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King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

夢から覚めるとき『インセプション』

2010年08月30日 01時37分25秒 | 映画
この映画を見たのには理由があります。

ディカプリオがきて、渡辺謙とプロモーション
したり、かなり大々的に宣伝したのに、あまり
以前のディカプリオ映画ほどの評判が聞こえて
こないばかりか、いつもの金曜夕刊の映画評でも
星三つだったのです。

テレビでのインタビューや評論家の話でも夢の
話で、なんとも話している内容が心許ないのです。

ディカプリオ映画自体は、ブラッドダイヤモンド
からアクションも主人公の精神面も演じられる俳優
になったと注目の人でした。

ただし、今回はあまりに予告の絵が作り物であり、
最近のCGバリバリの映画と思ってしまっていました。

ですから、あまり見にも行く気がしてなかった
のですが、深夜のランキング番組でめちゃくちゃ
この映画だけ高得点だったので気になってしまい
見る事になったのです。

そして、もう既に映画館では夜一回しかやってない
状況で、日曜の夜に見て来ました。

結論としては、すごい面白かったです。

最後、こまを回す意味とかどうとるかで映画も
違ったものに映るでしょう。

私は、エンドロールの途中でそうだったのかと
解り面白みがずっと増しました。

最初はとにかく話がなかなかつながらず、そんな
解らないまま話しを進めて後から説明して、どう
最後あの最初のシーンに繋がるのか、なんで夢の中
銃を持った敵が出てきてそれと戦わなくてはいけない
のかとか、見ていて考える事が多くて他の人は話に
ついて行けるのかと思ってしまいました。

とにかく、同じ夢に入って行くシステムとか仕組み
とか、アイディアを人の頭の中で盗むと言う説明も
映像で説明されているままではなんとなく理解しても
実際それがビジネスになるのか、そもそもアイディア
がその人の深層心理とか潜在意識の中に完全な設計図
なり、文書なりをどうコピーしてくるというのでしょう。

そんなこんなで色々詮索も出たり駄作だと騒ぐ人も
いるのでしょう。

私はエンドロールを見終わってそういうことかと
気がついてそれから色々思い返したりしてすっかり
堪能してしまいました。

それと最初字幕版を選んだはずなのに吹き替えで
はじまり、どうしてと思ったら最初は日本の設定で
日本語始まりだったのです。

それにしては建物とか渡辺謙の衣装とか新幹線に個室
があったり、日本シーンは渡辺謙が出ている割に外国
の日本と言う感じがしました。

それでも、最近こういう経験をした事がなかった
だけに堪能しました。映画ってこうじゃなくちゃね。
星四つです。

『劔岳 点の記』

2010年03月23日 09時59分42秒 | 映画
遅ればせながら日曜日にみたのでちょっと
書いてみたいと思います。

せっかく地元に来たことと、監督の木村大作氏
自らが自作を語るトークショー付ということで
ライブを重視する観点から出かけました。

自主制作の映画であり、全て生でとった本物で
あることを強調されていました。

スピーチはマイクを使わず生声で行われました。

その方が伝わるとの事ですが、実年齢以上にエネル
ギッシュな講演でした。

映画は、自主映画と言いつつ日本を代表する俳優陣が
出演し、映像の力を前面に出し下手なせりふで見せる
ものでなく、自然の美とか山の持つ力とか人間の行動
とはと考えさせるものでした。

ただ、原作にない部分は原作を読んでいるだけに妙に
鼻につきました。

私は、同じ役人でも下に見られて温泉に泊まれなかった
エピソードや信仰の山というところをもっと見せてもらい
たかったと思います。

当時の山に登るとか山に生きるということがどう言うことか
描かれていないとそれぞれの行動で達成する意味という
テーマが弱くなってしまうように思いました。

猟師が出てきたのはそんな意味では成功な部類で、他にも
鉱物を求めて探索をしていた人など原作では出てくるので
そこらへんも織り込んでもらいたいと思いました。


『ハートロッカー』の中毒になるとは

2010年03月08日 12時06分47秒 | 映画
昨日は、雨の日曜で午後には雪になるという予報でした。

土曜日は、雨の中いつもの公園を走りましたので、ふつか
つづけて雨の中の走りもいやなので映画を観に行くことに
しました。

土曜の日経夕刊の映画評欄でまたいつつ星評価の映画が
ありました。

テレビでも色々紹介された『ハートロッカー』です。

そうなるとこれは見に行かなくてはいけない映画のひとつに
なっていたのですが、いざ公開となり調べると近くの映画館
ではやってなくて、これだけ話題の映画なのに上映館は非常に
少ないのです。

以前もロードショー館に載らない映画が五つ星評価という
のはこの紙上ではあることで、それだけ商業的でない評だと
思っていましたが、最近は前にも書いたとおり疑問の星評価
が目立つのです。

それでも、五つというのは今年一番の映画という一押しの物
であり、観ないわけにはいかないのです。

簡単には観れないとなると余計見たくなるもので、都内の池袋
六本木、有楽町など歓楽街の上映館を色々調べて見ましたが
どこも席はかなり埋まっており、大きいスクリーンのところでも
ないようで、それなら近所のシネコンでいいかとそちらも調べて
みますが、埼玉県内は浦和とか南の方ばかりでこれなら都内の方が
近いので、逆に北の群馬を探すと群馬はひとつ伊勢崎のシネコンが
やっているだけでした。

