《 2016・2・2 掲載 》
誰しもが、1度は経験しているのでは、なかろうか?
不審な、怪しい電話が、掛かってきたこと。
事前に、さまざまな処置を施していても、そのすき間を縫うようにして 自動的に、安易に受けないシステムにしているとはいえ、相手の声すら、まったく出てこない。
なんだ、こりゃ??
仕事の手を休めて、リダイヤルしてみる。
平日の、日中。会社か? 怪しげな、詐欺まがいの売り込みか? 新手の、オレおれ詐欺か?
ところが、なんともおかしな反応の、機械的アナウンスが流れた。
「フリーコールを、ご利用くださいまして、ありがとうございます。こちらは、0120-974-878です。ただいま、おつなぎ出来ません」
それだけ流れると、ブツッ!と、切れた。
な、なんだ? フツー、社名くらい流すだろう。また、〇〇なので、おつなぎ出来ません、という、理由を告げるのが、フツーであろう。
この番号。消さないでおいて、あらゆる時間帯に掛けてみる。
午前中、深夜。午後。いつも、おんなじアナウンスが、呼び出し音もなく、すぐさま流れて、そして一方的に切れる。
つまりは、24時間、365日。この手口というわけだ。
何も電話機に策を講じていない老人なら、電話口に、ついうっかりと出てしまいかねない。
それが、オレおれ詐欺、特殊詐欺につながる可能性は、極めて大きい。
ニュース、報道、呼びかけ、イベント、駅頭などで、防止策をここ数年、呼び掛け続けているにも関わらず、被害額たるや、年々、巨大に膨れ上がってきている。
軽く検索しただけでも、2014年の総被害額は、559億4354万円。
なんと、単純計算しただけで、1日あたり、1億5327万円にもなる。
怖ろしいのは、前年の2013年より、70億円も増えているということだ。
一体、全国の警察は、ナニをやっているのであろうか!
この流れでいくと、昨年で、600億円を突破しているはず。
最寄りの、オレおれ詐欺相談窓口に、電話してみた。なにしろ、昨年も、そして今年に入ってからも、上記の電話番号から、しつこく掛かってきていたもんで。
ところが、その対応ぶりに、あきれ果てた。
「フリーダイヤルでしたっけね。それで、詐欺やろうって言う人は、いないと思いますよ」
最初っから、違うという思い込み。電話番号を私に聞いて、調べてみようとする気は、ハナっから無い気配。
詐欺犯は、次々と警察が予想だにしない手口で、老人の財布から、巧妙にだまし取っていっているというのに・・・・・・。
だから、年々増大してゆく。追いついても、いない。突き放されっ放し
被害があってから、重い腰をやっと上げる。
未然に防止するという気概すら、見受けられない。このていたらくさ。
では、と。
この電話番号を、追跡。
なんと「フリーダイヤル」という言い方をするのは、NTTコミュニケーションで、「フリーコール」という言い方を使うのは、KDDIと判明。
そして、KDDIには、発信専用、受信は一切せず。私が受けて聴いた手口に使えるものがあるのだという。
名付けて「フリーコールS」。
個人契約だと、契約金1000円。月額基本料も、わずか1000円で済むのだという。
それで、一方通行の電話を掛けられる。なかば、詐欺犯の温床。
フリー、犯罪「自由」自在、か。どうぞ、自由に、お好きにお使い下さい、かよ。
この数年にわたる事情を説明し、「これ、オレおれ詐欺に使われる可能性、とても大きいんじゃありませんか?」と尋ねると、
「う~ん・・・・・お話しをうかがっている限り、確かにそうですね」
では、この電話番号の「フリーコールS」の契約者名を教えてください。と言うと、「それは、出来ません。契約者様の情報は、お教えすることは出来ません」
「契約者様の名前、会社などの名称。さらに、所在地などがわかっていれば、可能性は無いとは言えませんが・・・」
それが分からないから、それを知りたいから、こうして問い合わせているんじゃありませんか!と言っても、のれんに腕押し。
ヘタをすると、KDDIは、犯罪に手を貸しているかも知れないんですよ!
そう言っても、ダメだった・・・・・。
ネット情報を見ると、掛けてきた相手は、「ネット・トレイン・サービス」と名乗るものの、いずれも極めて怪しい話しぶりであったとの記載が続いていた。
はたして、この会社が、この手口を使って、全国各地に怪しげな電話を一方的に掛けまくっているのか、どうか?は、私がまだ直接聴いていないので、即断は出来ない。
個人情報が、闇から闇へと、深く、音も無く、売られまくる時代。
背筋が凍った。
今日も、たった1日で、1億7233万円が、詐欺被害にあっている現実。
「特殊」のすぐれた頭脳に、追いついていっていない警察知能。未然防止までは、する気すらない対応。
自分の安全は、自分で守るしか無いことを、改めて寒空のもと、痛感した。