辻占いの歌

今日の歌をお届けします:tamako

笑う山

2012-08-16 21:51:51 | 

こんもり緑のお山が言った

夏はくすぐったいんだと

リスも小鹿もそれから人も

お山のおなかで遊ぶから

夏はついつい笑うんだとさ










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花をください

2012-08-15 20:55:06 | 
花をください

たくさんの花

あらゆる色の花

生きものの数だけの花

望みの数だけの花

さよならの数だけの花









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夏に山は

2012-08-14 21:06:26 | 
照り返す

みどり一面

とことこと走る車

川べりの麦わら帽子

サルビアの赤

山百合の白

くっきりと夏のかたち

見おろす山は 嬉しかろ

夏まっさかり 嬉しかろ





















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だだっこの空

2012-08-13 21:51:37 | 
さあ

さあさあ

よってらっしゃい

見てらっしゃい

この空

真っ青 

と思えば

あっという間に

真っ暗

響き渡る雷

渦巻く黒雲

大騒ぎして降る雨

泣きじゃくり

しゃくりあげ

そのうちに

眠りにつくこどものように

いつか

薄雲にくるまれた

静かな 空


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わたしたちは生き残った

2012-08-12 22:57:48 | 
わたしたちは 生き残った

その場所には いなかったけれど

その時には いなかったけれど

わたしたちは 生き残った

ただ偶然に 

わたしたちは 生き残った

そして 

今日も

ただ 偶然に

わたしたちは 生き残った

見たことのない絶望が

雨粒のように降り

思いもよらない憎しみが

砂利のように溢れた

ただ 偶然に

わたしたちは 生き残った




































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いいこだ いいこだ

2012-08-11 20:02:45 | 
ああ いいこだ いいこだ

いねむりしてる子犬に言う

ああ いいこだ いいこだ

ボールで遊ぶこどもに言う

ああ いいこだ いいこだ

咲きそろう花に言う

ああ いいこだ いいこだ

十字路を渡るひとびとに言う

ああ いいこだ いいこだ

空にあらわれる月に言う

ああ いいこだ いいこだ



 

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それが夏やすみ

2012-08-10 20:37:16 | 
枝豆 スイカ アイスクリーム

プール ともだち 水彩画

終わりがあること忘れてる

夏やすみ それが夏やすみ


空も風も生きものも

あと戻りなんかできないよ


約束 お昼寝 グラジオラス

金魚みたいな兵児帯で

花火の最期のひとしずく

まばたきできず見送った

夏やすみ それが夏やすみ






 





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大きな樹が待つその場所で

2012-08-09 22:51:32 | 
大きな樹が待つ

その場所で

空がひろがる

その場所で

星をみあげる

その場所で

言葉の種子が

風にのる

綿毛が旅だつ

その場所で


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ない ない ない

2012-08-08 21:42:01 | 
ない ない ない

遮るものは

なんにも ない

罰する理由は

なんにも ない

怯える意味も

なんにも ない

ない ない ない

遠くにあって手が届かない

そんなものなど

なんにも ない



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いちばんきれいな夏

2012-08-07 23:33:52 | 
いちばんきれいな夏の色

夕焼けの色

波の色

さるすべりの花の色

いちばんきれいな夏の夢

飛んでく揚羽

落としたサンダル

一枚きりの記念写真


















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物語はどこから

2012-08-06 21:53:10 | 
物語はどこからやってくる

山のむこう

海のむこう

それともあの空から

いいえ

何万年も吹きめぐる

風のなかの

塵よりちいさな

記憶のかけらが

結晶となる

出来事がかたちになる

物語が はじまる





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自転車の夏

2012-08-05 22:35:46 | 
自転車で

風つれて

空っぽの

夏をよこぎる

飛んでくる

蝉の声

遠ざかる

ちいさなわたし

いちめんの緑いろ

眩しくて

目に染みて

照りかえす

アスファルト

夏の日の

かげが濃い

ペダル漕ぐ音がして

夕暮れが追いかける

どこへゆく

どこへゆく

風つれて

どこへゆく


















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色とかたち

2012-08-04 23:55:53 | 
色をあびる

かたちをあびる

色とかたちの遊びを

みくらべる 

目を細める

手にとる

はなれて眺める

壁に掛けられた大きな絵も

並べられた夏の服も

立ち並ぶ高いビルも

ひとりの誰かのなかから

飛び出してきた

たったひとつの色とかたち

空のしたの色とかたち

地上の色とかたち

数々の色とかたち





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扉をあけると

2012-08-03 22:45:22 | 
扉をあけると

風が吹く

扉をあけると

日が入る

扉をあけると

土ぼこり

扉をあけると

鳥の声

扉の外の世界では

好き も 元気

嫌い も 元気

扉をあけたそのときに

足を踏み出すそのときに

もうそのときに

細胞の

ひとつひとつが

変わってく





 











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お話をひとつ

2012-08-02 21:32:11 | 
こどものころ聞いた

お話をひとつ

聞かせてください

時間のなかにうずもれた

お話の かけらが

ちりり ちりりと

呼び合って

虫の音のように

響いています 

お話は

語ることで

息をふきかえす

そんな生きもの

だから

聞かせてください

お話をひとつ










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