そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

アメリカン・ガール/サマンサの休日

2006年11月30日 | 人間/社会派ドラマ

2004年 アメリカ 87分
■原題「Samantha:An American Girl Holiday」
■2006.11.25 wowow
■監督 ナディア・タス
■出演   
  アンナソフィア・ロブ(サマンサ・パーキントン)  
  ミア・ファロー(グランマリー・エドワーズ)  
  ジョーダン・ブリッジス(ガードナー(ガードおじさん)) 
  ケルシー・ルイス(ネリー)  
  レベッカ・メイダー(コーネリア)  
  オリヴィア・バランタイン(ジェニー)


《story》
アメリカン・ガールズコレクションの一つ。物語には詳細な設定がなされ関連商品が売り出されている。
この作品は、1904年、ニューヨークの静かな校外が舞台。サマンサは両親を亡くし、裕福な祖母の家で育てられていた。隣の家に、下働きとしてネリー3姉妹と父親がやってきた。同級生ということもあって、サマンサとネリーは仲良くなり、親友になっていった。
ある日、サマンサは、叔父の結婚後、叔父たちとともに街中の家に移ることになった。ネリーとは文通をしていたが、それがばったり止まった。ネリーの父親が亡くなり、三姉妹が施設に引き取られたことがわかった。さっそくサマンサは施設を訪問がするが、そこはひどい環境で、ネリーは姉妹とともに施設を出たがったいた。そこで、サマンサは彼女たちたちを施設から連れ出し、自分の家にかくまうのだった。しかし、ネリーの妹が病気になり、サマンサはどうすることもできなくなってしまった。

たぶんこんな時代なんだろう。こんなに貧富の差が激しいことに驚いた。そしてそれが当然のような時代なのだろうか。裕福な家庭は、何でもできる。貧しい家庭の子どもは学校も行けず、字を読むこともできない。同じ人間なのに、幸せになる権利に差があるなんておかしい。二極化というのはこういうことなんだろうか。今の日本も「勝ち組、負け組」とか平気で言っているけど、自分が勝ち組なりたいなら、人をけ落としてでもはい上がれ、と競争を煽り、そうさせているものを見えなくさせている。まるで差別の原理そのものだ。今日、食べるものがなくひもじい思いをしている人間がいる中で、仕事をせずに会社を人に任せ、自分は世界旅行だなんて、おかしいと思いませんか。

子どもを平気で働かせ搾取する時代が本当にあったのだと実感した。日本もそうだったのだ。学校どころではない。今でも世界のどこかにそういうところがある。学校に行けない子どもは世界で1億人以上いる。飢えで苦しんでいたり、生活に困って働かざる得ない子どももいる。昨日、北朝鮮の子どもの様子がテレビで放映されたが、がらんどうの部屋で横になっていて、何もする気力がないみたいだった。偉い人たちは満腹になるまで食べて贅沢しているんだろうな。

サマンサの身分にこだわることなくどんな人もきちんと人として考えていく姿勢には頭が下がる。スピーチで事実を述べ訴える気持ちは自然なこと。でも、それを言うことをよしとしない風潮ってなんだろう。正しいことをそれは理想だと片づけられ、現実はもっと厳しいよと蔑ろにされる。サマンサが別の内容のスピーチを始めたときのあの教師たちの「えーっ」という気持ちはわかる。でも、内容がいいかどうかで判断したいものだ。正しいこととまちがっていることをきちんと判断できるようにしていくことが教育の一つだろう。

公式サイト「アメリカン・ガール/サマンサの休日」

椿山課長の七日間

2006年11月24日 | コメディ

2006年 日本 118分
2006.11.24 TOHOシネマズ緑井
■監督 河野圭太
■出演
  西田敏行(椿山和昭)  
  伊東美咲 (和山椿、椿山和昭の化身)
  成宮寛貴(竹内弘実、ヤクザの武田の化身)
  和久井映見(マヤ、中陰役所の担当者)
  市毛良枝(市川静子)  桂小金治(椿山昭三)
  須賀健太(椿山陽介)  
  志田未来(蓮子、雄一の化身)
  渡辺典子(椿山由紀)  沢村一樹(嶋田)
  綿引勝彦(ヤクザの武田)  伊藤大翔(雄一)
  松田悟志(純一)  青木崇高(卓人)
  余貴美子(知子)  國村隼(市川大介)
  藤村俊二(喫茶店マイルスのマスター)


