そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

ファンタスティック・フォー[超能力ユニット]

2007年09月30日 | SF

2005年 アメリカ 107分
■原題「Fantastic Four」
■2007.9.27 wowow
■監督 ティム・ストーリー
■出演
   リード・リチャーズ(ミスター・ファンタスティック)
   ヨアン・グリフィズスー・ストーム
          (インビジブル・ウーマン)
   ジェシカ・アルバベン・グリム(ザ・シング)
   マイケル・チクリスジョニー・ストーム
          (ヒューマン・トーチ)
   クリス・エヴァンスビクター・バン・ドゥーム
          (ドクター・ドゥーム)
   ジュリアン・マクマホン  ケリー・ワシントン

  《story》

「4人の愛、4つのパワー、1つの使命」

天才科学者のリードは、人間の進化に大きな影響を与えていると思われる宇宙嵐の接近の研究をしていた。今地球に近づいている宇宙嵐を調べるため、資金を得ようとヴィクターに依頼する。ヴィクターは自分の功績にできると考え承諾。そのヴィクターには、リードの元恋人がついていた。リードの協力者ベンと元恋人スー、そしてスーの弟のパイロットであるジョニー、そして資金提供者であるヴィクターとともに宇宙に飛び出す。しかし、計算より早くやってきた宇宙嵐に飲み込まれ、放射能を浴びてしまう。帰還した彼らは、それぞれ何らかの能力が生まれていた。ベンは間近に宇宙嵐を浴びて怪物のような体になり、恋人とも別れてしまった。リードは研究室で宇宙嵐を再現し、元に戻れるように研究を始める。ヴィクターは、心も体も邪悪かし、市民を恐怖のどの底に落とす。4人はヴィクターを止めるために力を合わせる。

 娯楽かな
劇場で始まる続編を見るべきかどうか、前作を見ることにした。良くもなく悪くもなく、しいて劇場で見たいとも思わない。テレビで見たらいいんじゃないかな。こうした能力が身に付いたらいいなあと思うんだけど。ただ、ベンのように体が変身してしまったらいやだけど、透明になるとかゴムのように体が伸びるとか、強い念で物を動かせるとしたらすごいことだ。さまざまなことに役立つよ。ついつい悪の道にも使いたくなるのもわかるよ。ということで娯楽として楽しめました。続編はたぶん劇場では見ないでしょう。

 公式サイト「ファンタスティック・フォー[超能力ユニット]」

クローズド・ノート

2007年09月30日 | ラブロマンス/青春


2007年 日本 138分
2007.9.25 ワイナーマイカル 試写会  with y
■監督 行定勲
■出演
   沢尻エリカ(堀井香恵)
   伊勢谷友介(石飛リュウ)
   竹内結子(真野伊吹)   
   永作博美(可奈子=万年筆店の娘)
   板谷由夏(山崎星美=リュウの仕事の世話)   
   田中哲司(鹿島)  
   サエコ(池内ハナ=香恵の親友)
   中村嘉葎雄(喜一郎=万年筆店の主)
   黄川田将也(夏目涼=ノートの中の彼)
   篠井英介(瀬川=大学の先生)
   粟田麗(君代の母)   山口愛(水原君代)   石橋蓮司(中沢正道)


 《story》

「私と彼女を結ぶ、世界でたった1冊の絆」

教育学部に通う香恵は、引っ越した家で、前の住人が残したノートを見つける。そのノートには、伊吹という女性が始めて小学校4年生の担任となった生徒との交流と、彼女が久しぶりに出会った「隆」への恋心が書かれていた。香恵は、自分がバイトで勤めている万年筆屋で出会った青年への思いを重ねていく。その青年は、香恵が引っ越してきた日に、彼女の部屋を見つめていたり、万年筆の書き具合にこだわったり、香恵にとって強く印象に残った。いつしか香恵は、リョウと呼ばれる青年のイラストのモデルとなったり、彼の家を訪ねるようになる。香恵の思いは大きくふくらんでいく。しかし、リョウには忘れられない女性がいた。

