そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

どら平太

2008年05月27日 | 歴史映画/時代劇


2000年 日本 111分
■2008.5.19 日本映画専門チャンネル
■監督 市川崑
■出演
   役所広司(望月小平太=どら平太)
   浅野ゆう子(こせい)
   菅原文太(大河岸の灘八)
   宇崎竜童(仙波義十郎)
   片岡鶴太郎(安川半蔵)
   石倉三郎(巴の太十)
   石橋蓮司(継町の才兵衛)
   大滝秀治(今村掃部)
   江戸家猫八(杢兵衛)
   岸田今日子(姐御風の女)
   神山繁(本田逸記)  加藤武(内島舎人)  三谷昇(落合主水正)
   津嘉山正種(佐藤帯刀)  うじきつよし(中井勝之助)
   尾藤イサオ(市川六左衛門)  菅原加織(征木剛)
   松重豊(乾善四郎)  黒田隆哉(鳥居角之助)  本田博太郎(伝吉)
   永妻晃(壺平)  赤塚真人(源次)  横山あきお(馬方)

 《story》

「痛快」「愉快」「豪快」

ある藩に「どら平太」と言われている新しい町奉行がやってきた。その振る舞いは勝手気ままで、奉行所にも顔を出さない。しかし、彼こと望月小平太は、悪が横行する
「壕外」と呼ばれているところの浄化にやってきたのだった。早速、遊び人になりすまし賭博場など遊び回る。その壕外は、密輸を取り仕切る灘八、売春を取り仕切る太十、賭博を取り仕切る才兵衛の3人の親分がいた。望月は、今までどんな町奉行も果たせなかったこの3人の親分を捕らえた。だが、彼らに死罪ではなく追放を申し渡した。というのは、城内で彼らとつながり私腹を肥やしていた人物をあぶり出し処分するためだった。この壕外と城の重職たちとを結びつけていたのは・・・。

 今出てきてほしいヒーローかも

悪いことがいっぱいはびこる現代にも出てきてほしいヒーロー。人々が安心して幸せに生きられるように、人をだまして人の幸せを踏みにじる悪党をこらしめてほしい。そんなヒーローは、まずやさしいいこと。思いやりがあることが第一条件だ。次に頭がいいこと。すばやく判断できて、相手の裏をかいて悪を追い込めること。そして力があること。たとえ悪党が暴力で押し寄せてきてもはねかえせるだけの力があること。さらに自分の損得を考えないこと。

悲しいのは、悪党が自分の身近にいたこと。信頼していたはずの親しい人が悪に荷担していたことがわかったときほど悲しいことはないと思う。でも、どら平太は悲しむどころか支え手をさしのべようといういう気持ちだった。あまえなんか・・と突き放し、裏切られたショックに浸るわけではなく、あまえしっかりせーよと心傾ける。これこそ本当の優しさなんだろう。自分のことしか考えない自分は、ショックを受けていじけてしまう。小さい小さい。


姿三四郎

2008年05月25日 | 人間/社会派ドラマ


1943年 日本 97分
■2008.5.18 BS2
■監督 黒澤明
■出演
   藤田進(姿三四郎)  大河内伝次郎(矢野正五郎)
   轟夕起子 (村井の娘=小夜)
   月形龍之介(檜垣源之助)
   志村喬 (村井半助)

 《story》

「絶技山嵐が始まった!
  死斗の形相は次第に殺気を含み
  肉を喰み、骨を鳴らす 右京ヶ原の決闘」


明治15年、三四郎は柔術を学ぼうと「神明流・門馬三郎」の門をたたく。そこで三四郎は、柔道の推進者矢野正五郎に対決に挑みについていく。そして矢野に次々に門下生がやられ、柔道というものに感服し矢野の修道館に入門する。三四郎は腕を上げるが自信過剰になり喧嘩をする。矢野から、人間の道を知らないと言われ、池に飛び込む。一晩中杭にしがみついていたが、そこで美しい白い花を見る。そして矢野の心を理解する。道場に檜垣という柔術家が現れる。彼の新しい道場に呼ばれたとき、試合を挑まれ、門下生を倒す。三四郎と檜垣は、いつかやってくる宿命の対決を感じていた。警視庁武術大会が開かれることになった。三四郎が神社で出会った女性の小夜は、試合相手の娘だった。苦悩を乗り越え、小夜の父と堂々と戦い勝利する。その後も、三四郎は小夜とその父と親しくする。檜垣から果たし状が届く。右京が原で戦いが始まった。