《story》

「ひとめあなたに、会いに生きたい。」

椿山課長は、勤め先のデパートで突然倒れ亡くなってしまう。椿山が目を覚ましたところは、天国に行く前の中陰役所というところだった。そこにはたくさんの人が待っていた。担当のマヤが現れ、天国に行く者はそのまま、消滅する者はボタンを押すようにと言った。次に、心残りがあって、初七日まで現世に戻りたい者はボタン押すようにと説明があり、椿山課長は息子の陽介が心配でボタンを押す。審査ののち、合格した者は3人。椿山と雄一という少年、そして武田というヤクザだった。現世に戻った椿山は若い女性の姿だった。雄一は女の子、二人はまず雄一の家に向かった。ヤクザの武田は、イケメンの若い男になり弟分の市川の元に行った。それぞれのやり残したことは何なのか。タイムリミットはあと2日。

「死ぬのが怖くなくなる」とキャッチフレーズにあったけど、怖くなくなって簡単に自殺してもらったら困るよね。そういう死ではなく、病気は事故などで死にたくはなかったけど死んでいく人たちに、死とはそんなに怖いものじゃなく、別な世界に行くだけなんだって、でもだからと言ってむちゃをしてもいいということではない。こやって考えていくと、死がこわくないっていいことなんかなと不安になる。小心者の私みたいに、死ぬことを恐れている人間にしてみれば、気持ちが楽になる。でも、この世から逃げたい、死にたいと思っている人からすれば、後押しされているみただね。

素直に感動できていいんじゃないかな。心残りが解決できて、気持ちが通じ合って、みんな幸せな気持ちになって、本当によかった。ラストは涙がいっぱい出てきた。泣いたり、笑ったり、自分のことのように恥ずかしくなったり、うれしくなったり、悔しくなったり、そんなスクリーンの中にとけ込んで、スクリーンの中の人物と同化できる映画が好きだ。時計も気にならない。劇場内の人が意識からなくなり、まるで自分がそこにいる気持ちになれる。これがテレビだとちょっとちがってくる。大きなスクリーンを目の前にしているからこそ、あふれる心がある。

人間は欲深い生き物だ。願い事がかなえばそれで満足かと言えば、そうではない。次の瞬間には、新しい願い事が生まれる。出会えたらそれだけでいいと思っていても、出会えばいっしょにいたくなる。いっしょにいればもっとこうしてほしいと欲求が出る。どんどんわがままになっていく。この3人は満足して天国に行けただろうか。いや、きっと新たな心残りを持ってしまったにちがいない。知子さんはこれからどう生きていくのだろう。陽介は、ころっと「お父さん」なんて嶋田を呼んだけど、それでいいの、椿山の奥さん、気持ちよく生きていけるのだろうか、思えばたくさん気がかりなことはある。でも、制限時間もあることだし、死んだ人間があれこれ思ったって仕方ないしね。

公式サイト「椿山課長の七日間」

ステルス

2006年11月23日 | アクション

2005年 アメリカ 121分
■原題「Stealth」
■2006.11.23 wowow
■監督 ロブ・コーエン
■出演   
  ジョシュ・ルーカス(ベン・ギャノン)  
  ジェシカ・ビール(カーラ・ウェイド)  
  ジェイミー・フォックス(ヘンリー・パーセル)  
  サム・シェパード(カミングス)  
  ジョー・モートン(マーシュフィールド)  
  イアン・ブリス(シャフツベリー)