 見え見えだけど
わかってしまうと、とたんにつまらなくなる映画や、知ってしまうともう二度と見る気がなくなってしまう映画がある。でも、わかっているけど、見たくなる映画はすごい。不思議な世界を印象付けながら、現実の世界が交錯しひとつになっていく。二人の人間が一人の人間になったとき、完全に2つの世界が1つになった。
沢尻エリカは好きな女優だ。映画の中では純粋で一生懸命だけど、テレビに出てくるインタビューなどでは、お化けみたいな顔ですましている。映画の中ではとてもいいんだけなあ。もしあのお化けみたいなすました役だったら、地に合っているけど見応えはないかも。なんだかジレンマ。「エリカ様」なんて言わせない、見かけじゃないわがままじゃない女優でいてほしい。
2人招待の試写会だった。会場はほとんど女性。私は息子と二人。映画は誰と見てもいい。「涙そうそう」のときなんか、周りはみんなカップルで、ひとりぽつんといることがはずかしかったことがある。映画が見られるならそれでいい。「行こうか」と言ったら、息子が「いいよ」と来てくれたことがうれしいし、久しぶりにワイナーマイカルに行けたことも楽しかった。ここもシネコンだけど、座席が狭くて、音に迫力がなかった。やっぱりTOHOが一番だ。

 公式サイト「クローズド・ノート」


雨あがる

2007年09月29日 | 人間/社会派ドラマ


1999年 日本 92分
■2007.9.24 wowow
■監督 小泉堯史
■出演
   寺尾聰(三沢伊兵衛)  宮崎美子(三沢たよ)
   三船史郎(永井和泉守重明)
   原田美枝子(おきん)  仲代達矢(辻月丹)
   檀ふみ(奥方)   井川比佐志(石山喜兵衛)
   松村達雄(説教節の爺)   隆大介(犬山半太夫)

  《story》

「武芸の達人だが仕官がかなわない浪人、
             三沢伊兵衛とその妻たよ
         この映画は主人公とその妻の物語である」


旅の途中、雨で川が渡れず安宿で過ごす浪人井沢とその妻。同じく川を渡れず同宿する貧しい人たち。井沢は彼らのために、賭け試合をした金で馳走を振る舞う。剣の達人でありながら、優しさのためか思うように仕官が叶わない井沢。城下で斬り合いをしている若い武士を止めたことから、殿の目にとまる。そして剣の指南役を勤めてほしいと頼まれる。そこで、剣の腕を確かかめる御前試合が行われることになった。町の道場主が来ないため、殿自信が相手をすると出てくる。井沢は、つい本気となり殿を池に落としてしまう。その後、なかなか役の決定の知らせがなく、仕方なく宿を立とうとした日、町で賭け試合をしたことで、指南役が叶わなくなったことを聞く。しかし、妻のたよは、大事なのはしたことではなく、何のためにしたかだと言い切る。二人は、川をわたり旅に出る。たよの言葉を聞いた殿は・・・

 あったかくなれる
こんなに人をあたたかく包みこむことができたら、どんなにいいだろう。でもね、ただやさしいだけだったら、たとえ武士でもバカにされて終わり、貧乏でお金もなく、ただ言葉だけしかかけられない。剣の腕があるからこそ、しっかりした土台を持ち、優しくなれる。馳走をふるまわなければ、人々はついて来ない。しかし、そんな夫を見守る妻はもっと優しい心の持ち主だと思う。たよ自身も、夫の土台、支えになっているからこそ、大きく包める優しさだ。
貧しいながらもみんなで楽しんでいる庶民の姿が、生きている実感と活力を感じさせてくれる。たよは一日中正座して座っているのだろうか。あの部屋から出ることはないのだろうか。大河ドラマを見ていて思うこと。じっと座り続ける姿や上を向いて姿勢正しく寝ている姿など、体がいたくなりそうなことを本当にしていたのだろうか。
ラストは、何とか指南役になれそうな感じだったが、うまくいくかな。なんだか旅が似合っている二人。各地でさまざまな問題にぶつかりながらも、解決に力を貸し、でも追い出される、そんな運命を感じて不安になる。景色を見下ろす二人は晴れやかに見えるのだけど、不安がよぎって仕方ない。


