ヨーヨー・マのチェロ、ベルリンフィルでショスタコのVc協奏曲第2番を聴いた。ショスタコのVc協奏曲といえば第1番はとても有名で、私もそらで最初の部分は歌えるくらいだが(といっても相当音痴に)、第2番、はて?、第2番なんてあったのだ、という感じ。
予習も時間がなくて(チケットの入手が直前であった)YouTubeだったため、ロストロポーヴィッチの古い演奏しかなく、また時間の制約のためか、あまり全体がつかめないままに本番を迎えることになってしまった。
リターンチケット(会員か何かが抑えるのだろうか、入金のなかったチケットが売りに出る)で、前から3列目中央、という素晴らしい席だった。それにしても、日本人のお客さんが非常に多くてびっくり。樫本大進がコンマスだからなのかしらん?ベルリンの日本人人口ってそんなに大きいのかしらん?
さて、Vc協奏曲。最初のフレーズから思わず体が震えそうなほど音が美しく、友人と顔を見合わせる。ヨーヨー・マの音が美しいのは、以前バービカンで理解したところだったけれど、今回の方が席も近いし、なんと言ってもフィルハーモニアは音が良い。YouTubeを聴きながら、良く分からなかったこの曲の美しさが心に沁みた気がした。
しかし、ちょっと意外だったのが、マがかなり一杯一杯で演奏しているように見受けられたこと。終始一貫してスコアに顔を向けたまま。友人は「見た目にちょっといただけない」とコメントしていた。確かに、目を瞑って聴くのが正解だったかもしれない。
後半はニールセンの交響曲第5番。これもYouTubeで聴いていたときにはそれほど感銘を受けなかったが、ところどころ、ブラームスの第4番の交響曲に似ているかなぁ、などと思いながら美しいメロディと音を楽しませてもらった。
正直マがベルリンフィルと演奏するのでなければ足を運ばないプログラムである。また、ある意味ベルリンらしい、チャレンジングな選曲ともいえるような気がする。こういう姿勢から新しい文化は生まれてくるのだろうか。新しい世界を素晴らしいオケで堪能できるベルリン市民が羨ましい。チケット代がロンドン並に安いともっと良いのだけれど。。。