想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

8年目、帰りたくても…

2019-05-07 18:51:39 | Weblog
村の集落へ向かう道を彩っていた
桜はほぼ葉桜になってしまったが
風の谷の山桜はまだ咲かない。



例年ゴールデンウィークの最中に
咲くよ咲くよと桜の精のささやき
が風音とともに聞こえるが…
なかなか咲かない。



上の方ばかりいくら見ていても
つぼみは昨日とほとんど変わら
ないから、地面を見て歩く。



若い芽が音符みたいに





みんな歌っている、春



北国といっても入口あたりだが
山のすそ野だから標高はあって
100m手前と降雪の量が微妙に
違ったりする。



山尾三省さんが山暮らしの
自然に抱かれていることの
楽しさ、喜びを書かれているが
読みながら、そうそうと頷く。

「ここで暮らす楽しみ」という
タイトルそのままに暮らして
いるからわかることだ。
連休が少し長くなり移動せず
滞在型で楽しむ旅もできる
だろうが、旅と暮らしは
やっぱり違う。

私は行ったり来たりでは
あるが、宿ではなくウチに
帰る。ウチの庭とウチの山と
ウチの桜を眺める安心感。

ここまで書くとどうしても
それを喪ってしまった浜通りや
飯館の人を思い出す。
幸せを書くのがはばかられ
悲しみが湧いてくる。

地表数センチ、美しい青色の
花びらをつけたりんどう、
おばあちゃんたちもやっぱり
この子を踏まないように
そっと歩いていただろう。



帰ってやわらかな土を踏み
花を摘んで暮らしたいだろうに。
知る人がほとんど去った町には
帰りたくても帰りようがない。
8年目、8年たっても春は
さみしいままだ。








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