Rechtsphilosophie des als ob

かのようにの法哲学

2016年度刑法Ⅰ(第05週)法令行為(練習問題)

2016-05-06 | 日記
 第05週 法令行為・正当業務行為、被害者の同意(練習問題))
(1)基本問題1
 内容が正しければ○を、間違っていれば×をつけなさい。

 法令行為・正当業務行為
1Aがコンビニで商品を盗んで逃走した。それに気づいた店員Bは、走って追いかけ、Aを捕まえた。逮捕罪の構成要件該当行為は、「法令行為」ゆえに、違法性が阻却される。(   )

2ボクシング部のAは、スパーリング中に、相手の同部員Bの腹を殴った。この暴行罪の構成要件該当行為は、正当業務行為ゆえに、違法性が阻却される。(   )

3医師Aは、救急患者Bに輸血しようとしたところ、Bが信教上の理由からそれを拒んだ。Aは、有無を言わさず、輸血し、Bの命を救った。その行為は傷害罪の構成要件に該当するが、治療行為ゆえに、違法性が阻却される。(   )

4取材の自由や報道の自由は、憲法で保障された権利であり、また国民の知る権利を実現するものであるので、何をやっても許される。(   )


 被害者の同意
1いわゆる偽装心中の場合でも、判例によれば、被害者の同意は有効である。(   )

2被害者の同意がある場合、たとえ反倫理的な目的や犯罪目的を達成するような場合でも、判例は、違法性を阻却する。(   )

 自救行為
 Aは1週間前に自転車を盗まれたが、Bがそれを乗っているのを見つけ、返すよう迫った。Bが拒んだため、AはBを押し倒して、自転車を取り戻した。Aの行為は、自救行為ゆえに正当化される。(   )

(2)基本問題2
1法令行為として違法性が阻却される例をあげて、その根拠を説明しなさい。








2正当業務行為として違法性が阻却される例をあげて、その根拠を説明しなさい。










(5)基本問題5
1被害者の同意が犯罪の成立に与える影響について、いくつか種類に分けて論じなさい。





2推定的同意とは何か。説明しなさい。結果的に同意が否定された場合、どのように扱われるか。例をあげて論じなさい。





3自救行為とは何か。具体的に説明しなさい。




(6)応用問題1
 教師Aは、生徒Bが暴れ、殴りかかってきたので、「お前の将来を思えばこそ」と叫びながら、Bの頬を数回叩いた。Bは、「こんなに親身になってくれる先生は初めてだ」と感動し、見違えるような真面目な生徒に生まれ変わった。Aの罪責を論じなさい。

・事実関係
 AはBの頬を叩いた。


・問題の所在
 Aの行為は、暴行罪の構成要件に該当するが、違法性が阻却されないか。


・違法性阻却の要件
 学校教育法11条では、生徒の違反行為に「懲戒」を加えることは許されるが、「体罰」は禁止されている。従って、ビンタは「体罰」にあたるので、法令を理由に違法性阻却を認定することはできない。では、教師の身の安全、授業の正常な運営の維持・回復のためにビンタを行なうことは許されるか。それは、不正対正の関係にあるので、正当防衛として論ずることができそう。である


・正当防衛の要件のあてはめ
 急迫不正の侵害

 自己または他人の権利の防衛

 防衛の意思

 やむを得ずに行なった行為


・結論




(8)応用問題3
 リサイクルショップの店長Aは、ホームページで、防犯カメラに映った万引き犯Bの顔写真にモザイクをかけて、24時間以内に返さなければ、このモザイクを外して、公表すると通告した。Bは怖くなり、すぐさま盗んだ商品を返しに行った。Aの罪責を論じなさい。

・事実関係





・問題の所在






・要件






・あてはめ






・結論