りばぁさいどらいふ

東京を流れる某川のほとりから。
ガーデニング、アウトドアなど生活を心地よくするために思うところ、備忘録、いろいろです。

「旧東海道散歩 番外編⑨ 箱根旧街道資料館

2016-04-04 07:33:00 | 旧東海道散歩
甘酒茶屋の手前にある「箱根旧街道資料館」。
今回の旧東海道散歩では立ち寄りませんでしたが、今まで何度かこの場所を訪れたことがあります。
茅葺き(かやぶき)屋根の古民家が入口です。外よりも寒く、人の気配はありません。地下へ降りるとややカビ臭い。無料ですから・・・仕方がありませんね。

目を引く蝋人形。忠臣蔵「吾妻下り堪忍袋」の一場面です。


赤穂浪士・神崎与五郎は、大石内蔵助の内命で江戸へ向かっていました。途中、甘酒茶屋で休んでいると、酒に酔った馬子の丑五郎(うしごろう)に言いがかりをつけられます。短気で有名な神崎でしたが、吉良上野介討ち入りの前の大事な時期です。「大事の前の小事」と我慢し、酒手(代金)を出し、詫び状を書き、土下座までしている神崎に、丑五郎は痰を吐いて立ち去ります。 後日、それが義士の一人であったと知った丑五郎は深い後悔に泣き伏し、江戸の泉岳寺に出向き、墓前で非礼を詫びた・・・というお話しです。

旧東海道や江戸時代の旅にまつわる展示物もあります。


江戸時代、旅人はお金はどのように調達していたのか・・・大金を持ち歩いていたら危険です。
1つは金飛脚。証文に送った人と受け取った人から印をもらって証明したそうです。
もう1つは為替制度。例えば、江戸から箱根宿にいる旅人に送金したい場合は、江戸の両替商にお金を預けます。両替商が作成した為替手形を飛脚を介して旅人へ送ります。旅人が箱根宿にある両替商に為替手形を持参すると現金を受け取ることができるシステムです。
どちらも信用第一の商売ですね。連続テレビ小説「あさが来た」の主人公あさの嫁ぎ先が両替商でした。

そういえば東海道の旅の途中、どこで草鞋を購入し、履き替えたかを細かく書きとどめた日記がありました。江戸時代にも筆まめな人はいたのですね。箱根八里では確か3回ほど履き替えていました。それほどの難所であったことがわかります。


実は今回の箱根八里越えで・・・


愛用していた靴が破れました。hekomi  
今も変わらず箱根八里を歩くのは大変です。

コメント

「旧東海道散歩 その16-④ 箱根湯本~」

2016-04-02 00:26:00 | 旧東海道散歩
美味しいお弁当を食べて復活!wink
再び石畳を進みます。

「猿滑坂(さるすべりさか)」

「新編相模国風土記行」に「殊に危険、猿候といえども、たやすく登り得ず、よりて名とす」と記されるほど、かつては危険な急坂だったようです。

県道を見下ろす脇道を進むと、「追込坂(おいこみさか)」


二子山と文庫山の鞍部、広場になっている「笈ノ平(おいのたいら)」に出ました。


鎌倉時代のお話しです。
東国の布教を終え、還暦を過ぎた親鸞は、4人の弟子と京都へ向かっていました。

「関東絵伝」より

月明かりだけを頼りに、険しい箱根の山道をを登りながら、親鸞は「我々が京都へ行った後、誰が東国の門徒を導くのだろう」と考えます。そこで弟子の性信(しょうしん)へ関東に戻って布教するようにと伝えました。性信といえば、「親鸞のいるところ必ず性信の姿あり」と云われた門弟の筆頭です。泣く泣く一人関東へ戻ることを決意した性信へ、親鸞は身代わりとして笈(修験者仏具を運ぶ箱)を手渡しました。その場所が「笈ノ平」です。

「関東絵伝」より  
horori一人、関東へ戻る性信。性信が背負っているのが笈です。

この時に親鸞が詠んだ歌。
「病む子をば 預けて帰る旅の空 心はここに残りこそすれ」

horori親鸞の辛い気持ちが伝わってきます。

笈ノ平には「箱根旧東海道資料館」と「甘酒茶屋」があります。
あまりの疲労で、以前立ち寄ったことがある「箱根旧東海道資料館」はスルーし、「甘酒茶屋」で休憩。


昨年秋の箱根ドライブで、初めてこの「甘酒茶屋」に立ち寄ったのですが、1年後まさかここを徒歩で訪れるとは・・・当時は思いもしませんでした。

江戸時代の甘酒茶屋。


大正時代の甘酒茶屋。

niko江戸時代の旅人も、大正時代の旅人も・・・この甘酒茶屋が見えてきた時の嬉しさは我々と同じだったはず。ここまで苦労して歩いてきたからこそ実感できます。

ふつう甘酒は「酒粕と砂糖」で作られますが、こちらの甘酒は、江戸時代から変わらず「米と米麹」だけで作られています。砂糖が入っていないので、やさしい甘みです。
冬の飲み物というイメージが強い甘酒ですが、実は夏の季語。

niko夏バテ回復の栄養ドリンクで、江戸時代「甘い、甘い あま~ざけ~」と売り歩く甘酒屋は、夏の風物詩だったそうです。



(ふ~!まだ、まだ、まだ続く)

コメント