蝉の声降る道
風がはこぶのは
遠い海のにおい
ともだちと歩いた
ながい石段
とんぼが飛んでいく
かき氷の赤いいろ
砂粒のてざわり
おもいだすすべてと
おなじくらいの記憶を
これからも刻もう
もっとこまやかに
もっとせつなく
これからも刻もう
蝉の声降る道
風がはこぶのは
遠い海のにおい
ともだちと歩いた
ながい石段
とんぼが飛んでいく
かき氷の赤いいろ
砂粒のてざわり
おもいだすすべてと
おなじくらいの記憶を
これからも刻もう
もっとこまやかに
もっとせつなく
これからも刻もう
ちいさなこと
そう
ちいさなことなんだ
すなつぶよりも
しおよりも
みえないくらい
ちいさなことが
ふかくひろくとおくへひろがり
ときがたったあとも
けはいとしてのこる
それは
えいえんにちかい
ちいさなことなんだ
遠い星から
いまひかりが届いた
遠い海から
いま風が届いた
遠い未来から
いま兆しが届いた
遠いともだちから
いま言葉が届いた
どんなに遠くにおもえても
ほんとは遠くないのだ
わたしがこれからゆく道に
どんな建物があり
どんな扉があり
どんな窓があるだろう
その窓からみえる景色
そこに咲く花の色
吹く風の音とかおり
その窓の横でわたしは
友だちとどんなことを
語っているのだろう
その道をゆききして
その建物で暮らし
どんなおもいでを
日々つくりあげて
宝ものにしていくのだろう
みんな見たことがある
魔法のひとつやふたつ
ただそれを不思議と呼び
忘れてしまうだけで
みんな知っている
あしたがくることだって
魔法と言ってもいいことなのに
かぞえきれない空の星
かぞえきれないひまわりの花
かぞえきれない旅する鳥
かぞえきれない窓のともしび
かぞえきれない月と日と
かぞえきれないあこがれと
かぞえきれないおもいでと
ひとつでも多く
望みをかなえてあげよう
たいせつなひとと
たいせつなひとが
たいせつにおもう
じぶんのために
花一輪 手わたすみたいに
ちいさな望みを
こつこつとかなえてあげよう
星ひとつ ゆびさすように
ちいさな望みを
みつけてはかなえてあげよう