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映画『ボーダー 二つの世界』:ティーナは、トロールの両性具有の子供を、尻尾をつけたまま、人間世界で育てることができるのか?

2019-11-12 01:36:00 | 日記
※ 『ボーダー 二つの世界』Grans(2018年)スウェーデン・デンマーク合作

(1)醜い容姿の税関職員ティーナ。彼女には、人間の感情を嗅ぎ分ける特殊な能力があり、違法な物を持ち込む者を摘発できた。だが彼女は孤独で辛い生活を送る。
(2)ある日、彼女は勤務中、奇妙な旅行者ボーレ(男)と出会う。ティーナは、ボーレに対し本能的に何かを感じる。ティーナは彼を自宅に招き、離れを宿泊先として提供する。彼女は次第にボーレに惹かれていく。
(3)二つの世界とは、人間世界とトロール(妖精)世界だ。人間はかつてトロールを捕獲し研究標本とし、ほとんど絶滅させた。実はティーナとボーレはトロールの生き残りだった。
(4)二人は、人間世界に適応させるため赤ん坊の時、人間によって尻尾を切り取られた。またトロールは両性具有だ。ボーレは、外見は男だが、定期的に子供を産む。その子供は、無受精のためしばらくして死ぬ。
(5)ティーナは、ボーレからトロール(妖精)としての生活を教えられ、同じトロールとしてボーレに心を開いていく。ティーナは女性だがペニスを持ち、ボーレは、外見は男だが膣を持つ。二人は性交し、やがてボーレは有受精の子供を産む。
(6)ボーレは、「父母トロールが人間の実験・拷問によって殺された」とティーナに告げ、人間への復讐を目指す。ティーナは復讐のためとはいえ、「直接的なトロール絶滅行為に参加していない人間」に残酷な復讐をすることに反対する。
(7)警官に追われボーレは逃亡し、ティーナから去る。だがしばらくして、ティーナの自宅に、ボーレが生んだ有受精の子供(トロール)が届けられる。ティーナはその子供を自分の手で育てようと決意する。

《感想1》映画でのトロールと人間の問題は、一般化すれば、征服されたネイティヴの民族(少数民族)と征服者の問題だ。トロールは少数民族として絶滅の運命にさらされている。
《感想2》ボーレは、トロールとして人間への無差別の復讐を目指す。ティーナは、「直接的なトロール絶滅行為に参加していない人間」に残酷な復讐することに反対する。
《感想3》ティーナは、トロールの有受精の子供を、尻尾をつけたまま人間世界で育てることができるのか?トロールの両性具有を人間世界で法的社会的に受け入れさせることができるのか?彼女は、困難な道を歩もうとする。

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