うちから一番近いだろうとこのシネコンに出かけました。

このシネコンはショッピングモールに隣接していて、日曜という
こともあり、かなり周辺は劇混みでした。

面白いと思ったのは、このシネコンのビルが今まで行ったどこの
シネコンとも違い変わった形態でした。

入り口から入ると直ぐにチケットカウンターがあり、となりに
フード売店とかなりいきなりな感じがあり、ゆったりと落ち着いた
ロビーという感覚もなく、草創期のシネコンという感じです。

ただ、入り口付近に灰皿があるらしく、タバコ臭く、これは改善して
もらいたいものです。喫煙室がないのはかなりマイナスです。

起きてすぐ、思い立ち、1時の回ですが、意外とすんなり間に合って
しまいました。

売店でコーヒー等買い予告編が始まる直前に席に着きましたが、
スクリーンを見ると席数の割りに狭くちょっとがっかりしました。

しかし、どこの劇場もここより小さい席数のところが多く、仕方ない
のか、いややはり六本木まで行くべきだったのか逡巡しているうち
始まりました。

そして感じたのはこれ以上でかいスクリーンで観たら画面酔いして
しまうなということです。

それだけ臨場感というかドキュメンタリータッチの撮り方で、それは
珍しい撮り方ではないのですが、手撮りや走って追っかけるような
画とか戦場映画にはありがちなものでした。

この映画を観てすぐ思い着くことはふたつあり、ひとつは数日前に
NHKのクローズアップ現代で取り上げた高遠さんの自己責任と民主党
の日米関係のスタンスです。

描かれている戦場は、米国の軍事介入で突然始まった戦争で軍事独裁
政権を廃した後の平和になるはずだったイラクで、爆弾を処理する
米軍特殊部隊の活躍なわけです。

ここで仕掛けられている爆弾とは誰に向けて誰が仕掛けたものか
理解しないとそもそもこの映画がテーマとしていることが解らない
でしょう。

ただ戦争映画として見ても、見事に今のイラクを切り取ったような
リアルさがあり、戦時体験をするという意味でも興味深いところも
あります。

戦争が産業化し、戦時作戦を下請けに出している現実やイラク人が
イラク人を不特定多数を目的に爆弾攻撃しているという現実をみる
ことで平和な日本人は世界の中の日本を考えてみるべきです。

そんな厳しい現実があるのに、かわいそうだからと未だにボランティアを
続ける高遠さんを今さらに取り上げたNHKをつい思い出してしまうのです。

現在バブル以来世界の発展から見放され低成長が続く日本は、かつて
日英同盟を離れて世界大戦へ至ったときと同じで、世界の流れから
離れてしまっている現実に愕然とするのです。

そして、その流れからのずれは民主党政権になり余計加速されそう
で、GDPが中国に抜かれることや円の地位の低下など予測されて
いることが、よりひどくなりそうでそれを食い止める明確なビジョンも
なく自民党と同じ金権体質であることを露呈してしまい先もそう
長くないだろうという不安要素がいやまし、かつて日英同盟を解消
した後、負け組みに至る日本の再演にだけはならないでほしいと
思うのです。

でもこの映画を観れば、世界とのずれは大きくなるばかりだと
感じぜざるを得ません。

しかし、日本人にはこの映画は受けず、ヒットもしないでしょう。

この映画のように最近は、物語が何かに向けて盛り上がり、
はらはらどきどきしてそして最後に大事件があって大どんでん
返しでハッピーエンドという映画の王道がなくなり、淡々と
描いてそのまま終わる気が付かない人には気が付かないもの
が多くなっています。

マスコミの大絶賛とは別に私も面白い映画とは思いません。

ですが、主人公の自殺願望を持った軍曹の少年を勝手に勘違い
して暴走して仲間を窮地に追いやり、自身も傷つくそんな
病的な生き様に妙に理解できる共感する物があるのです。

マスコミ評なんかで使われるこの自殺願望を持ったという
スタンドプレー的な行動も彼なりのプロ意識であり、彼の
実績による裏づけがさせているものであり、自殺願望とか
戦争中毒という疾病に封じていいのかという感じがします。

徹底したプロ意識とプロの仕事ということで、これは別に
戦場でなくてもいいことで、彼の行っているのは何も爆弾処理
という仕事だから起こった特殊ケースに収まらないし、それが
テーマとなっているのではないでしょうか。

まあ、戦場であり誰が敵で誰が味方でいつ死ぬかという状況下
で見せたから胸に迫るということはあるのですが。

『インビクタス』INVICTUSも

2010年02月18日 23時07分02秒 | 映画
この映画も日経の夕刊映画欄で最高評価でした。

最近、クリントイーストウッドの評価はどこでも
高いのですが、なんか持ち上げすぎじゃないですか。

というのもこの映画は退屈なものだったからです。

前作『グラントリノ』や『チェンジリング』は
桂作でした。

特に『チェンジリング』は不思議な感覚で、暗闇の中
泥沼の中に足元を探りながら踏み込むような感触でした。

独特の作品境地を開いたと持ち上げるのはいいのですが、
今回はテーマとして敵役があやふやで、立ち塞がる実際の
敵や事件も無く、具体的な成功事例が無く盛り上がって
いる実感が足りないなど面白みに欠けます。

