ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

厭な小説

2009-06-13 17:28:22 | Weblog
京極夏彦著、祥伝社刊

プチ悪夢を立て続けに見てしまったような感じだ。
私は、日ごろ、まず好悪で物事をとらえるから、
「厭だ」で始まり、「厭だ」で終わるストーリーは、すごくシンクロできる。

まあ、小説としてどうなのよ・・・、という意見もあるだろうけど、
いろんな文章があっていいと思うし、ちゃんとタイトルで「厭な小説」と言ってて、
帯で、後悔してもしらないよ、と断っているから、良心的なのだろう。
半分以上、都市伝説というかオカルトみたいな感じだし、冗談みたいなもんだ。

ここ数日、プチ鬱が進行状態だった私は、
朝起きて、どうしても布団から出られない状態のなかでこの小説を読み、
その後、今日は昼寝をして、悪夢を5本立てくらいで見た。
つまり悪夢を見るトリガー的な小説だった。

おかげで、深層心理というものか、まあ心のどこかでモヤモヤしていた
プチ鬱の原因が、悪夢となって昼寝中に出て来てくれたので、
いまは整理がついて、ある意味すっきりした気分が戻りつつあるような気がする。

少なくとも、そういった効果が、この小説にはあった。

幸せいっぱいの小説は、読んでいてつらい。
愛を感じよう、夢を持とうぜ!みたいなことを言われると、正直、目を背けたくなる。
自分とのギャップをどうしても感じて自己嫌悪になってしまうから。

いっぽうネガティブな小説は、私の代わりに吐き出してくれてありがとう、
という気分になる。
本当にネガティブなときは、本を読む気力すらないけど。

あ~、そろそろ太宰治も読んでみるかなあ。
「人間失格」は、そのむかし1ページ目で挫折したんだけど、いまなら読めるかもなあ。


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