(新)緑陰漫筆

ゆらぎの読書日記
 ーリタイアーした熟年ビジネスマンの日々
  旅と読書と、ニコン手に。

ゆらぎの日々

2024-06-27 | 料理
(ゆらぎの日々)修正版(6月27日)

 東京のことが抜け落ちていましたが、修正いたしました! どうぞご覧ください。

(幸せな日々)
 朝起きて、南に向いたリビングルームの窓を開けてベランダに出ると、真正面に大阪湾(ちぬの海)が広がる。遥か向こうに見えるのは紀伊半島の西端。江戸の昔、武士や海賊の船団がこの端を回って姿を現したのである。また南北両方のガラス窓を開け放つと、涼風が吹き抜ける。この時、幸せを感じるのだ。ああ、生きていて良かったと! 親のお陰、特に母親のお陰で健康には恵まれている! ありがたいことだ。

◯一日の動き
  朝は、睡眠の途中になるが、いったん夜中の3~4時頃に目が覚める。そしてiPhoneで日経新聞の電子版に目を通す。まず一面のコラム(春秋)を読む 。毎日、毎日、よくこんな事が書けるな、と感心する。それから最終紙面の「能面の美」や、「源氏物語を見る」(十選)。(注、 いささか古い話ですみません)これは源氏物語絵巻だ。物語と挿絵の対比が興味ふかい。余談になるが、「源氏物語」は一言で言えば、不倫物語である。現代ならば、宮中で不倫をすれば、ごうごうたる批判を浴びるであろうが・・・。なお日経新聞の紙面は、後ほどPCの大きな画面で改めて見る。電子版とは違って、ジャンル別に詳しい記事が掲載されており、これらを見れば、今の世の中の動きがよく分かる。(政治・経済・金融・企業動向などなど)

  朝食の後、プールへ行って泳いだり水中ウオーキングをする。およそ一時間。その後、温かいジャグジーでのんびりした後、お風呂に入る。プールは、近くのホテルのクラブに入っているので、メンバーコースでほぼ独占状態。ここは家から歩いて7~8分ほどの所にある。プールから上がってから、体重を量る。目標は、66キロ、プラスマイナス0.3キロ。ほぼ一定の体重をキープしている。プールへ行かない日は、島の中を一時間弱ほど歩く  。

  昼食は、体重コントールの意味もあって、コンビニのおにぎり(1個)と焼き鳥の組み合わせが多い。時々、パックのカレーライスとサラダ(この頃は、「食べるほうれん草のサラダ」が多い)。スパゲッティを用意することもある。また島の中の<たんぽぽ亭>(台湾系中華料理の店)に行って食べることもある。日替わり定食を食べる。味はとてもいい。特に、気に入っているのは、麻婆茄子(まーぼーなす)。これは、メニューにはないのだが、頼み込んで作ってもらうようになった。未だ、メニューにはない。

  夕食は、ほとんど家で食べる。肉を食べたら、魚というように変化させる。そして、「食べる」ほうれん草と玉ねぎの薄くスライスした野菜サラダをたっぷりと。時には、JR甲南山手駅近くのお気に入りの焼き肉の店(翔園)に足を運ぶ。ここでは、若女将が、店を出ると、30メートルくらい離れるまで、頭を下げて見送ってくれる。こういうことをする店は、神戸では、ほとんどない。京都には、数軒ある。またお鮨が好きなので、たまには車を走らせ(15分ほど)、お店に行く。二人で腹いっぱい食べて、一万円ほど、一人5千円は安いと思う。場所がやや不便なところにあり、また中央卸売り市場で、ネタを仕入れて来るので、そのような値段でもやっていけるのだろう。たまに「夜遊び」と称して友人と神戸は北野にある和食の店で料理を楽しむ。それまで和食といえば、京都まで出かけて、主に「和久傳」系の美味しい和食料理を楽しんでいたが、コロナ問題が起こってから足が遠のいた。最近、再開した。最後になったが、小生の場合、生きるために食べるのではなく、食べるために生きているという感じなのである。