勝利という結末も最初から予想されるだけに、彼らの
努力とか奇策とか何かないと現実味が薄れるのです。

具体的な作戦とか具体的な努力点が示されず、大統領の
人柄と仕事ぶりばかりが描かれますが、観ている側は
それだけという気になります。

クライマックス的なのは、キャプテンと大統領のお茶会見
のシーンとか飛行機が飛んでくるところとかあるのですが、
結局それだけかよみたいな感じで終わるのです。

日経の星五つに対して私は三つです。

正月は映画館へ『アバター』

2010年01月01日 23時14分05秒 | 映画
これはいつもの元旦恒例行事。

アバターは予告編や広告を見ているときには、
またフルCGの作った絵のSFが出たのか程度の興味
で、見る気もしませんでした。

しかし、巨匠ジェームスキャメロンの次の映画は、
今までと違っていたのです。

巨匠自身が語るNHKの特集などを見るうちこれは見なければ
ということになりました。

でも、3Dというのはこれといって珍しくもないのです。

というのも、東京ディズニーランドができたばかりの時から
アトラクションにメガネを掛けて見る3Dものはあり、郊外の
アウトレットなどに3Dシアターができて巨大画面を特別プログラム
でみるというものはありました。

マイケルジョーダンの映画など二度も見てしまいました。

そんな20年にわたる映像の実績があり、何が珍しいのかという
気もしましたが、先のテレビで監督が語るには、昔白黒からカラー
になったように、もう後戻りはできなくなるだろうという説明に
そんなに違うのかということになり、それなら見てみようとなった
のです。

熊谷のワーナーマイカルで見ましたが、ネットで調べたら時間が
2時からあるのは吹き替え版のみです。

でも考えたら3D画面の字幕を読むのはかなり苦痛なのではと思い
吹き替え版でいいやと見に行きました。

15分前に着いたのですが、初売りのサティと合わせて駐車場に入る
車が列をなし、いつもの元旦の風景とは違いました。

例年元旦に映画を見ていますが、元旦に映画を見るのは少数派の
はずでした。

いつも空いているのですが、シネコンのフロアーは人で溢れ、目当ての
回は売り切れとなっていました。

次は5時の回です。一時はあきらめ違う物を見ようと思いましたが、
他の映画は皆子供向けか漫画を映画化したようなものばかりで、
見たいものはなく、仕方なく5時の券を買いました。

3Dじゃないアバターも2時からあったのですが、ここにきて目的を
変更するわけいも行きません。

それが最大の売りなのに、わざわざそうじゃないものをやる意味が
解りませんが、ピー子が片目の人には関係ないのと言っていたので
なるほどと思ったりしました。

映像という点ではナビィのつくりが如何にも作り物でリアリティが
ないものの他の兵器や乗り物、植物の絵はすばらしく、ガラスに映って
いる反射映像まで作りこまれていて、これはなかなか手間がかかっていると
感じ入るのです。

さらに、乗り物に乗っているような移動感があり、ながーい180分
という上映時間もあっという間です。

吹き替え版ということもあり、家族連れの雑音や嬌声にうんざり
しますが、きれいな映像世界に入りこんでしまいだんだん気に
ならなくなります。

ストーリーは他愛もなく、訴えるものも弱い気がしますが、
それだけアメリカという国が衰えてきているんだなあという
人々の憧れの国も結局は競争の末、敗者の犠牲の上に成り立つ
虚像のようなものだったことに気付かされます。

テーマや結末は最初で段々解ってしまい、何も目新しさも新基軸
もないのですが、映像世界に浸りそのアトラクションの中で
すごしたという感じがします。

3Dの効果ということでは、銃を客席側に向けてパンするシーン
ではドキッとさせられましたが、ユニバーサルスタジオで
ターミネーターを見た時ほどのドッキリはありません。

飛び出すというより奥行きができるという感覚の方が強いので
もっと大きいスクリーンで見ればまた違った感覚かもしれません。

映画館の説明では、市内唯一の3D施設ということですが、スクリーン
的には狭い感じでした。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版: 破』観た

2009年08月01日 22時25分06秒 | 映画
今日は熊谷に出張。昼休みに映画館に。
夏休みで混んでいて、『ハリーポッター』は
長すぎるし、後は子供映画ばかりで必然的に
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版: 破』となりました。

しかし、序は見ていないのです。

ただ、昨年泊まった旅館でテレビが見れなかったので
宿にあった漫画でこのシリーズを読んでいて復習済みな
ところに、ここのところのカンダムのNHKの特集で紙芝居
のようなアニメを見続けていてちゃんとしたアニメが
観たいなあと思っていたところです。

さらに、直前車の中で聞いたラジオで永六輔もこれを
観たということで、破とついていたその破とは雅楽の
序・破・急のことですよと教える伝言があり、そういえば
私は序は見ていないし、その序はかなり評判が悪かった
ような気がしました。

でも、映画は後数分で始まりますし、券は一枚なのでどうにか
買えてすぐに入場となりました。

夏休みで、ほぼ満館ですがスクリーンはまあまあの大きさ
のところでした。

CMや予告が普段より短い感じですぐに始まりました。

そして、やはり昔の再放送とは違い絵がきれいでまずは
安心です。

でも綾波の声はちと違うんじゃないかいこんなかわいい
感じではイメージ壊れる。

ラングレイはこんな感じだけど、この回からの登場なのか
随分簡単な感じ。それにマシンのシンクロとか操縦とか
もっと苦労してやっと動いている感じがこの映画では
かなりもうスムースに動いていて、しかも諸外国との
協定とか5号機とか謎のパイロットとか新要素も見られます。

