五郎丸歩(ごろうまる あゆむ)という名前を知らされても、?という人でも、左上の写真を見たら、「ああーっ」と、思わず声を出して、思い出す人が多いだろう。
なにしろ、お間抜け発言をしてしまうことで有名な森泉でさえ、
「ほら、ほら、何だったっけえ・・・・お舟みたいな名前のひと」と記憶されてたぐらい、誰にも知れ渡っていた。
彼、このポーズで一躍有名になり、転がり込んだテレビコマーシャルの数、なんと6本!
マネージメント会社が切り盛りし、概算2億円近くが彼のフトコロに入ったと言われている。
おまけに、んな物品まで、あらゆるものが売り出されており、フトコロ、がっぽがっぽ。
そのくらい、2015年ラグビーワールドカップで、ラグビー日本代表が、誰もが予想だにしなかった南アフリカ相手に、僅差の、34-32という、逆転勝利をもたらしたことは、インパクトがあったと言って良い。
彼起用で、年々目に見えて減っていく観客が、引き戻せるとソロバン勘定もした、スーパーラグビーチームの「レッズ」が、五郎丸と選手契約。
メインのゴールキッカーが、他チームに移籍して去ったために、五郎丸に期待を寄せたのだが・・・・・・。
ところが、五郎丸。ケガ以前に、とんでもない不調におちいり、ベンチを温めるどころか、クビの皮1枚同然で、練習に明け暮れる日々。
さらに、移った「RCトゥーロン」でも、出番なしに等しい状態。
そんな絶不調の状態は、日本ではまったくニュースになることは無く、五郎丸にとっては、コマーシャルが流れることにより、知名度が消え去ることはなかった。
不幸中の幸い、というべきか。
欧州ラグビー界の、試しのイベント、「10人制ラグビー」の試合に、抜擢されて、少し出場。
ところが、蹴りの腕も、テクニックも錆び、つい1年半前の活躍ぶりは、どこに消え去ったの? というひどさだった。
パワーも、スピードも、キレも、何も無し。
試合に出られないということは、こんなにあらゆる勘が、鈍り、錆びついてゆくもんだということを、彼を見て、痛感させられた。
もはや、海外では通用しない選手と言う烙印を押され、残る活動の場は、日本にしか無いと言う厳状に。
すでに、今年アタマには、選手契約解除とともに、日本に戻ってきて、古巣の「ヤマハ発動機ジュビロ」に頭を下げて契約させていただくしかない状況、という裏事情を聞いていた。
もはや「日本代表」に、出戻る余地は、99パーセント無かった。
15人制日本代表チームのディレクターである薫田真広も、「五郎丸? うーん・・・・今の状態では、厳しいな。32人のノミネート枠にも、とても入れるとは思えない」
というほど。
トゥーロンに、再契約の意思無しを確認し、家族して日本に舞い戻って来た五郎丸歩。
取材結果の情報通り、7月1日付けで、ヤマハと「プロ選手契約」をして、同3日に記者会見を行ない、古巣に合流した。
この時、いまだ取り戻せない、かつての動きを、自ら不安視していることを、正直にもらしていた。
なお、契約期間は1年。契約金は、年俸3000万円前後と推定される。
喰うには困らない金額ばかりか、コマーシャルの大金もまだ残っている、金持ちキッカー。
日本代表にはすでに度外視されたが、もうひとつの日本代表チームともいうべき「サンウルブズ」では、53人枠もあり
「ただいま、出ていただけないものか、交渉中です」とのこと。
昔の名前で出ていますの、客寄せパンダになれるかどうか!
それもこれも、ひっくるめて本日8月18日に開幕する、「2017-2018 トップリーグ」における活躍ぶりに、掛かっている。
試合に1年半近く、まともに出ていない、フル出場させてもらっていない、ということは、心身共に、どういうことになっているのか!?
試金石ともいうべき、例年北海道で行なっている、ヤマハの夏合宿では、どんなだったのか?
