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「歌と物語の絵」展(泉屋博古館東京)2024/07/13:『源氏物語』北山の垣間見・『平家物語』大原御幸・『竹取物語』かぐや姫・『伊勢物語』高安の女・『是害坊絵巻』さらに月神「嫦娥or姮娥」など!

2024-07-13 23:27:55 | 日記
★「源氏物語図屏風」(江戸時代17世紀):①第5帖「若紫」北山の垣間見・若紫との出会いの絵では赤い色の着物をきている女の子(若紫)がかわいい。②第9帖「葵」の車争いの場面はリアル。六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)の牛車が葵の上(あおいのうえ)の従者たちによって破壊される。


★「大原御幸(おおはらごこう)図屏風」(桃山時代16世紀):『平家物語』の一場面。壇ノ浦の戦いで、平清盛の娘であり高倉帝の中宮であった建礼門院は、幼い我が子・安徳帝とともに入水するが救出され命を長らえた。その後、大原の寂光院で平家一門を弔う余生を送る。そこに、平家を滅亡させた影の陰謀家・後白河法皇が訪れる。法王の訪問を知らず花を摘む黒い服の建礼門院があわれだ。


★「竹取物語絵巻」(江戸時代17世紀):①美貌のかぐや姫に求婚に訪れる貴公子たちの一人が、築地の破れから邸の中を覗き見る。(何とも滑稽!)②かぐや姫が月に帰るとき、迎えに来た月の女官たちが20人位いて、かぐや姫は非常に高い身分だと分かる。


★「伊勢物語図屏風」(桃山から江戸時代17世紀):第23段「筒井筒」の「高安の女」の絵がなまなましい。(高安の女は初めこそ奥ゆかしくしていたが、今は慣れ親しみ、自分でしゃもじを手にとり米飯を器に盛るのを見て、男は幻滅し、その後行かなくなった。)

★重要文化財・伝土佐永春(ながはる)「是害坊絵巻」(ぜがいぼうえまき)(南北朝時代14世紀)唐の天狗「是害坊」が日本にやって来て、比叡山の僧との法力(ほうりき)競べ に敗れて怪我をし、日本の天狗に湯治などの介抱を受けて回復、送別の宴まで開いてもらい帰国する。『今昔物語』に取材した絵巻。天狗は、上半身は鳥で顔は鋭いくちばしを持ち、また翼を持つが、更に人間の腕も持ち上下半身は人間と同じだ。日本・中国関係なく天狗同士が助け合うのが愉快だ。


★上島鳳山(うえしまほうざん)「姮娥(じょうが)《十二ヶ月美人》のうち八月」(1909)嫦娥or姮娥(じょうが)は、英雄で弓の名手(1つだけ残して9の太陽を射落とした)だった夫の后羿(こうげい)を裏切り、后羿が西王母からもらい受けた不死の薬を盗んで飲み、月(月宮殿)に逃げたが、その後、月神となった。(ヒキガエルになったとの説もある。)鳳山の描く「嫦娥or姮娥」はたしかに「美人」だ。
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