使徒の攻撃も過激でしょっちゅう襲ってきます。

お約束のシンジの乗車拒否があり、一気にクライマックスで
ああよかったと思う間もなく終了。

で、どうなったんだ。

飛鳥はどうなったの。

綾波は。サードインパクトって…。

で終わってしまいます。

すごく面白かったのですが、今までの紙芝居のような絵から
現代アニメの世界でこんなの子供は見てもわからないだろうと
思いました。とにかく展開が早いですし、ドグマとか死海文書
とか、外典とか宗教色が強いのもキリスト教の人からクレーム
がつかないかと気になったりしました。

私自身、この漫画でクムランとか死海文書とか読むきっかけになり
キリスト教関係の本も読むことになりました。ロンギニスの槍
とナチスの関係とかイスラムへ至る過程とかも読むことになった
のでした。

この映画を見た感じでは、キリスト教の話を詳しくなろうとは
思わないでしょう。

それだけアクション重視になっていますし、ぐだぐだな展開は
省かれています。

面白かったのは、エンドロールになっても誰も席を立とうと
しなかったことです。

多分予告編があるのだろうと予測はしていましたが、それでも
何人かは帰って行く人がいるものです。それが丸で無くみんな
続きを静かに待っています。

そしてその予告編には急の文字が無かったような。

アニメでこんなにどきどきしたのは今までなかったと
思います。あまり期待してなかったけどこれはハリーポッター
なんかより全然いいですよ。

それにしてもあまり評判聞きませんよね。

となりで見ていた人は、二回目でまた色々考えたとか
違うところで見るものがあったとか普段の映画とは
違い方々でああだこうだと議論を交わしているような
会話が聞こえます。

次も観ますよ。これだけ面白かったのは最近無いくらい
です。

『OPEN WATER』な日常

2009年07月21日 16時10分03秒 | 映画
今年は、夏になって水の事故や自然災害での
被害のニュースが多かったですね。

それより自殺で死んでしまう人の数が多いというのも
政治家や役人の人には重く受け止めてほしいものです。

この映画を深夜に見てしまったのですが、なぜか途中から
やめて寝る気になれなくなって最後まで見てしまいました。

実話に基づいて吹き替えなしの本物の海で本物のサメの中
で撮った映画だそうです。

ダイビングに訪れた夫婦が、ボートにおいていかれて
サメのいる海に取り残されるというお話なんですが、
なぜこんな映画が撮られたのか、描きたかったのは
なんなのか、実に不思議に感じたのです。

アメリカ映画なんて善と悪がはっきりしていて、主人公は
圧倒的に強く、どんなピンチにも動ぜずあきらめず、そして
常に勝つという不動のセオリーがあります。

正しいものが常に勝ち続ける世界です。

そして強いものが常に正しいという押し付けもあり、あきらめない
自由な心が世界を救うと常にそんな考え方を押し付けられて
きました。

驚いたことにそんなメッセージをそのまま受け入れてしまって
そのまま大人になった人が多くて、困った時やピンチの時には
ヒーローが必ず助けに来てくれると信じている人が多いのに
驚きます。

そんなありえざることが起きるから奇跡なのであって普段は
馬鹿らしいことで貴重な人命は失われてしまうのです。

この映画が訴えたかったのは、そんなリアリズムなのか、
すれ違いの多い夫婦がやっと得た休暇に安息と楽しみが
訪れ、夫婦の愛が確かめられたのか、本当の恐怖とは何か
そんなことをいろいろと考えさせるために出来たのでしょうか。

いずれにしろ、これはヒットしない内容だなと感じ何年ごろの
映画か調べたら2004年の作で驚いたのは、この2年後にOPEN WATER2が
作られていたのです。

結構アメリカ人というのは究極の恐怖とか最後に愛を確かめる
とかマゾっぽい映画が好きなのかも。

馬鹿な日本人には絶対受け入れられない映画です。

派手なシーンはなく、ずっと海に浮かんでいる映画なんです
から。

私も実は、ボートから取り残されておぼれかけたり、
沖に潮で流されてパニックになったりして、海の怖さは
身にしみていますので、これの映画は怖かったです。

本来保たれているものとか守られていることは実に脆く
崩れ去ってしまうものなんです。
日頃感じる幸せな感情なんてそんな恐怖な出来事と常に
背中合わせなんです。

違和感

2009年07月16日 10時18分08秒 | 映画
NHK BSの映画で『世界最速のインディアン』と
いう映画をやりました。

これはつい最近、公開され新聞の評や予告編など
でも評判がとてもよく、見に行きたい映画でしたが、
あっという間に上映期間が終わり見逃したものです。

最近の映画館の上映期間はどんどん短くなっており、
こういうことはよくあることですが、映画館の数は
最近増えており、より集客力のある映画を常にかけて
いるのが経営の要諦となるのです。

この映画は、舞台になっている時代がいつぐらいか
よく把握できないのですが、ベトナムから枯葉剤を
撒いてきたという兵士の会話から70年代のことと推察
されます。

東西冷戦に突入する前の非常に重苦しい時代で暗い
世相で景気としてはまだそんなに悪くない時です。
そして、主役のバイクは1920年のバイクなのだとか
驚いたことに、そのバイクが出した記録がいまだに
破られていないというのですからどうしたことで
しょう。

そんなこんながあるのですが、映画評論家には大変
評判もよくマスコミも傑作であるとするのに、話題
的にはほとんど登らず、公開してすぐにまたテレビ
でもやってしまうというこの流れにたいしてヒット
しなかった作品の悲哀があります。

