近くのホテルで、豪州の女流画家ジョアン・フック女史を招いてのディナーがあった。長い間仕事で関わり合いのあった国、そして90年代前半にはシドニーに住む機会があり、そこは今や第二の故郷でもある国、オーストラリア。懐かしさもあり、わがパートナーと揃って出席した。少人数の会だったので、画家ご本人や豪州領事館のスタッフなどとあれこれ話が弾んだ。
オーストラリアの絵画というと、それほど知られていないが、荒野の開拓者たちを描いたフレデリック・マッカビンの傑作「The Pioneer」を先ず思い出す。近年は、イラスト画ともいうべき明るい色彩の絵が多い、ケンドーン、エヴァ・ハンナなどなど。深みのある芸術性とは無縁なものであるが、明るさ故に、結構人気があった。
ジョアン・フックの絵は、グレートバリアー・リーフを泳ぐ魚たちや、熱帯雨林を飛翔する鳥たちなどをメルヘンチックに、しかしある意味リアルに描く。青い空、陽気なオージーの気質がでたような色彩豊かな絵は、なかなかチャーミングだ。若い人、女性に人気があるようだ。見ていても気持ちが明るくなる。今回は、日本の築城400年記念の年でもあり、熊本城の四季の絵も描いている。(なかなか商売がうまいなあ)
彼女の絵は、すべて水彩画だ。これを写真でデジタル化し、ミストスクリーンという手法で刷り上げる。絵のぼかしやすかしといった質感がうまく表現できる。
原画とちがい、一枚の価格は比較的低く抑えられている。絵のビジネス感覚が
すぐれていると感じた。でもご当人は、純粋なアーティストだ。
近年モナコ近くのフランスのまちのプロパティ(アパルトマン)を購入した、と言っていた。ここで一年の何分の一かは、過ごして絵の制作の専念するとの
こと。コート・ダジュールの紺碧の海の色が出てくるかも。
異なる土地に住んで、刺激を受け、創作イメージを醸成する。なかなか前向きな姿勢である。近々、パリで個展を開催する計画があるそうだ。伝統美術の本場で
どのような評価を受けるか、見てみたいものだ。
この日の料理は、オーストラリアン・フェアということで、シドニーのシェフを招いての料理の数々が用意されていた。ビュッフェ型式だが、オージービーフのロストビーフ、タスマニアのサーモン、もちろんロブスターやスキャロップなどのシーフードも。美味いワインに食の進むこと。そして極めつけは、デザートだ。
いちはやくパヴァロヴァが、ひっそりと隠れているのを見つけたジョアンが、教えてくれた。木苺とキウイフルーツをのせ、生クリームのメレンゲがたっぷりのケーキ。ひさびさなので、二つも食べてしまった。このデザートは、オーストラリアとニュージーランドが、本家争いをしているとか。そんなことは、知ったことかと、満喫しました! ピーター・アレンの歌を思い出した。
"I still call Australia a home"
注)写真は、『Flights into Fantasy』と題するジョアン・フックの画集の
カバーから
オーストラリアの絵画というと、それほど知られていないが、荒野の開拓者たちを描いたフレデリック・マッカビンの傑作「The Pioneer」を先ず思い出す。近年は、イラスト画ともいうべき明るい色彩の絵が多い、ケンドーン、エヴァ・ハンナなどなど。深みのある芸術性とは無縁なものであるが、明るさ故に、結構人気があった。
ジョアン・フックの絵は、グレートバリアー・リーフを泳ぐ魚たちや、熱帯雨林を飛翔する鳥たちなどをメルヘンチックに、しかしある意味リアルに描く。青い空、陽気なオージーの気質がでたような色彩豊かな絵は、なかなかチャーミングだ。若い人、女性に人気があるようだ。見ていても気持ちが明るくなる。今回は、日本の築城400年記念の年でもあり、熊本城の四季の絵も描いている。(なかなか商売がうまいなあ)
彼女の絵は、すべて水彩画だ。これを写真でデジタル化し、ミストスクリーンという手法で刷り上げる。絵のぼかしやすかしといった質感がうまく表現できる。
原画とちがい、一枚の価格は比較的低く抑えられている。絵のビジネス感覚が
すぐれていると感じた。でもご当人は、純粋なアーティストだ。
近年モナコ近くのフランスのまちのプロパティ(アパルトマン)を購入した、と言っていた。ここで一年の何分の一かは、過ごして絵の制作の専念するとの
こと。コート・ダジュールの紺碧の海の色が出てくるかも。
異なる土地に住んで、刺激を受け、創作イメージを醸成する。なかなか前向きな姿勢である。近々、パリで個展を開催する計画があるそうだ。伝統美術の本場で
どのような評価を受けるか、見てみたいものだ。
この日の料理は、オーストラリアン・フェアということで、シドニーのシェフを招いての料理の数々が用意されていた。ビュッフェ型式だが、オージービーフのロストビーフ、タスマニアのサーモン、もちろんロブスターやスキャロップなどのシーフードも。美味いワインに食の進むこと。そして極めつけは、デザートだ。
いちはやくパヴァロヴァが、ひっそりと隠れているのを見つけたジョアンが、教えてくれた。木苺とキウイフルーツをのせ、生クリームのメレンゲがたっぷりのケーキ。ひさびさなので、二つも食べてしまった。このデザートは、オーストラリアとニュージーランドが、本家争いをしているとか。そんなことは、知ったことかと、満喫しました! ピーター・アレンの歌を思い出した。
"I still call Australia a home"
注)写真は、『Flights into Fantasy』と題するジョアン・フックの画集の
カバーから