霜柱が溶ける
黒土がほぐれる
自分が生きていたこと
忘れていた生きものが
長い眠りの玉の中で
まぶたが開く
石のような玉が
柔らかくなる
まるで
水中の生きものの
卵のように
眠りの膜を破る
そこにあるのは
べつの生きもの
春だから
点滅する光のように
春だから
たくさんの生き死にが
満ちて溢れる
黒土がほぐれる
自分が生きていたこと
忘れていた生きものが
長い眠りの玉の中で
まぶたが開く
石のような玉が
柔らかくなる
まるで
水中の生きものの
卵のように
眠りの膜を破る
そこにあるのは
べつの生きもの
春だから
点滅する光のように
春だから
たくさんの生き死にが
満ちて溢れる