いい作品なんだけど売れない。

私もいい話だけど納得がいかない違和感が残ったのです。

それは年寄りの話だからか。

誰からも好かれた老人という設定と人とのふれあいに
何かうそ臭いものがあるのか。

実際の実話であるだけに、話の持つ意味は重いのですが
別に悪と善の対決軸があるわけでもなく、将来の希望とか
努力すれば報われるとか苦労を重ねる果ての報酬が期待
させるものがもう先に見えてしまっているからなのか
とにかく違和感に包まれる方が先で、いい話だったと
しみじみ出来ないのです。

これは作り方にもよるのでしょう。

年寄りの成功物語などあまりに現実味がないばかりか
こんな年寄りが実際に隣にいたらかなり迷惑ですし、
年寄りのスピード狂も現実味がありません。

まあでも300Kという新幹線並みの速度を実際の自分の
運転で出したらどんなか体験したいという気は起きます。
今でもあの塩湖レースは行われているのでしょうか。

スターシップトゥルーパーズ

2009年07月14日 00時09分55秒 | 映画
なんか気になり、深夜の番組を撮っておきました。

見てびっくりです。

とんでもないグロと軍隊映画で、こんなのやっていいの
という感じです。

近頃のテレビというのは大変上品になってしまい、女性の
裸など乳首でさえモザイクが入ったり、かくしたりする
異常敏感体質でしたので、この映画で、男女が何の境もなく
シャワーを浴びながら会話するシーンなどどういう世界なのかと
思いましたが、これは時代というより、この映画のえがくSF世界
では、男女差別がなくなった世界であり、そのため女性の
クォーターバックなども出てきます。

グロの方は、カブトムシの解剖シーンとか襲われた基地の
兵士の死体が半分に切れていたり手がなかったり足がなかったり
という戦争の現場そのままの映像になっており、これが理想の
社会であるのに戦争が起きてしまうという宇宙戦争なのに
巨大な昆虫と戦うという面白い戦闘シーンが繰り広げられます。

虫なら殺虫剤で殺せよと思いますが、マシンガンで打ちまくる
という歩兵戦がメインとなっています。現代では空爆の後の
歩兵戦はデモンストレーション的な色合いで、実際は空爆の
時に勝負が決しているようなところにどうしても銃撃戦を
やりたいという事情が見られます。

それに、民主主義が崩壊した社会ということですが、問題は
それだけかという疑問がわきます。現代社会が抱える資源
人口増、温暖化、食糧難といった問題はどうなったのかその
説明がないと、宇宙規模で戦争する意味はなんなのか、やはり
ただの軍隊礼賛、銃礼賛したいだけなのかとも取れます。

今の映画は何でも似たり寄ったりで、テーマなどなく、悪と
善の色分けもはっきりとして諦めないと幸せがくるという
単純なメッセージは今の複雑で問題の多い社会になんか役に
たつのかと思わせます。

そんな意味では、こんな変わった映画も面白いなあと。

『Terminator salvation』観た

2009年06月19日 13時10分58秒 | 映画
今まで、ターミネーターが未来からやってきて
救世主を殺しに来るというお話だったのが、
もう完全に未来の話になってしまいました。

2018年という近未来。

この映画が公開される前テレビでターミネーターを
シリーズでやっていましたが、何度も観ているし
いまいち新たな感動などはないのですが、ああそうだった
のかと言う再発見はありました。

未来でどうしても機械が人間に勝利できなくて、
救世主を生んだ母親を過去に行って殺してくるという
SFですが、未来からそれを阻止するために送りこまれる
カイル・リースこの存在がまあ不思議な入り子構造に
なっていて、ちと物語がSFならでわということになって
しまいます。

しかし、このシリーズは昔から他の映画を圧倒する
映像と展開で、かなり楽しませてくれました。

ターミネーター2では、まさかの逆転があり、今までの
はらはらどきどきも倍化しました。

そして、3では何を守ったのかとある日スキー帰りの
車の中で、ふと話題になり、結局どうなったんだっけ
という感じでしたが、このテレビでの復習で謎が
とけました。

それにしても3では主人公のジョン・コナー役がひどい
不細工で物語りもぱっとしませんでした。だからあまり
印象に残らずストリーも完結したのか続きを作るために
作ったのかどっちつかずの終わり方で気持ちの悪い
ものでした。

面白いのはシリーズを通して送られてくるターミネーター
が進化しているところです。そして3でのテーマは、コナー
だけでなくその仲間を殺すというところとそれは最初、コナー
をおびき出すためだと思わせるところです。2もそうでしたが、
旧型対新型という対決軸も面白いものがあり、状況判断も
人間より的確な機械が勝てる見込みはないという見解と
T-800の告白で更なる矛盾が生じます。

3でT-800の腹から電池を取り出し
外へ捨てると爆発するシーンがあり、吹き替えで水素電池と
なっていましたが、今回T-800をラインで作っているところ
にあったその電池に起爆装置をつけるときのコナーの台詞は
Nuclearだといっています。

字幕では、燃料電池で核だ。というものです。なんか間違って
ませんか。

それに激しく戦うマシンにそんな危険なものを積んでいたら
すぐ爆発しちゃうでしょう。

そんな簡単な疑問に加え、T-800のハイブリットというのは
ただ人間に近づくためだけに筋肉やら皮膚を持つのかという
疑問を持ちます。

確か、1では人間に見分けがつかない新型ということですが、
どう見ても一目で人間離れしているとわかりますし、機械を
隠すためだけに筋肉や皮膚をつけるというのも不自然です。

