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藤圭子(1951-2013)「ネリカンブルース」作詞若杉嵐、作曲不詳:悪夢の中で君は喧嘩をし続ける!バカげた永遠の悪夢=現実!

2019-03-24 14:11:58 | 日記
 「ネリカンブルース」

身から出ました錆ゆえに、夢を見てさえ目がにごる
恨む親でも有ればいい、一人生きてく世が寒い

曲がりくねった道だから、ひねくれ根性で歩いてた
俺も人の子人なみに、過去もあります傷もある

殺したいほど惚れたのに、好きと言えずに言われずに
別れて今夜も酒を飲む、あいつの小じわが気にかかる

金で昔が買えるなら、堅気(カタギ)になります稼ぎます
殴って夢が覚めるなら、なんで喧嘩をするものか

人の不幸を聞き流し、笑うこの身はろくでなし
ひとでなしよりまだいいが、こんな男に誰がした

《感想1》「身から出た錆」。彼は、責任を自分で取る。偉い。潔い。
《感想1-2》「夢を見てさえ目がにごる」のが悲しい。夢さえ濁る。中原中也が、「悲しみ」が「汚れちまった」と詠(ウタ)うのに似る。
《感想1-3》「有ればいい」のは過去の懐かしい親、あってほしかった(イデア的)親、つまり幻の親だ。現実の親は色々だ。Cf. DVの親、ストレスを弱い子供の虐待に転化する親もいる。(Cf. フロイト:無意識の防衛機制「攻撃」)
《感想1-4》「一人生きてく世が寒い」。しかし彼は、生きねばならない。何があっても生きる。「死んで花実が咲くものか」、「命あっての物種(モノダネ)」と言う。

《感想2》なんとつらい「曲がりくねった道」!根性もひねくれる。悲しい現実だ。(Cf. マザーグースの“a crooked man”!)
《感想2-2》「俺も人の子人なみに」と彼は、自分を卑下する。誰にも《承認欲求》があり「いい人に思われたい」、「全ての人に好かれたい」と思う。他人の評価が重大だ。他人たちが彼をいつも侮蔑し攻撃すれは、彼は「ひねくれ根性」になる。過去は、傷ばかり。嫌な奴ばかり。

《感想3》なぜ彼は、「好き」と言えないのか?①彼はすでに性格が「ひねくれ」ている。例えば、女は「人格」でなく性欲のはけ口(「物」)にすぎない。②彼の場合、金の入手方法が危険・犯罪的・不安定で、平穏な家庭生活など無理だ。
《感想3-2》人は、善の面も持つ(Cf. 孟子「惻隠の情」)。だが普通、カネへの欲望、メンツへの欲望、支配への欲望、生存への欲望等が、善の感情(善への欲望)(Ex. 「あいつの小じわが気にかかる」 )より優先する。

《感想4》「昔」は変わらない。彼は「昔」を背負う。誰もが彼を「昔」のレッテルで見る。金で「昔」を買うことができない。「昔」をどの店も売ってない。インターネットでも買えない。バカバカしい。「昔」が彼を縛る。呪縛だ。嫌な「昔」だ。
《感想4-2》この現実は悪夢だ。いくら殴っても悪夢が終わらない。悪夢の中で君は喧嘩をし続ける。バカげた永遠の悪夢=現実。

《感想5》彼は自分が、「ろくでなし」だが、「ひとでなし」でないと言う。彼は人の不幸を「聞き流」すが、人の不幸を望まない。人の不幸を望んだら「ひとでなし」だ。
Cf. もし、どこかの国の首相が「こんな連中」は邪魔者だから殺してしまえ(不幸になれ)と言ったら、彼は「ろくでなし」でなく、「ひとでなし」だ。
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