新・旅日記 No.12 2009年冬の旅
ヴュルツブルクの大切な友だち
ヴュルツブルクは530年ほど前にティルマン・リーメンシュナイダーが彫刻家となって工房を構えた町です。今でも世界中で一番多くの作品をマインフランケン博物館に所蔵しているのも当然と言えば当然ですね。その博物館で1999年に夫と私はペーターと知りあいました。彼はリーメンシュナイダーの部屋の監視員をしていたのです。毎年のように訪ねるうちに親しく連絡を取るようになり、今では行けば必ず一緒にあちらこちら訪ねたり、おしゃべりしたりする時間を設ける大切な友だちです。お連れ合いのイングリッドとは最初の頃はお目にかかりませんでした。でも、この年には美味しいご馳走を作って待っていてくれるほど親しくなっていました。お二人と一緒の写真を載せておきます。
<右からペーター・イングリッド・夫・私>
お二人だけでなく、友だちの家を訪ねる度に、お部屋をきれいに整え、ガラス張りの大きな棚に美しく食器や工芸品などを飾り、お風呂もトイレもピカピカというドイツの住宅には感心してしまいます。ですから、我が家に戻ると家の中が一層雑然と見えて仕方がありません。少しずつでもこの整った居心地の良さをまねて家をきれいにしようと心がけるようになりました。
マインフランケン博物館に来る日本人がいると、ペーターはこの日に渡した『祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』を見せながら話しかけては宣伝してくれています。リーメンシュナイダー関係の記事が載っている新聞やCDなども折に触れて送ってくれるので、私は彼をヴュルツブルク特派員と呼んでいるほどです。有り難い存在です。
けれども最近、ペーターだけではなくイングリッドも足腰がだいぶ弱ってきたようなので心配です。ペーターは退職した後もときどきマインフランケン博物館で仕事をしていますので、みなさんも見かけることがあったら声をかけてあげてください。きっと喜ぶことでしょう。
※ このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015 Midori FUKUDA