そういった不自然なところに目がいきだすとSFのほころびが
随所に見られて物語にはいっていけません。

この映画の公開直前の日経の映画評では、星四つで好評だった
のですが、機械対人間が悪対善に収斂していくというような
ものだったのです。

そこで思うのですが、物語を解りやすくするためテーマと
して、悪と正義の戦いという形をとるのでしょうが、世の中
そんなきれいごとや割り切れた状況でないのはみんな知って
います。

米映画すべてが善がかなり危ない状況で、決して諦めず
いつも勝利するというのが当たり前で例外なくそのように
できています。

これは世界の覇者として、努力し続けて諦めなければ必ず
勝利し、正義は勝つという強い信念の元に常に勝ち続けて
来た国だから描き得る事で、現実はどうなのでしょう。

米も朝鮮やベトナム、アフガンにイラクと常に戦いの中に
いますが、きれいに勝ちと言う決着は現代ではないのです。

ですから、あえて物語り上は今もトップで今も勝ち続けて
いると主張したいのでしょうか。

機械が襲ってくるという映像を見せられれば見せられる
ほど、そんな馬鹿な話はないとしらけてしまうのです。
人間を抹殺してしまうのなら機械で殺すより、ウィルスやら
病原菌やら遺伝子操作のほうが簡単です。

さらに核攻撃をすれば、電磁波でネット自体壊れる可能性
があります。

そんな物語の基本線のおき方に間違いがあると感じる物語
でした。

前監督のシリーズでは、正常な世界からみれば、未来から
現れた機械に自分が襲われるというのは精神異常を来たした
からで、そういう患者がたくさんいるという世界から見た
サラコナーが精神病棟で味わう恐怖と自分が正常で現実に
未来からターミネーターがやってきて襲われる恐怖という
ちょっと味わえないサスペンスにもなっていたわけで、それ
を象徴する精神科医がずっと登場するというお約束もあった
りですが、今回はもう未来の話になってしまい、ただもう
作り物の絵とおもちゃのようなロボットとの戦争映画になって
かつてあった面白さは随分失われてしまったように思います。

『スタートレック』

2009年06月05日 00時02分12秒 | 映画
こういう映画だと科学的におかしいとか
そんなの絶対おかしいだろうというシーンがあり、
かなり顔をしかめてみてしまったりしますが、
スタートレックならしょうがないだろうと思います。

かなり昔のテレビシリーズが出発点であり、その後
何度も映画にもなりましたが、その映画はみんな
テレビシリーズよりつまらなかったのです。

今回映画を見に行ったのは、先日NHKで『ギャラクシー
クエスト』を見たからです。

スタートレックの日本人宇宙船操縦士ミスター加藤が
浮かびますが、なぜギャラクシークエストには出て
来ないのか、まず疑問に思いました。

調べてみると、東洋系キャラが必ず使われるので
アラブ人系の俳優が東洋人キャラを真似て出ているという
設定でそれも敢えて日本人の発音を真似て役を得る設定
なんだとか。

つまりモンクさんの人が東洋人キャラをわざと発音を
日本人風にしていたというので見ていたときにはモンクさんが
出ているということしか感じなくて、そんな設定になって
いたんだというのが面白く感じました。

もう一度見て色々確かめてみたいと思ってたら、映画館で
スタートレックをやるという予告編を見てこれはみて
見ようとなったのです。

当然これは、映画の日の一日に予定していたのですが、
色々立て込んで断念してやっと今日みれたのです。

出てくる人がテレビシリーズの人に似ている。
でもミスター加藤は日本人ぽくないし、最初エンスト
しちゃうしちとイメージ狂うなあ。スールーなんて名だし。

接近戦の訓練した人ですぐに手を上げて何をしたんだと
カークに聞かれてフェンシングというところが笑えました。

帰って調べたらミスター加藤は日本語翻訳の人がつけた
名前で映画で呼ばれていたスールーが本来の名前だとか。

『HEROES』にヒロのお父さん役で出てきて大変懐かしかった
けど、ゲイのニュースとかありなんかふくざつなかんじになって
しまいました。そうそう、サイラス役の人がスポックだった
んですよ。しかーし。

エンドロールにleonard nimoyの文字を発見、やはりMt.スポック
が出てたんだ、すごいメークだと思ったけど本人じゃ
なきゃ出せないオーラ出てたものなあ。

J.J.エイブラムス監督の描く宇宙船の戦争は、やはり
斬新で敵艦のあの非対称のデザインを見たときにJ.J.
エイブラムス監督だなあと思いました。その反面エンタープライズ
はあの形を変えるわけにはいかないので如何にかっこよく見せるかが
注目されますが、それも中々時代遅れに見えないようにできて
感心です。

というわけで、これはスタートレックというアメリカの文化を
再見するとともに、自分が子供時代に親しんだテレビシリーズを
懐かしむという複雑な構造でなおかつ新しい映画として楽しむ
ことができる面白い映画でした。

ストリー的なこととか主題的なことは後であるほんの感想と
絡めて語りたいと思います。

今日はただ昔のファンも今のファンも楽しめる映画に
しましたというのを受け止めて非科学的なこともこれは
アメリカの文化だと感じ入ることにします。

『ハッカビーズ/I ▼Huckabees』

2009年06月03日 10時00分14秒 | 映画
I ♥ Huckabees
月曜の深夜NHKでやっていた映画です。

これも付き合ってついつい最後まで見てしまったものです。

内容もわからないまま、ただ主演ジュードロウという表記
で、へーという気分でその予告の絵をみたら見覚えのある
鼻の男性の横顔が映っています。

ダスティンフォフマンだよ。

その後、マーク・ウォールバーグ、ナオミワッツとつづき
なんなんだこの豪華な顔ぶれ。

しかも聞いたこともない映画です。

ネットでは、散々な評判でろくな感想が転がっていません。

テーマが哲学に悩みを抱えた人が哲学探偵を頼り、弟子の
哲学者と反対勢力の人達とどたばた劇を繰り広げるという
ハリウッド映画には珍しい演劇の可能性、実力をみせる
変わった一品です。