 太平洋戦争真っ只中の映画に驚き

1943年にこんな映画が作られたことに驚いた。戦争一色、娯楽なんて非難の的になってしまっていた時代。ストーリーもそれほど悪くない。白黒でありながら、さまざまな物や日の光など、心証表現を試みている。投げられる場面もよく考え、はでな投げられ方を演出している。村井との対決は相手を尊敬しながらの対決であることがにじみ出ていた。それと比べるように、檜垣との対決は戦うことだけに焦点があてられ、勝つか負けるか、生きるか死ぬか、善と悪というような両者の対決だった。この場面が戦争を思わせるかもしれない。ドラマでは見たことはある。きっと今までもいくつか「三四郎」という題材で映画が作られていることだろう。黒沢映画ということで見た。やっぱり彼の映画にはこだわりがあり、それが生かされている。

その場の空気を読む。読めないよね。怒らなければいけないのにほめたり、話さなければいけないのに忘れていたり、後に伸ばしたり、つっこめなかったり・・・。それは後で気づくことが多く、そうだったのかと恥ずかしくなる。悟って新しい自分になれたらいいのだけどね。満身の三四郎が、白い花を見て気づく。気づくことができた自分にうっとりしたりして。どうだ俺は気づくことができたぞ、って。やっぱり自信過剰なんだ。だからと言って縮こまってしまったら何もできない。力が発揮されない。謙虚でありながら、自分の最大の力が出せる。それがすばらしいよね。空気とは自分をどう思っているか。自分がどう思っているかの関わり。人が集まればその空気が入り交じる。うまく溶け合うような空気を作らなければいけないけど、できないよね。「空気よめよ」って言われて、笑える場ならいいけど、しらける場になるといたたまれなくなる。


砂時計

2008年05月24日 | ラブロマンス/青春


2008年 日本 121分
2008.5.17 TOHOシネマズ緑井
■監督 佐藤信介
■出演
   松下奈緒(水瀬杏=大人時代)
   夏帆(水瀬杏=中高生時代)
   井坂俊哉(北村大悟=大人時代)
   池松壮亮(北村大悟=中高生時代)
   塚田健太(月島藤=中高生時代)
   岡本杏理(月島椎香=中高生時代)
   戸田菜穂(植草美和子=母)
   高杉瑞穂(佐倉圭一郎=婚約者)
   伴杏里(月島椎香=大人時代)
   風間トオル(水瀬正弘)  藤村志保(植草美和子)

 《story》

「ずっと、一緒にいたかった」
「たった1つの思いを心に刻む 『永遠』のラブストーリー」


1995年、離婚した母と杏は実家の島根に帰る。そこで杏は大悟は出会う。母が自殺。大悟は杏に「自分が守ってやる」と支える。中学卒業前、杏は父親に引き取られ東京に行く。東京で進学した藤に出会う。島根に帰った杏は藤に好きだったと告白される。それを見ていた大悟は藤を殴る。藤が失踪。東京に戻ろうとする杏に椎香は、自分も大悟が好きであることを告げる。二人の距離は開いていく。10年後、杏は婚約をする。実家にもどった杏に大悟は「幸せになってくれ」と告げる。しかし、杏の婚約者は、杏の母親が自殺したことを知ると態度を変える。杏が行方不明になり、大悟は必死に捜す。

 心の中にあるもの

どうしてあの時「別れよう」と言ったのだろう。自分が彼の人生を狂わせているように感じたから? 自分の気持ちさえ見えなくなってしまった? 自分の気持ちが重く感じられた? 心の中にあるものと、実際にしていまう行動が違うことがある。想えば想うほど離れてしまう自分の体。伝えられない自分の心。素直になれないのは、自分の心が傷つくことを恐れているから。でもそれ以上に自分で自分の心を傷つけ後ろ向きになっていく。

砂時計はやさしく言ってくれる。失敗したら何度でもひっくり返して、過去を未来にできるよって。でもね後ろ向きに歩いていたらそれもダメかも。何度も何度も砂時計をひっくり返してはため息をつく。そしていつか時は止まる。

