懐かしのバレエ

バレエ、パフォーミングアーツ等の感想、及び、日々雑感。バレエは、少し以前の回顧も。他、政治、社会、競馬、少女マンガ。

100分de名著「ショック・ドクトリン」第三回と現状

2023-06-20 16:13:06 | Weblog
録画したTV放送分と、関係ないけど他人のブログの内容見て、20年前の話を聞いても「今」の現実の事を考えてしまうって思った。
【NHK Eテレ、「100分で名著」】
余談。出演の伊集院氏って、・・・結構スルドイ?ことを時折言うかな?(でも、こんなこと書くと、そのうち、日曜午前のTBS番組で忖度工作員化しても嫌なので、あまり言わない方が良いかな?)

【第三回】
ナオミ・クライン著「ショック・ドクトリン」の第三回の舞台は米国。レーガン~ジョージ・W・ブッシュ大統領時代の事案など。
https://www.nhk.jp/p/meicho/ts/XZGWLG117Y/blog/bl/pEwB9LAbAN/bp/p3zjVmO7p3/

時間ないので雑にメモ。言葉文字おこし程、正確ではないので、少し違ってたらごめん。正確には、上記の番組HPまで。

-------
言葉だけ何となく知ってる、「新自由主義」「ショック・ドクトリン」といった考え方、見方が、実際に世界の具体的な事例に則し、どのように連関してるのかが分りやすい番組、かも。自分的には「新自由主義」が、ここまで浸透し、様々なレベルで社会に影響を与えているって、分ってなかった。

フリードマンが提唱した「新自由主義」(規制緩和、民営化、社会保障の削減等を推奨、この実践者がシカゴ学派とか言われ、英サッチャー首相らは、フリードマンの弟子だとか。)、
カナダ人ジャーナリスト、クラインの著書「ショック・ドクトリン」の各国の事象への分析などの話が、毎回国替わりで出てくるが。今回のは米。
----
【「テロとの戦い」商法】
番組で言ってたわけじゃないけど、米9.11で、米大統領が「テロとの戦い」と言ってたのは、当時、私的には「変だ」と思ってたけど。
これは、れっきとした商売の方法、なんだなあ、と分かった。心理学も良く研究されてます…。トホホ。「テロとの戦い」商法。

で、米9.11同時多発テロで、アメリカは、セキュリティー強化、情報統制で、至る所に監視カメラが置かれる国になったらしい。
テロのショックで、国民のデータを集めるのは利益に適うと思われ、自分らも監視されっることに意識が行きにくく、
知らない間に情報が全部取られるのが正当化された、とか。それと、このころ以降の流れで、グーグルなどのビッグテックが、個人の監視の役割も担うようになったのかな。軍事予算だけでなく、セキュリティーにも莫大な予算が割けるようになったみたい。

(もっと細かい話もあるが、9.11話は割愛)

で、その9.11で、ブッシュ大統領の「テロとの戦い」で、「戦争の定義が変わった」と番組で言っていた。
国と国の戦争には終わりがあるが、テロとの戦いならば、終わりがない。「あの国にテロリストがいる」で、国家予算を出せる。

言い換えると軍事予算が無制限に出せる!軍需産業、セキュリティ産業、予算だせる。
----
それと、フリードマンの新自由主義は、民営化を推進するので、軍人も派遣社員にすればいい、とか。今まで国家として公務員とかでやってたのも、何でもかんでも、どんどん民営化していく話が、9.11の前からあって。それを推し進めると「国民国家とは何か」という問題に行き着いてしまう、という興味深い示唆も。
------
新自由主義を推進した有力政治家で、ラムズフェルド国防長官、ジョージ・W・ブッシュ(テキサス州知事から大統領へ)チェイニー副大統領
三人がそれぞれ、民間の有力企業の人だったりして、政府と企業の間に、あたかも回転ドアがあるように、政府と有力民間企業の間を行き来できて、それで、政府の要人が、自分の関係ある会社に都合のいい法案を通したり、利権な話が出てきた。

(この3人が関わった企業は、世界120の国にあり、300の国に子会社があるんだかの巨大エネルギー産業、薬品会社、セキュリティー会社
3人が集まると、この国の医療、国防、エネルギーの事を握ってる人が結集してるので都合が良かったような話も。
---------
【イラク戦争】
で、彼らが活躍したアメリカで、ブッシュ大統領は、「テロとの戦い」と、世界に営業して、イラク戦争に突入した。
以下、番組から。(クライン「ショック・ドクトリン」の引用あり)
----
「サダム・フセインは民主主義の敵だ」と主張、アメリカ軍はこの時の作戦を、衝撃と恐怖と呼んでいた。
これは、「敵の国民の抵抗の意志に直接狙いを定めて」巧妙に練られた心理作戦だと彼らは主張する。
「つまり、混乱と退行を引き起こすための感覚遮断と過負荷だ。(略)敵の状況把握能力や認知力を麻痺させ、(略)「敵をかん全に無能な状態にする」

そして、アメリカ軍はバクダッド入り。
イラク国内では略奪行為が行われていた。アメリカ軍は、略奪を意図的に放置し、博物館やモスクから重要文化財が持ち去られる様子を無視した、このアメリカの措置について、
クラインは、”文化、や伝統、歴史、宗教など、イラクの人々の民族的アイデンティティーを、白紙状態にしようとした”と分析する。

そのうえで、ブッシュ大統領は、イラクに、国防総省傘下の、連合国暫定当局(CPA)を設立。新たなルールでの統治を進めていった。

【連合国暫定当局(CPA)あらたなルールでの統治】

代表に任命されたポール・グレマー(米911の時に出てきたセキュリティー会社の人だったかも)は、フリードマンの新自由主義の理論に沿って、徹底的な経済改革を行う。
国営企業200社を、即座に民営化、貿易を自由する。

