懐かしのバレエ

バレエ、パフォーミングアーツ等の感想、及び、日々雑感。バレエは、少し以前の回顧も。他、政治、社会、競馬、少女マンガ。

TVドラマ「海峡」

2008-03-28 01:40:10 | Weblog
家事をしながら、なにげにつけたテレビのチャンネルで、出たドラマが
これだった。全部を見たわけじゃ、ないのだけど。

実の所、私らは、戦争とその後の市民の生活状況に詳しいわけじゃないから、
むちゃくちゃな戦後の混乱の、当事者にとっての理不尽さの具体的な話は、
例えフィクションの娯楽のドラマでも、知識としては、「知らなかった~」と思うことは、少なくない。

朝鮮人の中でも、「戦前は日本国籍、戦後は外国人」と言う扱いの人の立場を、
ここまで判ってなかった、とか、外で生まれ育った日本人引揚者の立場、国外で財を成した人の身ぐるみ剥がされる立場(これは、負けたらこんなもんかとは思うけど)・・。

でも、第二回を見ていて、曲折の果てに、祖国より日本人の恋人を選び、母と別れる息子のシーンをみていたら・・。

互いを想い別離の熱い抱擁を交わす母子。

日本と朝鮮の立場よりも、息子の愛した日本人の恋人の立場を案じ、息子に別れを告げ、幸せを願う母。母より恋人を選んだわけでもなく、母の勧めに従い、母と恋人とを愛しながら、母と別れ行く息子。

不謹慎だけど、この人たちは、愛が深く、その意味ではそれなりに充分幸せなのではないかと思ってしまった。

人によっては、愛より立場、建前や形式、風習を重んじる者も居る。
国家や周囲の目よりも、息子の愛した人の立場を思いやれる母のあり方。
逆の立場を取る母親も、世間的には色々いるだろうから。

その後、日本に帰国した主人公たちのドラマ。
密航者で朝鮮人の夫と日本人の妻として生きる、若い夫婦の困難を見ていても、
時に同じ思いをした。

二人の立場が理不尽なものなのは、いうまでもないのだが。

困難が、却って愛を深くするのか・・??

戦前、日本人だった夫は、結局「戦後は外国人」として逮捕、さらに裁判もなく
本国へ強制送還。理不尽の極みだが。

二人のつつましい結婚式での幸せ。
引き裂かれた状況で、去っていく「海峡」を渡る船に向かい夫の名を呼ぶ、妻、
その声を船中で聞く夫。

これだけ愛し合えるのは、それなりの幸せは、あるのでは・・、と。

(愛し合って平穏無事が、一番良いけれど。)

こんな風に思ってしまうのは、この頃、この種の幸せから遠い人々もまた、少なくないからだと思う。せちがらい事件報道も多い。数年前だったら、「こんなに愛せるとは、幸せなことだ」とは、思わなかったと思う。

(「せちがらい事件が多い」のと、「せちがらい事件報道が多い」のは違う。せちがらい事件報道が多いのは、不幸な人も少なくないんだと思う。報道しても、視聴率が上がらなければ、件数と時間は減ると思うので。本当に満ち足りて幸せな人間は、人の不幸の報道には過剰な関心は、もつまい。)

よくわからない殺人事件の、大々的な報道があった後なので、そんな感想になってしまった。
コメント (2)
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