8月と10月に、新しくピアノを始める小さな生徒さんが入会されました。小さなお子さんはとても久し振りです。
「不思議な音の国」に教本を変えた5年前には、変えられる生徒さんは途中からでも変えましたので、一音一音レッスンをするのにヘトヘトになっておりました。
今は逆に、小さなお子さんのレッスンをする機会が減り、少々さみしく思っておりましたので、新しい生徒さんたちのレッスンが来る日を毎回楽しみにしています。
ピアノは腕を使って弾く楽器で、指だけでチマチマとそろばんをはじくように弾く楽器ではありません。
指だけで弾くと、音は鳴りませんし、指は動きませんし、綺麗な音も出ません。そのような状態ではすぐにピアノが嫌になってしまいます。
ピアノを初めて弾く時から、ピアノの正しい弾き方を身に付けてもらう。
それは難しい話ではありません。
ピアノ導入教本「不思議な音の国」を作ったイリーナ先生は、それを子供がわかりやすいように工夫されています。
子どもがわかりやすい言葉だったり、楽しいグッズだったり。
腕をリラックスさせることを「しだれやなぎ」に例えたり、大きな腕の動きを「虹」に例えたり、近くの鍵盤に移動する時には「蝶々」に例えたり。
腕をリラックスさせる感覚をつかむための体操もあります。
「しだれやなぎ」「風車」「鷲」「マリオネット」
深く打鍵する感覚を掴むのは「スライム」、指先の支えは「消しゴム付き鉛筆」「指ぬき」
レガートで重さを横移動させるのは「お猿」のぬいぐるみ。
手首には「蝶々」のグッズもあります。
目的は腕をリラックスさせ、腕の重さを使い、美しく歌う音でピアノを弾き音楽を表現すること。
子供に使える言葉が多く、以前は色々と私も言葉を使わせてもらっていましたが、今はよく使う言葉は導入段階では少なくしています。
その方が小さなお子さんはわかるので。
そこで使っているのが、
「しだれやなぎ」と「ペンギンのあたま」
一音弾く前と後には「しだれやなぎ」、弾く時には指先は「ペンギンのあたま」
「しだれやなぎ」は”息吸って~、吐いて~”をやっておくと通じます。メロディー姫がピアノが上手く弾けなかった時に、しだれやなぎに教えてもらったピアノを弾く前の体操として。これで腕をリラックスさせ重くし、肩から下ろせるようにします。
「ペンギンのあたま」はこちらの消しゴムです。
消しゴム付き鉛筆より使いやすく、生徒さんの印象にしっかりと残るので、指先伸び放題、ひっくり返り放題を直していけます。
週1回、もしくは2週に1回しか会わないこともあるので、あまり多くの言葉を使わない方が何のことか子どもたちは理解できると思います。
もう少ししたら、「スライム」も参戦
ご自身でピアノを弾くことは大丈夫でも、子どもにそれをどう教えたら良いか悩んでいる先生に、イリーナ先生の動画や教本は必ず参考になると思います。
そして、学ぶだけで終わらせず、生徒さんに実際にレッスンなさってみて下さい。