 昼間は、本(kindle を含めて)を読んだり、チェロを弾いたりしている。また早朝に読んだ日経新聞の記事を、iPadで丁寧に読む。特に、企業の動向や海外の動きなどをチェックする。そして、夜は12時頃には床につく。

 
◯健康問題
 今のところ、健康上の問題はとくにない。先に述べたように、体重のコレステロール値も問題はない。食欲も旺盛で、何でもよく食べる。あえて言えば、コレステロール値や尿酸値などにに゛留意している。また、それらをコントロールする薬を毎日飲んでいる。なを、それらの薬には副作用の心配はない。また眼の緑内障についての問題は一定値に収まるように、打出にある眼科で定期的に診てもらっている。この間、ドクターに、”少なくとも100歳までは問題ありません、と言われた。

 近年になって、右膝の半月板のあたりに炎症が起こって、痛みを感じるようになった。 そこで六甲アイランド病院の整形外科で診てもらい、右の靴の中に特殊な中敷きを作ってもらってからは、痛みがほとんど感じられなくなった。今では正常に歩き回っている。ただし、走ったりはしない。ちなみにこの整形外科の先生には、左肩の手術でもお世話になったをり、信頼する名医である。

◯読書について
 本は、年間に200冊から300冊読む。(kindleも含めて)。内容は雑多である。いくつかの例を上げる。(以前、ブログに書いたものも含めて)

 『本のある風景』・・・主として、神戸も町についてのエッセイ。「星を売る店  」など、なんということのないものだが、心惹かれるものがある。

 『星野知子の鎌倉四季だより』・・・これを読むと、鎌倉という町に、数日いや  二、三週間ほど住んでみたくなる。

 『オードリー・タン デジタル未来とAIの未来を語る』・・・台湾政府の高官と  して、あらゆる面でのデジタル化を推進した。こんな人は、日本政府にはいない。いないどころか、日本政府ではそいう人材は育たないのではないか。

 『にっぽんはやっぱり虫の眼でみたい』・・・北京生れの中国人が書いた。日本全国を歩き回って、日本を眺めた。なぜか、心惹かれる。とにかく視点がユニークである。

 『キーエンス解剖学』・・・ご存知最強企業であるキーエンスの経営の風土や社風などを観察した。一読に値する。

 『日経平均10万円時代が来る』・・・レオス・キャピタルワークスで<ひふみ投信>を立ち上げ、その投信を大きく成長させた藤野英人氏が、日本株式の将来像を予測したもの。「味の素」など注目すべき銘柄を採り上げて解説している。

 『捨てられる銀行2 非産運用』・・・森金融庁長官が、以前に進めた資産運用の大改革で、銀行や証券、生保も大きく変わった。個人的には、この改革でNISAが始まったと思う。また森金融庁は、フィデリーシャリー・デューテイという概念を掲げ、金融機関に変革を求めた。これも一読に値する。

 『現実を視よ』・・・ファーストリテイリング(ユニクロ)会長の柳井正さんが”誇れる日本を取り戻すには何をなすべきか・・・”について書いた憂国の書。諸兄姉に是非お読み頂きたい本だ。

 『正法眼蔵』・・・言うまでもない、ゆらぎの永遠のバイブル。


◯趣味

 ①10年ほど前から、チェロに親しんでいる。毎月3回ほど、先生について弾き方を習っている。初めの頃は、まったく物にならなかったが、最近ではかなり弾けるようになってきた。今はシューベルトの「夜と夢」やカッチーニ゛の「アヴァマリア」などを弾いている。まままあ聞けるようになってきた。とくに「夜と夢」は、声を出して歌えるので、チェロを弾きながら歌うこともある。

