ダリア
(城跡ほっつき歩記)より
流れる 流れ出る
破れて さらに破れ
渇き 渇きつくす午後
世界は 血まみれになる
花びらは 国の数ほど
はためく国旗は 青空の狼狽
独立した花も 侵略された花びらも
陽光の下で 口ぐちに血を流す
美しく咲きたい 豊かでありたい
花びらの願いは 命の野望
花は人を裂き 人は嬉々として咲く
流れる血は 妖艶な殺戮
花びらは 婉曲な敵意
競い合い 出しぬきあう
色も形も 媚び色を帯び
交配種が これでもかと浸潤する
国の為政に 信義の札は無いのか
いざとなれば 恣意を弄うのか
あっさりと 前言を翻し
花々に 散れというのか
小人蜜に誘われ 虫のように拠る
蝶も蜂も 飛ぶものみな等し
口吻吸啜 血もまた然り
ダリアの赤は 落日の輝き
凄い散文詩 ! 切り口が鋭い !
新鮮な表現がほとばしり飛び出してくるような……・。
それが大輪のダリアを表しているように感じられるし。
いや、その大きな花と共に哲学をしつつ、詩作を愉しんでいるでもあります。
こういう散文詩を創作できたなら、どんな花にも、植物にも、威厳を表現するとともに、我ら人間の性(さが)も鋭く突けるように思えますね。
それにしましても取り上げられたダリアの写真、お見事です。
そんじょそこらにはなさそうな威厳を漂わせ、なおかつ美しさと華々しさが溢れ出ているようです。
花を写すには、やはり接写がよろしいようですね。
同じような画像でも、塚越さんの撮った写真からは訴えかけてくるものがあるのです。
たぶん被写体に向けた関心のありようが、綺麗なだけの商業写真と異なるのだと思います。
とはいえ、あまり目の前で申し上げるとやりづらくなるでしょうからこの辺で止めます。
何かと刺激を受けるのは確かですから、当方もうかうかしてはおれません。
画像があるかぎり、あらたな気持ちで挑戦したいと考えております。
何時もご紹介を賜り、恐縮しております。
この時期の撮影機材は、CanonのEOSkissを使用しておりました。
絞り優先で、ミニズーム18ミリ~200ミリ(タムロン製)を望遠モードを使用。
手ぶれ補正機能無しの手持ちです。
撮影時刻はデータによりますと午後3時頃。
季節は秋で、2008年10月17日となっておりました。
太陽の傾きの関係で、色合いは幾分強調されておりますが、画像編集ソフトによる補正は行っておりません。
接写用の機材も幾つか所有しておりますが、概して不自然な感じになることが、少なくなくなるべく自然の成り行きに任せております。
なお、撮影場所は国道254号線川越街道沿いの農地に接した家庭菜園です。
今回も素晴らしい創作にご紹介をいただき御礼を申しあげます。
てっきり三脚使用かと思いました。
季節や時刻で刻々と変わる画像の面白さ、解説を聞かせていただくたびに新鮮な驚きを感じています。
いずれにせよ、たまたま出合ったこのダリア、さまざまの感興を呼び起してくれました。
ありがとうございました。