某地方都市での演奏会。
師匠がバッハの無伴奏第1番を演奏したので聴きに出向いた。
途中、明らかに曲が飛びそうになった(間違ったところへ飛んでしまった)。和音を聴いてうわっ、と思った瞬間、立て直した。凄い、これがプロ、と言うものなのだろうか。アマチュア発表会だったら、一旦止めるか、ぐだぐだになるかの二択のところを、その後何事もなかったかのように弾き切った。もちろん、こんなにあからさまに間違ってはあかんのだろうが、しかし、とても良いものを見せていただいたと思っている。
実はこの曲は2年後にプロデュース予定の全曲演奏会の一部。普段真横で聴いていると、色気が堪らないのであるが、やはり効果(力)は距離の二乗に反比例する、と高校の物理の先生がいつも仰っておられた通り、客席にまで伝わらない。あと2年でこの力も向上させねば(とあたくしが思って向上するのか?!)。
その後の全体合奏では、師匠は明らかにキレッキレの弓遣いと呼吸感。プロとアマって、並ぶとこんなにも違うのね。
災い転じて福となす、ではないけれど、事故を通してプロの凄さ、師匠の凄さを認識するとともに、2年後への課題も明らかになった演奏会でした。