ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

無償化

2013-02-03 19:51:11 | Weblog
高校の無償化のニュースについて、
日本国内にいたときと、上海に来てからとでは、考え方が違って来た。

ほとんどの人が高卒以上という日本の教育水準は、素晴らしいと思う。
高校が義務教育のようになっているのも、そうだと思う。
でも、だからといって、法律上、義務教育ではないものを
無償とするのはどうなのだろう。

私は、奨学金制度をもっとよいものにして、
将来は自分で稼いで返す仕組みのほうが、いいと思う。

私は母子家庭だったから、高校から大学まで奨学金を借りた。
20代のうちに返済完了した時は、すごく嬉しかった。
自立したと思った。

確かに、若い人の就職難は深刻だし、給料も上がらない。
でも、別に、働く場は、日本国内だけではない。
海外に出るというチャンスもある。
もちろん、そのほうが国内で働くよりも厳しい側面もある。

でも、学問とはそもそも「お願いして学んでもらう」ものではなくて、
自分で「生きて行くためには勉強が必要だ。いいお給料をもらおうと思ったら、
やっぱり大学で専門性のある何かを勉強すべきだ。そのためにはまず高校だ」
と思って取り組むものだ。
親に言われたから、みんなが行くから、高等教育機関を出るというものではない。

そして、社会に出てからも「やっぱりもう一度学ぶことが必要だ」と思ったときに、
いつでも大学で学び直し、その後、社会で活躍できることのほうが重要で、
それが実質できないから高校を無償化するというのは、
「日本監獄」を完成させる仕組みが、ひとつまた加わったとしか思えない。

格差が固定するとか何とか言うけど、
固定させたら何が起こるかと言ったら、
底辺からのし上がり、社会の仕組みを突き崩す人が出てくる。

そうなったら、一番困るのは、
いまの仕組みを作っている勝ち組と、なんとなく仕組みに加担している負け組。
つまり、いまを作っている私たちが困る。
負け組も、もっと違う価値観を望む割には、
いまが続けばいいと思っているところがある。
ダメなりに先が見通せるほうが安心だからだ。

まず、奨学金制度をもっと整備し、給付範囲を広げ、
公務員や学校の先生になったら奨学金を返さなくていいなんていう、
おかしな決まり事は見直す。
そんなことよりも、大学生や社会人になったときに、
何か無償で社会貢献をしたら、ポイントがたまって借りてるお金が少し減額するとか、
労働で払うことができて、本人も経験が積めるようなシステムのほうが
ずっといいと思う。

ということで「高校無償化すばらしい!」と言っている日本は、
世界で残っていけないと思うなあ。

空気

2013-02-03 16:39:54 | Weblog
最近、大気汚染がひどい中国。
昨日も日本人の友人とその話になったのだけど、
ここまで空気が汚れた理由は、単に工場と自動車のせいじゃないというウワサを聞いた。
燃料を水増しするために、何か別の物を混ぜたために、ますますおかしくなったのだとか。

「中国だと、あり得るよな~」と思えるあたりが、中国ならではだ。
放射線量も相変わらず東京より高いみたいだし、
この国は、近い将来、人が住めなくなるのじゃないかと思う。
外に逃げられないくらい貧乏な人は、残らざるを得ないだろうけど。

一昨日、上海郊外に行き、地元のおじさんと話していたら、
「どうだい? 最近の上海と日本では、どっちが金持ちだい?」と聞かれ、
何て答えようかと考えていたら、上海人がこう言った。
「上海の金持ちは、普通の日本人よりもずーっと金持ち。
 そして、お金がない人は、普通の日本人よりもずーっと貧乏。
 中国は格差が大きいよね」と。
まったくその通りだ。

日本は格差社会と言っても、所得が2倍違うくらいだけど、
上海の場合、10倍違うくらいはざらにある。
上を見ても、下を見てもキリがないのは、日本も中国も同じだけど、
日本の戦後民主主義って、本当にぬるま湯だったんだなあ、と思う。
中国人は、いかに要領よく儲けるかをいつも考えている。

空気がよくなったら、カメラを持って、出掛けたいな。
ああ、今日は節分か。

そろそろ中国企業は旧正月休みモードで、ストップだ。
お金持ちの社長さんたちは、海外できれいな空気を吸ってくるのだろう。