人気、知名度、まだまだ、コマーシャル流れているせいもあり、おとろえず。
五郎丸の動くところに、色紙有り、カメラあり。
はい、並んで握手。650人もの観客が、平日にもかかわらず、詰め掛けた。
で、練習試合での動きは。
7月17日、対近鉄。59-20で勝利。
後半出場した五郎丸。緊張していたのか、完調にはほど遠く、ゴール(コンヴァージョン)キック、立て続けに2本、失敗!
3本目に、やっと成功した。
なお、今シーズンは、五郎丸。拝みポーズはやめた。
昨シーズンは五郎丸という、それまで頼みの綱だったキッカーがいなくなっても、ヤマハは選手層の厚さと、若手が伸びてゆき、最終的にトップリーグ2位。
たった1敗の差で、サントリーに優勝旗をゆずった。
昨シーズンは、メインのキッカーとフルバックには、外国人のゲラード・ファンデン・ヒーファー(写真左上)が、出戻りの五郎丸以上の正確度で、ゴールポストに、ガンガン蹴りこんでいくし、果敢にトライも挙げていっていた。
正規キッカーが、どちらになるのか、シーズンに入ってからの、激しい争いになるだろう。
7月21日に行なわれた、対NTTコムも、47-5で一蹴。
五郎丸は、ゴールライン前に、きれいにタッチキックや、ゴールキックを、2本づつ成功させ、不安視させていた仕上がりを消し去った。
次の7月26日、対キャノン戦も66-7と、チームの仕上がりも良好。
五郎丸のゴール成功率も上がってきており、ゴールライン手前まで蹴りこむタッチキックも、精度が少しずつ上がりつつある。
その後、静岡県磐田市に戻ってからの、7月29日の、栗田工業相手に、59-17。8月4日の、対コカコーラには、42-12。
調整も兼ねた最終練習試合、ヤクルト戦には、49-3と、全試合勝利。
だが、近々の3試合に、五郎丸がどのようなプレイをみせたのかは、知らせず。
そして、本日、8月18日。
愛知県豊田市で、トヨタ自動車と、今シーズンの初戦を、午後6時から行なう。
五郎丸は先発出場する。 ライバルとなるゲラード・ファンデン・ヒーファーも先発する。
競い合いがどんなカタチを、もたらすか?
昨シーズンは、トヨタに優勝を争う今年1月14日。27-8で、五郎丸不在でも、競り勝っている。
ヤマハのヘッドコーチは、堀川隆延だが、その上に位置する「監督」は、清宮克幸だ。
そう、あの清宮幸太郎のパパ。
公式戦での本塁打、たった27本しか打ててない息子だが、今はまだ、知名度抜群。
このパパ。
同じ実力の選手だと、情実優先する性格なもんで、トップリーグの後半戦。どちらをゴールキッカーとして優先起用してゆくか・・・・。
出戻り五郎丸の、試合勘、どの程度戻していけるか。
ま、見守りましょう!
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《 2017・8・18 試合後 記 》
雨が降る中、トヨタ自動車との試合、開始された。
やはり、五郎丸、出戻り復帰戦を、この眼で見届けたいという人が多かったのであろう。
観客数、2万7871人。
ラグビーの試合としては、とても多い!
試合は、14―11で、辛くもヤマハが逃げ切った。
だが、五郎丸。スローフォワードや、ノックオンなど、基本的反則をしてしまった。
信じられぬ、ミス連発。
堅くなったか、復調、まだまだ、か・・・・・・。
雨は、試合途中で止んだ。
ゴールキッカーは、開幕戦は五郎丸にまかせ、1本、蹴りこんで成功。
夏合宿でも、良い結果を出していたタッチキックは、うまくいったが、トライは1本も取れず。
逆に、ライバルとなるはずの、ゲラード・ファンデン・ヒーファーが、見事なトライを挙げた。
これは・・・・・・・。
苦しい、苦難の道を、五郎丸は歩む、ことになりそうだ。