 ②絵画の方は、一時水彩画に取り組んでいたが、どうにも物にならなので、諦めて今はもっぱら絵画鑑賞に専心している。ブログで「マティスを追いかけ」というタイトルで、マティスの絵について延々6~7回にわたって書き続けた。

 ③音楽、とくにクラシック音楽を愛好している。別室にアキュフェーズのオーディオ装置を置いてあるのだが、音が騒音になるのが気になって、今は遠慮している。その代わり、スマホのYouTubeで聴いている。音質の違いは、あまり気にならない。好きなジャンルは、主にクラシック。3Bとシベリウスなどなど。オペラも好きだ。気に入った曲があると声を出して歌うこともある。

 ④絵画は日本画が好きなので、東京に行くと「山種美術館」に立ち寄る。先日も「犬派、それとも猫派」と題する展示があった。可愛らしい猫の眼がエメラルド色に輝いていて興味を惹かれた。

 →写真を入れる

 ⑤俳句を詠む。「草若葉」と題したサイトに17年に渡って拙句を掲載してきた。振り返ると、比較的、初めのほうの句が良かったような気がする。

 ⑥ブログに長文の記事を17年間に渡り書き続けてきた。読んだ本の感想、政治・経済、企業経営などなどについて書き続けてきた。これも当初の方が、熱気に溢れていて「迫力」があったように思う。特に2015年10月25日に当ブログに載せた「エッセイ 言葉の力~スタンダールそしてシェークスピア」に記された記事が、その一例である。下記に、その時の文章を掲載する。
(少し、長くなることをお許し頂きたい)

     ~~~~~~~~~

  ”さてこの Happy Few という言葉がどこから来たのかということである。スタンダール自身の言葉ではない。ここにシェークスピアが登場する。いろんな研究があってシェークスピアの『ヘンリー五世』かゴールドスミスの『ウェイクフィールドの牧師』か意見が分かれている。しかし、ゴールドスミスの言葉もそもそもシェークスピアから来ているので、ここは『ヘンリー五世』に絞って話をすすめることにする。”

 ”この物語ははイングランド王ヘンリー五世の生涯を描いたもので、とくに百年戦争のアジャンクールの戦い前後に焦点を当てている。この史劇はたびたび舞台で上演されているが、とくに人気があるのが、第4幕第3場、若きヘンリー五世が一万の兵を率いてフランスに侵攻し、のちに名合戦と伝えられる戦いの直前で居並ぶ兵士たちを前に行なう「セントクリスピンズ デイ」の演説の場面である。ここでイギリス軍は勝利をおさめることになるが、味方は1万、対するフランス軍は5~6万と圧倒的に不利な戦況にあった。”

 ”そしてヘンリー五世は「今自国に残っている兵があと一万ここにいてくれたら」と嘆くウエストモーランド伯の言葉を聞きとがめ、

 ”誰だそんな事を望むのは? 従兄弟のウエストモーランドか? いやわが従兄弟よ、我々が死ぬべく運命づけられているなら、われわれだけで十分ではないか。われわれが死ぬべく運命づけられているなら、われわれだけで十分ではないか、われらの国の損失となるのは。 そしてもし生きな長らえるなら、その男の数が少ないほど、名誉の分前は大きくなるわけではないかZ? 神かけて、ただの一人も多くとは望んでくれるな・・・・”

 ”と、王は不利な状況を、発想を変えることによって、むしろ軍人たちの名誉心をかきたて、人々を先導してゆく。さらにその日が聖クリスピンの日であることに言及して、戦勝をおさめた暁には、故国に帰ってからもいかにその日が重要な記念日として人々の記憶に残り、祝われ、自分たちの手柄が讃えられるかを生き生きと描いてみせ、さらにはその古強者が記憶も新たに祝杯をあげる際には、その口から日常の言葉のように親しげに次の名が呼ばれるであろう、と言って自らの名前、王ハリーを筆頭に、名だたる名家の貴族の名前を連ねてゆく。そしてここで、50行にも及ぶこの演説のクライマックスとして、「The Happy Few 」の言葉がヘンリー王の口から洩れるのである。

 We few, we happy few, we band of brother
For he to-day that sheds his blood with me
Shall be my brother:be he ne'er so vile,
This day shall gentle his condition.
And gentlemen in England,now a-bed,
Shall think their manhoods cheap,whiles any speaks
That fought with us upon Saint Crispin's day.