ユナイテッド93

2007年09月27日 | サスペンス/ミステリー

2006年 アメリカ 111分
■原題「UNITED 93」
■2007.9.23 wowow
■監督 ポール・グリーングラス
■出演
   ハリド・アブダラ(ジアド・ジャラ)
   ポリー・アダムス(デボラ・ウェルシュ)
   オパル・アラディン(シーシー・ライルズ)
   ルイス・アルサマリ (サイード・アルガムディ)
   デヴィッド・アラン・ブッシェ (トッド・ビーマー)
   リチャード・ベキンス
    (ウィリアム・ジョゼフ・キャッシュマン)
   スターラ・ベンフォード (ワンダ・アニタ・グリーン)
   オマー・バーデゥニ
    (アフメド・アルハズナウィ)  スーザン・ブロンマート (ジェーン・フォルガー)
   レイ・チャールソン (ジョゼフ・デルカ)
   クリスチャン・クレメンソン (トーマス・E・バーネットJR.)
   ライザ・コロン・ザヤス (ウォレスカ・マルティネス)
   ゲイリー・コモック (リロイ・ホーマー)  ローナ・ダラス (リンダ・グロンランド)
   デニー・ディロン (コリーン・フレイザー)
   トリエスト・デュン (ディオラ・フランシス・ボドリー)
   トリッシュ・ゲイツ (サンドラ・ブラッドショー)
   ケイト・ジェニングス・グラント (ローレン・カツゥーチ・グランドコラス)
   ジェイミー・ハーディング (アフメド・アルナミ)
   ピーター・ハーマン (ジェレミー・グリック) 
   タラ・ヒューゴ (クリスティン・ホワイト・グールド)
   マルセリーヌ・ヒューゴ (ジョジーン・ローズ・コリガン)
   シェエン・ジャクソン (マーク・ビンガム)
   ジョー・ジャムログ (ジョン・タリナーニ)
   コーリイ・ジョンソン (ルイス・J・ナックII世)
   J・J・ジョンソン (ジェイソン・M・ダール)  マサト・カモ (久下季哉)
   ベッキー・ロンドン (ジーン・ピーターソン)
   ピーター・マリンカー (アンドリュー・ガルシア)
   ジョディー・リン・マクリントック (マリオン・R・プリトン)
   ナンシー・マクダニル (ロレイン・G・ベイ)
   リビー・モリス (ヒルダ・マーシン)  トム・オルーク (ドナルド・ピーターソン)
   サイモン・ポーランド (アラン・アンソニー・ビーヴァン)
   デヴィッド・ラッシュ (ドナルド・フリーマン・グリーン)
   エリック・レッドマン (クリスチャン・アダムス)
   マイケル・J・レイノルズ (パトリック・ジョゼフ・ドリスコル)
   ジョン・ロスマン (エドワード・P・フェルト)
   ダニエル・サウリ (リチャード・ガダーニョ)
   レベッカ・スカル (パトリシア・カッシング)
   クロー・シレーン (オーナー・エリザベス・ワイニオ)
   ベン・スライニー (ベン・スライニー)
   オリヴィア・サールビー (ニコール・キャロル・ミラー)
   チップ・ジエン (マーク・ローゼンバーグ)
   レイ・ジンマーマン (クリスティン・シュナイダー)

 《story》

「2001年9月11日
   4機の旅客機がハイジャックされた。 3機はターゲットに到達。
                      これは、その4機目の物語である。」


2001年9月11日、午前8時42分、ユナイテッド93便が離陸した。その直後、アメリカン11便がワールドトレードセンターに激突した。続いてユナイテッド175便が激突。管制塔では、ハイジャックによる激突事故で右往左往していた。さらに新たなハイジャックされたと思われる旅客機が見つかり、テロによる被害拡大防止のため、空軍まで出撃した。そのときはまだユナイテッド93便の乗客は何も知らなかった。しかし、この旅客機にもテロの一味は入り込んでいた。一味はコックピット内のパイロットを殺害。一味の一人が操縦し目標物に向かった。客室では、爆弾を体に巻いた犯人が、乗客を脅かす。乗客たちは機内から家族や警察に電話をかけ始める。そこで、ワールドトレードセンターへの旅客機激突を知る。このままでは同じ運命をたどることになると考えた乗客たちは操縦席を奪い返そうと行動を起こす。

