ヒガンバナ
(城跡ほっつき歩記)より
未亡人のように 緋色をまとわせ
秋は何をたくらんでいるのか
弔いのたびに 華やぐ彼岸花
悲しみと喜びは素顔の裏おもて
ときには 血の色と紛う
記憶の中の日めくり
みどりの茎は ひと筋の憐れみか
それとも平らかな野の意志か
透過する 太陽のベクトルが
過ぎ去りし時を悼む
追憶よ 残像を地下深く埋めよ
忘却の層を掘り起こすな
営みは もう
彼岸に渡る風の道しるべになれ
ヒガンバナ
(城跡ほっつき歩記)より
未亡人のように 緋色をまとわせ
秋は何をたくらんでいるのか
弔いのたびに 華やぐ彼岸花
悲しみと喜びは素顔の裏おもて
ときには 血の色と紛う
記憶の中の日めくり
みどりの茎は ひと筋の憐れみか
それとも平らかな野の意志か
透過する 太陽のベクトルが
過ぎ去りし時を悼む
追憶よ 残像を地下深く埋めよ
忘却の層を掘り起こすな
営みは もう
彼岸に渡る風の道しるべになれ
いつも画像のご紹介をいただき有難うございます。
この時期を代表する草花といえば、まさにヒガンバナですね。
夏の終わり頃になると地中から忽然と剣先のような葉を伸ばしはじめ、秋のお彼岸の頃には開花するこの時節に相応しい風景を感じさせてくれます。
その毒々しいまでの赤色は、血の色を連想させるような何か恐ろしげな印象もありますが、花の盛りは僅か2週間ほどで次第にその色を失い始めてしまいます。
一方緑色の葉の方はといいますと、そのままの姿でせっかく冬越しをするものの、何故か春先には立ち枯れてしまうという不思議な性質を有しているようです。
この画像は熊谷市の国の史跡指定を受けている宮塚古墳の近くの水田の用水路の脇付近で撮影したものですが、この畦道が狭隘で軟弱な割には水路の幅が約2mと広く、極めて不安定な足場にて撮影をしたものです。
確かニコンD70のミニズームを使用したものですが、そのような事情のため、やや腰が引け気味となってしまい肝心のピントが些か甘くなっております(汗)
水田の脇以外にも畑の境、農家の庭先、そして墓地などの余り水気の少ないところでも、時々お見かけになることが多いかと思われます。
なお背景のぼやけたような小さな青い花は、前回にもご紹介をいただいたツユクサです。
この時期にふさわしいヒガンバナの画像を拝借できましたこと、心から御礼申し上げます。
冬に耐え、春先に立枯れるという緑の葉柄の性質も知ることができました。
また撮影時のご苦労をお聞かせいただき、あらためて感銘を受けました。ありがとうございました。
作者はその花にも茎にも温かい眼差しを寄せているように思えます。
と同時に、移りゆく季節を、読む者にそっと感じさせてくれます。
このところ、この作者は植物、とりわけ花について試作を試みておられるようですが、彼岸花を今、取り上げられたのも時宜を得ていますね。
そして、その画像がいずれも親近感を呼び、素晴らしい。
花の詩がつづきましたのは、移りゆく季節と花の命の美しさを感じたからかと思います。
おっしゃる通り、親近感のある画像が心に灯りを点けてくれました。
秋は昆虫や鳥や小動物などにも、やさしさと厳しさの交錯する季節、楽しみです。