辻占いの歌

今日の歌をお届けします:tamako

懐かしさの湖

2011-12-16 23:58:58 | 
懐かしい場所があり

懐かしい人がいる

振りかえれば

懐かしさで満ちた湖に

光をうけて揺れるさざ波

懐かしい人が

笑っていてほしい

懐かしさの湖は

森を映してさらに深まる

空を映してさらに澄みゆく






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おんなじ事を言うだろう

2011-12-15 22:22:38 | 
駄菓子屋のおばちゃんが

もう6時だから帰りなさいと

男の子に言っている

子どもの細い肩を見て思う

君はおとなになったら

おんなじ事を言うだろう

遊んでいる近所の子に

暗くなるからおうちに帰れと

細い肩をぽんと叩いて言うだろう

駄菓子屋のおばちゃんのことを

思い出すこともなく

空気のようにあたりまえに

おんなじ事を言うだろう




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いちばん弱いもの

2011-12-14 23:58:55 | 
いちばん弱いものが

いちばん強いのかもしれない

小さな花だけが

風に耐えて咲くように

遅れて歩むものだけが

たどりつける場所がある










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ご褒美の前触れ

2011-12-13 23:29:04 | 
えらいめにあってる

今まさにえらいめにあってる

こんなことはじめてだ

どうにもならないと思ったら

ご褒美の前触れ

ぜったいにぜったいにぜったいに

乗り切って笑える








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歩いているよ

2011-12-12 23:48:23 | 
足を踏み出す

地面におろす

その時はもうほら

片足は地面を蹴ってる

立ちどまったと思うなら

胸に手をあててごらん

とことことことこ

歩いているよ








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かくれんぼ

2011-12-11 21:38:43 | 
山茶花の奥から笑い声

誰が隠れているかと見れば

赤い花のあいだから

まるい雀が見えました

緑の葉っぱのあいだから

遊ぶ雀が見えました













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夜空を見上げる一日は

2011-12-10 23:55:59 | 
夜空にも うろこ雲があるんだね

月のかたちに人が立ちどまる

バイクを止めて見上げる人が

通り過ぎる人と言葉をかわす

家族が着ぶくれして見上げている

夜空を見上げる一日は

月のかたちが変わる日も

白い光にくるまれて

ひんやりしっとり柔らかい




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お月さま 冬になりました

2011-12-09 23:58:58 | 
お月さま

冬になりました


たくさんの人が

あなたを見上げ

会えないひとを

思った春に

街を照らしたお月さま


月光とは

あんなにあかるいものだったでしょうか


お月さま

冬になりました


たくさんの人が

あなたを見上げ

語らない言葉を

投げかける


街に息づく小さな闇を

あなたの光で満たしてください
















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おべんと

2011-12-08 21:44:26 | 
おべんとばこを買ったから

おべんとつくることになる


じぶんにつくるおべんとは


たべたいもの

たべたほうがいいもの

かたづけたいもの


この三つがぎゅっとつまっている


おやまるで 日常そのもの







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でこぼこでばらばらで

2011-12-07 23:58:58 | 
でこぼこでばらばらで

似たひとなんかいないほうが

なんだかしあわせみたいです

そもそもみんな規格外

でこぼこでばらばらで

勝手なときに咲きだして

でこぼこでばらばらで

いつの間にか実ってる










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商店街にて

2011-12-06 23:45:20 | 
お店の窓をいつもきれいに磨いてるので

中がくっきり良く見えるのです

毛糸のベストの六十代後半女性

そろばんをはじいています

きのうは硯が出ていたので

年賀状の準備をしている様子

時々お客さんかお友達かわかりませんが

向かいに座って話しています

何年いや何十年とそのように暮らしてきて

お店の窓はその間もずっと

いつもきれいに磨かれていたのでしょう

朝は床屋のおじいさんが道をほうきで掃きながら

小学生にいってらっしゃいと言い

夜でも弁当屋さんの前に大学生が並んでいる

コンビ二の向かいの焼き鳥店持ち帰りコーナーで

お客さんが自転車をとめるとおかえりなさいと言う

めっきり冷えてきましたが

窓のなかの毛糸のベスト六十代後半女性が

今日も座っておしごとしているかと思うと

勝手に嬉しくなるこの頃です






















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ストーブのように

2011-12-05 22:45:34 | 
いざ持ちものをひろげてみると

実際どのように納めて良いやら不明

しかしひとつひとつは良いものが

あるかもしれぬそうかもしれぬ

組み合わせてみると意外に使える

あるかもしれぬそうかもしれぬ

うまれもって授かったもの

道々でもらったものや交換したもの

などなどの持ちものを無駄にせず

使いきることはずいぶん幸せなことだ

まるで 

長いこと壊れずにずっと

うまく火を燃やし続けて

ひとを暖めるストーブ

それぞれのもつ燃料と

それぞれのもつあたたかさは

みんな違うものだとしても





























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光る泡ひとつ

2011-12-04 22:10:58 | 
今日 好きな場所がふえました

泡のようにうまれて消えるさまざま

きらきらとぱちぱちと無数のできごとが

目の前をとおりすぎてゆくので

そのなかのひとつのちいさな喜びは

またたく間に後ろへと押し流されてゆく

でも 今日 好きな場所がふえました

こうして光る泡をひとつ拾いあげ

明日も歩いてゆくのです











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なおよろし

2011-12-03 21:44:07 | 
おびえずに歩けるなら よろし

おびえるひとを励ますなら なおよろし

花をきれいと思えるなら よろし

花を育てるなら なおよろし

明日が楽しみであれば よろし

さいごの日まで楽しみであれば なおよろし






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雪 雪 雪

2011-12-02 23:50:17 | 
みぞれ

あられ

ぼたゆき

こなゆき

雪 雪 雪 

いちめんに 雪

つもったばかりの朝の雪

すくって口にいれてみよ

空から落ちる雪の子を

見上げて転びそうになる

ふかふか白い雪の道

足あとつけよ 一ばんに

ああ今出てきたおひさまが

凍った雪をとかすから

光の粒がはしゃぎ出す

つららがぽたぽた歌い出す


















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