普段派手でアクションたっぷりの映画を見慣れていると
こういう演劇演劇した映画はうけないのでしょう。

私は色々興味を引くところがあり、ついついひきつけられて
しまいましたので最後まで見れましたが、軽薄で意味のない
ものがうける現代では、自ら考えて受け取る映画は敬遠
されるのでしょう。

ジュードロウの演技も秀逸で、得意のギャグで周りの人気を
得て出世をしていく姿から急な凋落をその容姿だけでなく演技
力で見事に演じ分けて見せてくれました。

字幕では実存探偵となっていましたが、哲学がテーマとなる
映画が作られるとはその文化度を知ることができます。
我国では気分は形而上という漫画がありますが、マーク・ウォールバーグ
というアクションスターまで登場し、演技達者なベテランが
多数出てにぎやかなどたばた劇を作れるところはなかなかです。


『グラントリノ』観た

2009年05月14日 09時19分03秒 | 映画
この映画は、新聞の評やモーニングの試写会の記事
などでも気になるものでした。

前回のチェンジリングでも監督の力量というものを
見せ付けたクリントイーストウッドですが、どんな
映画を今度は送り出したのか気になっていたので
観てみました。

中国のモン族が近所に越してきて、そのトラブルに
もともと本来の米国人が巻き込まれてくるという
テーマとしてはありふれたものです。

しかし、今の世界情勢や米国の状況などを考えると
いろいろなものを考えさせてくれる話となっています。

ちょっと前なら黒人社会を描くだけでよかったのが、
世界の警察を自認する米国には、さまざまな難民や
移民が押し寄せるのです。

先にいた白人移民は、その時どうするのか。
それは米国がこれからどうして行くのかという問いかけであり、
米国の地方でも見れる社会の縮図なのです。そしてトラブルは
昔はとにかく銃をぶっ放していたらよかったのが、もはや
その暴力の連鎖に自ら疑問を投げかけざるを得なくなった
テロが影響していると思います。

この映画の宣伝では、意外な結末という客の引き方を
しましたが、愛するものを守るとはということを考え
させる一本でした。

描かれ方は、童貞と揶揄された神父との和解などベタな
やり方や物語のうだうだした進み方などあまり切れ味が
良いわけではないのに心に残るお話です。

イーストウッドがこんな名作ヒットメーカーになるなんて
とても意外でした。頑固じじいの役もぴったりです。

久しぶりの映画『ノーカントリー』

2008年03月31日 14時03分35秒 | 映画
昨日の日曜日は花見がてら、映画を見に行きました。
新聞か雑誌の批評がとてもほめていたか何かで、
気になってネットで調べたら、なんと主要アカデミー賞
4部門をとり、マスコミの絶賛の映画なのに上映館は
いくつもありません。近所のシネコンでみられると
思っていたら日比谷六本木新宿くらいしかやっていません。

ということで今まで行ったことのない六本木の映画館で
見ることにして、最近オープンした赤坂サカスやその近辺
の桜を見て回ろうと思いました。

思えば、映画はしばらく見ていなくて、それを思うと
なんだか楽しみになってきて、当然池袋でバーガーキング
でワッパーを仕入れて行きます。しかし、久しぶりの
都内でスタバやドトールが懐かしくてカフェに寄っては
何かしら食べたり飲んだりで、映画を見だしたらコーヒーを
少し飲んだだけで食べる機会を失いました。

六本木ヒルズの中にある映画館は、思ったより施設が
よくて音響もスクリーンも立派でした。日曜なのにたいして
混んでもなくてゆったり見れました。肝心の映画はこれは
一般の映画館で多くの人に見られる映画じゃないと思い
ました。映画全体が沈んだ雰囲気で静かに淡々と暴力に
彩られていて、世の中はその暴力の支配から抜けられ
ないし、人の良心によって変える事もできないとゆう
メッセージが語られているようです。

この映画のテーマとする所は、解りましたが、全体
的に解りづらく夢の話でパタッと終わってしまい、
観客の大半はその場に置いてきぼりの気分を味わい
そのまま立つこともできません。私もそうでした。
ただ、いっていることはすごく簡単で、マイケル
ムーアがおちゃらけて平易に語った事をちょっと
長年の良心のよりどころのような代々保安官の主人
公のぼやきに彩られて何の話なのという感じに
しただけです。

物語中はナムというベトナム帰還兵の事が何度と
なく出てきますが、当然今はイラク帰りの兵士が
沢山いて社会問題になっているのは現地の人でなく
てもニュース番組等で知っていることです。それを
ナムということでイラク帰りの兵士たちの悲哀も
引き出しているし、彼らも帰ってきたらホームレス
になっている人が沢山いることや社会に順応でき
なくなってしまっていることも知っています。

麻薬や金、戦争という暴力により、世の中が悪く
なっていてそれをもはや止めることもできないという
表面的なテーマ以上にこの物語には単純におかしな
事があります。そんなことより、人はこの暴力を
かっこいいと見たり、殺人者にあこがれてみたり、
大金を手にすると人生が狂うということには一切
関心が行かずにただ暴力礼賛のような人がいるのは
困ったことです。

