■2002年 日本 123分
■2007.11.22 wowow
■監督 森田芳光
■出演
中居正広(網川浩一=ピース)
藤井隆(高井和明) 津田寛治(栗橋浩美)
木村佳乃(前畑滋子) 山崎努(有馬義男)
伊東美咲(古川鞠子) 田口淳之介(塚田真一)
藤田陽子(高井由美子) 寺脇康文(前畑昭二)
平泉成(武上悦郎) モロ師岡(篠崎刑事)
吉田朝(坂木刑事) 桂憲一(鳥居刑事)
佐藤二朗(白井刑事) 中村久美 古川真智子)
小木茂光(古川茂) 由紀さおり(栗橋寿美子)
爆笑問題 佐藤江梨子 PUFFY 坂下千里子
山田花子
《story》
「ナゼ、ヒトヲ殺シテハイケナイノ?」
東京下町で豆腐屋を営む有馬の孫娘が失踪した。10ヶ月後、大川公園の植え込みから女性の右腕とショルダーバックが発見された。バッグは有馬の孫娘の鞠子のものだった。犯人は声を変えた携帯電話を放送局にかけた。犯人の支持通り、孫娘の死体があがった。大川公園の第一発見者は少年塚田だった。一家殺人事件の生き残りで、彼の調査を行っていた滋子の夫も事件に巻き込まれた。事故で崖下に連絡した車のトランクから滋子の夫の死体が発見された。運転していた高井と栗橋も死んだ。栗橋のマンションから、鞠子の定期券や殺された女の写真が発見された。犯人は栗橋だと思われた。彼と同級の網川浩一が加害者の遺族の代弁という形でマスコミに登場する。そして、栗橋は無実で、真犯人は別にいると主張する。彼の雄弁は次第に日本中を魅了していく。真犯人はだれなのか。有馬と滋子は、網川という人物を探り始める。
もう少し何かあると思ったのに
猟奇的殺人、明を求めつつも暗に惹かれる。興味を持って見てしまう。本能で動きつつ、知恵を使って楽しむ。ハイテク機器を使って大衆に語りかける。知能犯でありながら、自分の別荘を使ったり、栗橋と大ぴらに接触したり、テレビに出て「真犯人は別にいる」などと、自分に目が向くようにし向ける。だからこそ異常なのかもしれないが、目が虚ろな異常者でないだけに、なんだか違和感があった。初めから楽しんで自分も死ぬつもりだったのだ。テレビで有名になって、注目を浴びたかっただけなのだ。最後に出てきた網川の赤ちゃん、あれは何なのだ。だれとの子どもなのだ。あの公園の植え込みにいつから置かれていたのだ。人間を平気で殺そうと行動できるとき、きっと精神が病んでしまっているのだと思う。コンビニで、イライラして人を刺す。誰かに暴力をふるいたくなる。誰かをいじめたり罵りたくなる。それは、その人自身も何かに追い込まれているから。だれかに追いつめられているから。そのだれかも、きっとだれかに追いつめられている。その頂点にいる人は、悠々とそれを眺めているのだろうか。きっと政治をも動かし、多くの人に痛みばかり押しつける人なのだろう。ラストの身体がバラバラになるシーンは、この映画の違和感をさらに大きくしてしまった。
公式サイト「模倣犯」