最近、島根県をあつかった映画が多い。「天然コケッコー」はよかった。「白い船」も見た。「うん、何?」はまだ見ていないけどよさそう。都会より自然がたくさん感じられる町がいい。海がきれい、山がきれい、それだけで人間の心が純粋になれるような気がする。

 公式サイト「砂時計」


シコふんじゃった。

2008年05月18日 | ラブロマンス/青春

1991年 日本 103分
■2008.5.17 日本映画専門チャンネル
■監督 周防正行
■出演
   本木雅弘(山本秋平)  清水美砂(川村夏子)
   竹中直人(青木富夫)  水島かおり(朝井知恵)
   田口浩正(田中豊作)  宝井誠明(山本春雄)
   梅本律子(間宮正子)  松田勝(堀野達雄)
   宮坂ひろし(北東のケン)  片岡五郎(主審・林)
   六平直政(熊田寅雄=OB)
   村上冬樹(峰安二郎=OB会会長)
   桜むつ子(穴山ゆき)  柄本明(穴山冬吉)

 《story》

「ひとはだ、脱いだ」
「ピアスご法度の相撲界。なにが悲しくて尻(ケツ)さらす?
     ハッケヨイ、ヨイ、腰のまわしも勇ましく ニッポン男児の艶姿」


教立大学4年生の秋平は、コネで就職も決まり、残りの大学生活をエンジョイしようと思っていたとき、卒論担当の教授に呼び出される。そこで、一度も授業に出席していないことがばれ、単位と引き替えに、相撲部に入って試合に出ることを頼まれる。相撲部の部室には8年生の青木が一人で稽古していた。初めてのまわし。試合に出るにはあと二人必要。二人で勧誘するもなかなか見つからない。たまたま声をかけた田中が入部。そして、秋平の弟が入って、試合に出場。しかし、1勝もできずに惨敗。打ち上げの席でOBにさんざん愚痴られ、秋平は思わず「次は勝つ」と言ってしまう。そして次の試合に出るためにはもう一人入部させなければならず、留学生のスマイリーが、尻を出さないという条件で入る。マネージャーの正子も加わり、いよいよ本格的に練習開始。リーグ戦では、苦戦しながらも勝ち進んでいく。

 相撲はスポーツかあ

正直言うと、相撲はあまり興味がなかった。何がおもしろくてあんなものを見るのだろうと思っていた。日本の伝統だと言えばそれでよし。でも、スポーツだと言えるのかどうかわからない。練習(稽古)が必要だからやっぱりスポーツだ。いじめの事件があって、その伝統がいい形ではないのがよくわかった。縦社会の伝統であり、やっおぱりビジネスなのかなあ。

郷土力士、福留くん応援してます。彼はひと味ちがうような気がする。そのままで強くなって子ども達に夢を与えて欲しい。

みんなやればできるという成功への道だ。まっすぐ道が定まれば、人は突き進みたくなるものだ。お尻を見せるのがいやだとか言ってはいられない。女性だって恥ずかしいのに、勝負の一歩を踏み出したくなる。本気の心というものは大きな力を生み出す。

嫌われ松子の一生

2008年05月18日 | コメディ

2006年 日本 130分
■原題「MEMORIES OF MATSUKO」
■2008.5.13 日本映画専門チャンネル
■監督 中島哲也
■出演
   中谷美紀(川尻松子)  瑛太(川尻笙)
   伊勢谷友介(龍洋一)  香川照之(川尻紀夫)
   市川実日子(川尻久美)
   黒沢あすか(沢村めぐみ)  柄本明(川尻恒浩)
   木村カエラ(超人気シンガー)
   蒼井そら(スカウトされた女の子)
   柴咲コウ(明日香)  片平なぎさ(片平なぎさ)
   本田博太郎(『女弁護士篇』の犯人)
   ゴリ(大倉修二)  
   榊英雄(めぐみのボディガード・リーダー)  マギー(刑事)
   竹山隆範(教頭)  谷原章介(佐伯俊二)
   甲本雅裕(修学旅行先の売店の男)  キムラ緑子(松子の母・川尻多恵)
   角野卓造(校長)  阿井莉沙(アイドル歌手)  宮藤官九郎(八女川徹也)
   谷中敦(「白夜」マネージャー・赤木)  劇団ひとり(岡野健夫)
   大久保佳代子(岡野の妻)  BONNIE PINK(綾乃)  濱田マリ(紀夫の妻)
   武田真治(小野寺)  木野花(婦警)  荒川良々(島津賢治)
   渡辺哲(刑事A)  山本浩司(刑事B)  AI(女囚A・唄)
   山下容莉枝(女囚B・家族)  土屋アンナ(女囚C・プライド)
   山田花子(女囚D・思い出)  あき竹城(係官)
   嶋田久作(牧師)  木下ほうか(ひかり荘一階の住人)
   奥ノ矢佳奈(子供時代の松子)