《story》

「終わらせない。未来を」

「助けたい。その想い、はミッションを越えた。」


近未来。テロ撲滅のために、極秘に進められたプロジェクトに選ばれたのは、ベン、カーラ、ヘンリーの3人だった。彼らは、最新のステルス「タロン」を操縦し、最高の技術とチームワークをもっていた。そこに、人工知能が操縦する無人ステルス戦闘機「エディ」が加わった。彼は、学習能力をもったコンピューターだった。初任務の後、エディは落雷にあい、密かに異常を生じ始める。
タジキスタンで核弾頭が持ち込まれるという情報が入り、すぐに破壊するようにと指令が入る。4機はすぐに向かったが、近くに農村があり、核弾頭を破壊すれば、その農村で1000人以上の死者がでることがわかった。ベンは任務の中止を決断したが、エディはその命令を無視し、ミサイルを発射してしまう。その後も、エディはあらたな標的を探し暴走する。それを止めようとしたヘンリーは、崖に激突し、大破。カーラは、機体が故障し、北朝鮮に墜落、パラシュートで何とか地上に降りることができた。ベンは、エディを追跡するが、空中給油をしているときにエディに襲われてしまう。作戦の失敗を隠そうとする上司。暴走するエディ、北朝鮮内で逃げまどうカーラ。ベンは、愛するカーラを助けることができるのか。

娯楽として見ればおもしろい。ものすごい早さで飛び交うステルスは感動的だ。まるでゲームをしているようで、私自身はこんなゲームをしないので、こういうゲームをする人にしてみれば、思わず両手が動いてしまうだろう。映画だから許せる場面がいっぱいあった。それは、映画だから楽しめるのだと思う。

「テロ撲滅」という合い言葉は、アメリカを中心に、日本でも叫ばれている。ピンポイントで建物を破壊して、まるで湾岸戦争やイラク戦争でのハイテク兵器の宣伝みたいだけど、“すごい”と一言では片づけられない問題がいっぱいあった。本当にあの建物にいた人間すべてがテロに関わっているのだろうか、巻き添えをくった人間はいないのか。イラクの大量破壊兵器が嘘だったように、後から「あれはテロとは関係なかった」なんてことはないのだろうか。核弾頭が、商品としてテロ組織に売られていく危険は現実にある。それを破壊したら、1000人の死傷者だけじゃすまないんじゃないだろうか。

ステルスのような戦闘機を作ろうと思えば何億というお金が必要だろうなあ。燃料だって莫大な量だろうし、きっと燃費もよくないから、何度も給油しなければならないだろう。これらの費用はどこから出るの? 我々の税金から、消費税から、削られた給料から、年金から、補助金から・・・

いつもアメリカが正義を掲げるけど、掲げて宣伝した者の勝ちなんだろう。反対の立場に立てば、アメリカが敵なんだ。すごい兵器を作れば、戦争の危険を抑えることができるのかと言えばそうではない。その敵となるものは、もっとすごい兵器を作るだろう。核兵器を持ってにらみ合えば抑止力が効いて戦争はなくなるのか。どこかでだれかが謝って、核兵器のボタンを押したり、世界の幸せなんて考えることができないだれかが自分のわがままで核兵器を使ったり、自分の利益のためにどこかに売ったり、たくさんの核兵器の管理なんてきっとできない。

兵器なんていらない、作らない、持たない、そんな世界は無理なんだろうか。自衛隊なんていらない。「攻められたらどうする?」戦わない道をいつも考えていけたらいい。

公式サイト「ステルス」

大停電の夜に

2006年11月22日 | 人間/社会派ドラマ

2005年 日本 132分
■2006.11.22 wowow
■監督 源孝志
■出演
  豊川悦司(木戸晋一)  
  田口トモロヲ(佐伯遼太郎)
  原田知世(佐伯静江)  吉川晃司(大鳥銀次)
  寺島しのぶ(杉田礼子)  井川遥(草野美寿々)
  阿部力(李冬冬)  本郷奏多(田沢翔太)
  香椎由宇(梶原麻衣子)  田畑智子(叶のぞみ)
  淡島千景(国東小夜子)  宇津井健(国東義一)

