リーメンシュナイダーを歩く 

ドイツ後期ゴシックの彫刻家リーメンシュナイダーたちの作品を訪ねて歩いた記録をドイツの友人との交流を交えて書いていく。

252. ティッシュが一瞬で固くなるー補聴器の世界

2021年05月03日 | 日記

▶補聴器体験の続きです。

 


あしかがフラワーパークにて 
 日本でも珍しい藤の花 八重黒竜

 

▶パチャピチャの世界

 補聴器生活を始めて12日目となりました。
 最初の頃は耳に圧力や違和感を覚えていましたが、大分補聴器の存在が気にならなくなってきました。入れたり出したりも以前よりはスムーズにできるようになってはいますが、時にはうまくいかない日もあり、その日はちょっとしたことでピーピーと補聴器が文句を言います。入れ直してもこういうときはなかなか切り直しができないのか、直りません。でもうまく入ってくれたときは、着替えで多少耳が圧を受けても全く文句を言いませんから、こうしたすっぽりはまる日が日常になると、きっと第一段階はクリアということなのでしょうね。
 それにしてもこのピーピー音、周りの人にも聞こえているのかどうか、気になります。今度うまくはまっていない日があったら夫の側で音を出して確かめてみるつもりです。

 補聴器専門店でスマホに音と音源のコントローアプリを入れてもらった後、音量は中央値「8」で外に出て電子音があまり大きく響いて驚いたことを前回書きました。
 現在、家では音量を「1」まで落として生活しています。それでも今まで全く聞こえなかった近くの時計の秒針の音、スリッパで歩くときのパチャピチャという残響音が聞こえます。試しに最高の「15」にしてみると、今、目の前にあるパソコンのモーター音まで聞こえます。ベランダに出れば、どこかの工事のモーター音まで聞こえるのです。1階に下りれば冷蔵庫のモーター音が響いてうるさいことでしょう。掃除機をかけるときはさすがに補聴器は辛いだろうと、つけずにかけています。

 この音量「1」でも、雨戸を開けたてするときはガシャガシャ音が大きく、歩くときはスリッパの残響音が響き、パチャピチャの世界となります。あまり快適ではありません。ただ、今まで何か言われているとはわかっても内容がよく聞こえなかった夫の一階からの呼び声も、ほぼ内容まで聞き取れるようになり、大助かりでもあるのです。恐らく「2」にしておけばもっとはっきりするのでしょうけれど、そうすると、食卓ですぐ右から話しかける夫の声(元々よく通る声です)がガンガン響きすぎてしまうことは実験済み。わが家ではちょうど「1」がフィットしている感じです。

 


あしかがフラワーパークにて

 

▶コンサートホールでの体験

 緊急事態宣言下ではありますが、以前から計画されていた孫のバレーの発表会が先日ありました。私は小学生の頃、貧しい家計でもバレーが習いたくて、集会所で開かれているバレー教室を窓からのぞいては家で踊っているような子でした。自分から何か習わせて欲しいと言ったのはバレーが初めてです。何度もお願いするうちに母もようやく折れ、母の願いで私と姉に習わせていたピアノをやめてバレー教室に入れてくれたのだと記憶しています。というのも、ピアノは家に練習するものが無く、今のようなエアーピアノという概念もなかったので、先生の家に行ったときだけ練習するのが関の山、あまり進歩がなかったのです。それに対して自ら進んで入ったバレーは楽しくて楽しくて、学校で踊りを披露して滑って左手首を捻挫したことを覚えています。走るのが苦手で大嫌いだった運動会も、ダンスだけは「そこのおちびちゃん、上手よ」と褒められるぐらい大好きでした。

 そんなことから孫のバレーはできれば見に行きたい。そのためにcocoaが必要だと言われて、今まであまり気が乗らなかったcocoaのアプリも入れました。補聴器は、息子の声が小さめなので音量を「2」にし、マスクはいつものように二重にかけて、喜び勇んで出掛けたのでした。ところが帰りの時間帯には雨が降ると言う予報をすっかり忘れていたのです。

 演目が始まると困ったのは音楽の音量がとても大きく響くことでした。第Ⅰ部が終わった段階でスマホの電源を入れ、音量を「1」に下げました。これで何とか落ち着きました。今後コンサートやバレーなどでは「1」が良さそうだとわかりました。ただ、休憩時間に会話をするときには周りに多くの人がいて話し声などがざわざわするため、「2」ぐらいは必要かなと感じました。