 ドキュメンタリータッチで迫力満点
実際の現場でカメラがまわっているのではないかと錯覚しそうなほど、リアルな感じがした。もしかしたら、乗客たちの行動がうまくいっていたら、操縦席を奪い返し、助かったかもしれない。そうだったらもっと感動が大きかっただろう。
戦うことは命を奪うこと。悲しみを作ること。自分たちが利用されていることがどうしてわからなのだろうか。他人の命を奪いなさいという神はこの世に存在するはずがない。神はいつもすべての生きるているものの幸せを願っている。お釈迦様もキリストもアラーの神も、差別するような神は、神の衣をまとった悪魔だ。あのテロ事件を起こした犯人たちもかわいそうだ。彼らを動かし生きてのうのうとしている人物がいる。彼は決して自分が最前線に立つことはない。死ぬのはいつも末端の人々。こまを動かすだけの人殺しが許せない。
この映画は迫力は満点だったが、これからどうすればいいのか答えが出ない。人間の未来の悲しさや、時に絶望感が漂い、後味はとても悪い。

ハチミツとクローバー

2007年09月23日 | ラブロマンス/青春

 
2006年 日本 116分
2006.8.1 サロンシネマ2
       2007.9.22  wowow 
■監督 高田雅博
■出演
   櫻井翔(竹本)  伊勢谷友介(森田)  
   蒼井優(花本はぐみ)  加瀬亮(真山)  
   関めぐみ(山田あゆ) 堺雅人(花田先生)

 《story》

「人が恋に落ちる瞬間を初めて見てしまった」
「恋をした。それだけのことなのに 世界はまぶしい」

美術大学の学生たちの片思い物語。花本先生を囲む会で、竹本は恋に陥る。2階で大きな画板に絵筆を走らせていた花本先生の姪であるはぐみだった。彼女は4月に同じ大学に入ってきた。人見知りが激しく、一人で食事ができないので、竹本は先生から一緒に食事を付き合ってくれと頼まれる。一方真山はあこがれの先輩理花に恋し、密かにつけたり彼女に関わる物を集めたり・・・その真山が好きなあゆは、彼女も理花をつける真山をつけるのだった。そんなとき海外に出ていた森田が帰ってきた。森田が個展に向けて打ち込む姿を見つめるはぐみ。森田、竹本、真山、あゆ、はぐみは、ひょんな事から車で海を見に行くことになった。砂浜で青春を謳歌する仲間たち。しかし、そこで・・・・。

さわやかな青春物語。私は好きです。「ぼくは、はぐちゃんが好きだよ」「ありがと」これだけでこの映画は最高だと思いました。愛してるとかどうとかではなくていい。小学生の恋みたいかもしれないけど、好きな気持ちを素直に伝えて、それを素直に受け取り、ありがとうと微笑んで言える。それだけですばらしいと思う。竹本が初めてはぐちゃんと出会ったとき、これが恋の始まりだと思った瞬間、確かにそうだと感じた。あの「ニライカナイの手紙」「男たちの大和」の彼女だと思えない、見ている自分もハッと思わせる、そんな感じがした。コミックはどんなものなのか知らないけど、知らないで見る方がいいかもしれない。遠き青春時代を思い出せてくれた。切なすぎて、こんなにさわやかじゃなかったけど。今でもできるなら、こんなさわやかな恋がしたいものです。