《story》

「泣かないで、本当の愛は、きっと見えてくる」

「光が消える。あなたを感じる」

クリスマスイブの夜、東京が大停電になってしまった。復旧の見通しがたたない中で12人の男女の物語が始まった。天体観測をしていた翔太が、望遠鏡を向かいのビルに向けたら、屋上に少女がいた。少女の麻衣子は、乳ガンの手術でを控えていた。二人は自転車で大停電の夜を走った。
エレベーターに閉じこめられたホテルマンの冬冬と、不倫相手を残し部屋から飛び出した美寿々。冬冬は上海に残した恋人を思い、美寿々は不倫の精算を思っていた。そんな二人が真っ暗な中で思いを語る。
美寿々の不倫相手の遼太郎は、死を迎えようとしていた父から、母の子ではなく、以前付き合っていた女性の子であると告げられる。その女性の家に電話し声を聞く。自分の今を考えながら家路に付く。家では静江が離婚届けに判を押していた。そこに緊急な用があるから遅くなると言った遼太郎が帰宅。今までなくなっていた二人だけの時間が訪れる。
出所した銀次は、礼子とともに地下鉄の列車に閉じこめられる。礼子は銀次を待つことができす、結婚して子どもがお腹にいた。そして陣痛が始まり、銀地は礼子を抱え列車から飛び出し、病院に向かう。
彼らを車に乗せ、病院に連れていったのが義一だった。義一は、妻から結婚する前に子どもを生んだことを告白する。その子から電話があったのだ。
路地裏のジャズ喫茶。昔の恋人が来なければ店を閉めるという。向かいのろうそくの店ののぞみは彼の店で始めて飲む。その店に集まるさまざまな出来事を背負う人々。静江は、そのジャズ喫茶に足を運んだ。

◎夜の停電ってわくわくしてくると思いませんか。台風が来て、夜、突然電気が消えて、あわてて懐中電灯を探したり、テーブルの真ん中に、仏壇のろうそくに火をつけて置いたり、別の別の部屋にいた人たちが集まって、わいわいがやがや始める。なんだかいつも間にか寄り添っている気持ちになる。

この12人の人たちも同じ気持ちだと思う。バラバラに向いていた気持ちが、停電になることで、同じ小さな炎に目は向いた。そして、自分やそこにいる人の心に、ふっと目が向く。今まで見ていたのに、周りが明るすぎて見えなかった心が見えてくる。そして、やさしく寄り添いたくなる。

夜は暗いのが当たり前なんだけど、人はその暗さに明かりを求める。初めは月の明かりだったのが、何かを燃やして作った明かりになり、それが電気になった。ほんの少しの明かりで良かったのに、あまりに明るすぎて、心が躍って浮かれすぎて、静かにしてはいられなくなった。いつも心が騒ぐ。ほんの少しの明かりだったら、もっとよく見ようと心を静めて落ち着いていられたのに。

昔、一人で東京に行ったことがある。どうやって行ったのか思い出せない。バイトでお金を貯めた。京都の友だちのところに行き、山梨友だちや埼玉の後輩の世話になった。アパートを転々としながら過ごした。学生時代。寝袋で寝たような気がする。今だったら、もっとかっこよく振る舞えたのにと思うこともあった。豊島園の射的で取った小さな招き猫が笑っている。

公式サイト「大停電の夜に」

父親たちの星条旗

2006年11月20日 | 人間/社会派ドラマ


2006年 アメリカ 132分
■原題「Flags of Our Fathers」
2006.11.20 TOHOシネマズ緑井
■監督 クリント・イーストウッド
■出演
 ライアン・フィリップ(ジョン・“ドク”・ブラッドリー)
 ジェシー・ブラッドフォード(レイニー・ギャグノン)
 アダム・ビーチ(アイラ・ヘイズ)
 ジェイミー・ベル
     (ラルフ・“イギー”・イグナトウスキー) 、
 バリー・ペッパー(マイク・ストランク)
 ポール・ウォーカー(ハンク・ハンセン)
 ジョン・ベンジャミン・ヒッキー(キース・ビーチ)
 ジョン・スラッテリー(バド・ガーバー)

