プロムスも今日を入れて残すところあと2日。外オケ最終日は、ズビン・メータ指揮、ウィーンフィルで前半がウェーベルンのパッサカリアOp.1、R.シュトラウスのドンキホーテ、後半がブラームスの交響曲第4番。
前半を聴いたときには、前日の演奏のほうが、ウィーンフィルらしい美しい音がしていたように思われた。ドンキホーテのチェロソロをあまり評価できなかったからかもしれないが。尤も、知り合ったPromer(Promsの常連をこういうらしい)達は、昨日より気に入ったと言っていた。早くミスを超えた音楽性を感じられる自分になりたいものである。
一方、後半のブラームス交響曲第4番。このpで始まる出だしの演奏は非常に難しい。にもかかわらずファーストヴァイオリンの音で言えば♪シソ~、ミド~、ラ♯ファ~、♯レシ~、の時点で、厳密に言えば最初の♪シソ~の時点で完全に脳みそは痺れていた。音の中央が膨らむような、加速度感を伴ったどこまでも透明な音が、体の芯を突き抜けてゆく。思わず目を瞑って、体を宙に浮かせてしまう(あ、気分的なものであって、怪しいものではありません)。
とにかく、このロイヤルアルバートホールでウィーンフィルを聴くと、弦の音が素晴らしく良い。ウィーンフィルのサイトには、弦楽パートのサウンドの他オケとの違いは、管楽器ほどには楽器に依存するのではなく、演奏スタイルを徒弟的に新メンバーへ伝承することによる、とあるが、どうだろう。楽器は各個人の所有ではなくオケの所有というし(それで、ザルツブルクの演奏会のときに、譜面台に無造作(?)に予備楽器が括り付けてあったことが納得できた)。。。
そうそう、楽器のポジショニングで気になっていることが。昨日の小/中編成のオケはともかく、今日もティンパニがホルンの横あたり、オケの中央ラインよりやや上程度の場所に居た。実は、ロイヤルアルバートホールでティンパニを最後列(有名な胸像の斜め前あたり)に置くと、反響で1打が2打に聴こえるので、すごくいやだったのだが、もしやウィーンフィル、それに気がついたのか(他のオケでは平気でそこに配置していた)、あるいは、もともとそういう配置なのか-これも質問箱に投書したい私である。