 《story》

「不幸って何?」

川尻家の長女として生まれた松子。父親の目はいつも病弱な妹の久美に。自分に目を向けてもらいたくて、お笑いで見た顔を真似る。その度に父親は笑ってくれた。しかし、窮地に陥ったときその顔が出てしまう。松子は成人して中学校教師になった。修学旅行先の旅館でお金がなくなる事件。犯人は生徒の龍洋だと思われたが、松子はその場をきりぬけようと同僚のお金を拝借し旅館に返す。そのことが発覚し辞職、家出。その後の人生は、暴力と捨てられる日々。40歳になった松子はひこもり生活を始める。そして53歳、河川敷にて死体で発見される。甥の瑛太は、松子の部屋の後始末を頼まれる。荒れた部屋の中で、瑛太は松子の人生に惹きつけられる。

 見ていられない人生

松子は幸せだったのか、不幸せだったのか。それは松子自身が決めること。しかし、端から見た松子の人生は見ていられない。ほっといてくれと言われそうだが、あまりに不器用で、自分から不幸の道を選んでいるようでたまらなくなる。瑛太もまたそんな松子が愛おしくさえ思えてくるのではないだろうか。妹に少しでも優しく声をかけられたら人生は変わった。修学旅行先で隠すことなく毅然と対処していれば、やさしさときびしさと、人を愛することと愛されること、微妙にずれていることに気づいたなら、もっと落ち着いた人生が開けたかも。あの河原で死んでいく松子の心は、やすらぎではなかったはず。後悔と懺悔でいっぱいだったのではなうだろうか。幸せだった子ども時代。あのおもしろい顔でみんなを笑わせることができたあの時代こそ、松子にとって一番幸せなときだったはず。そこに戻ること、そこから再び出発することが、松子の幸せな人生の再スタートかも。

しかし、似たような人生はいっぱいある。心の中で思っていることと、実際にやってしまうことのギャップは大きい。愛していてもそっけないふりをする。優しい言葉をかけたくても、いつのまにか遠ざかってしまう。どうすれば幸せがやってくるかわかっていても、そこには行けないでいる。そのドアを開ければいいのに、足が進まないのだ。苦虫をかっみつぶしたような表情で、ドアの前に立ちすくむ。向こうからドアを開けて微笑んでくれたらどんなにうれしいことだろう。しかし、そのドアはいつまでも開くことはない。勇気のない小心者、臆病者、不器用な人間だらけ。

 公式サイト「嫌われ松子の一生」

ジョー、満月の島へ行く

2008年05月17日 | コメディ

1990年 アメリカ 107分
■原題「JOE VERSUS THE VOLCANO」
■2008.5.11 movie plus
■監督 ジョン・パトリック・シャンレー
■出演
   トム・ハンクス(ジョー)
   メグ・ライアン
     (ディーディー、アンジェリカ、パトリシア)
    ロイド・ブリッジス(富豪のサミュエル)
   ロバート・スタック(医師)

 《story》

元消防士のジョーは、怪我でやめたあとも、新しい職場で体の不調をいつも感じていた。ある日ジョーは、医師に頭の中に雲があり余命6ヶ月だと宣告される。残りの人生を自由に生きようと会社を辞めたが、突然ある会社の社長が自宅に来て、会社のために島の火山に飛び込まないかと誘う。了承したジョーは、渡されたクレジットカードで、服やスーツケースなど高級品をそろえ準備し、高級なホテルに宿泊する。空港では社長の娘のアンジェリカが迎え、さらに船には妹のパトリシアがいっしょに乗り込んだ。船旅の途中で嵐にあい、船が転覆。ジョーとパトリシアは高級スーツケースで難を逃れた。そして目的の島に流れつく。いつしか二人は愛しあうようになり、二人で火山に飛び込むが、水蒸気の爆発で飛ばされ、海に放り出される。島は沈み、再びスーツケースに助けられる。そして医師と社長は知り合いで、病気はうそだとわかる。

