想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

夏櫨(ナツハゼ)の実り

2013-09-30 14:49:19 | Weblog
上が今年のナツハゼ、下が去年のです。

まだまだ食べません
庭の芝生を剥がし土を剥がし、深く掘った山土と入れ替え、7月から植え始めた芝生の種まきは少しづつで幅を広げてやっと縁側前まで伸びました。カメが忙しい合間を縫って地道にやって下...


さて、今年は思い切ってナツハゼの実を検査しました。
2本の木から食べごろなのを摘んで600gでした。
放射能検査には1kg必要なのですが、東京国分寺市のこどもみらい
放射能測定所へ持って行きました。
検査結果は5Bq/kg これをよしとするか、検出されたからダメだ
とするかは個人差があるでしょうけれど、不検出ではないという
のが事実ですね。

国の新規制基準値では一般食品は100Bqですから大幅に下回って
います。誰かさんの口真似ではないですが「ただちに健康に害が
あるわけではない」数値です。
でも100以下ならいいと思って食べている人は少ないでしょう。



ちなみに5Bq/kgのセシウム137を1日3回365日摂取したら
シーベルト換算で約72マイクロシーベルトになります。
年間1ミリシーベルトを基準として食品の規制基準も新しくなった
わけで、100という数値は事故直後の500に比べれば厳しくなって
います。飲料水は10、牛乳は50です。
なんだ、大幅に下回ってるから大丈夫じゃないか、と思います?
計算上のことだけで食事をするわけではないから…
食そのものが健康の安心を得るためという考え方ならば、
その土台は崩れていることにならないでしょうか。

裁判所は放射性物質は無主物であるから汚染された土地や建物、
田畑、山林を、東電が賠償する責任を負わなくていいとしました。
しかし、喪失感は「人格権の侵害」にあたるそうです。
福島とその近隣の住民を苦しめているのはこの喪失感です。
そして喪失感の原因は裁判所が無主物と認定した放射性物質であり、
その持ち主は東電です。
原発事故の責任はクルクルとたらい回しにされたまま、今日も風が
吹いています。
山の木々、野生の動物たちは放射能まみれで生きています。

先日、カメ先生と車に同乗して山道を移動していた時、前方に突然
黒い大きなモノが現れ、すっと横へ消えました。
その正体はイノシシでした。
野生のイノシシを見たのは初めてですが、その大きさは動物園で見る
サイみたいでした。痩せているのが遠目にもわかりました。
イノシシが消えた薮のなかをずっと進むと雑木林の先には渓谷があり、
その先にはまた一つ山があり、そこを下ると村のはずれに出ます。
猪苗代湖周辺の山林でイノシシが増え、駆除が追いつかなくなっている
という話は聞いていたけれど、ここまで降りてくるとは驚きました。
ずいぶんな遠出です。
そのうち熊が山道を歩くのに出くわすのではないかと、それだけは
勘弁してほしいところですが。
イノシシももっと近かったら車でも危険だったろうと思いました。
一人の時ではなくてよかったとこの山で初めて思いました。
2011.3.11以降、変わったことをまた一つ実感した日でした。



実のほとんどを検査に使ったのでほんの少しだけ木に残っています。
今年の秋も野鳥がついばみにくるのを眺めて過ごすとするか…、と
恨めしい気持ちをどこへ向けようもないのでありました。
人間はともかく自業自得としても、他の生きものたちに申し訳ない
かぎり、かわいそうなことです。
めぐりめぐって悪行のヒトへも及んでくることでしょう。

夜空、星がよく見えるようになって秋を感じます。
首を上へ向けて目を凝らしていると、少しのあいだ時が止まって、
煩わしい世の中を忘れていました。



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