金木犀、薔薇、白木蓮

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映画:『土を喰らう十二ヵ月』

2022-11-17 14:46:17 | 映画の感想
2022年の映画⑧『土を喰らう十二ヵ月』(中江裕司 監督)
★★★☆☆
 
【シネマトゥデイの内容紹介】
 
作家のツトム(沢田研二)は、長野の山荘で一人の暮らしを楽しんでいた。
彼は山で採れる実やきのこを集め、畑で育てた野菜を自ら料理して味わい、
四季折々の自然を感じながら原稿を執筆。
担当編集者で恋人の真知子(松たか子)がときどき東京から訪れ、
二人で旬の食材を料理して食べる時間は格別だったが、
その一方でツトムは13年前に亡くした妻の遺骨を墓に納められずにいた。
 
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映画館にて視聴。
 
土井善晴が料理に関わっている、ということしか知らない状態で
見に行ったのだけども、タイトルにうっすら見覚えがあった。
見始めて、
「主人公の名前がツトムで、物書きで、昔、禅寺にいた」
という情報が出そろった時点で、
ようやく水上勉が原作なのだと思いいたる。
(実際は原作ではなく原案みたい。
 『土を喰う日々 わが精進十二ヵ月』はエッセイ)
 
序盤で、早くも寝かけた……。
料理やスローライフのプロモーションビデオだと思って
見るのがいいと思う。
義母が死んだり、主人公が倒れたりといった出来事もあるのだけども、
ストーリー性は希薄で起伏が少ない。
 
開始早々、歳の離れた編集者・松たか子が
おじいさんと言ってもいい主人公・沢田研二に見惚れて
「いい男ねえ」と言うところで嫌な予感がしていたのだが、
ちょっとドリームが強すぎる……。
いや、「性」の要素が入るのは別に悪くないし、
老人の域に入った作家に惹かれる40代の女性もいるだろう。
ただ、他の要素とうまくかみ合っておらず、
この男女関係だけとってつけたように浮いてるの。
 
 
「一緒に暮らそう」と松たか子を誘った主人公が、
主人公が倒れて救急車で搬送されるという出来事を経て、
一緒に暮らすことを決意した松たか子に
「自分はやっぱり人と暮らせない」と言うの、
彼女サイドから見れば「そりゃ怒るわ」なんだけど、
わかる気がする。
死がすぐ近くに迫っていることを実感して、
まだ若い彼女に介護や看取りをさせるのに
抵抗を覚えたんじゃないだろうか。
彼女は仕事もあきらめなきゃならなくなるだろうし。
 
見に来ていたお客さんの年齢層は高め。
コミカルなシーンには笑い声が起こっていた。
コメント
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