そよかぜから-映画

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人形霊

2006年08月05日 | ホラー


2004年 韓国 90分
■原題「The Doll Master」
■2006.8.5 wowow
■監督 チョン・ヨンギ
■出演 イム・ウンギョン(ミナ) キム・ユミ(ヘミ) オク・ジヨン(ヨンハ) イム・ヒョンジュン(ホン・ジョンギ) シム・ヒョンタク(キム・テスン) チョン・ホジン(チェ・ジファン)

《story》

「捨てないで」

森の奥深くに立てられた人形館に、男女5人が招待される。そこで、これらの人をモデルにして人形が作られるというのだ。館内には精巧に作られた人形が至るところにあった。天井や壁、トイレなど、等身大のものまでたくさん並べられていた。美しさと同時に不気味さをも漂わせていた。この館の中で、彫刻家のヘミは、彼女のことをよく知っているというミナという少女に出会う。それから、惨劇がはじまった。潜入していた刑事じゃ、ヘミを犯人と疑うが、彼をも襲ったのはミナだった。ミナは、ヘミが幼い頃に大事にしていた人形に似ていた。しかし、いつか飽きて捨ててしまっていた。今から60年前の出来事と深く関わる恐怖はヘミを襲うとしていた。

◎人形に愛された男。等身大の人形はその大きさだけで怖く感じる。発端は、村で起きた殺人事件の犯人に疑われたその男が、村人達に無実でありながら、たたき殺されるところから始まる。自分を作ってくれたその人を愛し、そして目の前で殺されていく姿を見て、人形は復讐を誓うのだった。無実なのに殺されてしまった人の無念ははかりしれないだろう。でも、その恨みを子孫ではらすのはおかしいと思う。無関係の人にその罪をかぶせるのなら、初めの過ちと同じじゃないか。今のイスラエルが起こしている戦争みたいだ。殺された人たちにもっと力があったら、さらに次の復讐が始まるだろう。
人形は大事にしないといけないと思う。むやみに捨てられない。命を感じ始めるくらい愛するようになったら、自分も愛されていると思うようになる。愛した人の思いがそこに宿る。ヘミは少しでも捨てられたミナのことを思うことができたら、物語の行方はかわったかもしれない。何も知らないで死んだ人たちは、それこそれこそ思いがこの世に残ってさまようかもしれない。死霊の館の誕生だ。