水原希子が起こした波紋から考えた

　　　水原希子という米韓ハーフのモデル兼女優が、日本の中学校で受けた英語の授業について批判的な見解を述べたために、ネット上で、とことん叩かれていました。彼女は自分が教わった先生が、ｄをデーと言ったために、それはおかしいと言っただけなのですが、韓国が憎ければ在日も憎い、反日的な発言があった水原希子は更に許せない、という訳で、あきれるほど汚い言い方で、彼女をとことん口汚くののしっていました。

　　　ただ、彼女を叩いていた人たちは英語についても英語教育についてもこれといった知識などない上に、薄っぺらな反韓思想の持ち主がほとんどで、日本式発音の方が良いのだとか、カタカナ英語で良いのだとか、外人の方が日本人の発音を理解するようにすべきだとか、わけのわからないことばかり書き込んでいました。

　　　最近は自分の無知も顧みず、韓国や韓国人に対して人種差別的な発言をして喜んでいる人たちが多すぎると感じます。特に李氏朝鮮時代の風俗を見て、ひどい蔑視発言をする人の姿が目立ちます。この人たちは、メス牛の後ろに立ってメス牛がオシッコをするのを待ち構え、それをもろに頭で受けて洗髪や洗顔をして来たマサイ族に対して差別的な発言をするかと言えば、恐らくしないだろうと思います。台湾には日本が統治するまでは首狩族であった高砂族という少数民族がいますが、高砂民族に対して野蛮な奴らだと差別的な発言をした話は聞いていません。

　　　私も韓国という国は大嫌いですが、韓国が嫌いだという事と、韓国人全般を蔑視したり、差別的な観点からしか目を向けようとしないのは、話が別だと思います。それでは韓国人の醜い反日精神と何ら変わらなくなってしまうからです。最近は尻馬に乗って反韓発言を書き込み、自分の無知をさらけ出すだけに終わっている人がとても多いのです。

　　　中にはハングルなどという象形文字を使って・・などという書き込みもあるのですが、ハングルは表音文字であって、象形文字ではありません。日本には２，０００年の歴史を持つヤマト文字がる、と書き込んだ人もいますが、２，０００年前の日本にはもちろん文字はありませんし、ヤマト文字などという文字は存在しません。

　　　韓国という国や反日韓国人に反発するには、それだけの知識を備えていなければ不可能です。私の見たところでは、無知なまま感情的な事を喚き散らしているだけの人と、ほんの少しだけかじった知識で全てをしったように思い上がってしまい、深い知識を持ち、まっとうな判断ができる人たちが逆にののしられているように見えます。今や韓国の反日と日本の反韓は、大して変わらない低レベルに落ちていると言っても過言ではないでしょう。

　　　
　　　英語について言えば、私は、発音だけ良くても語彙その他が不足であれば意味がないとは思いますが、一方で外国語を真剣に学習しようとする人たちは、誰に言われなくとも正しい発音を身に着けようと努力するものだと思います。

　　　ところで、発音については日本の先生方は少々足りないものがあるように思います。英語教員養成のための学科の学生がWの発音ができなかったり、教育実習に来た女学生がｆの発音を、いくら教えても出来なかったりしました。

　　　インドネシア語専攻で、帰国子女の生徒から、英語の発音になっていないと陰で言われてしまったベテラン、工学部志望だったのが高３になって急に英語に進路変更して教師になったものの、子音止めができずに語尾に母音がついてしまう人等、様々です。中にはフランス語なまりなどという違う意味で高度な人もいましたが・・・。