      2007.9.22  wowow 

 無垢な青春
青春にもいくつかある。欲望の固まりの青春。だれにでもこんな気持ちはあると思うけど、本気でそれだけを求めているものは少ないと思う。あの青春時代は、先が見えない不安と純粋な愛を求めていたと思う。そんな愛を抱きたいと思っていたと。
はぐは海岸でキスをされ、その後何を悩んでいたんだろう。びっくりした自分。恋する自分。あってはならない事実。自分の心の中のもやもや、変化。そこに何があった?
真山や山田は、恋の心の奥底にひた走る。ある意味変態的な行為にも陥りながら。森田は何も考えないその場だけの人間。恋だの愛だの自分には似合わないと思いつつ、本能的にはぐにキスしてしまう。竹本は一番純粋かな。というより、心の中の愛を大事にする、まさに青春をそのままに走る。自転車で走る。古典的な純粋な青春を送っている。素直に自分の心を打ち明けるだけで満足かあ。そのあとのことを求めないのかあ。どろどろした人間関係とは無縁かあ。どんな恋も青春。どんな恋ももう一度してみたくなる青春。

 公式サイト「ハチミツとクローバー」 


エディット・ピアフ~愛の讃歌~

2007年09月23日 | 人間/社会派ドラマ

2007年 フランス/イギリス/チェコ 140分
■原題「LA MOME/THE PASSIONATE LIFE OF EDITH PIAF/LA VIE EN ROSE」
2007.9.20 TOHOシネマズ緑井 試写会
■監督 オリヴィエ・ダアン
■出演
   マリオン・コティヤール(エディット・ピアフ)
   シルヴィー・テステュー(モモーヌ=友人)
   パスカル・グレゴリー(ルイ・バリエ=マネージャー)
   エマニュエル・セニエ(ティティーヌ)
   ジャン=ポール・ルーヴ(ルイ・ガション=父)
   ジェラール・ドパルデュー
          (ルイ・ルプレ=クラブのオーナー)
   クロチルド・クロ(アネッタ)
   ジャン=ピエール・マルタンス
          (マルセル・セルダン=恋人)
   カトリーヌ・アレグレ(ルイーズ=祖母)   
   マルク・バルベ(レイモン・アッソ=作曲家)
   カロリーヌ・シロル(マレーネ・デートリッヒ)
   マノン・シュヴァリエ(5歳までのエディット・ピアフ)
   ポリーヌ・ビュルレ(10歳までのエディット・ピアフ)

  《story》

「そして、『愛』は歌い継がれる--」
「愛を生きた世界の歌姫 涙と喝采の物語」


1915年、エディット・ジョヴァンナ・ガションはパリのベルヴィルで誕生した。5歳のエディットは、路上で歌う母のそばでうずくまっていた。戦場からもどった父は、エディットを、娼婦館を経営する祖母の家に預けた。そこではティティーヌにかわいがられ、傷ついたエディットの心も癒されていった。聖テレーズに祈り、栄養失調で見えなくなっていた目が見えるようになり、生涯そのクロスを離すことはなかった。戦争が終わり、戻ってきた父に連れられ、サーカスの大道芸をしながらの生活。そこもけんかして飛び出し、路上で芸をして生活するようになる。ある時、娘にに芸をと言う声に、エディットは歌を歌い歓声を浴びる。20歳になったエディットは、路上で歌い小銭を稼ぐ生活をしていた。そこに偶然居合わせたクラブのオーナー、ルイ・ルブレに声をかけられる。彼女のステージは大成功。しかし、ルイの殺人事件で容疑をかけられ、罵声を浴びる。そんな彼女を救ったのは、作曲家のアッソだった。復帰のコンサートは大成功。その後、スターの道を昇りつめていった。アメリカのニューヨークでも公演を行い、ボクシングのマルセルと出会い恋に落ちる。2年間の愛・・・彼女の元に駆けつける飛行機が墜落。それは彼への愛を込めた新曲の「愛の賛歌」を披露するときだった。