 トム・ハンクスとメグ・ライアンで見てしまった

この二人の名前がなかったら見なかったかも。前半はまあ続けて見ようかなと思ったけど。結局最後まで見て、もっといい映画を見たらよかったと後悔してしまうような作品だった。よかったのは、トム・ハンクスの若し頃が見れたこと、そしてメグ・ライアンのかわいらしさだけだと思う。島の人々は、島が沈んでしまってさぞかし残念だろう。この二人が火山に飛び込まなければ、みんなもっと生きられたのにね。二人は幸せでも、島の人々は不幸だよ。

余命6ヶ月、と宣告されたらどうするだろうか。仕事なんかやめて好きなことする? 好きな事ってどんなことするかな。映画ばかり見るかなあ。もっと他人のことを考えないひどいこと、自分かってなことをするかもしれない。やけになって荒れるかもしれない。反対に沈んで小さくなって閉じこもるかも。小心者だから、冷静に判断してまっとうには生きられない。死ぬ直前になって後悔し、「死にたくない」って泣き叫ぶんだ。惨めな最後になるだろうなあ。小さなすいばり一つささってもあたふたするんだから大変なことになるよ。

名探偵コナン 戦慄の楽譜(フルスコア)

2008年05月17日 | アニメ

2008年 日本 115分
2008.5.10 TOHOシネマズ緑井 with h
■監督 山本泰一郎
■声の出演
   高山みなみ(江戸川コナン)  
   神谷明(毛利小五郎)
   山崎和佳奈(毛利蘭)  松井菜桜子(鈴木園子)
   山口勝平(工藤新一)  岩居由希子(吉田歩美)
   大谷育江(円谷光彦)  
   高木渉 (小嶋元太/高木刑事)
   林原めぐみ(灰原哀)  緒方賢一(阿笠博士)
   茶風林 (目暮警部)

 《story》

「この指が奏でるのは、真実を導く旋律・・・」

音楽アカデミーのOBである有名ピアニストが、爆弾により殺される。同じく音楽アカデミー出身の有名音楽家が開くコンサートのリハーサルに招かれたコナンたち。目暮警部たちも、爆破事件の聞き込みでやってきていた。コナンたちは、そのコンサートの主役である有名歌手秋葉怜子に、小学校の合唱指導に来てくれるように頼む。小学校で秋葉が持ってきたお茶を飲んだ元太がのどをやられる。その後も帰り道にトラックに追いかけられるなど命を狙われる。コンサート当日、コナンと秋葉は、何者かにねらわれ気絶し、ダムの上の船の中にいた。その頃、コンサートの会場では、建物の周りが爆破され、客が中に閉じこめられていた。絶対音感の持ち主しかわからない、微妙なパイプオルガンの音の違い。爆破とその音が重なる。すべての柱が爆破されたら会場はつぶれ、1000人もの客が押しつぶされてしまう。

 コナンの映画はおもしろい

アニメはあまり映画館で見ないが、コナンだけは見ても損はないなと思う。大きな画面で見るだけの価値はある。蘭と新一の切ないラブストーリーはワンパターンだけど、それでも気にならない。寅さんの失恋のようなものだ。コナンシリーズは、さまざまなジャンルの中で事件が展開される。今回は「音楽」だった。そしてコナンは、実はスパースター。音痴だといいながら、絶対音感を使い分けられるのだ。どんなジャンルの中身もわかってしまう。天才小学1年生なのだ。

テレビのコナンシリーズも長いよね。あきずに結構見てるよ。私の車のハイエースも12年。やっと100000万キロを超えた(5/13)。コナン映画と重なる記念のメモリー。映画とそのときの出来事を重ねる。あの映画を見たとき、こんなことがあったよなあって思い出す。思い出したくなる出来事ならいいんだけどね。

 公式サイト「名探偵コナン 戦慄の楽譜」

野良犬

2008年05月13日 | サスペンス/ミステリー


1949年 日本 122分
■2008.5.9 BS2
■監督 黒澤明
■出演
   三船敏郎(村上刑事)  志村喬(佐藤刑事)
   淡路恵子(並木ハルミ)  三好栄子(ハルミの母)
   千石規子(ピストル屋のヒモ)