《story》

「世界が忘れてはいけない島がある」

「戦争を終わらせた1枚の写真。その真実」

「アメリカから見た硫黄島」

ジョン・“ドク”・ブラッドリーは、太平洋戦争当時のことを一切口にしなかった。その生涯を閉じようとしている今、彼の息子は、なぜ父は語ろうとしないのか。その真相を探るため、当時の父の衛生兵としての軌跡をたどり始めた。そして、1枚の写真からすべてが始まっていることを知った。
当時、予想を上回る日本軍の抗戦に、アメリカ軍は苦戦していた。硫黄島の上陸作戦も5日で終わると思われていたが、日本軍の抵抗は激しく、アメリカ軍の戦死者も増えていく中、戦費は膨大にふくらみ、国内での資金繰りに苦慮していた。そんな中で、硫黄島でアメリカの国旗を掲げている様子の写真が新聞に掲載される。軍は、この写真に写っているとされる人物を使って、資金援助のキャンペーンを行うことにした。写真の6人のうち3人はすでに死亡。本土に生還できたのは3人だけだった。国内では、この3人を利用した大規模なキャンペーンが繰り広げられた。戦場での悲惨さを体験してきた3人は、この派手な演出や本土と戦場の大きな違いに困惑し、次第に苦悩し始める。

◎戦争映画は好きではない。でも、クリント・イーストウッド監督の、両方の国の側から描いた2部作というところにひかれた。それに、かっこよさではなく、戦争の裏側にある真実を描こうとしているところがいい。戦争は、怖いものだ。恐怖がいっぱいで孤独なものだ。人を傷つけることが平気になる怖さ、自分を守るために残酷になれる怖さ、目の前の人に、会ったこともない人に、憎しみを感じる怖さ、味方さえ信じられなくなる怖さがる。

戦争は、それを仕組み、利用して、自分だけ得をする人があること。それに、人の心を操り、けしかけ、命を投げ出してでもいいと思う人間作ってしまう。さらに、そう思わない人を、そう思う人が罵り、仕組んだ人が見えなくなる。だれも傷つけたくないし、だれからも傷つけられたくない。

今の日本はいやなことばかり。教育基本法が改定され、愛国心がことさらにクローズアップされ、従わなければならない、心が縛られる教育がなされようとしている。学校選択制、教員の免許更新、給料格差、文化的行事の廃止、能力別クラス、安定しない家庭(雇用条件の悪化、労働条件の悪化)・・・いじめの原因は、そうした国の制作そのものにある。国自体が弱い立場の人をいじめている。傷害者、お年寄り、子どもたち・・・見えないところで、新しい法律がいつのまにかできて、弱者切り捨てで、自殺者が急増。この怒りは他国に向けられ、戦争がいつでも起こせる条件が整えられていくのだ。憲法改正、もちろん9条でしょう。

この映画の戦争の裏側にある事実。それは、これから何十年後かにあきらかになる、今の日本の裏側にある事実と、ほぼ同じことなんじゃないかなと思った。たぶん、そのときそんなに驚きを持って見ることはない。だれも信じられない戦場の様子と、今の日本は同じ状況かもしれない。

公式サイト「父親たちの星条旗」 


男はつらいよ39 寅次郎物語

2006年11月19日 | コメディ

1987年 日本 102分
■2006.11.19 BS2
■監督 山田洋次
■出演
  渥美清(車寅次郎)  倍賞千恵子(さくら)
  秋吉久美子(高井隆子)
  五月みどり(秀吉の母・ふで)
  伊藤祐一郎(子役・佐藤秀吉)