現実に日本では、悲惨な暴力事件が連続で起きて
いる時にこの映画がまたそんな暴力を認める人に
誤った見方をされないか気になります。アメリカ
に対しては、通信販売で銃が簡単に買えてしまっ
たり、14歳の少年にも死刑が適用されたり、映画
のなかのように警察にまるで捜査能力がなくて
殺し屋の方にばかり探査能力や行動力に長けて
いるという疑問点があり、それをまるで現実と
取られるとこれまた問題があります。

実際にこの物語の主人公もどこからどう手に入れ
たのかそれまでは変なボンベしか持っていなかった
のが、モーテルに押し込むときにはサイレンサー
付きのショットガンを手にしています。殺人鬼の
移動手段は車を盗んでいます。あれだけ派手に
やればどんな無能な警察でも見つけられるでしょう。

最近読んだジョングリシャムの『無罪』では、正に
警察は無能で、ろくに現場の証拠を検証しもせず
誤認逮捕して、本人の自白を作り出し、そのまま
何年も懲役にしてしまうというドキュメンタリーを
読んでいるので、この映画のようなこともあながち
映画だからということではないかもしれないと思う
部分もあります。

映画では、それでも人助けだから金はいらないと
いう少年が出てきたり、全ての人がいわれなく殺され
てしまうわけでもなかったり、殺人者も無傷で
いられるわけではなかったりとただ年寄りには住む
国はないということでもないというところが救い
となっています。

このように大きなバーガーをカロリーも気にせず
大口を開けて食いながら能天気に見ていられる内容
でなかったので、ワッパーは映画館では食いそびれて
しまいました。外に出ると雨でお花見もままなりません。
それでもせっかくなので赤坂サカスまでは地下鉄で
行って見ました。各お店ともすごい人で行列もところ
どころにあり、一回りして帰ってきました。

『ザ・シューター 極大射程』見て来ました。

2007年06月02日 23時54分22秒 | 映画
今日は暑い中、走りましたが、昨日は映画見て
結局走りませんでした。

見たのは、SHOOTERです。多分原作の極大射程も読んで
いるはずです。
かなり前なので忘れてしまいました。
予告編を見ていてこれはみたいなあと思っていた作品です。
ストーリー的に、大統領暗殺の犯人にでっち上げるために
わざわざ伝説的な射撃手を選んだというのもぴんとこない
ところです。

そんな物語の突っ込みどころは他にも沢山あるのですが、
最近の防諜とか戦争のやり方とか世界情勢とか考えるには
こういうことも行われるという意味で、知っておくべきでしょう。
でっち上げられた証拠を逮捕された主人公が自ら覆すところ
などは、それは反証にも決め手にもならんだろうという類のものです。
ですが、実際のテロとか殺人とか法律では裁けないということを
ここで思い知るべきです。ただ、法律で裁けないから今のアメリカ
のように空爆したり、軍隊を送り込んでいいはずもありません。

実際、イラクにしろアフガニスタンにしろ、米が軍隊を送り空爆して
秩序が回復したということはなく、今でも殺し合いが行われ、
アフガニスタンでは、前より貧しくなった農民がケシを栽培して
それらは武装勢力の資金源になっています。ダニーグロッパーが
法廷でそれでも俺は逮捕されないと出て行ってしまいますが、
実際に海外で行われた殺人は、国内法では裁けません。
しかし、彼は大佐であり公務員なら話は別です。民間人より
より強い法的拘束があり、一部の政治家やコングロマリットの
手先に殉じているとなればそれは弾劾されなくてはなりません。

アメリカの銃を持って正義とするという姿勢と、銃を愛する国民性
は映画だけならいいですが、現実に乱射事件が多くある今こんな
んでいいんでしょうか。アメリカのイリノイ州に銃を保持するのを禁止
した町があるそうです。そうするとそれとはまったく逆に一家に一丁
銃を保持を義務ずけた法律を作った町もあるそうです。それが
犯罪の抑止に役立ち、実際犯罪が減ったといいます。銃を持つ
権利は憲法に保障されているとまでいいます。

私は、やはり世界から銃をなくす事がやはり筋だと思います。
まだ弱いところから搾取しようとか征服しようという人達がいる
から、多くの難民や不条理に死を迎える人がいます。我々の
市民レベルでは、軍備する事がまずナンセンスだと思います。
愛知の事件では、防弾チョッキやたてで武装した警官が
殉職しています。この映画では、大勢の特殊攻撃部隊の
攻撃からたったふたりで抜け出したり、実際の狙撃を受けて
鉄板を巻いていて防いだりしていますが、現実では、流れ
だまにあたって本職の警官は死んでしまうのです。

やはり映画ってひどい嘘っぱちだなと思います。
2000mの射撃が成功するというのも映画ならではです。
ゴルゴ13の世界です。実際に着弾するのに10秒もかかる
と映画の中でも言っています。つまり、10秒も静止している物体
なら狙撃可能ですが、ふらふら動く人間ならまず不可能です。
狙撃場所の発射した銃口の光を見てからよけたのでも助かり
ます。100mの射撃でもあんなに100%の射撃もできません。
まあ映画ならではということですね。

ただ、映画ということでどんぱちやったり爆発したりといった
やられたり復習したりというので楽しみたい人にはいいかも
しれません。実際にはこんなにうまく行かないのは知っている
とわかった上で楽しむなら。