 《story》

射撃練習を終えた村上刑事は、コルトのピストルを無造作にポケットに入れ、バスに乗った。バスの中は混んでおり、降りたとき、ポケットに入れたピストルがなくなっていた。周囲の怪しい人物を追いかけたが逃げられてしまう。市川刑事に相談し、スリのお銀にあたる。初めはお銀は村上刑事を相手にしなかったが、あまりに真剣に後をついてくるので、折れてしまい、盛り場のピストル屋について教える。村上刑事は、何日も盛り場でピストル屋を捜す。そしてやっとの思いで、売人の女と接触するが、女を逮捕し、裏幕を逃がしてしまう。ピストル殺人事件を担当していた佐藤刑事と合流。本多という男を野球場で逮捕。そこから遊佐という男が浮かび、彼と幼なじみのハルミのところに行くが、何も話さない。村上刑事は、ハルミに、佐藤刑事は遊佐を追ってホテルに。遊佐を見つけた佐藤刑事が撃たれる。ハルミの情報で、村上刑事は駅に行く。昨日の雨から、どろだらけの靴、ズボンの男を見つけ追う。

1940年代の風景

戦争が終わってそれほど立っていない時代の風景はどんなものか。黒澤明の初期の作品に関心があって見た。まず最初の感想は、台詞が聞き取りにくいこと。私自身が声をしっかり聞き取れないこともあるが、古い日本映画の台詞は全体的に何を言っているのかわからないことがある。早口に聞こえる。次に白黒という映画はなんだかはがゆく感じてしまう。昔は写真だってテレビだって白黒だった。それが当たり前だった。でも、今はカラーが当たり前。色のない世界というものは何かを忘れた欲求不満を引き起こす。損をしているような気持ちになる。だから今まであまり見ようとしなかった。カメラが動かない固定のシーンの多さも気になった。しかし、今回見て、昔の日本映画の硬さに少しずつ興味を持ち始めた。自分の気持ちが柔らかくなっていて時間に余裕がないとだめけだけど、「見てみたい」と思うようになった。
1940年代の風景、アスファルトではない土の道。エアコンがない扇風機だけの部屋。戦争が終わったあとの右往左往する人間模様。おおらかさ。真面目さ。やさしさ。見え隠れする苦悩。解き放たれた犬のぎらぎらした目。自由だけど、何かに追われ何かを求めている。荒々しい生き方。


シュガー&スパイス 風味絶佳

2008年05月11日 | ラブロマンス/青春

2006年 日本 125分
■2008.5.6 日本映画専門チャンネル
■監督 中江功
■出演
   柳楽優弥(山下志郎)  沢尻エリカ(渡辺乃里子)
   大泉洋(所長)  チェン・ボーリン(マイク)
   木村了(マッキー)  濱田岳(尚樹)
   高岡蒼甫(矢野)  夏木マリ(グランマ)

 《story》

志郎は高校を卒業し、両親は大学に行くことを進めるが
その気にならず、とりあえずガソリンスタンドで働く。そこに大学生の乃里子がバイトとして入ってくる。志郎は、高校生のとき、彼女が急停車した車の男性をたたき泣いていた光景を忘れられないでいた。志郎の祖母のグランマの店で二人は次第に親しくなっていった。志郎は、友達から押しつけられたアパートに引っ越す。彼女は元の彼に鍵を返しに行く。志郎もついていったが、元彼が彼女を呼び止めるところを見て、だまって帰る。その晩、彼女から電話があり、家を飛び出したところに彼女が雨に濡れて立っていた。「どうして一人にするの」と問いつめる彼女に、志郎は「君が好きだ」と告げる。おそろいのカップ、二人で買い物をして夕飯をつくる、幸せな時間を過ごした。ある日、志郎が家に帰ったとき、乃里子の元彼が来ていたことを知る。しかし、乃里子は知らないふりをしていた。その日を境に乃里子は志郎の家に来なくなり、ガソリンスタンドのバイトもやめてしまう。やり直そうと復縁を迫る元彼、クリスマスパーティーの招待券を渡す志郎。揺れ動く乃里子・・・クリスマスイブの日、店で待つ志郎・・・

