墨汁日記

墨汁Aイッテキ!公式ブログ

箸でさばく

2005-11-07 19:40:49 | 駄目
 天皇にお出しするお魚は、直接に手で触れないで、右手に包丁、左手に箸。箸でさばくのだ。
 きっと、天皇にお出しするおにぎりは箸で握るんだろう。


徒然草 第百十八段

2005-11-07 19:27:42 | 徒然草
 鯉の羹食ひたる日は、鬢そそけずとなん。膠にも作るものなれば、粘りたるものにこそ。
 鯉ばかりこそ、御前にても切らるるものなれば、やんごとなき魚なり。鳥には雉、さうなきものなり。雉・松茸などは、御湯殿の上に懸りたるも苦しからず。その外は、心うき事なり。中宮の御方の御湯殿の上の黒み棚に雁の見えつるを、北山入道殿の御覧じて、帰らせ給ひて、やがて、御文にて、「かやうなもの、さながら、その姿にて御棚にゐて候ひし事、見慣はず、さまあしき事なり。はかばかしき人のさふらはぬ故にこそ」など申されたりけり。

<いきなり感想>
 なんで、古文ってやつは、こうも主語や目的格を平気で省略するんだ。北山入道は、黒み棚に雁を見つけた様子を、誰に向けた手紙に書いて送ったんだ? 兼行か? 兼行あての手紙に書いたんか?
 兼行に新聞記事を書かせたら、必ずや、サッパリわからない記事となるはずだ。

<口語訳>
 鯉のあつもの食った日は、鬢そそげないんだと。ニカワにさえも作られるものなれば、粘ったものこれこそ。
 鯉ばかりこそ、御前にても切られるものならば、やんごとない魚だ。鳥には雉、ならび無き物だ。雉・松茸などは、御湯殿の上にかかってても苦しくない。その他は、心憂き事だ。中宮の御方の御湯殿の上の黒み棚に雁が見えたのを、北山入道殿が御覧して、帰られまして、やがて(あるいは、すぐに)、御手紙にて、「かようなもの、さながら、その姿にて御棚に居て御座います事、見慣れず、様悪い事だ。はかばかしき人が控えていないからこそ」など申されたりしました。
 
<意訳>
 鯉料理を食った日は、髪がばらけにくいんだと。ニカワの材料になるぐらいだから粘るんだろう。
 鯉こそは、天皇の御前でもさばかれるありがたい魚だ。鳥なら雉で、他に並ぶ物はない。雉や松茸なら、御湯殿へと続く棚の上に置かれていても見苦しくはない。その他の食材が天皇の目につく所に置いてあるのはふさわしくない。
 中宮の御所にて、御湯殿の黒御棚に雁が置かれていたのを、北山入道様が御覧になられ、やがてお手紙にて、このように申されていたと聞きます。
「雁のような鳥を、そのままの姿にて棚において御座います事は、見慣れなく、体裁が悪い事です。しっかりとした人がお側に控えていないからこそ、、」

原作 兼行法師 


徒然草 第百十七段

2005-11-07 00:30:26 | 徒然草
 友とするに悪き者、七つあり。一つには、高く、やんごとなき人。二つには、若き人。三つには、病なく、身強き人。四つには、酒を好む人。五つには、たけく、勇める兵。六つには、虚言する人。七つには、欲深き人。
 よき友、三つあり。一つには、物くるる友。二つには医師。三つには、知恵ある友。

<口語訳>
 友とするに悪い者、七つあり。一つには、高く、やんごとない人。二つには、若い人。三つには、病なく、身体強い人、四つには、酒を好む人。五つには、猛く、勇める兵。六つには、虚言する人。七つには、欲深い人。
 よき友、三つあり。一つには、物くれる友。二つには医師。三つには、知恵ある友。

<意訳>
  友とするのに悪い者、七つあり。
 一つには、身分高い人。
 二つには、若い人。
 三つには、病気した事もない身体が丈夫な人。
 四つには、酒を飲む人。
 五つには、勇敢な武士。
 六つには、虚言する人。
 七つには、欲深い人。
 良き友、三つあり。
 一つには、物くれる友。
 二つには、医師。
 三つには、知恵ある友。

<感想>
 まず、友にふさわしくない人間をズラズラ書き並べておいて、オイオイ、そんなことを言ってたら友達なんか一人もできないじゃん。と思わせておいてから、良き友の筆頭が「物くれる人」である。最初に読んだ時は、つい吹き出してしまった。何だコレ、ギャグなのかとも思ったが、兼好はこういった冗談を書く人ではない。どうも、この段は兼好の実体験としての、悪い友、良い友であるらしい。
 実際に、兼好は知り合いの誰かの顔を思い浮かべながら、この段を書いたのではなかろうか。
 ならば、俺も兼好の真似して「良い友、悪い友」を書き並べてみよう。

<真似>
  友とするのに悪い者、七つあり。
 一つには、中小企業の社長の人。
 二つには、俺が見えない若い人。
 三つには、健康だけがとりえの人。
 四つには、酒に飲まれる人。
 五つには、トビ職の人。
 六つには、新聞記者の人。
 七つには、ブランド大好きな人。
  良き友は、二ついる。
 一つには、困った時に金を貸してくれた友。
 二つには、俺の話を面白がって聞いてくれた友。

原作 兼好法師