１時間ほど、打ち込んだのに、わずか、０・２秒で、画面から消えてしまった原稿を、再び、気を取り直して、打ち始めたいと思います。
「ラジオ深夜便」に、俳優としての稀代の名前、髙倉健の「養女」、小田貴に、なにゆえか、月をくっ付けて、本を出した宣伝で、インタビューに応じた、５５歳の、旧姓・河野貴(かわの たか)。
局舎に訪れた、ＮＨＫには、貴倉良子(たかくら りょうこ)、ないし、涼子という芸名を持った時代に、
「今朝の秋」という名作ドラマに出演。良い演技を、魅せた。観る価値が、あるほどだった。
スタジオで相対し、聴き手は、第１弾で書いたように、迎康子(むかい やすこ)。
突っ込まずに、受けて、流れを創る。
すでに、６９歳、インタビューの中では、まったく触れていなかったが、彼女、髙倉健が、小田剛一(たけいち)として、上京するまで暮らした産まれ故郷、筑豊地域をエリアとする、北九州放送局に、長らくアナウンサーとして、勤務していた。
時代は違うが、川筋の人間が生きた、筑豊地域の持つ、まだ、かすかに残る気風は肌身で知っていたはず。
小田貴のハナシは、本の中身に沿って、進む、
真偽はともかく、外国で知り合い、世田谷区瀬田１丁目の、小田の家で、家政婦の如く、彼に接する。
プライベートは知らせない俳優・髙倉健と、言いつつ、ペラペラ、楽しそうに、プライベートの日々を、話してゆく「養女」。
とある、くだり。
「おだ ごういち」としては。「おだ ごういち」さんは。
ん？ は？
本で「おだ ごういち」とフリガナ付けられていたが、本当に、彼の本名を・・・・・知らないままの「養女」という、不可解さ、あり得ない不思議さ。
つられるように、迎康子も、「おだ ごういちサンは」と、聞く。
百歩引いて、戸籍謄本や、戸籍抄本では、フリガナまで記入されていないことが、普通、ではある。
だが、住民票を取れば、通常、各市町村で、多少の違いこそあれ、名前に、フリガナも、記載されている。
自称、１７年。小田の、晩年でも良い。
２人もの弁護士まで介在して、書面作成の手続きを重ねたというのに・・・・、
知らせないまま、息を引き取る、こと切れるなどと言うことが、あり得るであろうか・・・・。
２人は、愛が互いに、あろうとも、無かろうとも、あの、想い出の詰まった大きな家の屋根の下で、暮らしていた・・・ようだ。気にいられるような、食事を作り、帰宅を待ち続け・・・・・・・。
ソレを、このように、他界して半年ほどで、おだたけいちの荷物を残したままでも、ゴミとして、このように、破壊・・・・させることが出来るであろうか・・・・。
さらに、「小田」という、表札が貼り付けられていた
裏木戸のような、木戸の横に有った、表札も、
彼女だけは、実は、離れて、ココに住んでいたのか？
ソレにしては、電気使用量が、ゼロに近かったが。
小田が老いた時、将来、賃貸で貸そうと想っていたのか、奥も含めて、２軒の家の前に貼り付けてあった「小田」という表札が、
剥がすという表現を越えた、深く、深く、削り取るという、怨念のこもったとしか思えない行為に、私は、写真を撮りながら、その姿を想像し、心が恐ろしさで、震えた。
今、彼女が名乗っている「小田」という、姓。
そのままにして、何ら、不都合の無いはずなのに・・・・。
住んでいなくとも、郵便物などの必要性があるはずなのに・・・・。
そんなに、嫌か。そんなに、嫌いか。
「小田」が。
一時期にせよ、有ったはず・・・・と信じたい「愛」「愛情」が、どの時点で、怒りや、恨み、憎しみ、怨念にまで昇華してしまったのであろうか・・・・・。
法的に名乗っている「小田」という姓が・・・・。
すでに、書きもしたが、鎌倉霊園の墓、水子地蔵、
ゴミのように、「産業廃棄物」として、捨て去られ・・・・
おだたけいちの、骨までも、どこかに、捨てられて、この世に、カケラも無い。
高級外国車、プレジャ－ボートの、二束三文の売却。
国内外の別荘地と、広大な土地・・・・・。
そこに、愛は……本当に、本当に、あったのであろうか・・・・
カネなんか越えた、恨み、怨念。
力の限りを込めて削り取られた、表札、２つ。
たかが、表札。されど、表札。
その、秘めた、想いに馳せると
今も、この身が、震えてならない