《story》
とらやに、寅を訪ねて少年がきた。この少年は、テキ屋仲間の子どもで、死ぬ間際に「寅を訪ねろ」と言い残す。母は父親が荒れくれ者のため、少年が小さい頃に家を飛び出し、少年には身寄りがなかった。少年の名前は秀吉といい、寅が名付け親だった。そこに寅が帰ってきて、すぐに母親探しに飛び出す。初めは和歌山のホテルに行くが、すでに辞めていた。そして次に吉野の旅館に行くが、そこも辞めていた。その番、秀吉は疲れのためか高熱を出す。夜中に医者を呼び出す。隣の客の女性も、秀吉の世話を手伝い、寅と女性はまるで夫婦のように見られる。たった2日間だが、「父さん、母さん」と呼び合う、夫婦の雰囲気を味わう。その後、寅は志摩を訪ね、秀吉の母ふでと出会う。

◎誰にでも、困っていたら一生懸命になれるのが寅さんだ。ただ、子どもを連れ回すのは、確かに考えが足らなかったかな。母親に会って、子どものことを思い、会えることを願っていたからハッピーエンドになってよかったけどね。
あんな夫婦の息が合った振る舞いは、ほのぼのするね。いっしょに買い物をして、子どものことを考えて。どこかの神社に立ち寄って、笑いながら慌ただしく動いた時を振り返る。そして子どもが待っている部屋に戻る。寅さんにとっても、今まで味わえなかった経験だよね。たぶん、そんな日々を望んでいるんだけど、長続きしないことがわかっているんだ。
満男がだんだん頭角を現してきたな。あこがれのおじさん、という気持ちは見ている人と同じ共有しているものだと思う。寅さんならどう答えてくれるだろう。そんな思いで、「人は何のために生きるの」って聞く。「それは生きてよかった、って数少なくても思う日があるから」それは瞬間だけど、「今」からつながっているその一瞬が何より力になるんだと思う。そんな一瞬が私にもあるかな。

ダーティハリー

2006年11月19日 | アクション


1971年 アメリカ 103分
■原題「Dirty Harry」
■2006.11.19 BS2
■監督 ドン・シーゲル
■出演
   クリント・イーストウッド(ハリー・キャラハン)
   ハリー・ガーディノ(ブレスラー)
   アンディ・ロビンソン(さそり)
   ジョン・ヴァーノン(市長)
   レニ・サントーニ(チコ)

《story》
ビルの屋上からプールで泳いでいた女が狙撃された。サンフランシスコ警察のキャラハン刑事が捜査で、薬莢と犯人からのメッセージが見つかる。そのメッセージには、市に対して10万ドルの要求が書かれてあった。応じなければ黒人か牧師を殺すとあった。新しく相棒となったチコと捜査にあたり、屋上にいる犯人を見つけるが、逃がしてしまう。その後、黒人の少年が狙撃される。次は牧師だと張り込んでいるところに犯人は現れたが逃げられてしまう。再び市に脅迫状が届く。14才の少女を誘拐したという。20万ドルを持ってハリーは指定された場所に行くが、そこで犯人と格闘になり逃がしてします。ハリーは、独自の捜査で犯人をつきとめる、そこで、娘の居場所を聞き出すため、犯人に拷問をかける。しかし、少女はすでに死んでおり、犯人は刑事に拷問された違法の捜査として釈放される。再び犯人は犯罪に手を染めるだろうと、ハリーは尾行を続けるのだが。

◎高校時代にリバイバル上映されていたことを思い出す。友だちは、この手の映画が好きだったが、私は関心なかった。でも、一度テレビで見た記憶がある。最近になって、クリント・イーストウッドの監督しての活躍を見て、もう一度見たくなった。「ダーティー」とは、汚い、やり方がまずいという悪い意味だと思っていたけど、映画の中では「掃除屋」と説明があった。何でも危険な仕事はハリーがやってくれる。そんな人物を表しているらしい。行動は荒々しいけど、冷静であわてず判断し、正義感に触れた刑事だった。ただかっこいいだけでなく、アクションがいいだけでもなかった。
なぜ、あんも犯人が釈放されたのか理解できなかった。犯人の人権が騒がれていた時代なんだろうか。身代金の受け渡し場所で負傷した男だし、ハリーは顔を見ているわけだから、犯人であり証拠はちゃんとあるはずだけど・・。
最後に撃ち殺してしまった方が、後で問題にされるんじゃないかな。気持ちの上ではしっきりしたけどね。


