金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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86:森本和子 『楽園をつくった男―沖縄・由布島に生きて』

2012-07-27 07:14:45 | 12 本の感想
森本和子『楽園をつくった男―沖縄・由布島に生きて』(アースメディア)
★★★★☆

八重山諸島の一島・砂だけでできた由布島を開拓し、
ひとりで「楽園」を作ろうとした西表正治氏の生涯を
描いたノンフィクション。
ANAの機内誌『翼の王国』で由布島が特集されていて、
参考文献としてこの本が挙げられていたのだった。

児童書としても通用するような易しい言葉で書かれていて、
わりと表面的な内容にとどまるところが多いのだけど……

西表氏と奥さんの二人が水牛車に乗っている写真で
なぜだか泣かされてしまった

栄養失調で失明しかけ、妻と10人の子どもの生活を背負う者として
子どもが可愛がっていた犬を殺して食べてしまうくだりでも
ほろりときてしまったが、妻子のために戦い続けた人の
追い求めたものが「楽園」だってところが、
美しいばかりではない沖縄のイメージともあいまって、
また泣かせる。

残念ながら絶版。


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