お天気も良いし、演奏会でも出かけよう!とウィグモアホールのマサユキ・タヤマPfリサイタルに出かけた。
ベートーベンPfソナタ「悲愴」、タケミツ「Les yeux clos」、シューマンPfソナタ第2番、ラフマニノフ「Etudes-tableaux」Op.39。
ベートーベンは最初の一音でびっくり-とにかく音が大きい。そんなに力いっぱい弾いているわけでもないのに。ウィグモアでこの大音量を聴くのは、セルジオ・ティエンポ以来?タヤマ特有のアーティキュレーション-少々自然さを欠いているような印象を受けたのは残念。また、有名な第2楽章、ここはもう少し控えめな音で弾いて欲しかった。第3楽章は、聴いているうちに、是非シューベルトのD960を弾いて欲しい、と感じた。後から聞いたところ、D960はレパートリーらしい。納得。
タケミツ-題名がフランス語だからか、少しフランス的な響きに思えた。実際この曲は、タケミツのメンターであった瀧口修造へのオマージュとしてオディロン・ルドンの同名の絵画(タケミツが観たのはシカゴ美術館のリトグラフ、油絵はオルセー美術館)にインスピレーションを得て作曲されたらしい。
後半が彼の見せ場だったのだろう。この大音量と素晴らしいフィンガーワークは、まさにラフマニノフ向き。ラフマニノフはそれほど聴き込んでいるわけではないので、詳細なコメントはできないが、明らかに前半よりタヤマに向いている、と感じることは出来た。そこで、ラフマニノフ好きの友人のためにCDを購入した。彼の感想を是非聴いてみたい。
さて、アンコール。絶対「鐘」だろうな、と思っていたら、本当にその通りだったので、最初の音を聴いて思わず笑ってしまった。まあ、日本大使館が後援して、これだけ多くの日本人が聴きに来ているのだから当然、といえば当然なのだろうか。こういう心遣いが大切なのよね。見習わなくては!