 通り過ぎる恋

今ここに終着点の恋はない。通過点の恋だからこそ、切ないのだと思う。いつまでも幸せに暮らしましたとさ、なんて終わるはずがない。何度も恋をして、大人になっていく。志郎も乃里子も。でも、志郎は少年の恋。乃里子は大人の恋。そんな違いがある。再びバスの中で出会った恋は、志郎にとって大人の恋になるのかな。それとも、遊びの恋になりそうな気もするな。
朝まで車を走らせて見る富士、年をとっても人の思いを追いかける。そうでありたいと願っているけど、心も体もついていけない。それよりも時間もお金もない。「気まま」と言ったらいけないけないかも、自由な心、自分の気持ちに素直に生きる。それは理想。好きなものは好きだと言えること、それ以前に好きになること。純粋に話したくなること。そこからスタートだ。通り過ぎる恋、次の駅はどこだ。まだまだ走る。終着駅はまだ遠い。景色ばかりながめていてはだめだよ。

スパイダーウィックの謎

2008年05月10日 | ファンタジー/アドベンチャー


2008年 アメリカ 96分
■原題「THE SPIDERWICK CHRONICLES」
2008.5.5 TOHOシネマズ緑井 with h
■監督 マーク・ウォーターズ
■出演
   フレディ・ハイモア(サイモン/ジャレッド)
   サラ・ボルジャー(マロリー)
   メアリー=ルイーズ・パーカー(ヘレン)
   ニック・ノルティ(マルガラス)
   ジョーン・プロウライト(ルシンダ叔母)
   デヴィッド・ストラザーン
        (アーサー・スパイダーウィック)

 《story》

「さあ、覚悟を決めろ! その『謎』に挑め」
「“この本、読むべからず。少しでも読めば、恐ろしい結末が待つ”」
「スパイダー・ウィック家に封印されていた謎を秘めた手引き書とは・・・」

ニューヨークから引っ越してきた母と子ども達。経済的に苦しくなって、古い親戚の家に移ることになったもだ。その家は80年前にある研究をしていたスパイダー・ウィックの家で、彼は行方不明だった。娘はどこかの施設に入って余生を送っているという。家族に反抗的なジャレッドが不思議な音を追っているうち、屋根裏部屋を見つけ、そこで古い本を発見する。「決して開けて読んではならない」という警告を無視し読んでしまう。そこには、スパイダー・ウィックが研究していた妖精の秘密が書かれていた。そして、家の外では見えない何者かが弟のサイモンを連れ去ろうとしていた。サイモンを救出したジャレッドは、家を守る妖精ブラウニーから、その本をねらっているゴブリンたちのことを聞く。森でホグスクイールの協力で妖精が見えるようになったジャレッドは弟と姉と、スパイダー・ウイックの娘ルシンダ叔母さんに会いに行く。そこで、スパイダー・ウィックは、妖精の世界を守るために妖精に連れ去れたことを知る。今の窮地から脱出するためにはスパイダー・ウィックを捜し会いにいくしかない。家を守っていたサークルが消される。ジャレッドたちはゴブリンたちとの戦いに勝つことができるのか。

 結びつきを強めるの窮地

みんなで協力して戦おうというとき、結束することが多い。これは戦争に使われるから気をつけなければいけない。北朝鮮だ、中国だと駆り立てて、目をそちらに向けさせ、戦争の準備が着々と始まる。戦争そのものはだれかの金儲け。
わがままに見えたジャレットも、家族のみんなも、何か課題をかかえていた。その課題を解決するためには、何か大きなきかっけが必要だ。それが今回の事件だったということだろう。家族の視点から見たらね。
妖精という不思議な生き物を考えたら、映画の映像は今までになくすばらしかったと思う。CGは映画を画期的に変えてしまった。たださびしくもある。リアルにあり得ないことを表現できるが、映画作りとしての工夫がすべてCGに集中してしまって新鮮みがなくなっていくような気がする。現実をいかに造って表現するか、演技をするかに、映画のおもしろさはある。この映画では、二役があった。あとからわかった。違和感がなかった。どんな撮影なんだろうか。
ラストに妖精の世界に行ってしまった二人。向こうでの生活はどんなものなのだろうと、現実に返ってしまった。妖精が見えることが幸せなことなのかどうなのかわからないね。

 公式サイト「スパイダーウィックの謎」