Mr.インクレディブル(吹き替え)

2006年11月18日 | アニメ


2004年 アメリカ 117分
■原題「The Incredibles」
■2006.11.18 wowow
■監督 ブラッド・バード
■声の出演 
     三浦友和(Mr.インクレディブル)                 
     黒木瞳(インクレディブル夫人(イラスティ・ガール))           綾瀬はるか(ヴァイオレット)      
     海鋒拓也(ダッシュ)      
     渡辺美佐(ミラージュ)      
     後藤哲夫(エドナ・モード)      
     斉藤志郎(フロゾン)      
     宮迫博之(シンドローム)

《story》

「Mr.インクレディブルとその家族は、全員がスーパー・パワーの持ち主。だが、その『秘密』は、決して人間に知られてはならない」

スーパーヒーローの一人であるインクレディブル。しかし、その活動のために被害があると訴えられ、今後の活動を禁止されてしまう。あれから15年。インクレディブルは、同じスーパーヒーローのイラスティ・ガールと結婚し、娘のヴァイオレットと息子のダッシュと、ひっそりと暮らしていた。しかし、家族全員がスーパーパワーを持っていた。子どもたちはそれを使わないようにするために、不満がたまっていた。インクレディブルは、強い正義感のため、職場を転々とし、何度も引っ越しせざるを得ず、今の保険会社も上司に暴力をふるい首になってしまった。そんなとき、「あなたはまだ世界を救える」という手紙が届き、再びスーツをまとい、誘いにのってしまう。そこには、かつてインクレディブルがヒーローだった頃、つきまとっていた少年が、科学の力でスーパーパワーを持ち、彼を待ちかまえていた。

◎スーパーヒーローにも悩みはあるものだ。スーパーマンだって悩んだし、スパーだーマンだって恋に悩んだ。でも、誰かを助けたり、力を使ったりしたら、誰かが困ったり、何かを壊したりする。それが現実だ。店を壊される人もいれば、壊れたガラスでけがをする人もいる。暴走する列車を止めれば、それでみんなが助かるわけではない。でも、スーパーヒーローは必要だ。正義を理想とする姿勢は失ってはならない。
あんな力があったらな、って思うけど、あんな力があったらあったで普通の人と同じように生活ができにくくなって困ることもありそう。あんな大きな力はなくても、みんなそれぞれその人なりの色があって、みんながみんなそれぞれの力を出し合って生きている。家族も同じ。ともに今を生きる人たちも同じ。誰かのために、みんなのために役立ちたいという気持ちは大事にしたいものだ。


明日に向って撃て!

2006年11月12日 | アクション

1969年 アメリカ 112分
■原題「BUTCH CASSIDY AND THE SUNDANCE KID」
○アカデミー賞 / 第42回(1970年)脚本賞/撮影賞/作曲賞/歌曲賞
■2006.11.12 BS2
■監督 ジョージ・ロイ・ヒル
■出演
  ポール・ニューマン(ブッチ・キャシディ)
  ロバート・レッドフォード(サンダンス・キッド)
  キャサリン・ロス(エッタ)

《story》
1890年代西部に実在した2人組のガンマン、ブッチとサンダンス。彼らの仲間たちは、列車強盗の計画を立て、行きも帰りも列車を襲い、大金を奪い取る。金を取られた会社は、腕利きの男たちを雇い、彼らを捕まえようと、しつこく追いかける。ブッチとサンダンスは、何とか逃げ切り、エッタとともに、ボリビアに行き、稼ごうとする。しかし、ボリビアは貧乏な国で、2人はまた銀行強盗を始める。2人はたちまち有名になる。そして追っ手はそこにも来ていた。2人は足を洗い、まじめに鉱山の給料を守るガードマンの仕事につく。けれども、盗賊に襲われ、2人が金を奪ったとされ、再び警察に追われることになる。校外の店で食事をしているとき、警察に通報され、軍隊に取り囲まれる。次はオーストラリアに行こうと、拳銃を持って飛び出した2人だが。

