫人) 
  リチャード・ヘイドン(マックス) 
  ペギー・ウッド(修道院長) 
  チャーミアン・カー(リーズル) 
  ヘザー・メンジース(ルイーザ) 
  デュアン・チェイス(クルト) 
  アンジェラ・カートライト(ブリギッタ)  デビー・ターナー(マルタ キム・カラス) 
  グレーテル ダニエル・トゥルヒット(ロルフ)

《story》
オーストリアのザルツブルグ校外の修道院で修行中のマリアは、自然と歌が大好きだった。修道院長は、修道院を抜け出し山で歌うマリアに、もっと広い世界を見せるため、マリアを妻を亡くした大佐の7人の子どもたちの家庭教師として派遣する。しかし、大佐の家では規律を重んじ、笛で動く子どもたちが待っていた。ここにやってきた家庭教師は、子どもたちのいたずらのために何人もがやめていた。マリアは、子どもたちのいたずらをさらりとかわし、嵐の夜の恐怖に対し、歌で勇気を与え、次第に子どもたちに迎えられていくのだった。子どもたちは、自然と戯れ、自然の中で歌い、明るく豊かに成長していった。マリアは、屋敷に戻った大佐に心惹かれる自分を感じ、家を出て修道院にもどった。逃げていてはだめだと、自分の気持ちを確かめるために、屋敷もどり、大佐も彼女を見て、彼女を愛していたことに気づく。そして二人は結婚するのだった。平和だったこの街にもナチスドイツの影が迫っていた。招集礼状が届いた大佐は、それを拒否し、家族を連れて、スイスに逃げ延びるのだった。

どの曲も心に残っている
映画の中で歌われている曲はどれも心に残っている。それだけ何度も見たし、さまざまなところで耳にしているのだと思う。山の草原で歌うシーンは最高だ。歌は人の心を豊かにする。私は歌えないけど、心の中にいつも音楽が流れている。あんなにさわやかに歌うことができたらどんなに素晴らしいことだろうか。
名前はわからないが、「もうすぐ17才」を歌った2人。とってもいい雰囲気だったのに。いつも思うのだが、彼がナチス側についてしまって残念。修道院の墓地で見つけたとき、一瞬知らせるのをためらった。あのままトラップ一家と一緒に逃げればよかったのにと思う。これは、戦争の残酷さを表現しているのだろう。
やっぱりあの「ドレミの歌」はすばらしい。音楽の教科書に載っていてみんな知っているけど、この映画が出発点だとは知らないだろうなあ。1964年の作品だが、名前は知っていても映画自体は見たことない人も多いんじゃないかな。

 東京に旅立った
昔を思い出す。大学に入ったとき、家を離れひとり下宿を始めたとき。私は、田舎の農家の2階を借りた。風呂は大家さんと一緒で五右衛門風呂だった。周りは田んぼばかりで自然に恵まれていた。今でこそ思うけど、もっと散策しておけばよかった。あの頃に戻れたら、もっともっと自然を楽しむのに。部屋の中にカセットガスを置いて、カレーを作って食べたりしたなあ。今日は、研修のために子どもが東京に旅立った。2週間したら戻ってくるけど、初めてのことなので、少し感傷的になった。広島にもどったら、また福岡に研修に出る。あの頃の自分より、大人かもしれない。

ドリトル先生 不思議な旅

2006年06月26日 | ミュージカル


1967年 アメリカ 165分
■原題「Doctor Dolittle」
○アカデミー賞 / 第40回(1968年)歌曲賞 特殊視覚効果賞
■2006.6.28   BS2
■監督 リチャード・フライシャー
■出演 レックス・ハリソン(ドクター・ジョン・ドリトル)  サマンサ・エッガー(エマ・ファーファクス)  リチャード・アッテンボロー(アルバート・ブラッサム)  アンソニー・ニューリー(マシュー・マグ)ピーター・バル  (ジェネラル・ベロウズ)

《story》
1845年、西イングランドの港町パドルビー。ドリトル先生は、元は人間の医者だった。でも、人付き合いが苦手で、動物好きだったので、おうむから動物語を教えてもらい、動物の医者となって世界を駆け回っていた。いつか海にいる大カタツムリを見たいと夢を持っていた。そのためには資金が必要だ。そこへ二つの頭を持つロバがやってくる。そのロバの了解を得て、サーカスのショーに出て資金を集めることにした。お金は集まったものの、世間を惑わすとして、ドリトル先生は収容所に入れられそうになる。動物たちの策でうまく逃げだし、大カタツムリを探して海に出る。果たして大カタツムリに出会うことができるだろうか。

◎懐かしい映画だった。もしかしたら始めて見た映画かもしれない。小学生のときで、映画館で、字幕を追っていたのを思い出す。二つの頭を持つロバを見て驚いた。大カタツムリもびっくりした。世界にはこんな動物がいるんだと本気で思っていた。今見ると、二つの頭があるロバは人が入っているのがすぐにわかるけど、子ども時代は信じていた。大カタツムリは、今見てもすごいと思う。大がかりなセットだ。首がなめらかに動く。
動物と自由に話せることは夢だ。実現できたらどんなにすばらしいことだろう。でも、ドリトル先生のように、声に耳を傾け、その動物たちのために本当に活動しないとだめだ。話せることをただ自慢して、金儲けに使うなどしたら、これからだれも人間を信用しなくなることだろう。楽しい映画だった。


オリバー!

2006年02月23日 | ミュージカル

 
1968年 イギリス 146分  原題「OLIVER!」
○アカデミー賞 第41回(1969年)-作品賞、監督賞、ミュージカル映画音楽賞、音響賞、名誉賞
○ゴールデン・グローブ 第26回(1968年)-作品賞(コメディ/ミュージカル)、男優賞(コメディ/ミュージカル)<ロン・ムーディ> 
■2006.2.23 wowow
■監督 キャロル・リード
■出演 マーク・レスター(オリバー)  オリヴァー・リード(ビル)  ロン・ムーディ(フェイギン)  シャニ・ウォリス(ナンシー)  ジャック・ワイルド(アートフル・ドッジャー) 

《story》
19世紀、イギリスのロンドン。貧富の差が激しかった。貧しさ故に、生まれた子どもを育てられない家庭も多く、そんな子どもがたくさん救貧院で生活していた。その救貧院での子どもたちの生活も悲惨な状態だった。そこでの食事は粗末なものだった。あるとき、オリバーは食事のおかわりを申し出る。しかし、そのためにオリバーじゃ葬儀屋に5ドルで売られることになった。そこでの生活もつらく、同じように働いていた少年とケンカになり、飛び出してしまう。さまよっているとき、スリの少年アートフル・ドッジャーと知りあい、親方のフェイギン率いるスリの少年仲間に入る。初めて仲間と町に出た日、逃げ遅れ警察に捕まってしまう。

◎久しぶりにミュージカルを見た。本当はあまり好きではない。今やっている「オリバー・ツイスト」がおもしろいのかどうか見て判断したかった。もし、このままのストーリーだったらおもしろくない。それほど劇場に行くことはできないのでね。
マークレスターはかわいいけど、なんだか物足らない。「小さな恋のメロディ」であれば、あおの雰囲気は当てはまると思うけど、歌うイメージではない。まあ、最初に「小さな恋のメロディ」を見たからそう思うのかもしれないけど。同じくジャック・ワイルドも出ていた。そういう関係のおもしろさがあった。