 そして孫の可愛い笑顔の踊りに満足しての帰り道、何とザーザー降りの雨! あわてて息子から傘を借り、最寄り駅まで車で送ってもらったのですが、家の近くで電車を降りたら雷まで鳴っています。ものすごい「ガシャーン!」という音が何回も響いていてとても怖かったのですが、これは補聴器を入れてなかったらそんなに大きくなかったのかもしれません。
 また、家に帰り着いたときには足もとはビショビショ。着替えて、あまりにも疲れたのですぐに補聴器を外しました。でも、この日は会場まで暑い日差しの元を歩いたので汗をかき、帰りはザーザー降りで湿度も高かったはず。それなのにはずした補聴器を乾燥ケースにしまうのを忘れてしまいました。いつもより湿気が入ったはずなのに…。あまり雨がひどいときは補聴器をつけずに出かけて出先だけつけるという対応ができるようになる必要があるのだなと思っています。何事も体験を重ねていかなければわかりませんね。

 

▶ティッシュが一瞬で固くなるー補聴器の世界

 私は目薬を付けたり、花粉症もあるのでよくティッシュを使います。不思議なことに、朝の用事が一段落してから補聴器をつけるのですが、つけた途端にいつものふわふわのティッシュがシャリシャリした固いペーパーになってしまうのです。実際使っている感じも固めになります。音は手触りまで変えてしまうのですね。とても不思議です。
 新聞もずいぶん雰囲気が変わるのですよ。パリッとした紙になってしまうのです。そして一番変わるのはポリ袋でしょうか。小さなお菓子のポリ袋でもパリッポリッととても大きな音が響きます。よほど固い物を壊しているという感じです。今まで映画館などでポリ袋をいじる人がいると「うるさいなぁ」と感じましたが、きっと補聴器をつけてだったらもっと大きく聞こえるのでしょうね。

 

▶雛の声が聞こえないかしら…という希望

 わが家には桐の巣箱があります。娘の連れ合いが手作りしてくれた2代目の巣箱です。2013年5月19日には一代目巣箱から四十雀の雛たちが巣立ちました。その様子がとても面白く、愛らしくてずっと録画していたのですが、そのフィルムをYouTubeにアップしてあります。長いので前編、後編と各8分ほどに分けて編集し、アップしたものです。以下のサイトからご覧いただけます。お時間のある方は是非のぞいてみてください。

四十雀の巣立ち 前編
https://studio.youtube.com/video/kKWxYP5onmY/edit?o=U


 そして一代目の巣箱はもう一回新しい家族が住みつき、雛が巣立ったのですが、最後の小さな雛がどうやらテグスのような糸を体に巻き付けていたようで、入口近くに入っていたヒビ割れに糸がひっかかって宙にぶら下がってしまう事故が起きました。ちょうど気が付いた私があわてて手でその糸を取り外し、物置の上に雛を乗せてあげたら、しばらくして飛んでいったのでホッとしたのでした。

 その後はなかなか入居家族が現れず、巣箱も段々傷んできたので、2代目の巣箱を作ってもらって今年のお正月に付け替えました。
 
その巣箱に3月後半あたりからときどき四十雀が出這入りしているのを三津夫も私も見ているのですが、どうもまだ雛がいるのかどうかわかりません。奈々子は先日帰省したときに「雛が鳴いているのが聞こえる」と言っていたので、「雛がいるのではないか」と期待しつつも、三津夫は「いや、僕には聞こえない。今年は生まれてないんじゃないか」と言います。私も補聴器を「6」で聞いてもすぐ近くの巣箱からは何も聞こえず、「15」にしても聞こえません。三津夫は前回まで奈々子と同じように聞こえていたので、もしかしたら奈々子は裏の家に入ったメジロの鳴き声(結構大きい鳴き声です)が聞こえたのではないかなとも思ったり…。もしわが家の巣箱から新たな巣立ちが見られれば嬉しいのですが。それが今のところの大きな希望です。





あしかがフラワーパークにて 
 ハンカチの木の花? 私は初めて見ました。

※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015-2021  Midori FUKUDA

コメント
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