 愛の賛歌は聴いたことがある
そんな程度の知識だった。ピアフなんて聞いたことないし、音楽の知識はまったくない。でも映画の良さは知識を与えてくれること。たまたま試写会に当たったことが彼女の存在を印象づけてくれた。この映画を見なければ、きっと知ることがなかった知識。たぶん、試写会でなければ見なかった映画だ。正直言って、愛の賛歌以外の歌は大きく心をふるわせるものではなかった。きっと彼女には人間としての魅力がいっぱいあったのだと思う。無垢なイメージ、それでいて自信に満ちている。歌うことが好きでたまらない。聞かせたい、聞いてほしいという気持ちが、観客をひきつけるのだろう。それに多くの人々が彼女を支えている。貧しくて不幸な少女時代に見えるけど、彼女の周りには、彼女の歌に惹かれ、彼女を支えようとする人であふれていた。そういう意味では、彼女は幸せだ。47歳と言えばまだ若い。でも、まるで老人のような姿で海岸で編み物をする姿は、労しくも無垢な少女のようにも見え、不思議な魅力のある人だ。この映画と出会えてよかった。

 公式サイト「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」

釣りバカ日誌18 ハマちゃんスーさん瀬戸の約束

2007年09月22日 | コメディ

2007年 日本 114分
2007.9.17 TOHOシネマズ緑井
■監督 朝原雄三
■出演
   西田敏行(浜崎伝助)  浅田美代子(浜崎みち子)
   檀れい(木山珠恵)  谷啓(佐々木次長)
   星由里子(木山温子)   高嶋政伸(高原昌平)
   三國連太郎(鈴木一之助)  加藤武(秋山専務)
   小野武彦(原口取締役)   鶴田忍(社長)
   中村梅雀[2代目] (草森秘書課長)
   村野武範(川島営業部長)  益岡徹(舟木課長)
   中本賢(太田八郎)  平山あや(舞子)
   笹野高史(前原運転手)
   奈良岡朋子(鈴木久江)  小沢昭一(渋谷剛三)
   石田靖(木村)  梅垣義明(渋谷の秘書)  増田英彦(野沢)
   安田大サーカス  渋谷天外[3代目] (藤原) 桂小金治(林)
   持丸加賀(浜崎鯉太郎)

 《story》

「スーさん極秘ミッション発令!? 
           美しい瀬戸内海のリゾート開発をめぐる大騒動!」


スーさんが社長を退任し会長に就任した。社員を集めてのあいさつで、頭が真っ白になり言葉が出ない。胸がいっぱいで言葉が出ないのだと思った浜ちゃんが助け船を出す。認知症ではないかと悩んだスーさんは、朝の散歩に行くと行って行方不明。鯉太郎の携帯に電話が入り、市外局番から岡山にいることがわかった。さっそく浜ちゃんはスーさん探しに出かける。瀬戸内海の島の寺で世話になっていたスーさんに浜ちゃんは出会う。そこではリゾート開発に揺れていた。美しい海岸や自然を守るために、スーさんが身を寄せていた寺の娘、珠恵は恋人の昌平らとともに、開発反対の運動を行っていた。開発の建設業者はなんと鈴木建設。浜ちゃんは、開発説明会に参加し、良き釣り場である良き自然について訴える。しかし、許可を取って進める開発側は、説明会後さっそく工事に着手しようとしていた。座り込みを始める珠恵や昌平たち。東京からかけつけ協力する浜ちゃん。しかし、強引に工事が始められようとしていた。しのときスーさんは・・・。

 ほのぼのと笑える映画
「ヒーロー」よりおもしろかった。あの寅さんのように、会場がほのぼとした笑いに包まれる。映画の楽しみのひとつ。「ヒーロー」も、テレビのシリーズを見てたらもっと楽しめたかもしれない。でも、笑いの雰囲気がちがう。寅さん的笑い。私はあの笑いを思い描いているのだ。どうやって会社を休むかいろいろ考えるところ。がむしゃらに働かないでいいんだよ、みんなで楽しくやろうよ、って言われているような、心の癒し。自然の中にいる、自然をしっかり意識している人間が一番輝いている。そんな肩を張らない自然な笑い。権力に立ち向かう晴れ晴れしさ。お金儲けだけしか頭にないなんて寂しすぎる。寅さんと同じように、ワンパターンの展開だけど、見たくなる映画。やっぱりテレビより劇場がいいな。
西田敏行って、今年還暦だって。信じられない。そういえば登場人物はみんな歳を取ってきたなあ。鯉太郎も中学生だ。スーさんなんて84才だ。まだまだ続けてほしい釣りバカ日誌だけど、ちょっとしんどそう。