◎中学時代に見て以来、ずっと一番いい映画だと思ってきた。劇場でも、テレビでも何回も見てきた、心に残る映画だ。映画とは、こんなに楽しくて、おもしろいのかと、映画好きにさせた1本だ。たぶん10回以上は見ていると思う。でも、映画とは不思議なもので、何回見ても新しい発見がある。実は、よく見ていないのかもしれないが、心に残る映画はもう一度見たくなって、「そうなのか」という見るたびに新鮮な感覚を覚える。
映画が心に残るもう1つの理由として、その当時にあった出来事があげられる。仲間と映画の話をして、自分はこれが一番だといい、友人はあれがいいといい、劇場でリバイバルされたら、誘って見に行った。そんな青春時代を思い起こさせる。
映画の中では、2人は悪いことをしているけど、どこか憎めないキャラだ。困っている人がいたら、惜しみなく手を貸すんじゃないかな。お金もそんな人たちのためにこだわり無く使うんじゃないかな。そんな、優しさを感じるから、最後の時を止めて終わるシーンがじーんとくる。死なないで、って言いたくなるんだと思う。

男はつらいよ38 知床慕情

2006年11月12日 | コメディ


1987年 日本 107分
■2006.11.12 BS2
■監督 山田洋次
■出演
  渥美清(車寅次郎)  倍賞千恵子(さくら)  
  竹下景子(上野りん子・獣医の娘)
  三船敏郎(獣医・上野順吉)
  淡路恵子(スナック「はまゆう」のママ)

《story》 
おいちゃんが肺炎で入院。そこに寅が帰ってくる。店の手伝いをすることになるが全くの役立たず。逃げるように家を出る。北海道知床。獣医をしている上野の車に乗せてもらったことが縁で、上野の家に世話になる。そこに家を上野の飛び出した娘のりん子が、離婚して戻ってくる。寅が親子の間に入り、仲を取り持つことになった。寅は、気むずかしい上野と近所の人たちと、そしてりん子と、楽しくつきあう日々を送る。ある日、上野の世話をしていたスナックのママが店をやめて町を出るという。上野は、寅の言葉に押され、ママにほれていると告げる。二人の祝いの席で、寅とりん子の関係が話題にのぼる。次の日、寅は町を出る。

◎寅さんって、さまざまな特徴の俳優さんと競演し、見事寅さんの世界に引っ張り込んでしまう。だれもがあったかな人間になり、寅さんの力で幸せになっていく。だから、寅さんに会いたいって思うんだ。とらやのあけみがよく言うように、寅さんに会って、寅さんのまわりに人をいっぱい集めて、いつの間にか集まった人たちが結びついて、幸せを築いていく。そして、寅さんはその町を去っていく。でも、心が離れていってるなあ、って思うときがある。それは、ぶらぶらしすぎて、仕事をせずに遊びほうけてしまっているとき。今回も、毎日だれかと遊んでいて、楽しい人から急展開して、柴又のおばさんたちのように、「とらさんみたいになっちゃあだめよ」って言われるようにならないか心配してしまった。そうなる前に、旅に出る寅さん。楽しいようで、一所に落ち着けないつらさがあるのだと思う。それでも、たとえ逃避だと言われても、いろんなところに行って、いろんな人に出会える寅さんをうらやましいと思う。
りん子さんは、竹下景子さんは理想のお嫁さんというイメージだね。しかも北海道が似合っている。北の国からのおばさんと重なってしまう。
寅さんは、いっしょにいるにはいいけど、いっしょに暮らすには、後から重さがずしりときてしんどくなりそう。