どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

自薦ポエム77 『カタクリは宇宙の鏡』

2021-06-16 00:01:21 | ポエム

カタクリは地上のスティーヴン・ホーキング

天窓をみつめて宇宙の夢を見つづける

夜が明けると周りは緑の渦に囲まれ

彼を支える家族や友人が漂流しはじめるのだ

 

カタクリの葉のまだらは星雲の妖しさ

始まりも終わりも見定められない時間の概念に

ホーキングは時空の特異点をピン留めした

あらゆる真理は卓越した仮説によって覆される

 

カタクリの花は内気そうに下を向いているが

実はお茶目で好奇心のかたまりなのだ

友人の誰よりも早く女の子をゲットし

むらさきのマントで気を引く伊達男になる

 

人は証明できない理屈に可能性を視る

科学者は侮辱するか熱烈な信奉者のどちらか

ホーキングは幸運にも天才に位置づけられ

ケンブリッジを空の高みにまで押し上げる

 

筋萎縮症もジェーンの献身も暗黒の中の輝き

ブラックホールから漏れ出す光こそ宇宙の謎

カタクリの地下茎が良質のでん粉を産むように

神は人知れず始まりを創造したのかもしれない

 

神は天の支配者という前提がいやなんだ

ホーキングだからこそビッグ・バン理論がよく似合う

宇宙のすべてを説明するたった一つの方程式を

そろそろ見つけなければならないが・・・・

 

カタクリは地上のスティーヴン・ホーキング

博士を支えるたおやかな献身が重力に撓う

等しく美しいふたりの女性は聡明すぎはしないか

愛の姿はたった一つの方程式で証明できるのだろうか

  

(2016/11/14より再掲)

 

カタクリの花 群生地 関東 に対する画像結果.サイズ: 252 x 160。ソース: blogs.yahoo.co.jp カタクリの花

 (ウェブ画像)より

 

<参考>=『博士と彼女のセオリー』は、 2014年にイギリスで製作された伝記映画で、理論物理学者のスティーヴン・ホーキング 博士と彼の元妻であるジェーン・ホーキングの愛の物語でもある。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« どうぶつ・ティータイム(3... | トップ | どうぶつ・ティータイム(3... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ポエム」カテゴリの最新記事