外資に搾取されつくしたイラクは、混迷状態に陥り、反対勢力との間で、泥沼の戦闘状態に入った。

クラインは、CPAがイラク国内の復興や治安維持に力を入れず、経済面の政策だけに偏っていたことを指摘。
「イラク復興の壊滅的失敗は、最も破壊的なしっぺ返し-すなわち、イスラム原理主義の台頭と、宗派対立の激化を招く、直接的な原因の一つとなった。

占領当局が治安維持などのもっとも基本的な業務すら遂行できないことが明らかになると、その空白を埋めたのは、モスクや各地の民兵組織だった。」

【戦争と再建のビジネス】

イラクで試された「戦争と再建の民営化モデル」は、その後ビジネスへと変化していく。

アメリカ主導による、攻撃を受ける可能性のある国の想定。

アメリカ政府は。その国の復興計画を、民間事業者に発注する、と発表。まだ破壊されてもいない国の復興計画を企業に作らせ、しかも、政府が公的資金で契約するという、新たなモデル経済が誕生した。
---
攻撃と恐怖の作戦で、白紙の状態にして、戦場で、ビジネスにする、復興もビジネスにする

例えば占領の所では、今迄だったらIMFとか世銀とか、或いは幾つかの国とかが必ず入って交渉にあたる、交渉のステージが必ずある。
それが、今迄はあった、そういう交渉とかを、全部すっ飛ばし、全部民間にビジネスとして発注するので、だから、非常にスピーディー。
--------

さらに、爆撃、占領、復興って、では、誰が決めたのか?
→アメリカの財務省。

アメリカのアメリカによるアメリカの為のビジネス。
という事で、非常にスピーディーにやってしまう。

破壊して復興する、というのが、先物商品のようになってしまって、
復興計画は、先に作っておいてね、で、国の予算で発注する。後は破壊を待つだけ。


伊集院「経済的には復興しました。で、安易な考えだけど、経済の復興すると、豊かになるんだから、それで色んな所も全部復興するだろうと、雑に僕は勘定してたけれども、そこに強烈な貧富の差がもたらされていく、となると、「家族を失っていき場がない子供が、とか、地域として貧困だった所が、とか、もう、元に戻らない・・・」

→そういうことが。先物商品みたい。復興のウエイトは低い。

なぜこの時、新植民地主義という言葉が生まれたかと言いうと、現地の人は参加してないから。だから、イラクの政府だったりイラクの公務員だったり、国内企業の社長さんだったり、国内企業の被災者だったり、そういう人たちの声は一切蚊帳の外。

では、誰が入ってきたかというと、アメリカのファーストフードのの会社のチェーン店が入ってきたり、イギリスの石油会社が投資してきたり。

イラクという白紙になった所が、まるで、いわば「新興株」のように、外国から皆入ってきて、イラクが草刈り場になった。

【納税者】
もう一つは、納税者。
アメリカの納税者。莫大なイラク復興予算が、国家予算で承認されて、そっちに流れた。だから社会保障は減らされる。よってアメリカの国内は、ますます貧困大国化する。

この時間違っちゃいけないのは、「アメリカが加害者でイラクが被害者」ではない!ということ。

アメリカ国内でも、市民が被害者になっている。
以上、番組からでした。
-----
【終わりに】
時間が無くなってきてしまった。国民国家とは何か、ってドキッとした。

この、新自由主義者たちの戦争と再建の実験、新たなるビジネスモデルの構築は、実は、昨日見た、とある人のサイトの、全く別の話にぴたりと符合するんで。


あ、そうだ、ウク情報、結局、今迄の反転攻勢は上手くいかなかったので、場所をヘルソンの方かな、こないだ水害のあった方面に移して、そちらの攻撃の見通しがあるみたいです。これも、欧米の指導で、場所を変えたみたいで、もう何もかも、欧米の指図や支援なしにはできない宇。

以前のNHKでは、ウクのネイションビルディング、国民国家の創設のような話をしていたんだが。
とんでもないですね。30年ほど前、国民投票で主権国家として独立したはずが、結局、ネイションビルディングなんて、夢のまた夢。

そう、上記の戦争と再建のビジネスモデルは、ウク大統領が、米ブラックロック社と契約した(大統領HPに出てる)話で、ありありと感じられるんで。頭が痛くなってきます。
ウクは、外資に買い叩かれる国だということで。
さっさと戦争やめればよかったのに。

なお、30年ほど前の国民投票でウクが国として独立した際、元々、歴史的には、帝政ロシア時代はウクでなくロシア領だったクリミアについては、ウクに混ざらないで、ウクがロシア連邦を離脱するなら、分離してロシア連邦の一員になる、という方向で地元クリミアの政治家が動いてたのが、例の、エリツィンの登場の時のゴタゴタ、あれやこれやで、頓挫した経緯がある模様。

無知で、現地に思いの無い日本人が、歴史も何も学ばず、或いはTV工作員に騙され、自分の妄想や空想で、戦隊もののショーのような好戦的な内容を事実と勘違いしてる間に、ウクは破産寸前だとか。

(あらゆる経済指標で、破産寸前だそう。それとやっぱり気になってるのは、戦争代、って、付けなのか?欧米への)

、まさに、上記の破滅待ち。そして、まだ戦争終わってないうちから、民間企業が復興計画を立ててるのも、上記の戦争と再建のビジネスモデル、そのもの。)

なお、ウクの経済がとても悪かったのは、今回の戦争でそうなったというより、元々、現大統領時代も、前大統領時代も、ウクのGDPとか、経済状態は、かなり悪かった。)
ウク信には、現実を見ろと言いたい。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする