金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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映画:『Dangerous Beauty/娼婦ベロニカ』

2021-08-30 18:48:16 | 映画の感想
2021年の映画㉑『Dangerous Beauty (字幕版)』(マーシャル・ハースコピッツ監督)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

歴史を変えたのは名もなきひとりの娼婦だった―― 
激動の時代を強く生き抜いた女性の真実の物語! 
愛と感動のスペクタクルロマン

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邦題は『娼婦ベロニカ』のはずなんだけど、
Amazonは原題のまま。
サンドラ・ブロック主演で同じタイトルの映画
あるね。

1580年代初頭のベネチアに実在した詩人
ベロニカ・フランコをモデルにした映画。
どこまでが史実なのかは不明。

以下、ネタバレ注意。



どうやらヒロインの家は身分が高くなく、
お金がない、結婚しようにも持参金が払えない……
ということは序盤から示されているのだけども、
下級貴族くらいの認識でいたものだから、

身分と貧しさから好きな人と結婚できない
「実はお母さん、元・高級娼婦でした」
「修道女と高級娼婦、どっちになる?」

という超スピーディな展開にびっくり。
「転落」と思えてしまうのだけど、実はもともとの身分、
そんなに高くなかったのかな?

失恋相手のマルコが、娼婦になったヒロインに
すり寄ってくるのが腹立たしく、
結局彼に心をささげてしまうヒロインにやきもき。
恋人になったからといって、
妻として迎え入れるわけでもなく、
援助すると言っても生活を背負うつもりもないのに
「他の男と寝るな」
と言いだすマルコに「ハアア~ッ!??」としか思えず、
ヒロインの苦悩にまったく共感できない。

マルコ、口では彼女を助けたいと言いながら
安全圏から
「頑張ったけど、無理だったよ。ごめんね~」
と言うだけだろうと思ってたから、
終盤はちょっぴり見直した。
大臣が立ち上がってくれたのを皮切りに、
男たちが義理を通したのは映画としては盛り上がるんだけど、
実際は娼婦を見捨てたんだろうな~と思っちゃう。

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292:高殿円『剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎』

2021-08-30 14:41:23 | 21 本の感想
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

戦国の世、井伊家を背負って立った女がいた

徳川四天王・井伊直政の養母、直虎。
彼女は先を視る不思議な力を持っていた。
戦国の世に領主となった女の熾烈な一生を描いた渾身作。

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だいぶ前から積んであったもの。
初出が2011年なので、大河ドラマよりだいぶん前。

ヒロインは大河よりも賢く冷静で、
全体的にウエットな感じが少なく、好感が持てる。
直親は設定上どうしてもこうなるわなぁと言うダメっぷり。 
政次は、ここでも報われんやつやの……。

「実は~の思惑通りだったのだ!」系の歴史ものは、
当の人物が史実上何事も成していないために
無理やり感が漂うことが多く、
これもそうだったけど、
ヒロインの名や能力といったオリジナル要素は、
家紋だったり政次との関係性としっかり絡んでいた。

大河よりだいぶん史実寄りの印象で、
井伊家の勢力の規模や、登場人物の年齢差で、
「ああ、そうだったのか」と思うことが多かった。
奥山家の姉妹、あちこちに嫁いでいるから、
実際こういうネットワークはあったのだろう。

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