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伊丹十三という男 その弐

2008年09月28日 | 芸能・entertainment

 

ミンボーの女の公開1週間後の5月22日夜に自宅の近くで刃物を持った5人組に襲撃され 
顔や両腕などに全治三ヶ月の重傷を負うがあ「私はくじけない 映画で自由をつらぬく」と宣言します
(病院に搬送された際に取材陣から「大丈夫ですか!?」と声をかけられて
声こそ出なかったもののピースサインで気丈に応えたのです
警察は現場の車より山口組系後藤組の犯行であることを
突き止めた5人の組員が4年から6年の懲役刑となりました

1993年3月には自称右翼の男が
『大病人』公開中の映画館のスクリーンを切り裂く事件が起こるなど
数々の被害や脅迫・嫌がらせを受ける事となったが、襲撃事件により身辺警護を受けた経験は
1997年に『マルタイの女』で映画化された 『タンポポ』はアメリカでも配給され評判となります

ここまでは 順風満帆だったのですが・・・
ただ、1993年『大病人』以後の作品は 批評家の評価も厳しいものとなり
また『マルサの女』『マルサの女・2』で
主人公(権藤)やソープ嬢を障害者とする設定を行ったことに対して
倫理的観点から厳しい社会的批判を受けてしまいますが
伊丹の演出面での特徴は俳優に対して一言一句のアドリブも許さず
画面に映る全ての小道具に一切の妥協を許さないという厳格かつ・情熱的ななものでした

しかし俳優がNGを出しても決して怒鳴り散らしたりしないため
俳優にとっては非常にやり易かったといいます
 
そして1997年12月20日突然の「自殺」
写真週刊誌「フラッシュ」により不倫疑惑が取り沙汰されたことに対して
「死をもって潔白を証明する」とのワープロ打ちの遺書を残し
伊丹プロダクションのある東京麻布のマンションから投身自殺を遂げました

不自然な自殺のため他殺説も根強く存在し
因みに予定していた次回作のテーマは創価学会だったため
学会の陰謀説も 流れていますし 真相は闇の中です

そんな伊丹はその壱にも書いたように 多彩な人でした
商業デザイナー・俳優・エッセイスト・TVマン・雑誌編集長・映画監督と
興味のおもむくままに様々な分野の職業に分け入り多彩な才能を発揮した人で
また音楽愛好家・猫好き・乗り物マニア・料理通など趣味人としても
一流の見識を持っていたことはつとに有名でした

やはり 皆さんの一番の関心事はグルメかな
食べ歩くのだけでなく 造ることもお得意だったようです
そんな上
の写真は 自身の監修した ご存知たんぽぽラーメンです



あとはパスタとかもお得意だったと聞きます
伊丹が1975年頃に出した本「女たちよ!」の中に
【スパゲッティの美味しい召し上がり方】というのが載っており
とある 店の店主が早速実行してみると納得!
新しい定番が増え 人気メニューになったそうですよ



そして あの有名なたいめいけん名物「タンポポオムライス」は
チキンライスの上に、中がトロンとしたオムレツがのります
映画「タンポポ」でレシピが出てくるオムライス・・・
セルフでオムレツの中央から開いて全体に広げ その上にケチャップをかけてます
僕個人としては オムライスはあまり好きではないけど 
これなら ペロッと食べられそうです

尚 一番上の木はクローバーに覆われた庭の中に立っている桂の木
一株なのに根元から二つに分かれた双幹の形をなしています
ちょうど伊丹十三と宮本信子の夫婦を象徴したようで当館のシンボルとも言えるものだそうです

※ 尚伊丹の作品の数々を敬愛するあまり あえて敬称略にしてます 
   写真も一部記念館の物を撮影してますが ご容赦ください

 


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