 われらは数すくなき者、われらは幸福なる数すくなき者、われらははらから同胞の一団である。・・・・

 ”ヘンリー王は、ここで本来の騎士階級である貴族たちの名誉心を呼びおこすことから一歩すすんで、一介の兵士一人一人に呼びかけている。それらの者たちも共に血を流すことによって、いわば王その人の血族となり貴族に列せられる存在になるのだ、と語ることによって無名の兵士たちに選ばれた者の恍惚を味あわせ、また高き者との一体感を覚えさせる。そして何度も神の名を引き合いにだすことからわかるように、キリスト教の同胞brother 精神が溢れている。そういう精神を背景にヘンリー王は兵士たちの間に連帯感を呼び覚まし、結束を呼びかけたのである。”

 スタンダールはこの演説のセリフを目にした時、かれの眼前には自由・平等・同胞愛の旗印のもとにフランス革命軍を率いたナポレオンの勇姿が浮かんだのではなかったのか。さらにスタンダールにとってシェークスピアは常に心の友であり続けた。そしてスタンダールにとっても、文筆活動は、著作の創造を通じてみわば精神の共同体を築くものであった。「To the Hapy Few」の献辞はいわばその証としての刻印だったのである。”

     ~~~~~~

 このスピーチ全文を読んでいくと、英語力のつたない私でも、心が高揚し、魂が震えるような気持ちになる。ましてや、その場に居合わせヘンリー王が音吐朗々と語るりかけるのを聞けば、不利な戦いであっても全力を挙げて戦い抜こうと心に決め、戦場に喜んで赴くと思う。 これは”言葉の力”である。それも中身があり、かつ語る力のある言葉である。”

  ⑦男子厨房に入るの図で、たまに台所に立ち、己の好きな料理をこしらえる。中華料理や大好きな茄子の料理など・・・。

◯東京のこと~しばらくコロナ禍で足を運んでいませんでしたが、最近になってようやく出かけ始めました

 ①築地市場。これは、以前から狙っていたのですが、<多け乃>というお  店で<キンキ煮付け>を食べてきました。いや味わいました。横幅、25センチくらいの大きなキンキです。調理場の中で、おばあちゃんが一時間くらいかけて煮付けてくれました。横幅25センチくらいの大きなキンキ。箸をつけると、トロリと身がほぐれ。口中に甘みと芳醇な旨味が広がります。お酒は、濵口尚彦研究所の無濾過原酒。冷で頂きました。また来たい!

 ②山種美術館。(前述)

 ③蔦屋書店。代官山にあるこの書店へは、よく足を運びます。色んな本が、やまほどあるのですが、私はここの二階にあるバーコーナによく足を運びます。そこでカクテルをもらい、サンドイッチを食べるのが常です。そうしていると、半日くらい、すぐ経ってしまいます。

 ④神楽坂(かぐらざか)。<伊勢藤>は、創業84年の酒肆(しゅし)。今の親父(店主)は三代目かな。白鷹の四斗樽から一合を桝で出してくる。酒のあては、一汁四采。”呑み終わったら、帰れ”と言わんばかりの親父の顔を見たら、店を出る。みんな静かに呑んでいる。いい雰囲気だ。いつまでもあって欲しい! 7月に、また上京するので、また立ち寄りたい”

     ~~~~~~~~~~~~~

 そんなこんなで日が暮れる。ゆらぎには、ヒマはないのである。






コメント (4)
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