 公式サイト「釣りバカ日誌18」

インサイド・マン

2007年09月17日 | サスペンス/ミステリー

2006年アメリカ129分
■原題「Inside Man」
■2007.9.16 wowow
■監督 スパイク・リー
■出演
   デンゼル・ワシントン(キース・フレイジャー)
   クライヴ・オーウェン(ダルトン・ラッセル)
   ジョディ・フォスター(マデリーン・ホワイト)
   クリストファー・プラマー(アーサー・ケイス)
   ウィレム・デフォー(ジョン・ダリウス)
   キウェテル・イジョフォー(ビル・ミッチェル)

 《story》

「それは、一見だれが見ても完璧な銀行強盗に思われた・・・。」

マンハッタンの銀行に4人組の強盗が入った。50人の銀行員と客を人質にとり、全員ジャンプスーツと覆面をつけさせられた。犯人たちと同じ姿で、外からはだれが犯人なのかわからなかった。犯人たちは、「スティーブ」「スティーブ0」などと言い合い、ほとんど言葉を発しなかった。急を聞きニューヨーク市警のフレイジャーとミッチェルがかけつけた。なかなかコンタクトをとらなかった犯人たちの要求は、ジャンボ飛行機の用意だった。一方、銀行の会長であるケイスは、貸金庫にある書類を守るために、有能な弁護士であるマデリーンに依頼する。市長に伴われてやってきたマデリーンは銀行内に入いり犯人と交渉する。そして、交渉のすえフレイジャーも銀行内に入るが、頭の切れる犯人たちに翻弄される。強行突破の命令が出たが、盗聴で事前に知っていた犯人グループたちは、人質とともに正面に入り口からなだれ出た。だれが犯人かわからなかった。

 消化不良
犯人が人質とともに飛び出したところまでよかった。そのあとはようわからん。私みたいな凡人でもようわかる結末にしてほしい。何の目的で強盗に入ったの? 弁護士は何をしたの? 会長はいいことがあったの? あのダイア屋は何? 後味の悪い映画だった。銀行を飛び出したところまでは確かにおもしろかったんだけど。ジョディ・フォスターは好きな俳優なんだけど、宣伝のために登場したような感じがした。映画館に見に行こうかと迷って行かなかったんだけど正解だった。

あゝひめゆりの塔

2007年09月16日 | 人間/社会派ドラマ


1968年 日本 127分
■2007.9.15 BS2
■監督 舛田利雄
■出演   
   吉永小百合(与那嶺和子)
   和泉雅子(比嘉トミ)  浜田光夫(西里順一郎)
   遠山智英子(山城由美子)  
   乙羽信子(与那嶺ハツ)  浜川智子(渡嘉敷光子)
   高樹蓉子(新屋民子)  音無美紀子(山辺順子)
    笹森みち子(新垣勝江)  
   伊藤るり子(佐久川ヤス)
   柚木れい子(国吉菊枝)
   太田雅子(島袋ツル)  秋とも子(真栄田昌子)
   北島マヤ(仲宗根久子)  木川能子(外間珠代)
   後藤ルミ(当間陽子)  寺島君枝(安里幸子)  小池修一(与那嶺武)
   中村翫右衛門(野口貞信校長)  青木義朗(岡本栄一)
   二谷英明(昭喜名秀雄)  小高雄二(東風平恵祐)  小泉郁之助(中田文彦)
   鴨田喜由(奥間宗専)  小柴隆(宮平隆国)  八代康二(糸洲武市)
   森塚敏(加納浩司)  久遠利三(平良川四郎)  三条泰子(泊貞子)
   市村博(具志竪)  藤竜也(泉川)  長浜鉄平(田原)  和田浩治 (太田少尉)
   郷えい治(杉山中尉)  高品格(沢田軍曹)  東野英治郎(仲地国民学校校長)
    崔蘭郷(伊敷看護婦)  渡哲也(青年)  嵯峨善兵(大山少将)
   内藤武敏(青年の声)

 《story》

昭和18年(1943年)沖縄、師範女学校の和子たちは運動会を楽しんでいた。しかし、戦局は悪化、サイパン島が玉砕、B29戦闘機が飛来するようになった。子ども達の本土への疎開として対馬丸が出航したが、撃沈されてしまい、引率の和子の母も行方しれず。島には非常戦時体制が取られ、和子たちも臨時看護婦として、男子学生も鉄血勤皇隊として陸軍につくことになった。昭和20年、和子たちは証書のない寂しい卒業式を行った。間もなく、米軍が上陸。傷を負った兵士の治療は、薬品も包帯も底をつき、麻酔なしでの切断も行われた。米軍は攻撃に押しやられ、南に移動。戦闘機に撃ち殺されたり、がまに投げ込まれたガス弾にやられたり、次々に仲間は死んでいった。生き残った和子とその友人は、岸壁で手榴弾を使い自殺し果てた。

 だれもいなくなった
古い映画だし、吉永小百合主演ということもあってか、なんだか綺麗すぎる感じがした。沖縄の方言ではなく、東京の女子校のお嬢様言葉に違和感を感じる。それに、先生と生徒の絆、ほのぼのした恋愛感情、死んでいくもののはかなさ悲しみ、つらいなあさみしいなあと終わっていく。戦争の悲惨さは十分あるのに、まっすぐに感じることができないのは、こんなにさわやかだったんだろうかと疑問に思うから。
でも、吉永小百合さんはきれいだった。きっとこの人が出るのだからということが前提にあったのだと思う。反戦だけど美しさで覆わなければいけない映画。もっとどろどろとした人間のぶつかり合いがあってこそ、現実味がある。冒頭の青年の主張は何だったのだ。渡哲也の宣伝なのか。


HERO

2007年09月15日 | 人間/社会派ドラマ

2007年 日本 130分
2007.9.14 TOHOシネマズ緑井 with y/t
■監督 鈴木雅之
■出演
   木村拓哉(久利生公平)  
   松たか子(雨宮舞子)   大塚寧々(中村美鈴)
   阿部寛(芝山貢)  勝村政信(江上達夫)
   小日向文世(末次隆之)
   八嶋智人(遠藤賢司)   角野卓造(牛丸豊)
   児玉清(鍋島利満)
   松本幸四郎[9代目] (蒲生一臣)
   森田一義(花岡練三郎)  中井貴一(滝田明彦)
   綾瀬はるか(泉谷りり子)
   国仲涼子(松本めぐみ)   香川照之(黛雄作)
   岸部一徳(桂山薫=裁判官)   イ・ビョンホン(カン・ミンウ)

 《story》

東京地検城西支部、久利生は芝山が担当したある殺人事件の裁判を任される。容疑者が犯行を認めているので簡単な裁判だと思われたが、初公判で被告が否認、無罪を主張した。そして、弁護士は蒲生という無罪獲得数日本一という弁護士で、久利生検事は苦戦する。被告の青年が、大物衆議院議員の収賄事件のアリバイ証人になっていたのだ。久利生検事と事務官の雨宮は、証拠となる車を追って韓国に飛ぶ。しかし、それだけでは決定打にならず、青年が確かに犯行現場にいたという証拠をみつけなければならなかった。

 盛り上がりに欠けた
やっぱりテレビのシリーズを見ていないとおもしろさは分からないのかな。劇場の中で笑いが起こるけど、どうしてそこがおかしいのかわからなかった。テレビドラマとの関連があるのだろう。追いつめられた検事・・・・そうは見えなかった。始終自信に満ちていて、悩んでいる素振りはなかった。もっと落とすところまで落ちて、仲間の力が生かされる展開になればなあ。感動が少なかった。途中眠くなってしまった。たくさんの大物の俳優が出ていた。でも、ただの娯楽映画であって、すぐに消えてなくなりそう。心に残らなかった。残念。

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